2019年2月23日(土)
【おすすめDLゲーム】ゲーム愛が詰まった『Travis Strikes Again』! 須田剛一さん過去作とクロスオーバー
ダウンロード用ゲームから佳作・良作を紹介する“おすすめDLゲーム”連載。今回はNintendo Switchにて配信中の『Travis Strikes Again:No More Heroes(トラヴィス ストライクス アゲイン:ノーモア★ヒーローズ)』をお届けします。
オタクの殺し屋・トラヴィスが約10年ぶりに帰ってきた!
本作は世界中にファンがいるゲームデザイナー・須田剛一さんの手掛ける『ノーモア★ヒーローズ』シリーズの最新作。須田さんの手掛ける作品はどれも独特なセンスで人気を博していますが、『ノーモア★ヒーローズ』も同様。殺し屋同士の戦いを描く緊張感あるストーリーや個性的な主人公&ボスキャラクターのやり取り、オシャレなUI、ナンセンスなギャグといった魅力が絶妙なバランスで詰まったおり、多くのファンを生み出しました。
▲主人公はこれまでのシリーズと同じくトラヴィス・タッチダウン。 |
シリーズとしては2010年に発売された第2作『NO MORE HEROES 2 DESPERATE STRUGGLE』以来の新作となるため、ファン待望の作品となっています。
プレイしたところ、ダウンロード専売の低価格ソフトということで外伝的な要素は強いものの、須田さんならではのテキストや演出は満載で、外伝だからこそできたであろうおもしろい仕掛けもたくさん用意されていました。
▲プレイ時間はだいたい8~10時間ぐらいですが、濃密な体験が用意されています。 |
本作のストーリーですが、『2』から数年後が舞台になります。殺し屋稼業に疲れてアメリカ南部の片田舎でトレイラーハウスで生活をしていた主人公・トラヴィスのもとに、過去作に出てきた女性の殺し屋“バッドガール”の父・バッドマンが、復讐に訪れてきます。
▲バッドガールの父親・バッドマン。プレイヤーはトラヴィスかバッドマンのどちらかを操作してゲームを進めていきます。 |
もみ合うなかで、幻のゲーム機“デスドライブMk-II”のゲーム世界に入り込んでしまうトラヴィスとバッドマン。ゲーム内でプレイできるゲームソフトをクリアすることで入手できる“デスボール”を集めることで願いを叶えられることを知った2人は、バッドガールを生き返らせるために共闘することに……。
なかなかぶっ飛んだ内容ですが、プロローグは概ねこんな感じです。おもしろいのはステージ=ゲームごとに雰囲気が異なるところ。すべてのゲームにタイトル画面とオープニングムービーが用意されており、「次はどんな内容なんだろう」とワクワクさせてくれます。
▲ゲームが題材ということもあり、いつも以上にメタなセリフが多いです。 |
特にオープニングムービーは、初代プレイステーションの実写ムービーやポリゴンを再現したものなどもあり、見ていて楽しいです(笑)。
▲こだわりのオープニングをぜひ見てみてください! |
レースゲームも搭載! おどろきのギミックがたっぷり!!
基本のゲーム内容は見下ろし型の3Dアクション。弱攻撃と強攻撃、あらかじめセットしておいたスキルを使用して敵を倒していくことになります。
スキルはステージに隠れているものを見つけたりボスを倒すことで手に入れたりすることができますが、広範囲を攻撃するものから仲間を回復するものまでさまざまなものがあり、自由に付け替えることができます。
▲スキルにはクールタイムがあり、連続して使用することができないようになっています。 |
ソロプレイ時は4つのスキルを使うことができますが、2人プレイの場合は操作するトラヴィスとバッドマンそれぞれがセットしたスキルを使えるので合計8つのスキルを使うことができるのです。
ちなみに2人プレイの場合は、敵の体力も増加するので2人のコンビーネーションが大事になります。
シリーズ同様に武器は充電式。電池がなくなると弱くなってしまうのでコンロトーラを振って充電する必要があります。これまでのシリーズだとしっかり振らなければいけませんでしたが、今回は軽く振るだけで満タンになるようになりました。便利になったのはうれしいですが、少しだけ寂しい気も(苦笑)。
また、本作では挑戦するステージによってパズルモードがあったり、レースゲームが実際に遊べたりといろいろなサプライズがあるのでこちらも楽しんでほしいですね。
▲各ステージごとに雰囲気やゲーム性が異なるのが魅力的です。 |
注目はステージの最後に待ち受けるボス! 過去の『ノーモア★ヒーローズ』シリーズにはいろいろな濃いボスが登場しましたが、本作も負けてないぐらいインパクトのあるボスキャラクターばかりです。トラヴィスが攻略しているゲームの主人公がそのまま最後にボスとして待ち受けているため、存在に説得力があるんですよね。会話自体は短いですが、痺れるセリフの応酬が繰り広げられるのでこちらのテンションも上がります。
▲どのボスもインパクトがあって忘れられません。 |
拠点となるトレイラーでは各ゲームの攻略記事を読めたり、いろいろなインディーゲームとコラボしたTシャツに着替えられたりとこちらも遊び心たっぷりとなっています。
▲昔のゲーム雑誌を読んでいるようで楽しくなります。コラボTシャツの種類も多彩。 |
ステージの合間にはトラヴィスが“デスドライブMk-II”を手に入れるまでのストーリーを描くアドベンチャーゲームをプレイ可能。『シルバー事件』や『KILLER IS DEAD』など、過去の須田剛一さんの作品に出てきたキャラクターが登場するなどファンにうれしい展開が満載です。
▲ネタバレになるので書きませんが、須田さんの作品が好きな人はぜひプレイを! |
ザコ戦や中ボス戦がややシンプルだったり、基本となるステージ構成が似通っていたりとアクションゲームとして気になるところはあるものの、本作は他のゲームでは味わえないセンスに満ちているゲーム。映画やアニメ、そしてなによりゲーム愛の詰まったパロディがたくさん詰まった楽しい作品なのでぜひプレイしてもらいたいです。
(C)Marvelous Inc. / Grasshopper Manufacture Inc.
※パッケージ版はシーズンパスがセットになっている。
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