2019年2月21日(木)
“TGS2019”は9月12日~15日に開催。eスポーツコーナーエリアが拡大され幅広く出展可能に
コンピュータエンターテインメイント協会(CESA)は、9月12日~15日に幕張メッセで開催する“東京ゲームショウ2019(TGS2019)”の開催発表会を、2月21日に行いました。
“東京ゲームショウ”は、毎年秋に千葉県・幕張メッセで開催されているコンピュータゲームに関する世界最大規模の見本市です。前半2日間が関係者のみに開放されるビジネスデイ、後半2日間が一般公開日となります。
発表会では、CESA会長の早川英樹さんと日経BP社代表取締役社長の新実傑さんが登壇しました。早川さんは過去最大来場者数を記録した“TGS2018”について、新実さんは“TGS2019”に向けて海外へ視野を向けた取り組みについてなどを語りました。
“TGS2019”のテーマは、“もっとつながる。もっと楽しい”です。テクノロジーの進化により、いつでもどこでも誰とでもゲームをプレイできるようになったこと、ネットワーク環境の向上により、ゲームプレイを動画で見たり、eスポーツ選手を応援したり、ゲームの楽しみ方が広がっていること、世界がもっと近くに感じられ、人と人とのつながりが密になっていくことに由来しているとのことです。
テーマは“もっとつながる。もっと楽しい”
“同じものが好きな人同士をもっと結びつける”。ゲームには、そんな幸福なチカラがあります。友だちや家族とはもちろん、世界中のプレイヤーとつながり、新しい楽しさがそこに広がります。
TOKYO GAME SHOWもまた、会場のブースやステージで、そして多彩な動画配信で、世界中のゲームファンやゲームクリエイターを結びつけます。
テクノロジーの真価が生み出す驚きの表現やeスポーツのライブ感、いつでもどこでも手軽にプレイできるスタイルなど、最新のゲームやサービスとともに、このワクワクする楽しさをもっと多くの人と共有したい。
世界が注目するゲームの祭典にご期待ください。
過去最大の開催規模を誇った“TGS2018”は期待通りの結果に
幕張メッセの全ホールを使用して開催された“TGS2018”が、“過去最大規模での開催”、“eスポーツへの注目 さらに高まる”、“人材育成の場として機能”という3つのキーワードで解説されました。
過去最大規模での開催
2018年に開催された“TGS2018”では、出展タイトル数が過去最多の1,568タイトルとなりました。本発表会で内訳が公開され、PC、スマートフォン、コンソールと大きな偏りはなく、まんべんなく出展されていることが明かされました。
また、“TGS2018”は来場者数298,690人、ネット動画視聴者数1,896万人と、過去最高の数字を記録しました。なお、プレス来場者は歴代2位となっていました。
“eスポーツへの注目 さらに高まる”
“TGS2018”で2回目の開催となる“e‐Sport X(クロス)”では、2つのステージで国内を代表する8つのタイトルの大会が行われた他、“JESU”による国際親善マッチが開催され、注目を集めたとのことです。
会場の観覧者数は2017年の約6,000人から増加し、約9,500人となりましたが、ネット中継はのべ195万人の大好評であったと発表されました。また、各出展者ブースでも、9社のブースで20の大会が開催され、こちらも好評だったと語られました。
人材育成の場として機能
インディーゲームコーナーでは、154小間の出展があったそうです。全額サポートされるエリアに86の出展者が選ばれ、そこからさらに選ばれた8組が、金曜日の夕方からの企画“SENSE OF WONDER NIGHT 2018(SOWN)”に参加し、自身のタイトルを業界関係者の前で発表しました。
“SENSE OF WONDER NIGHT 2018”で3つの賞を獲得した、2019年夏に発売予定のRPG『ライトの伝説』は、2007年の受賞者による作品で、12年かけて開発されたタイトルであるとのことです。
新たな才能を発掘し披露する、実績を挙げた人を表彰するというサイクルを作り出すことで、人材育成としての場を高めているとのことです。
アンケート結果
“TGS2018”アンケート結果が公開されました。過去の来場回数のアンケートでは、半数近くの人が初めてであることが明かされました。
▲アンケート結果が公開された後は、“TGS2018”のハイライト映像が放送されました。 |
“TGS2019”開催概要
“TGS2019”は、来場予定者数は25万人以上、募集小間数は2,000小間が予定されており、世界最大級のゲームイベントにふさわしい盛り上がりを実現させると公言されました。
“TGS2019”では“動画配信のさらなる拡大”、“eスポーツの成長を加速”、“ゲームを面白くする新技術をクローズアップ”、“世界のゲーム関係者が一堂に”の4つの項目が注目のポイントとなっています。
動画配信のさらなる拡大
“TGS2018”では、国内向けにniconico、海外向けにTwichとDouyuがメインに配信され、過去最高の1,800万を超える試聴数を獲得しました。“TGS2019”では、動画による情報発信がさらに強化され、配信プラットフォームが拡大されます。具体的には、2018年では限定的に使用されていたプラットフォームが、“TGS2019”では全面活用されます。
また、動画コンテンツのバリエーションが増加し、ライブ配信だけでなく、ニュースなどの短編動画の配信も予定されています。
eスポーツの成長を加速
2018年に流行語に選ばれるほど注目された“eスポーツ”をさらに盛り上げるために、“eスポーツコーナー”の拡大と、大型ステージ“eスポーツ X”のパワーアップが行われます。
“eスポーツコーナー”では、エリアを拡大し、関連タイトルの出展だけでなくゲーミングPC、周辺機器など“eスポーツ”に関連した製品・サービスであれば幅広く出展できるとのことです。
2018年から行われた大型ステージ“eスポーツ X”がパワーアップされ、大会と大会のインターバルを調整し、利用しやすいプログラムが組まれます。また、ステージが改善され、来場者がより観戦しやすいステージが作られます。
その他、海外に向けて英語の実況が行われるなど、さまざまな施策が行われます。
ゲームを面白くする新技術をクローズアップ
5Gやブロックチェーンなど、ゲームに大きく影響のある技術的要素が、“TGS2019”でクローズアップされます。“TGS2019”では、自社の技術をプレゼンテーションできるコーナーも用意されています。
世界のゲーム関係者が一堂に
“TGS”では、アジアを中心に世界中からゲーム関係者が集まります。“TGS2019”では、“SENSE OF WONDER NIGHT”のリニューアルと、“インターナショナルパーティ”の拡充など、世界中の来場者に向けたさまざまな企画がブラッシュアップされます。
1つ目の、ステージ企画“SENSE OF WONDER NIGHT”のリニューアルについて語られました。インディーゲーム開発者にスポットライトが当てられ、新たなゲームアイデアをプレゼンする本企画は、海外からの参加者が多く、今後も大きな盛り上がりが期待できるとのことです。
“TGS2019”では、世界のインディーゲーム開発者の登竜門としてより存在感を高めていく、新しい施策も予定されています。なお、詳細は4月以降に発表されます。
2つ目は、海外からの出展者や来場者の交流を目的として開催され、毎年好評となっている“インターナショナルパーティ”の拡充について。“TGS2018”では9~11ホール側に移して実施されましたが、“TGS2019”では会場が広げられます。
海外展開/商談利用について
海外に向けて、海外ゲーム関連イベントとの連携などのさまざまな施策が行われます。2016年から2018年にかけて、オーランド、クロアチア、中東アブダビのゲームイベントの参画により、中東諸国などの“TGS”への出展が実現するようになりました。2019年では、この流れを加速させることとなります。
欧米では、米国サンフランシスコで開催される“Game Connection(ゲームコネクション)”や“Game Developers Conference(ゲームデベロッパーズカンファレンス)”に出展し、“TGS2019”を直接プロモーションするとのこと。4月にはクロアチアのゲームイベントに、5月にはモスクワのイベントに出展すると発表されました。
モスクワのイベントは、ロシアだけでなく、ベラルーシ、ウクライナなど、周辺諸国からも多数のゲーム開発者が参加するイベントです。ロシアでは豊富なゲーム開発者や、IT関連企業の存在、台頭するオンラインゲーム会社によって膨れ上がるゲームユーザーは、市場拡大をもたらしています。そのロシアでネットワークを構築し、TGSへの出展誘致が行われます。TGSの国際商談促進を図るためにも、海外展開が実施されるとのことです。
その他、ビジネスマッチングシステムのリニューアルが行われるなど、さまざまな調整が行われます。
連携イベント
“TGS2019”のステージで実施される、日本ゲーム大賞各部門のスケジュールが公開されました。年間作品部門は、2018年4月~2019年3月末に国内で発売された作品を対象に、一般投票が実施。選考委員による審査を経て、対象以下各賞が選出されます。年間作品部門の投票は、4月中旬から開始される予定です。
フューチャー部門は、“TGS2019”に出展された未発売の作品を対象に、会場で来場者投票が実施されます。受賞作品は、会期最終日となる9月15日に発表されます。
アマチュア部門は、法人、団体、個人にかかわらず、アマチュアの人を対象にした部門です。応募は3月1日から開始予定です。
U-18部門は、18歳以下の人を対象にした部門です。作品に加え、応募者本人によるプレゼンテーションも審査、“TGS”のステージでは、決勝大会が実施されます。
その他、CEDECインタラクティブ展示が行われます。
各部門の概要は、日本ゲーム大賞公式サイトで確認できます。
出展募集概要
具体的な出展募集概要が公開されました。募集コーナーと出展料金は、“TGS2018”と同じものになっています。会場は、幕張メッセの1~11ホール、イベントホール、国際会議場を含んだ、全館が使用される予定です。なお、コーナーの配置は今後の申し込み状況などにより変更になる場合があるとのこと。
“TGS2019”から、アミューズメント専用VR機器の出展は対象外になりました。スマートフォンやPCなど、コンシューマ機器に対応しているものに関しては、引き続き出展できます。
インディーズコーナーは“TGS2019”から普通小間の出展が可能になりました。
“eスポーツコーナー”は、エリアの拡大が行われ、より多くの出店が募集されています。大型ステージや“eスポーツ X”の詳細は4月に発表される予定です。
ファミリーゲームパークは、中学生以下の子どもたちと保護者だけが入場できる専用エリアです。“TGS2018”では、場所がイベントホールに移動、安全に遊べる空間が好評だったため、“TGS2019”でもイベントホールに設置されます。
なお、“TGS2019”では、ファミリーゲームパークに直接入れる専用入り口を、中学生でも利用できるようになりました。
小間の配置には制限があります。さらに、CESA会員は割引になる特典などが用意されています。
出展コーナー
一般展示(ホール1‐8)
ゲームソフトを中心としたデジタル・エンターテインメント関連製品やサービスを紹介するコーナーです。4日間出展されます。
スマートフォンゲームコーナー(ホール1‐8)
iOS/Androidなどのスマートフォンや各種タブレットなどのスマートデバイス向けゲームと、携帯端末やPCブラウザなどで楽しめるソーシャルゲームにフォーカスした展示コーナーです。4日間出展されます。
e-Sportsコーナー(ホール9‐11)
eスポーツとして展開しているゲームタイトル(家庭用ゲーム、スマートフォンゲーム、PCゲーム)やハードウェア、デバイスなどを展示するコーナーです。コーナー内には大型ステージも設置されます。4日間出展されます。
VR/ARコーナー(ホール9‐11)
VR(Virtual Reality:仮想現実)、AR(Augmented Reality:拡張現実)、MR(Mixed Reality:複合現実)関連ゲームソフトやハードウェア、関連サービスなどが展示されるコーナーです。4日間出展されます。
ロマンスゲームコーナー(ホール9‐11)
主に女性ユーザーをターゲットにした恋愛シミュレーションゲームなどが展示されるコーナーです。4日間出展されます。
インディーゲームコーナー(ホール9‐11)
独立系(インディー)開発者を出展対象とする、あらゆるプラットフォーム向けの完全オリジナルゲームが展示されるコーナーです。4日間出展されます。
“TGS2019”から“普通小間”が新設されました。従来の“ターンキーブース”が用意されています。いずれも有料の通常出展となります。その他、独立系ゲーム開発者を支援する、協賛による無料ブース(選考ブース)を用意する予定です(4月募集開始予定)。
ゲームスクールコーナー(ホール1‐8)
未来のクリエイターのために、ゲームスクールを紹介するコーナーです。4日間出展されます。
物販コーナー(ホール9‐11)
ゲーム関連グッズの販売を目的としたコーナーです。4日間出展されるブースと一般公開日のみ出展されるブースがあります。
ファミリーゲームパーク(イベントホール)
家族で楽しめるゲームソフトやゲーム関連製品を紹介するコーナーです。入場できるのは中学生以下とその同伴保護者となります。幅広い年齢層の子どもたちに安心して試遊できます。一般公開日のみ出展されます。
BtoB向け展示コーナー
ビジネスソリューションコーナー(ホール1‐8)
ゲーム関連のBtoB企業を対象とする展示コーナーです。オプション(有料)としてTGSフォーラムスポンサーシップセッションも用意されています。4日間出展されるブースと一般公開日のみ出展されるブースがあります。
ニュースターズコーナー(アジア/東欧/ラテン)(ホール1‐8)
海外の企業を対象に、各地域で有望なゲームベンチャーや開発スタジオ、サービスなど、ゲーム業界の新星となる企業が紹介されるコーナーです。業界注目の地域であるアジア、東欧、中南米にフォーカスが当たります。4日間出展されるブースと、一般公開日のみ出展されるブースがあります。
アジアニュースターズコーナー
東南アジア・南アジアおよび中東地域を中心に、現地で有望なゲームベンチャー企業、開発スタジオ、ソリューションベンダーなどが紹介されます。
東欧ニュースターズコーナー
ゲームエンジニアを育成する工科大学が充実している東欧各国(ポーランド・クロアチア・チェコ・ルーマニアなど)からゲームベンチャー企業が紹介されます。
ラテンニュースターズコーナー
新興著しい中南米各国(ブラジル・アルゼンチン・チリ・コロンビア・コスタリカ・メキシコなど)からゲームベンチャー企業が紹介されます。
ビジネスミーティングエリア(国際会議場)
落ち着いた環境で充実した商談を実現するミーティングスペースです。出展者とビジネスデイ来場者、出展者同士をマッチングするシステム“アジア・ビジネス・ゲートウェイ”が利用できます。ビジネスデイのみ出展されます。
ビジネスデイに実施される企画
TGSフォーラム 基調講演
イベントステージで実施される、今年のゲーム業界でもっともホットなトピックを扱うセッションです。昨年はeスポーツを“スポーツ”として広げていくために、ゲーム業界として取り組むべきことは何かをディスカッションされました。
TGSフォーラム グローバル・ゲーム・ビジネス・サミット
ゲームビジネスのグローバル化の展望や課題について語りあう、国際的なカンファレンスが開催される予定です。
SENSE OF WONDER NIGHT 2019
インディーゲームの登竜門として、はっと驚くようなアイデアが開発者自らがプレゼンテーションする国際的な祭典です。全世界から広くアイデアが募集され、優秀な作品が表彰されます。
TGSフォーラム2019 専門セッション
ゲーム業界関係者に対し、ゲーム産業の最新技術動向やビジネス動向にフォーカウしたカンファレンスを開催します。
インターナショナルパーティ
ビジネスデイ2日目(9月13日)夕方から、海外の来場者・出展社と、国内出展者や報道関係者のビジネス交流を目的としたネットワーキングパーティが開催されます。
その他
フードコート/休憩エリア
ホール1‐8とホール9‐11の間にあるイベントホールと屋外エリアの一部をフードコート/休憩エリアとします。イベントホールはスタンドの約5,000席が開放され、食事の他休憩エリアとしても利用できます。なお、屋外エリアのフードコート/休憩エリアは一般公開日のみとなります。
■“東京ゲームショウ2019(TGS2019)”開催概要
【主催】コンピュータエンターテインメント協会(CESA)
【共催】日経BP社
【後援】経済産業省(予定)
【開催日時】
9月12日10:00~17:00(ビジネスデイ)
13日10:00~17:00(ビジネスデイ)
※ビジネスデイは、ビジネス関係者やプレス関係者のみ入場できます。
14日10:00~17:00(一般公開日)
15日10:00~17:00(一般公開日)
※一般公開日は状況により、9:30に開場となる場合があります。
【会場】幕張メッセ 展示ホール1~11/イベントホール/国際会議場
【来場予定数】25万人
【募集小間数】2,000小間
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