2019年2月16日(土)

JRPGの雰囲気漂う『Grand Guilds』はターン制戦術バトルとカードゲームが融合したSRPG

文:キャナ☆メン

 フィリピンのデベロッパー・Drix Studiosが開発中であるNintendo Switch/PC用ソフト『Grand Guilds』を紹介します。

『Grand Guilds』

 『Grand Guilds』は、ターン制戦術バトルとカードゲームが融合したゲームシステムを軸に、JRPGのエッセンスが加わったストーリー主導型のシミュレーションRPGです。

 物語は、魔法と飛行船のような文明が同時に存在する世界観のもと、強力な覇権国家であるTriton帝国の支配下にあるIrin大陸を舞台に、国家とは独立した組織であるギルドの1つ“Lux Deus”に属する主人公Elizaの物語が描かれます。

『Grand Guilds』
▲Elizaは、女公爵Herthaに仕える親衛隊の隊長でしたが、2年前に主人を暗殺された過去を持っています。

ターン制戦術バトルとカードゲームの融合

 本作では、キャラクターの所持スキルがすべてカード化されているのが特徴です。

 スキル使用時はアクションポイントを消費するため、戦闘の序盤は低コストのスキルを回し、後半で激しい殴り合いになるバトルが展開します。

『Grand Guilds』

 次のターンを考えながらユニットを動かしつつも、ランダムでカードを引く運の要素が戦術に絡んで、想定以上に有利な展開が生まれたり、耐える展開が続いたりと、命中率に運要素があるバトルとは、また違った戦闘体験が味わえるゲームです。

 戦闘に持ち込むスキルカードは事前にデッキを組むことができ、このデッキ編成とレベルアップで得られるステータスポイントの割り振りが、主なカスタマイズ要素になっています。

『Grand Guilds』

 味方ユニットとして登場するキャラクターは9名の予定で、使えるスキルはそれぞれに異なる特徴を持っています。

 なお、後述するスクウェア・エニックス・コレクティブでの投票やKickstarterのタイミングに合わせて配信されたデモ版を、現在もゲーム配信サイト“Game Jolt”からダウンロードできます。

『Grand Guilds』

 グラフィックやバランスをはじめ、製品版とは大きく異なる内容ですが、ゲームシステムの基礎部分である“ターン制戦術バトルとカードゲームの融合”を少しだけ体験することが可能です。

『Grand Guilds』のこれまでやこれから

 本作は、欧州スクウェア・エニックスのインディーゲーム支援プロジェクトである“スクウェア・エニックス・コレクティブ”のユーザー投票で91%の支持を得た後、2018年9月にKickstarterが行われました。

 その際は残念ながらゴールを達成できなかったものの、ゲームの開発はそのまま続行され、同年12月に、Nintendo Switch版がフィリピンのパブリッシャー・Keybol Gamesから発売されることが海外向けに発表されます。なお、PC版については開発元のセルフパブリッシングとなる予定です。

『Grand Guilds』

 また、最新のブログポストによると、コミュティから再度Kickstarterに挑戦すべきという声が上がっており、彼らはその点について慎重に検討中であるようです。なお、日本語対応については現在までアナウンスされていません。

 ソフトの発売時期は、Switch版についてはパブリッシャーのKeybol Gamesが2019年と告知している一方、開発元は「発売日はまだ決まっていない」と述べています。PC版は、Steamページや公式サイトには2019年8月や2019年第2四半期と記載されていますが、開発元からの直接的な告知は行われていません。

 上記の発売時期を目安に考えた場合、つい先日に発売日が7月26日と発表されたNintendo Switch用SRPG『ファイアーエムブレム 風花雪月』と時期が近いのが気になるところ。海外ユーザーの意見でも、同様の懸念を挙げる声が見受けられます。

 夏以降に発売されるSRPGにとって同作が強力なライバルとなるのは想像に難くなく、影響を受けた作品の1つとして『ファイアーエムブレム』を挙げている本作は、開発元とパブリッシャーにとって発売日の決定が難しいタイトルとなりそうです。

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