2019年2月8日(金)
『メトロ エクソダス』の世界観を紐解く。核戦争後のロシアを描き続けるシリーズの魅力とは!?
『メトロ エクソダス』『メトロ リダックス』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。
スパイク・チュンソフトから2月15日にPS4/Xbox One『メトロ エクソダス』が発売。その世界観を紹介していきます。
『メトロ』シリーズは、核戦争後のロシアを描くドミトリー・グルホフスキー氏の小説の世界観をもとに制作された、ストーリードリブンのアクションアドベンチャーシリーズ。シリーズ最新作である本作では、従来作の舞台であったモスクワを離れ、主人公アルチョムは安住の地を求めてロシア全土を旅します。
『メトロ』シリーズは、2010年に1作目の『メトロ 2033』、2013年に続編の『メトロ ラストライト』が登場。その後、両作品を現世代ハードのグラフィックでリマスターした『メトロ リダックス』が発売となりました。
核戦争後の世界を描いた数あるポストアポカリプス作品のなかで、『メトロ』シリーズの特徴は地下シェルターとして機能するモスクワの地下鉄を舞台とした緻密な世界描写と、主人公アルチョムのモノローグとして語られる独特のストーリーテリングにあると私は考えます。すべてが破壊され、以前とは何もかもが変わってしまった世界で探索や戦闘を行うゲーム部分と、戦前の世界への郷愁であるとか、生きるための希望を淡々と語る幕間のモノローグは独特のコントラストがあり、本作ならではのプレイ感覚を生み出していると思うのです。
今回は、そんな独特の雰囲気を持つ『メトロ』シリーズの世界を、モスクワを舞台とした過去2作品をもとに解説していきます。
核戦争より20年後のモスクワを描く『メトロ 2033』
ゲーム内の設定では2013年に勃発した“最終戦争”。この戦いで全面的に使用された核兵器によってロシアの首都モスクワは完全に破壊され、外界からの連絡が途絶えてしまいます。その後、地上は20年以上を経てもガスマスクなしでは生きられない“死の世界”へと変化しました。
生き残った人々は、戦争勃発時に核シェルターの役割を兼ねる地下鉄(メトロ)へ避難できたわずか数万人。彼らはメトロの駅を住居がわりにして、自給自足の生活を送っていました。
▲画像は『メトロ 2033』より。ダークワンから故郷を守るため、メトロ最大の都市“ポリス”を目指すアルチョムの旅路が描かれた。 |
しかし、戦争が終わっても生き残った人々への脅威が去ったわけではありませんでした。死の世界と化した地上は、核による放射線や環境変化によって変異したどう猛な生物“ミュータント”に支配されました。地下に住む人々はミュータントの絶え間ない襲撃に対し、武器を手に自衛をする日々が続きます。
そんななか、主人公アルチョムの住むエキジビション駅は新種のミュータント“ダークワン”の侵攻に見舞われます。ダークワンは、単純にどう猛な生物だったこれまでのミュータントとは異なり、人の精神を操るという対処不能の攻撃を持つ種族。助けを求めるため、アルチョムはメトロ最大の都市ポリスへと単身旅立ちます。
▲画像は『メトロ 2033』より。アルチョムがこれまで知らなかった、故郷の外をプレイヤーとともに体験する形でゲームが進みます。 |
メトロを割拠する都市間の派閥が描かれる『メトロ ラストライト』
前作でダークワンのせん滅を果たしたアルチョムは、最大の都市ポリスでメトロの治安を守る組織“オーダー”一員として活動していました。しかし、かつてアルチョムと行動をともにした謎多き人物“カーン”から、アルチョムが倒したダークワンに生き残りがいること、そしてダークワンを保護することが人類が生き残るための唯一の希望であることを伝えられます。
▲画像は『メトロ ラストライト』より。アルチョムがかつて滅ぼしたダークワンの生き残り。アルチョムと彼の旅路でその後の運命が決まります。 |
また、ダークワンせん滅のためにポリスが確保した戦前の軍事施設“D6”をめぐるメトロ国家の動きも『メトロ ラストライト』の重要な要素。オーダーはダークワンせん滅の際にD6を確保して以来、独占的な管理を行っていますが、周辺のメトロ国家にはこれをよく思わない勢力がありました。代表的な勢力が共産主義国家“レッドライン”と、純潔な人間のみ生存権を持つと主張するファシスト“第四帝国”。特に、レッドラインはこれまで抗争中だった第四帝国との休戦を進める一方で、武力でのD6制圧を計画しています。
▲画像は『メトロ ラストライト』より。メトロでの生活が前作よりもさらに緻密に描写されている点も魅力的です。 |
核戦争で崩壊したロシアを描く『メトロ』シリーズ。本作『メトロ エクソダス』は、これまでの舞台であったモスクワを脱出してロシアの各地が舞台となるため、過去作に詳しくなくてもゲームを楽しむことが可能です。これまで未知の世界であったロシア各地の描写はシリーズファンはもちろん、ポストアポカリプス世界に興味のある人ならかなりハマれる魅力に満ちあふれています。
しかし、過去2作にわたって描かれたモスクワは、白く明るくも死の世界である地上と、人々の生気に満ちていながら暗い闇に包まれたメトロの対比がすばらしい世界観となっています。最新作が発売されるこの機会に、2作品がセットになった『メトロ リダックス』を体験してみていかがでしょうか。
次回の記事では、本作に登場する武器やバトル部分を紹介していきます。
(C) 2019 and published by Koch Media GmbH, Austria. Deep Silver is a division of Koch Media.Deep Silver and their respective logos are trademarks of Koch Media GmbH. Developed by 4A Games. 4A Games Limited and their respective logo are trademarks of 4A Games Limited.Inspired by the internationally best-selling novel METRO 2035 by Dmitry Glukhovsky. All other trademarks, logos and copyrights are property of their respective owners. All rights reserved. Licensed to and published in Japan by Spike Chunsoft Co., Ltd.
データ