2019年2月22日(金)
マーベラスが3月11日まで配信している、Nintendo Switch用ソフト『DAEMON X MACHINA(デモンエクスマキナ)』の体験版“プロトタイプオーダーズ”のプレイレポートをお届けします。
本作は、『アーマード・コア』シリーズなどを手がけた佃健一郎氏がプロデューサー、同作や『マクロス』シリーズでおなじみの河森正治氏がメカのコンセプトデザインを担当している完全新作メカアクションゲームです。
月の半分が地上に落下し、粒子物資“フェムト”がもたらされる崩壊世界を舞台に、フェムトを動力源とする外部装甲“アーセナル”とそれを駆る“アウター”、フェムトの影響で人類に害をなす存在となったAI兵器“イモータル”の戦いが描かれます。
体験版では、4つのオーダーをプレイでき、一部のパーツを使ったアーセナルのカスタマイズ、キャラメイクなどを試遊可能です。すでに遊んでいる人は多いと思いますが、メカに興味がある人には1人でも多く触れてほしい要素が満載だと感じたので、ダウンロードがまだの人はぜひ!
▲プレイヤーは傭兵としてアーセナルを駆る。4つ目のオーダーでは、巨大ボス撃破の任務が待っている! |
本作をプレイして強く感じたのが、何といっても操作の気持ちよさとアーセナルのカッコよさ!
操作の面では、機体の飛行のみではゲージを消費せず、基本的にボタンを押すだけで飛んでいられます。空中戦が容易に展開でき、アーセナルを動かしているだけでも爽快です。
河森氏がコンセプトデザインしたスタイリッシュなアーセナルの外観と、飛ぶという行為がマッチしている点も、機体の操作が楽しいと感じる理由の1つでしょう。
とはいえ、高速移動のブーストではゲージを消費するので、戦闘では立ち回りのメリハリがあります。特に高機動向けのアーマーで機体をカスタマイズするとハイスピードな代わりにブーストの持続時間が減ってしまい、つい熱くなってゲージ管理を怠るとピンチを招くこともあるはず。
▲胴体は飛行、脚は地上のブーストの性能に大きく影響します。体験版で入手できる“ライキリ”は、他のアーマーと比べて極端にブースト持続時間が短いので、最初は戸惑うかもしれません。 |
さらに、普通に遊ぶと空中戦がメインになりがちですが、状況次第で地上で戦うメリットもあります。
例えば4つ目のオーダーで戦う巨大イモータルは下部に弱点が固まっているので地上から狙いやすいですし、胴体を重装甲アーマーにした場合は極端に飛行ブースト性能が低いので、堅さと相まって地上のほうが戦いやすいでしょう。
▲公式サイトで公開中のgamescom動画にもヒントがありますが、上の巨大メカは関節部や砲塔側面だけでなく下部にも弱点があります。 |
空中か地上のどちらかに縛り付けるのではなく、状況やカスタマイズ次第でどちらも選択肢になり得る操作性とシステム、その“自分の動かしたいように立ち回れる自由”が本作のおもしろさなのかなと。しかも空中も地上も触っていて気持ちいい。
自由という意味では、倒した敵の武器やアーマーを戦場で奪って装備したり、オブジェクトを拾って用いたり、アーセナルを脱いで戦ったり、本作の戦術的な自由度の高さは素晴らしく、製品版ではかなり奥深い遊びが期待できると思います。
▲敵の武器を奪って戦えるのはおもしろい要素です。しかも奪えるのはアーセナル規格のものだけでなく、巨大メカのレーザー砲塔まで! |
また、こだわりを感じる機体のモーションや演出も見どころです。空中でブーストを吹かすと一回転ひねりを入れたり、地上で華麗にスピンを決めたり、近接武器で攻撃すると敵機とのつばぜり合いが発生したり。
外部装甲ということで動きにほんのりと人間味が混じりながら、体感としては“いかにメカをカッコよく見せるか”を大事にしていることが窺えます。
▲静止画ではわかりにくいですが、つばぜり合いのシーン。激しくスパークを散らして両機がせめぎ合います。 |
自分の操作で機体がカッコよく動けば、自然とメカの操作に気分が乗って、ゲームの世界に入り込めるし、もっとゲームが遊びたくなる。少しずつ操作に慣れてくると、さらにカッコよく機体が動いてそれがまた楽しい。
シナリオ面でも最新の劇場用アニメを見ているようなエッジの効いたビジュアルとクールな世界観の描き方がよく、体験版に触れるだけで気分はすっかりアウターです。素直な気持ちを言葉にすると、早く製品版がやりてええ!
▲リッチで重厚感がありつつ、カートゥーン調のCGアニメのようなビジュアル表現が特徴的。操作感のよさと印象的な世界観で、プレイしていると独特の世界に浸れます。 |
アーセナルのカスタマイズは、ハンガーで行えます。キャラメイクした主人公を動かして歩き回り、目前に自分で組んだ機体が見える光景が最高です。
パーツは、機体を構成するアーマーが頭、胴体、脚、腕、プロセッサーの5系統あり、腕は左右で別々のパーツを入手・装備できます。武装は、左右のメインと予備、ショルダーウエポン、オーグジュアリ(グレネード・地雷・補助兵装)の計6カ所。ブースターなどのパーツはないですが、アーマーパーツに高機動、汎用、重装甲といった特色があります。
パーツ性能はかなり細かく設定されているので、製品版が出た日には、こだわりのカスタマイズを追及するため、寝食を忘れて夢中になる日々が続きそうです。現代風に例えるなら、「あいつ『デモンエクスマキナ』の発売日からツイートしなくなったぞ」ということになるかもしれません(笑)。
▲製品版が出たら、「あーでもない、こーでもない」と数字とにらめっこする日々が続きそう。 |
▲機体のペイントは自由に変更でき、オーダーで入手したデカールなどを使って装飾することもできます。 |
また、こうしたメカアクションゲームでは、カスタマイズを追及するだけでなく、装備集めも楽しいものです。
本作のニクイところは、敵機から装備を奪えることでしょう。撃破した敵機がどんな装備を落とすのかと想像するだけで、相手を倒すのが楽しくなります。
▲破壊した敵機から武器やアーマーを奪って、その場で装備したり、ハンガーへ送ったりできます。 |
しかも、同じ装備でもアタッチメントのスロット数が違うことがある! アタッチメントの詳細は不明ですが、製品版では、何かしら性能の差異にかかわりそうです。
アタッチメントは、自分でセットするのか、それとも入手した時点で何かしら効果が入っているのか、あるいは両方か。いずれにせよ、製品版のプレイを想像すると、よりよい装備を求めて周回するハクスラ的な遊びを楽しめる予感がします。
ちなみに、昨年のgamescomで明かされた情報によると、体験版にも登場するような巨大アーセナルは、その武器を持ち帰り、研究によってアーセナル用にサイズを直して開発するシステムが製品版にはあるのだとか。
▲アーマー所持数の上限は999。体験版の装備集めの時点で楽しいですし、製品版のことを想像すると顔がニヤけてきます。 |
前述の通り、本作はキャラメイクが可能です。体験版では、限られた顔のパーツを使って、任意の男性もしくは女性キャラクターを作成できます。
▲ちなみにアウターは、フェムトによって特殊な能力を手に入れた人間の総称です。 |
作成したキャラクターは、戦場で操作することも可能。機体を着地させれば、ボタン1つでアーセナルを脱着できます。機体を降りて戦うシチュエーションもあるという点は、本作の熱いところでしょう!
やはりgamescomで公開された情報によると、アウターの状態で施設に潜入し、新型アーセナルを奪って逃げるオーダーも製品版に存在するようです。さすがに核弾頭は積んでいませんが、そのアーセナルは武器腕を装備しているので、人によってはたまらない状況ではないでしょうか。
▲オーダー中、好きなタイミングで降機可能です。 |
▲通常兵器の相手ぐらいならば、アウター状態でもラクにこなせます。 |
しかも、アウターの遊びをさらに深める要素として人体改造があります。ハンガーからLAB(ラボ)に入ることで、体験版ではレベル3までアウターの改造ができます。
スキルツリーのような形で、改造する項目を選ぶことができ、自分のプレイスタイルの形に添って能力強化できるだけでなく、人体改造なので何と見た目も変わる!
▲人体改造によって外観が変わるとアナウンスされます。 |
▲最初は普通の人間でしたが、人体改造を重ねてだんだんとメカメカしく……。なお、選択する項目によって、パイロットとしての能力を上げることもできます |
改造すると強くなる代わりに、見た目が人間から離れていく。ここはジレンマを感じるところで、キャラメイクの要素と相まって脳内で妄想が広がり、ロールプレイ的な遊びまで楽しめそうな予感です。
あるいは、人体改造に頼らず己の腕で戦い抜くストイックなプレイを貫くか。オンライン主体で遊ぶなら、改造にこだわって戦闘に貢献するのも楽しみの1つになるでしょう。
また、人体改造がゲームシステムとしてあることで、アウターが存在するという世界観をより深く感じることができ、ゲームに入り込めると思います。機体以外の部分で、自分のプレイスタイルを反映させられるのもうれしいところ。製品版で、どんなカスタマイズができるか楽しみです。
▲体験版では改造項目が少なめですが、製品版はもっと多くの改造ができるようになるため、どんなルートを選ぶか悩ましくなりそうです。 |
遊んでみると、ゲームの完成予想図には確かな手応えを感じる本作。とはいえ、期待するがゆえの願望として、敵が視認しづらいなど遊びに直結する部分では、人それぞれに要望を抱えると思います。プロデューサーの佃氏も意見を広く募集しているので、プレイしたら3月18日までにアンケートに回答しておきましょう。
最後にもう1つ感想を加えると、機体を組む時に装備性能を表示すると画面が数字で埋まったり、ロックオンによるカメラ固定機能を捨てて自由自在に機体を動かせる操作性を選んでいたり、芯のところは敷居よりも奥深さ・遊び応えを優先して“メカ好きのためのアクションゲーム”を作りにきているな、というのを随所に感じました。
▲オプションを開くとボタン配置設定が最初にある点も安心感。製品版では、ハンガーからすぐアクセスできるテストモードもお願いします! |
ただそれだけでなく、いわゆる共闘アクション系に盛り込まれる遊びやすい要素があり、オーダーを繰り返し遊びたくなるハクスラ要素もあります。シナリオについても、アクの強い傭兵たちが織り成すストーリーは実に楽しみ。仮に敷居が高く感じても、自然とそれを乗り越えて遊びたくなる設計・物語になっていると思います。
長くなりましたが、そんな感想を持てる体験版の配信期間は3月11日まで。まだダウンロードしていない人は、ぜひ遊んでみて製品版へのワクワクを高めてください! 発売は2019年夏の予定です。
▲リーパーのセリフを「難しいことは何もない。ただアウターの感覚にしたがえばいい。迷った時は、自分の好みを優先しろ」に脳内変換。メカアクションユーザーさん、もっと増えて! |
(C)2019 Marvelous Inc.
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