2019年2月5日(火)

本編クリアまでチュートリアル!? 無限に遊べる『ドラゴンクエストビルダーズ2』をロングレビュー【電撃PS】

文:電撃PlayStation

 『ドラゴンクエスト(DQ)』の世界観を“ブロックメイク”というジャンルで表現したことで、『DQ』ファンからサンドボックス(プレイヤーが目的を決めて自由に遊ぶ)系のゲーム好きまで、多くの人々を虜にしたスクウェア・エニックスの『ドラゴンクエストビルダーズ』。その最新作『ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島』が、昨年の12月20日に発売されました。

『ドラゴンクエストビルダーズ2』

 そんな発売から約1カ月半が経過し、熟練ビルダーたちが公開している見事な建築の画像や動画などを見て、本作に興味を抱き始めた方も多いと思います。そこで今回はクリア&トロコン&ビルダーアイ入手(時間がかかる課題の報酬)まで終わらせながら、まだまだプレイをし続けている電撃PSの編集Oが、『DQB2』の楽しみ方を3つの視点で紹介しつつ、なぜそんなにハマっているのかを語りたいと思います。

【楽しみ方①】『ドラゴンクエスト』の世界観に浸る

 最初に語るべき楽しみ方は、『ドラゴンクエスト』という冠が付いているタイトルであること。『DQ』=お話を楽しむゲームという認識の方も多いと思いますが、そこは間違いなく“DQをプレイしてクリアした満足感”を得られると断言できるでしょう。一般的にサンドボックス系のゲームの場合、物語を自分の脳内で創作することも楽しみの1つですが、本作は“ブロックメイクRPG”というジャンル名が示すように、1本のしっかりとしたドラマが用意されています。だから軸となる遊びは普通のRPGと異なりますが、間違いなく物語は“『ドラゴンクエスト』最新作”なのです!

『ドラゴンクエストビルダーズ2』

リアルな想い出が多い『DQII』だからこそ期待度も高かった!

 さて、ここからは自分が物語や世界観でハマった部分を語っていきたいと思います。じつは自分が『DQB2』に一番期待を寄せていたのはブロックメイクではなく、物語の部分でした。その理由はズバり前作の『ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ』の物語が、“あれ、この話のほうがオリジナル?”と錯覚するくらい見事な“if”展開だったからです。なにせ発売から30年経って、まさか公式で竜王の“世界の半分をやろう”という問いに、勇者が“はい”と答えたあとの世界を描くなんて、当時は思いもしませんでしたから(笑)。だからこそ、『DQB2』の物語ではどんな驚きを与えてくれるんだろうと、タイトル発表時から期待していたわけなんですね。

 今回の物語は邪教の大神官ハーゴンと破壊神シドーが打ち倒され、しばしの平和が訪れていたが、世界には“ハーゴン教団”の脅威が再び迫っていた!! というプロローグなわけですが、最初に読んだときに“勇者が救ったはずの世界がなぜこんな状況に!?”と、楽しみの感情よりも疑問が頭を駆けめぐったわけです。その掴み方、ある意味ズルいですよね(笑)。

 で、実際にプレイをしてみると“原作の『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』があったからこそ、この物語が成り立ったんだ”と納得。もちろんネタばれなのでその詳細は伏せますが、『DQB1』とは違うアプローチながらも、『DQII』の醍醐味でもあった“仲間”という存在を力強く感じさせるシナリオは、かつて“悪霊の神々”から世界を救った自分としても大満足でした。

『ドラゴンクエストビルダーズ2』
▲ロト関連の要素が出るたびにニヤニヤ。ロト三部作(今は四かな?)好きとしてはたまりません!

 ちなみに、リアルタイムでファミコン版『DQII』を遊んだ世代としては、やはり3つ目の島・ムーンルブルク島(『DQII』に登場した、勇者ロトの子孫が興した国がある)以降の展開がいろいろと熱かったですね。地名からわかるように、ここからは『DQII』要素がてんこ盛りなんですが、“ドット絵だったあの世界を、ブロックメイクされた3Dで楽しめる! なんて贅沢なゲームなんだ!!”と、感無量でした。

『ドラゴンクエストビルダーズ2』
▲グッと来た再現エリアその①。星の紋章探しで苦労させられた大灯台は、向かう途中に配置された竜巻が、恐怖心をより煽る感じでよかった!
『ドラゴンクエストビルダーズ2』
▲その②はかなり地味ですが、ムーンブルク城の中庭ですね。地下に降りる階段と小部屋があり、本編でもしっかり活用されるのもイイね。
『ドラゴンクエストビルダーズ2』
▲その③はやはりローレシア城。至る場所が壊されていますが、記憶に残るドット絵で描かれた城とリンクさせながら、じっくり歩き回っちゃいました。

 とはいえ、ハーゴンやシドーの名前は派生作品やスマホゲームで知っているけど、オリジナルはプレイしたことがない、という方も多いはず。物語は“知っていることが前提”という作りではありませんし、オリジナルのエリアも多数登場しますのでご安心を。

『ドラゴンクエストビルダーズ2』
▲2つ目の島は砂漠と鉱山が広がるオッカムル島。ここは『DQ』シリーズの顔でもある、あらくれたちが多く暮らし、1つ目の島とはカラーの異なる物語が楽しめます!

【楽しみ方②】脳内設定でビルドしてそこに暮らす住人を眺める

 次に語るのは、サンドボックスゲームとしての楽しみ方です。ストーリーを進める場合は、その状況に合わせた建物やアイテムのビルドが求められますが、自分の拠点となるからっぽ島では、基本的に何を建てるも何を作るもプレイヤーの自由です。

 この手のゲームが好きな方は、やはり『Minecraft』との違いが気になると思いますが、フリービルドという遊びの感覚は近しいと言えると思います。ではどこが『DQB2』らしさなのかを語るとしたら、“『DQ』の世界観に出てくるアイテムや小物で建物などをビルドし、さらにその世界で住人たちが日常生活を送る”という点でしょう。

『ドラゴンクエストビルダーズ2』
▲住人たちの会話もにぎやか。作った街に“命”を感じられるのが本作の醍醐味でしょう!

 前作も自由にビルドするモードがありましたが、そこに呼べるNPCはあくまでいるだけで生活感はなく、あくまで完全脳内設定での楽しみ方でした。ですが本作の舞台となるからっぽ島の住人たちは、朝起きて食事をとり、排せつをして仕事をするなど、タイムスケジュールに沿って生活を送るのです。

 なので、ビルドするときにはそういった住人がいかに暮らしやすくなるのかという“生活導線”を考えながらビルドするというような、シミュレータ寄りの遊び方もできます。この感覚をほかのゲームで例えるならば、『The Sims』(エレクトロニック・アーツ)シリーズに近いかもしれませんね。

『ドラゴンクエストビルダーズ2』
▲食事したり仕事したりと、住人たちはそれぞれの職業に合わせた行動をとります。うまく建物を用意して、快適に暮らす住人たちを見ていると、いつの間にか時間が……(笑)。
『ドラゴンクエストビルダーズ2』
▲トイレの大行列はもはや『DQB2』の代名詞(笑)。ぷるぷる震える仕草とコメントがなんとも切ないので、なんとか解消してあげたくなります。

 もちろん、住人の生活をまったく気にしないで現実世界の建築を再現したり、脳内設定に従ってビルドしたりしてもかまいません。ストーリーと紐づいたからっぽ島でのビルドに制限を感じた場合は、何も制約のない“かいたく島”というものが、1月31日のバージョンアップで追加されたので、そちらで思う存分ビルドを楽しむのもありです。

『ドラゴンクエストビルダーズ2』
▲かいたく島はベースとなる島を選び、サイズも決められます。からっぽ島にない天候のエリアを選べば、『DQ』シリーズに出てきそうな“魔王が支配する島”、なんてコンセプトでのビルドもできます!

ストーリーを遊ぶより圧倒的にプレイ時間が長いフリービルド

 購入の第1目的である物語を年末に一気に堪能し、この原稿を書いている1月末までずっと時間を費やしているのが、からっぽ島でのフリービルド作業です。このからっぽ島は大きく分けてみどり、あか、あおの開拓地が用意されているのですが、ストーリー進行上である程度テーマを決めてビルドをまかされるんですね。

 このある程度導線が用意されたビルドに従うのもよし、従わずにまっさらにしてビルドするのもありなわけですが、今回自分が選んだ遊び方のコンセプトは“できるだけ素材を生かしたビルド”です。みどりの開拓地は農業中心、あかの開拓地はピラミッドを中心とした港湾都市、あおの開拓地はストーリーで建設した城を中心とした城下町、というように“自分がもしからっぽ島で暮らすならば”をイメージしながら、ただいま区画ごとに大幅改造中です。

 たとえばみどりの開拓地はストーリーで水源を作ったので、そこからほかの開拓地に自然と川がつながるようにしてみるなど、できるだけからっぽ島の個性を残しつつ、手を加えていっています。

 いわゆる土地の成り立ちを想像しつつ、自然な感じに地形が組み上がってくると、思わずニヤニヤしてしまうのは自分だけでしょうか?(笑)

『ドラゴンクエストビルダーズ2』
▲“みどりの開拓地”からあかの開拓地まで流れた川は、ピラミッドの横を通って海へ。そこには船(飛空艇)が泊まる港が広がっている……なんて、脳内ストーリーでビルドするのが楽しいのです!
『ドラゴンクエストビルダーズ2』
▲あかの開拓地の川と海の合流地点には護岸と灯台を整備。そこは巨大な船が横付けして、荷卸しをしているというコンセプトで未来風の船をビルド。
『ドラゴンクエストビルダーズ2』
▲『DQ』ファンならば、ゲーム中に出てきた城や町の再現にチャレンジしてみたくなるもの。自分はゲーム中に登場しなかったサマルトリア城(アレンジあり)を、あおの開拓地に建ててそこに拠点を遷都しました。ごめんね、アネッサたち(笑)。

【楽しみ方③】オンライン接続で自己満足を発信する

 そして最後はこういった自己満足だった作品を、オンラインで世界中に発信できる場が用意されている点です。ゲーム内の“けいじばん”にアクセスして、撮影したスクリーンショットや作成したからっぽ島を投稿可能になっています。動画配信を積極的に行っている方以外でも、ネットワークにつなぎさえすれば誰でも簡単に発信できる点はありがたいです。もちろん、SNSで定番の評価“いいね!”を付けることもできますよ。

 ちなみに、本作はPS4版とNintendo Switch版の掲示板データが共有のため、たとえ友だちと違う機種で遊んでいても、からっぽ島のアップデートを共有できるようになっています。想い出の共有に制限がない心配りもうれしいですよね。

たくさんの“いいね!”がもらえるビルダーになりたい!

 なんだかんだとこだわりながらも、まだまだ“魅せる”という部分では、技術的にもセンス的にも足りない自分です。というわけで、最近は“けいじばん”だけでなく、公式サイトの“ビルダーズギャラリー(ゲームを立ち上げなくても投稿画像を確認できる)”も暇を見つけては覗いています。で、自分に今足りないものは染色による色使いだと気づき、最近ようやく染料集めに精を出し始めました。これがまたなかなか思った以上に集まらないんですよね。でも、この目的に向かってコツコツ作業する感覚は楽しい。サンドボックスゲーム、万歳ー!(笑)

『ドラゴンクエストビルダーズ2』
▲ビルドの小休憩に“けいじばん”を覗いて、そこでまた創作心を刺激されてまたビルドへ。そんな循環プレイにハマる毎日です(笑)。

 というわけで、1月31日のアップデートでますますビルド欲が増した電撃PSスタッフが、『DQB2』の楽しみ方をお届けしました。どれか1つでも琴線に触れるワードがあれば、ぜひ終わりのない“創造と破壊”の世界へ旅立ちましょう!

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