2019年2月24日(日)

『キングダム ハーツIII』でディズニーのワールドを駆け抜ける夢、再び! 世界観&バトルの魅力に迫る

文:滑川けいと

 スクウェア・エニックスから発売中のPS4/Xbox One用ソフト『KINGDOM HEARTS III(キングダム ハーツIII)』。本作のレビューを掲載します。

『キングダム ハーツIII』

 本作は、長年続く人気シリーズの最新作で、『キングダム ハーツII』から14年の月日を経て発売となったナンバリングタイトルです。1作目の『キングダム ハーツ』を筆者がプレイしたのは高校生のころ。そこから続く“ダークシーカー編”が本作で完結を迎えようとしています。

 発売からしばらく経過したということで、筆者がプレイして感じた本作の魅力やシステムを紹介していきます。TV-CMやプロモーション展開、ゲーム媒体の情報を見て興味を持った人は、ぜひご覧ください。

肌で感じるそれぞれのディズニーのワールドに大興奮

 まず挙げられる大きな魅力は、“ディズニーの各ワールドが物語の舞台となる”ことです。『ヘラクレス』や『トイ・ストーリー』、『塔の上のラプンツェル』などディズニーの作品の世界を股にかけて冒険していくことになります。作品で観た世界を、自由に探索できる感動。ディズニー好きとしてはこれに勝るものはありません。

『キングダム ハーツIII』
▲『ヘラクレス』が舞台の世界“オリンポス”。

 本作のメインストーリーは、キーブレード戦争を引き起こそうとしているマスター・ゼアノートの野望を食い止めるため、“7人の光の守護者”を集めるという目的のもと進行していきます。

 そんな中、主人公であるソラはドナルドとグーフィーとともに“目覚めの力”を取り戻すべく数々のディズニーのワールドを巡ることになるわけです。

『キングダム ハーツIII』 『キングダム ハーツIII』
▲これまでの力を失ってしまったソラ。力を取り戻すヒントを得るため、ディズニーの世界へ旅立ちます。

 各ディズニーの作品が舞台になるということで、作品に登場するキャラクターが物語に絡んできます。『トイ・ストーリー』なら“ウッディ”や“バズ・ライトイヤー”、『塔の上のラプンツェル』なら“ラプンツェル”や“フリン・ライダー”といった、キャラクターとの掛け合いを堪能できるのです。もちろんカットシーンはフルボイスで展開。まるでディズニーのキャラクターが登場する新たな映画を観ているような感覚で楽しめます。

『キングダム ハーツIII』
▲チップとデールはサポートとしてソラの冒険を手助けしてくれます。大好きなチップとデールが序盤からたっぷりしゃべってくれたので個人的に大満足!
『キングダム ハーツIII』
▲『塔の上のラプンツェル』のストーリーでは、原作シーンの再現も。映画を知っている人は、ソラたちがいることでどんな変化があるのかを楽しめます。

 訪れるワールドのキャラクターのほとんどは、他の世界があることを知りません。そのため主人公である“ソラ”、“ドナルド”、“グーフィー”は世界の秩序を守るため、訪れる世界に適した姿になります。実はそこもミソで、“ソラたちの目的のためにディズニーのキャラクターが協力する”ではなく、“訪れたディズニーのワールドでの問題を解決する中で協力体制をとる”という図式になっているんです。

 そのため、『キングダム ハーツIII』としてソラを主軸としたメインストーリーの流れはあるものの、各ワールドひとつひとつのストーリーがまとまっていて“各ディズニーの作品に深くかかわった感”が出るんですよね。ワールドごとのストーリーで「ディズニーらしい温もりのある終わりだな」と感じられるオチが用意されていることには、毎シリーズ感心しっぱなし。

『キングダム ハーツIII』
▲『トイ・ストーリー』が舞台の世界“トイボックス”に訪れたソラたち。ウッディやバズたちの世界に突如起こった異変を解決するために、協力することになります。
『キングダム ハーツIII』
▲“トイボックス”ではソラたちがおもちゃのような姿に変化。3人がどんな姿になるんだろうというのも、本作の楽しみのひとつです。

 ゲームではこれまでの経緯は説明してくれますし、公式サイトには本作までの流れをまとめた動画“IIIに繋がる物語たち”が用意されています。シリーズのプレイは本作が初めてという人も、こちらを見てプレイできます。

釘付けになるアクションの数々

 続いての注目ポイントはバトル。ボタンを押して敵を攻撃するという、バトルシステムの根幹に変化はありません。ボタンを連打しているだけで敵に攻撃を当てられますし、難易度の設定もできるので、アクションゲーム初心者でも楽しめます。

 ですが、その攻撃の種類が実にボリューミー! キーブレードの中には、盾や銃など、さまざまな形状に変化するものも存在。形が変わるだけでなく攻撃方法も変化するため、戦いの幅が非常に広くなっているんです。

 個人的にお気に入りなのは“シューティングスター”で、変形すると二丁拳銃の“ツーガンアロー”になるんですよ。これまで近づけなかった遠くの敵にも比較的楽にダメージを与えられますし、ガンシューティングのようなゲーム性になるのが爽快です。

『キングダム ハーツIII』
▲こちらがツーガンアローに変形したシューティングスターです。離れた位置からどんどん攻撃を浴びせましょう。
『キングダム ハーツIII』
▲キーブレード“ヒーローズオリジン”は、盾のような形状の“カウンターシールド”になります。

 バトルでは魔法も使用可能。登場する魔法は“ファイア”や“ケアル”など、『ファイナルファンタジー(FF)』シリーズでおなじみのものばかりなので、少しでも『FF』を知っていれば、魔法の効果がすぐにわかるはずです。

 筆者は『FF』シリーズも好きなので、おなじみの魔法をディズニーの世界で使えることが幸せです。好きなものと好きなものを足した、カツカレーのような満足度を味わっています(個人的な感想です)。

『キングダム ハーツIII』
▲初期から使える魔法“ウォータ”。
『キングダム ハーツIII』
▲ショップにモーグリがいるなど、魔法以外にも『FF』要素はあります。
『キングダム ハーツIII』
▲本作の召喚魔法は“リンク”と呼ばれるシステムになっており、使用すると他の世界の仲間を呼び出せます。画像のキャラクターは『シュガー・ラッシュ』のラルフ。

 『キングダム ハーツIII』のバトルは、コンボや魔法などしっかりとアクション要素について考えさせられつつ、ものすごく華やかでエンターテイメント性が強いところも特徴です。“アトラクションフロー”は、遊園地のアトラクションのような攻撃で、広範囲の敵にダメージを与えるができます。出現するアトラクションは色とりどりの電球でライトアップされており、まるでパレードのよう!

『キングダム ハーツIII』 『キングダム ハーツIII』
▲スピニングカップ(画像左)とマウンテンコースター(画像右)。
『キングダム ハーツIII』
▲チャンスマーカーつきの敵を攻撃後アトラクションフローを発動できるようになります。チャンスマーカーは一定時間出現しているので、バトルが開始したあとは優先的に狙うといいかと。

 また、各ワールドで仲間になるキャラクターたちとの“連携技”も楽しい要素。キャラクターの個性を活かした特有のアクションなので、各ワールドを訪ねた際は絶対に試していただきたいです。

『キングダム ハーツIII』
▲ヘラクレスとの連携技“マイティースイング”。
『キングダム ハーツIII』
▲ウッディとバズとの連携技“ロデオロケット”。

 アクションが苦手でも、ボタン連打でコンボが出せる楽しみを味わえますし、少し慣れたらタイミングよく操作することで、バトル中にも華やかなディズニーのワールドを楽しめます。“派手な演出を自分で出せた感”が強いので、1戦ごとの満足度が高いバトルだと思います。ワールド特有のアクションもあるので、戦い続けても飽きないのです。

充実のやり込み要素は、まさに時間を忘れて楽しめる!

 本作は、本編以外にミニゲームがあります。あります、というか……ありすぎます! 軽い気分転換というレベルを越えて、これだけでリリースできるんじゃないかと思えるくらいのミニゲームが用意されているんです。その一部をご紹介します!

クラシックキングダム

 レトロなゲーム機を思わせるミニゲーム。懐かしく感じる人もいるのではないでしょうか。このミニゲームだけで、なんと23種類もあります! 最初からすべて遊べるのではなく、各ワールドを巡りながらひとつずつ入手していくので、収集欲を刺激されます。入手したら、ハイスコアを目指してゲーマー熱を燃焼させましょう!

『キングダム ハーツIII』
▲クラシックキングダムのひとつ“ジャイアントランド”。巨人につぶされないようにソラをミッキーのもとまで移動させるとクリアとなります。

リトルシェフのレストラン

 各ワールドのショップやフィールドで、“食材”を入手することがあります。食材は、トワイライトタウンにあるレストランで料理することが可能。リトルシェフ・レミーと一緒に料理を楽しみましょう。コントローラーのスティックを連続して倒すことで食材をカットしたり、調味料を混ぜたりします。

『キングダム ハーツIII』
▲ストーリーの途中でリトルシェフに出会うソラ一行。リトルシェフのいるおいしいレストランで料理を作りましょう。
『キングダム ハーツIII』 『キングダム ハーツIII』
▲作る料理によってミニゲームの操作内容が変化。見事完成した料理は、アイテムとして使用可能。パラメータが一定時間アップします。

VERUM REX -BEAT OF LEAD-

 『トイ・ストーリー』の世界であるトイボックスには“ギガース”というロボットがいて、ソラがこれに乗り込んで戦うことができます。ギガースに乗ることで普段のアクションとは異なるFPSのようなモードを楽しめるのです。

 “VERUM REX -BEAT OF LEAD-”は、ギガースを操作してプレイできるミニゲーム。筆者はこれが楽しすぎて、トイボックスでずいぶん時間を泥棒されました。ウッディも「こいつら、いつまでいるんだろう」と思ったことでしょう(笑)。

『キングダム ハーツIII』
▲ギガースには近接型、遠距離型など種類があり、筆者はもっぱら遠距離型を使用していました。強力な攻撃“キャノン”が当たった時の爽快感は、クセになります。

 ミニゲームはおまけ要素にとどまらず、クリアすることで新たなキーブレードが手に入ることもあるのです! 本編に持ち込める要素があることで、よりいっそう熱が入りますね。筆者は、すばらしいゲームはミニゲームがおもしろい……という持論があります。やっぱり『キングダム ハーツIII』はすばらしい!

 ストーリーやシステム、そしてミニゲームなど魅力が盛りだくさんの本作。シリーズファンはもちろん、ディズニーの作品が好きな人も存分に楽しめる内容になっています。ぜひプレイしてみてください!

『キングダム ハーツIII』オススメ記事

データ

関連サイト