2019年1月30日(水)
さまざまなゲームを遊び、愛するゲーマー女優である綾那さんのゲームコラム“綾那のゲームに夢中”の連載第16回をお届けします。
皆様、あけましておめでとうございます! もう“明けすぎた感”が否めませんが、おめでとうございます! 今年もゲームまみれでいきたいと思いますので、ヨロシクお願いします。
さて、今回書かせていただくのは、1999年に発売され、今プレイしてもまったく色あせてないゲームです。その世界観は絵本のようで、どこかノスタルジックな気持ちになる……。
音楽を聴けば、今でもゲームシーンが脳内によみがえり「ああ、またやりたい!」となる魅力たっぷりの作品。
遊んだことがある人なら、そのタイトル名を言うだけで開口一番「あぁ~、いいよねー!!」と食いつき、なおかつ自分の好きな曲やストーリーを語りだしてしまうタイトル! その名は……
『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』
この“ゲー夢中”コラムが始まった時から、絶対に書かせていただこうと思っていたタイトルになるのですか、いざ書いてみるとですね……当時の思い出と、時をこえてプレイしてみた感想がやや違うんですよね。
昔の思い出で一番鮮明なのが“宝石泥棒編”なのですが、改めてやってみると私の胸には“エスカデ編”が刺さりました。話のテーマの重みに気付いたのは、この歳になったからでしょうね。
▲主人公の性別を選べます。 |
以下で、それぞれの物語をネタバレありで語っていきます。
『聖剣伝説LoM』はさまざまなフリーシナリオと、3つの大きなストーリーから構成されています。その3つが“宝石泥棒編”、“エスカデ編”、“ドラゴンキラー編”です。
“宝石泥棒編”は、珠魅と呼ばれる種族がメインとなります。宝石をモチーフとされた珠魅という種族は、胸に核とよばれる物を持っており、その核が傷つかない限り生き続けることができる特殊な種族です。
そんな珠魅の青年・瑠璃と、真珠姫を主軸としたお話がこの宝石泥棒編。珠魅の心臓ともいえる核を狙う宝石泥棒サンドラの真の狙いはなんなのか……ほぼ不死身のような珠魅が滅びの道を辿ろうとしているのはなぜなのか……“どちらも正義で、どちらも悪”と見れる物語は、終わった後もいろいろと考えさせられます。
先ほど書いたように、心臓とも呼べる核が傷つけば珠魅は倒れてしまいます。ただ、その傷ついた核をもとに戻す、いわばチート級のアイテムが存在するのです。
それが“涙石”と呼ばれるもの。この涙石は“珠魅の涙”なのですが、“珠魅の涙”は我々が流すような涙とは異なるものなのです。“珠魅の涙”は、流した者の生命を削ったもの。つまり、命を分け与えて、傷ついた者を癒すわけです。
この涙を流す者が、今の珠魅の中でたった1人しかいなかったら……皆のために1人が犠牲になってもよしとするのか、逆に皆を滅ぼしてでもその1人を救おうとするのか……自分で考えてみても、未だに答えが出ません。
基本的に私は、誰かの犠牲をもって歴史は紡がれていくと思っているので、皆を滅ぼしてでも1人を救おうとはならないかもしれません。ただそれが、家族だったり大切な人だったりしたら後者にもなりえる。わがままな理論ですが、当事者として考えるとってなるとまた変わりだすので、答えが出ないんですよね。
当時やっていたころは深く考えることもなく「滅びし煌めきの都市めちゃくちゃ綺麗だ……音楽もすごい好きだし、“宝石泥棒編”神すぎる」とはしゃいでおりました。今思うと、ちゃんとストーリーを理解していたのかも危ういですね(苦笑)。
ただ、未だに“滅びし煌めきの都市”のBGMは聴くだけで涙が出てきそうになるくらいに好きです。住んでいないけどノスタルジック! そしてこの話でのみ主人公が喋るシーンがあるのですが、必見です……。
エスカデ編は、4人の幼なじみによる物語が展開。実際にはまだ若いのに、老女の外見になってしまったマチルダ、悪魔と人間との混血児のアーウィン、マチルダに好意を持ってるエスカデ、そしてマチルダの老いを止めるために奔走しているダナエが中心となります。
両想いだったマチルダとアーウィンでしたが、悪魔と人間との混血児のアーウィンがマチルダの力を奪い取ってしまったため、マチルダは若くして老婆へと変わってしまうのです。マチルダに恋心を寄せていたエスカデは、アーウィンを倒せば奪われた力がマチルダに戻り、彼女を助けられると思い、アーウィンを追うことに。もう1人のダナエはマチルダの老いを止めるために奔走していきます。
マチルダを愛す2人の男、それぞれの価値観がぶつかるこの“エスカデ編”ですが、選択肢次第ではもう二度とキャラが出てこない可能性があるのです。それによって話の終わり方が変わってきます。
ですが、私は何度やっても同じ方を選んでしまうんですよね……。というのも、アーウィンは力が欲しかったから、マチルダの力を奪ったわけではないのです。そこには、アーウィンなりのマチルダへの想いがある。それは、理解できない人には理解できないし、本人たちが納得しているのならばそれでいいと私は思ってしまうんですねぇ……。まあ、彼の考え方が究極すぎて、愛が重いのは事実なんですけどね(苦笑)。
“エスカデ編”も“宝石泥棒編”も、出した答えが究極論でややぶっ飛んでいると思います。でもその究極論だからこそファンタジー要素が倍増し、話に重みが出ていると思います。私はこの“エスカデ編”が、大人になってから一番好きな話になっています。
最後に紹介するのが“ドラゴンキラー編”です。ここでは主人公が奈落へと落とされ、そこで竜帝ティアマットと、ティアマットのドラグーンであるラルクに出会います。彼は昔、地上に君臨していた竜帝でしたが、その力を妬んだ三匹の竜に魔力を奪われてしまい、今では人の姿となって奈落でさまよっているのです。竜帝は自分に代わって三匹の竜を倒せと、主人公に竜倒しを依頼してきます。
それを引き受けた主人公はラルクとともに、ティアマットの力を解放しに向かうのですが、そこで美しき女性ドラグーンのシエラと出会うことに。
シエラはラルクに対して「まだ分からないのか! お前はダマされているんだぞ!」と言ってくるのですが、ラルクはだんまり。だまされているとはどういうことなのか、ティアマットの力をすべて取り戻した時、どうなるのか……。
竜帝ティアマットは、にじみ出る邪悪オーラを隠しきれなくて、会った時から怪しい感じがムンムンなんですよね。ただ主人公は、奈落へと落ちてしまった“半霊体”という状態。ティアマットに戻してもらうために協力していて、拒否できないのです。
この話でも、やはり“愛”がテーマ。“ドラゴンキラー編”は先ほどの2つと比べて短めですが、心に残ると思います。そして何よりこの“ドラゴンキラー編”は音楽がとにかくカッコいいのです! BGMで『焔城』、『真紅なる竜帝』という曲があるのですが、終盤への盛り上がりに拍車をかけてくれてます。
メインのストーリー以外にも。シリーズ的なストーリーもあります! すべては書けないのですが、3つのストーリー以外だとギルバート編がお気に入りです。
▲夢を語り合って価値観の違いに気付くギルバートとリュミヌー。 |
愛を歌う詩人のギルバート。愛を求めて旅しながらハプニングに見舞われてしまうのですが、この話で出てくるリュミヌー、エレ、フラメシュの3人がカワイイんですよ! セイレーンとマーメイドなのですが、キャラクターデザインがとても好みです。
あとはアナグマ語も外せません! 攻略本を持っていない人はメモったんではないでしょうか、アナグマ語! ぐ~ま~、ぐまぐまま、ま? ぐげ……。
システムについて書いていませんでした。本作は、アーティファクトと呼ばれるアイテムをマップに配置することで、街やダンジョンを出して進んでいきます。まず一番最初に、地図の中から自分が冒険していくエリアを選ぶ必要があります。
実はこのエリア選びが重要! 陸地が多い所を選ぶと吉です。続いて、アーティファクトを配置する場所もかなり重要。というのも、マイホームを最初に配置するのですが、ここを基点としてマナレベルが変わっていくのです。
このマナレベルによって出現するイベントなどが異なりますし、マイホームから離れた場所にダンジョン系のアーティファクトを置くと出てくる敵が強くなったりします。
戦闘以外にも、ダンジョンなどでペットを捕まえてきてそれを飼うことができたり、果樹園で交配させて果物を作ったり、工房でゴーレムや武器を制作したりと、クラフト的なシステムも充実しています。ここはやりこみ要素ですね!
ゴーレムを制作するにあたり、ロジック構築が必要になってくるのですが、これが特徴的でおもしろい! ここに敵が来たらこの技を出すといった設定を自分で決められるのです。いろいろな形のロジックがあり、組み合わせて隙間なく埋めていく作業が実に楽しい時間でした。
今回のコラムのために、改めてプレイしました。当時購入した攻略本を片手に「そうなんだよ、この配置が大事なんだよ……」と独り言を言いながらひたすらにやりました。でも、半日じゃ時間が全然足りなかったです(泣)。
撮影も兼ねて“宝石泥棒編”を急ピッチで進めたために、ボスが強くて泣きそうになりました。2発食らったら倒れてしまううえに、選択肢を間違えてペアを真珠姫にしてしまった時は絶望しました……何も……何もしてくれない!
▲激闘でした。せめて瑠璃くんを選んでいたら! |
2時間ほど粘ったのですが、2連続のボス戦でどうしても勝てずに帰宅してからふて寝しました。ちゃんと装備を整えてレベルを上げて、もう一度トライしたいですね!
ちなみに本作は、一部データを引き継いだ状態で2周目以降をプレイできます。2周目以降はワンパンでボス倒せていたため、苦労した覚えがまったくなかったので新鮮でした。
皆さんはじっくりゆっくりとプレイして、『聖剣伝説LoM』の世界観を味わってください! それでは今回はこの辺で……まっ!
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