2018年12月7日(金)
12月18日まで開催中のiOS/Android/PC用パズルRPG『ぷよぷよ!!クエスト(以下、ぷよクエ)』とニンテンドー3DS『ペルソナQ2 ニュー シネマ ラビリンス』のコラボイベントについての開発者インタビューを掲載します。
11月24日に放送された発売直前生特番“PQ2 映画祭”で告知されたように、『ぷよクエ』で『ペルソナQ2』コラボが開催。『ペルソナQ2』の人気キャラクターが登場する他、コラボイベントやキャンペーンなどが開催されます。
今回、『ぷよぷよ』シリーズ総合プロデューサー・細山田水紀さんと『ペルソナQ2』のプロデューサー・金田大輔さんに、コラボについてインタビューを行いました。コラボに至った経緯から、キャラクターや物語、ポイントなどにも迫っているので、ぜひご覧ください。
▲金田プロデューサー(写真左)と、細山田プロデューサー(写真右)。 |
なお、記事中は敬称略。
――まずはお2人の自己紹介からお願いします。
細山田:セガゲームスで『ぷよぷよ』シリーズを担当している、細山田です。直近では『ぷよクエ』や『ぷよぷよeスポーツ』、『ぷよぷよテトリス』などを手掛けています。『ぷよクエ』と今回の『ペルソナQ2』コラボに関しては、監修として参加しています。
金田:私はアトラスで『ペルソナQ2』のプロデューサーをしています。『ペルソナQ2』は11月29日に発売になりました。社屋が現在の場所に移転するタイミングがマスターアップということで、現場は大変だったのですがスタッフが頑張ってくれ、なんとか無事に終わりました。
――今回のコラボのきっかけについてお聞かせください。
細山田:セガゲームスから依頼させていただきました。『ぷよクエ』でコラボしてほしい作品のアンケートをとると、『ペルソナ』シリーズは必ず上位に来ていたんですよ。開発チーム内にも『ペルソナ』のファンがたくさんいて、彼らの後押しもあってお話を持っていったのですが、アトラスさんが『ペルソナ5』の各種展開検討の真っ最中だったこともあり、そのタイミングでは難しいとお断りされてしまったんです。
――その時は『ペルソナ5』とのコラボを考えていらっしゃったのでしょうか?
細山田:『ペルソナ』シリーズ全般ですね。最初は『P4』や『P5』とのコラボのつもりでした。
金田:最初のお話があったのは2年くらい前でしょうか。だいぶお待たせしてしまいました。
細山田:『P5』の開発が大変だったことは把握しておりましたから……。そのあと、いいタイミングを待っていたら、「『ペルソナQ2』が動き始めるらしい」という話を社内で耳にしたんですよ。僕は前作『ペルソナQ シャドウ オブ ザ ラビリンス』をプレイしていて、ゲーム内容を理解していましたので「その機会にぜひ!」とお願いしました。
金田:前作をプレイしていただけていたのですね。ありがとうございます!
――コラボの話を聞いた時、金田さんの第一印象はいかがでしたか?
金田:『ぷよぷよ』は弊社スタッフも全員知っているくらいのメジャータイトルですから、それはもう光栄な気持ちでした。最初にお話をいただいた際にもやらせていただきたかったのですが、ちょっと協力が難しい時期でして……。
また、『ぷよぷよ』はカワイらしいキャラクターが活やくするお話ですから、『ペルソナ』ナンバリングシリーズに代表される頭身の高いキャラクターを持っていくのもいいのですが、『ペルソナQ』シリーズのほうが相性がいいのではないかというところもあったんです。
ただ、当時は前作『ペルソナQ』が発売されてからずいぶん経過していましたし、『ペルソナQ2』については内容がほとんど決まっていないころでした。双方にとってコラボの効果が高い時期と内容を検討し、ようやく実現することができました。
▲11月29日に発売された3DS用ソフト『ペルソナQ2 ニュー シネマ ラビリンス(PQ2)』。『ペルソナ3』、『ペルソナ4』、『ペルソナ5』のキャラクターが一堂に会する3DダンジョンRPGです。 |
――今回のコラボは、登場するキャラクター数がものすごいことになっていますよね。
細山田:『ペルソナQ2』開発チームに全面的にご協力いただきました!
金田:具体的にコラボの打ち合わせをさせていただいた時は、キャラクターの数をある程度絞る形でご提案いただいたのですが、『PQ2』は“P3、P4、P5のキャラクターが勢揃いする”ことが最大の特徴だというこだわりが自分の中にありまして……。
また、『PQ2』のイラストは「『ぷよクエ』の世界にそのまま使っていただいても違和感が少ないのでは」と感じたこともあって、「どうせやるなら全キャラクターを登場させていただけませんか」とお願いしたんです。
細山田:僕はその打ち合わせに同席できなかったので、ディレクターに「5人くらい登場させられるようにお願いしてきてね」と事前に話しておいたんですよ。それで、彼女が帰ってきてから首尾を聞いたところ、「全キャラクター出していいそうですよ!」と言ってきました。すっごい得意げな表情で(笑)。
――すべてのキャラクターを出させてもらえると聞いた時、どんな印象を抱きましたか?
細山田:待ってよかったなと思いました(笑)。これは急いでコラボをしていたら、できなかったこと。さらには、コラボの内容を発表した時、ファンの皆さんからどんな反応をいただけるか、楽しみでもありました。
金田:数ある『ぷよクエ』コラボの中でも光るものになっていてくだされば、僕のなかでもうれしいですし、『ぷよクエ』プレイヤーの皆さんが『PQ2』を知るきっかけになってくれるのも喜ばしいことですから、全力で協力させていただきました。
『PQ2』制作時にもあったのですが、キャラクターの多さが足枷になることも多いんですよ。削ろうかと悩んだこともありましたが、どのキャラクターにも、そのキャラクターを大切に想ってくださっているファンの方がいらっしゃいますから、同じことが今回のコラボにも言えたと思います。
『ぷよクエ』の開発がどれだけの受け幅を持っているかわからない状態で提案してしまったことを心配していたのですが、すごくいい仕上がりになっていると感じています。
▲主人公(声優:石田彰) | ▲アイギス(声優:坂本真綾) |
▲桐条美鶴(声優:田中理恵) | ▲岳羽ゆかり(声優:豊口めぐみ) |
▲伊織順平(声優:鳥海浩輔) | ▲山岸風花(声優:能登麻美子) |
▲真田明彦(声優:緑川光) | ▲天田乾(声優:緒方恵美) |
▲コロマル(声優:??) | ▲荒垣真次郎(声優:中井和哉) |
▲女性主人公(声優:井上麻里奈) |
▲主人公(声優:浪川大輔) | ▲里中千枝(声優:堀江由衣) |
▲天城雪子(声優:小清水亜美) | ▲花村陽介(声優:森久保祥太郎) |
▲巽完二(声優:関智一) | ▲久慈川りせ(声優:釘宮理恵) |
▲クマ(声優:山口勝平) | ▲白鐘直斗(声優:朴ろ美 ※ろの字は、王へんに路) |
▲主人公(声優:福山潤) |
▲坂本竜司(声優:宮野真守) | ▲高巻杏(声優:水樹奈々) |
▲モルガナ(声優:大谷育江) | ▲喜多川祐介(声優:杉田智和) |
▲新島真(声優:佐藤利奈) | ▲佐倉双葉(声優:悠木碧) |
▲奥村春(声優:戸松遥) | ▲明智吾郎(声優:保志総一朗) |
――『ぷよぷよ』のオリジナルキャラクターの5人が衣装をまとっていますが、デザインコンセプトなどをお聞かせください。
細山田:「すけとうだらは入るよね」という話から始まり、デザイナーと企画のスタッフが相談して、マッチしそうな組み合わせをピックアップしていった流れです。
金田:こちらからいくつか条件を設定させていただきました。特定のキャラクターに寄せてしまうと贔屓のように見えてしまいますので、各シリーズの制服の姿でお願いしました。ただし、すけとうだらだけは別格なんですけど(笑)。
▲シグ ver.P3 | ▲レベッカ ver.P3 |
▲アミティ ver.P4 | ▲ネロ ver.P5 |
▲すけとうだら ver.クマ |
――開発陣で人気のコラボキャラは?
細山田:どのキャラクターも『ペルソナQ2』にそのまま出てきてもおかしくないほど、しっくり来ていると思っています。アミティとか普通に転校生としてペルソナシリーズに出てきそうですし、すけとうだらもどこかしっくりきました(笑)。
――上がってきたイラストを見て、金田さんの第一印象はいかがでした?
金田:違和感がまるでなかったですね。ひっかかるところがなく、すぐデザインチェックを戻した記憶があります。いろいろ噛み合わせがよくいっているという印象があります。
キャラクターの頭身もそうですけど、『ぷよクエ』キャラクターに制服がうまくはまっていて、実際に絵を見ても自然ですよね。すけとうだらもクマの服が似合っていますし(笑)。
――物語中にすけとうだらとクマはからんだりするのですか?
細山田:うーん……ナイショです(笑)。
――もしよろしければ、どんな形でペルソナ使いがストーリーに登場するのかをお聞かせください。
細山田:アミティの教室に転校生として“28人のペルソナ使い”がやってきます。あふれる出オチ感!
(一同笑)
金田:ただジュブナイルとして考えれば、おかしなことは何もないですよ。
――ペルソナ使いは、何がきっかけで『ぷよクエ』の世界にやってくるのですか?
金田:そこはふわっと察していただければ(笑)。補足しておきますと、今回のキャラクターは、それぞれのナンバリングタイトルの世界から来たのではなくて、あくまでも『PQ2』の世界から来た設定です。
細山田:実は、監修では金田さんたちにご協力いただいて、大変なところはすべてお願いしています(笑)。
金田:『ペルソナ』シリーズのキャラクターは非常に多くの設定を背負っていますので、そのままだと物語が成立しにくい部分もあります。『PQ2』でも全員を集めるために、さまざまな設定を考察した経緯がありますので、そうした意味でも今回のコラボは、『PQ2』の世界から来たことを前提にまとめていただいたほうがいいだろうとなりました。
ただ……詳しくは語れませんが、テーマのなかに『ペルソナ』らしい“絆”を含んでいただいています。これはとてもありがたかったです。
細山田:物語を『ペルソナ』好きな人間が書いていますので、そこは自然な流れでした。
――監修の話がありましたが、他に監修の際に注意した点はございますか?
金田:キャラクターの口調やスキルを使う際の描写でしょうか。『ペルソナ』シリーズでは “人間が直接魔法を撃つ”はNGなんです。人間はペルソナを召喚して、ペルソナが魔法を撃ちます。
それが統一されるように、キャラクターの絵だけではなくて、ペルソナの絵もカットインさせてもらえるようにお願いをしました。キャラクターを28人押し付けたあげく、さらにということで申し訳なかったのですけど……。
細山田:いえいえ。監修していただいた以上は、それに全力に応えないという気持ちで取り組みました。
金田:スタッフの方が情熱を注いでいただいているのがこちらにも伝わってきました。ありがとうございました。
――気になる、キャラクターの提供方法はどうなるのでしょうか?
細山田:たくさんキャラクターがいますけれど、皆さんにたくさんのキャラクターを手に入れてもらえるチャンスを作ります。「全部魔導石ガチャです!」ということはないです。
――具体的には?
細山田:先日第1回が行われたいわゆるレイドボスにあたる、“プワープチャレンジ”に『ペルソナ』コラボの要素が一部入ってくるイメージです。この前“プワープチャレンジ”が終わったので見直しをしつつ、コラボを仕込んでいる状態です。
コラボキャラの数としては、過去最大に多いことは確か。さらに言うと『ぷよクエ』のキャラクターを含めても、ここまで一斉にキャラクターが出たことはないと思います。
金田:サポートキャラクターであれば、持っていないキャラを使うことができるんですよね?
細山田:できますね。ちなみにコラボキャラは、敵になったりもしますね。
金田:コラボのクエストを遊べば自然と2~3キャラ手に入る感じになるんでしょうか? そうしたバランスはお任せしているんですが、僕らにとっては少しでも『ペルソナ』シリーズを知るきっかけになってもらえるとうれしいです。
細山田:コラボキャラは多いため、やや破格の対応になっています。もちろん、全部のキャラを揃えると大変かもしれないですけど、比較的手に入るようにはなっているはずです。まだ『ぷよクエ』をプレイしたことがない人はぜひ今から始めていただき、コラボに備えてください。
――コラボイベントの期間中はUIやBGMが特別のものに変更されますが、今回も同様でしょうか。
細山田:そうですね。BGMもお願いして使わせていただきました。実は『ぷよぷよ』シリーズでもボーカル楽曲をやりたいという話はあがっているのですが、定番の楽曲やインストゥルメンタルの楽曲のよさということもありますし、こういうコラボの機会で使わせていただけるというのは本当にありがたいですし、テンションが上がります。
今回はいい経験になりました。実はBGM以外でも『ペルソナ』シリーズには憧れがあって、『ぷよぷよ』でもアニメやダンスゲームを作りたいと話すことがあるのです。
金田:今回のコラボが盛り上がって、次につなげられたらいいですよね。
細山田:今回、ボイスについても全キャラ実装されています。『ペルソナ』を知っている方ならそこを楽しんでいただけると思いますし、『ぷよクエ』ユーザーで『ペルソナ』を知らない方にはキャラの特徴をつかんでいただきやすいと思います。
――コラボを機にそれぞれのシリーズに初めて触れることになるユーザーもいると思われますが、その方たちへのアプローチについては何かお考えですか?
細山田:先ほど『ぷよクエ』アンケートの話をしましたが、コラボしてほしい作品の上位に挙げられているあたり、『ぷよぷよ』と『ペルソナ』は比較的近しい関係にあると思うんです。親和性が高いということは、お互いにスムーズに入っていけるのではないかという気がしています。
『ペルソナ』シリーズを遊んでいて、『ぷよぷよ』に触れたことのない方にとっては、パズルゲームはハードルが高いと思われるかもしれませんが、そういう方に向けて『ぷよぷよeスポーツ』や『ぷよぷよテトリス』を用意しています。もちろんこのコラボから『ぷよクエ』や『ぷよぷよ』シリーズを遊んでいただける内容になっているのでよろしくお願いいたします。
金田:自分も『ぷよクエ』を遊ばせていただいていますが、チュートリアルが親切で、すぐにルールや遊び方がわかります。『ペルソナQ2』もチュートリアルを頑張って入れましたし、前作をプレイしていなくても楽しめる物語になっています。今回のコラボで『ペルソナ』のキャラクターに興味を抱いていただけたなら、『ペルソナQ2』をシリーズの1本目として遊んでいただければと思います。
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