2019年3月30日(土)
桐生一馬の伝説がよみがえる! 『龍が如く オンライン』の今とその先の展望を堀井Pに直撃【電撃PS】
2018年の11月にスマートフォン&PCでサービスが開始された、セガゲームスの人気シリーズ『龍が如く』最新作『龍が如く ONLINE(以下、龍オン)』。3月31日に行われる大型アップデートでは、『龍が如く』シリーズの原点である初代『龍が如く』のストーリーが『龍オン』で遊べるようになるなど、『龍が如く』のエッセンスが次々と実装され、シリーズのファンならば遊ばずにはいられない1本となっています。
そんな大型アップデートを目前に控えた今回は、本作のプロデューサーを務める堀井章生氏へのインタビューを公開。現役ユーザーが気になる質問をはじめ、実装直後の初代『龍が如く』のストーリーを追体験できる“桐生一馬伝”の魅力をお聞きしました(インタビューは3月13日に実施)。
▲“桐生一馬伝”の主人公、堂島の龍こと桐生一馬。 |
キャラクター愛に応えるために制作体制を強化
――『龍オン』がサービス開始してから約4カ月が経過しましたが、現状での手ごたえはいかがですか?
堀井:引き続き好評と言っていい状況だと思います。最近になってようやくリリース初期に製作したコンテンツの改修や、ユーザーさんからの意見要望に少しずつ応えられるように体制を強化できたことも大きいですね。
▲『龍が如く ONLINE』プロデューサー、堀井章生氏。 |
ただ、まだまだユーザーさんの熱量には追い付けてないかなという印象がありますね(笑)。引き続きみなさんの意見やご要望を取り入れながら、今回の“桐生一馬伝”のようにもっと遊べるコンテンツを増やしていくことで、ご期待に応えていきたいと思っています。
――『龍オン』は開始時からかなりのボリュームのメインストーリーが解放され、そこを求めていた方の期待には応えていたと思います。こちらは現在15章まで解放されていますが、想定されている全体像のなかでどのくらいまで進んでいるのでしょうか?
堀井: 本作における春日の大きな目標として“荒川の親っさんを助け出す”ことと、“神室町を元の熱気溢れる姿に取り戻す”という2つがあります。これらを果たすべく奮戦する春日達の前に大きく立ちふさがっているのが荒川の側近・沢城丈です。『龍オン』では、この沢城との決着をストーリー上の大きな区切りと想定しています。
前置きが長くなりましたが、ご質問の答えとしましては、15章はこの“沢城との決着”まででいうと折り返し地点を少し過ぎたくらいです。そして物語全体の中でいうとまだ序盤といったところですね。沢城との決戦までに残りの“四天王”との激突も控えていますので、どうぞお楽しみに。
――早く四天王と戦いたくてウズウズしています(笑)。
堀井:じつはストーリーでひと区切りがついたら、どこかのタイミングで神室町以外の街に舞台を移してもおもしろいかなと思っているんですよ。
――おお! となると大阪・蒼天堀が『龍オン』の世界でも描かれると?
堀井:まだ確定ではないので何とも言えないですが(笑)。でも、ちょっと舞台も変えて、例えばキャバクラやプレイスポット、都市派遣もその街に根付いたものが新たに登場するみたいな展開ができたらおもしろいなと考えています。
――やはり『龍が如く』シリーズでの街歩き体験って、すごく大きいと思うんですよ。自分は札幌に行ったことがないですが、TV中継などを見ると「ああ、あそこか」なんて感覚になりますから(笑)。
堀井:そうですよね。けっこうTwitterでも「歌舞伎町に来たことがないのに、なぜかすごく道がわかる」みたいな(笑)。ありがたい話です。
――初めて来た街のはずなのに、神室町の記憶からデジャブを感じわけですね(笑)。
日々届く『龍が如く』ファンの声に対して全力で奮闘中
――現役のユーザーさんからは日々いろいろな要望が届いていると思いますが、一番多く寄せられている要素は何でしょうか?
堀井:一番いただいている要望は、やはりキャラクターの配信でしょうか。「『龍が如く』シリーズの過去作に登場したキャラクターをもっと配信してほしい!」という声は、リリース初期から一番多かったです。だからこそ、その声に応えるのに一番時間がかかってしまい、歯がゆかったという想いがあります。それもようやく8月中にはキャラクター総選挙10位以内のキャラクターをひと通り出せるメドも立ち、先日の公式生放送でもお伝えさせていただきました。
――キャラクターの作り方は、具体的にはイラストを作成して、そこからパラメータを設定して、ゲームのなかで反映した形でテストしてという流れでしょうか?
堀井:大きく分けるとそうですが、キャラクター作成のプロセスはもう少し複雑でして。まずはこのキャラクターはどういうタイプで、どんな属性を持っているのか、そしてどんなキャラクター設定(背景)なのかを決めます。先にキャラクターの表現したいタイプやスキルなどの設定がないと、キャラクターの容姿とポーズが決まらないんです。
――なるほど。イラストのポーズもタイプやスキルを意識してデザインされるんですね。
堀井:そこは意識していますね。攻撃タイプならば攻撃のモーションを取らせて、回復タイプならば回復を想起するようなエフェクトを付けたほうが直感的に遊べます。だから、まずはその2つを固めてから、イラストのラフの中間稿を決めるわけです。
ラフが決まってからは、キャラクターが動くモーションのイメージを決めたり、風切りのようなエフェクトを決めたり、効果音を付けたりしてやっとキャラクターイラストのデザインが終わります。そして、実際にゲーム内に実装させて、性能もちゃんとほかのキャラクターと比べてバランスが取れていることを確認して、ようやく完成という流れです。
――ユーザーからすると「キャラクターのイラストさえ完成すれば実装できるんじゃない? もっとバンバン登場させてよ」と簡単に思ってしまいがちですが、それだとたしかにひと月に何体も実装させるのは難しいですよね。
堀井:そうですね。あとはやはりユーザーさんが「峯(義孝)ってこうだよね、(郷田)龍司ってこうだよね」と、キャラクターに期待するものもあるので、一概にパッと決められないんですよね。それこそ佐藤(大輔氏。『龍が如く』スタジオプロデューサー) や横山(昌義氏。『龍が如く』シリーズチーフプロデューサー)はキャラクターに関しては特に細かく監修するので、キャラクター作りはチーム全員で揉んで作っています。一番ユーザーさんの期待が高いところでもありますから。
あと、いただいている反響の中で意外に思ったのが、この『龍オン』から『龍が如く』の世界観に初めて触れましたという方や、スマホのゲーム自体初めてプレイしましたという意見もちらほら聞けたりしたことです。もともとは、ハードがなくてシリーズを知ってはいたものの、プレイできずにいたユーザーさんに『龍が如く』に触れてほしい思いもあって立ち上げた企画だったので、そういった反応は素直にうれしかったですね。
――現時点ではアップデートを1カ月に1回くらい行っている印象ですが、今後もそのスパンで行っていく予定でしょうか?
堀井:直近だと3月末に“桐生一馬伝”、5月には“バッティングセンター”を予定しています。また、今後は各連合同士で争う大型のドンパチイベントを考えていたりと、定期的に新規コンテンツもしくは新規イベントが追加できるように計画していますのでご期待ください。
キャラのバックボーンを知る手段として用意した初代『龍が如く』
――3月の一番の目玉は、初代『龍が如く』のシナリオが遊べるモードの追加だと思いますが、こちらの仕様や魅力みたいなのをぜひ教えてください。
堀井:こちらの企画がスタートしたきっかけは、「『龍オン』のフォーマットで今までの『龍が如く』シリーズを遊んだらどういう風に見えるんだろう」というところからでした。会話シーンをはじめ、『龍オン』の2D技術でのキャラクター表現、初代の印象的なシーンを『龍オン』のカットシーンで表現などですね。
――たしかにイラストで描かれる“桐生一馬伝”はすごく興味があります。
堀井:初代『龍が如く』が2005年で約14年前ですから、『龍が如く 極』でおさらいしてくれた方はいいのですが、もう10年以上前のことなので初代『龍が如く』の物語がうろ覚えの方も少なくないんじゃないかと思ったんですね。そういった方々に、初代がどんな物語だったのかをもう一度追体験していただきたいと考えたのが始まりでした。
加えて、初代から『龍が如く6 命の詩。』まで、対象ハードを変えながら展開してきたこともあり、全シリーズ網羅してプレイしたくてもできなかったというファンの方もいるんじゃないかと。“桐生一馬伝”を通じて、これまでの『龍が如く』の物語やキャラクターの魅力をもう一度新鮮な気持ちで楽しんでもらえれば、『龍オン』に登場する過去作キャラクターの魅力ももっとユーザーの方々に伝えられるのではないかと考えています。
シリーズを知らない方には、錦山(彰)はかっこいいけども、キャラクターのバックボーンがないので、彼の魅力の30~40%しか伝わっていないと思うんですね。だから、やはりキャラクターの背景(バックボーン)が分るストーリーを体験してもらうことで、キャラクターの魅力をしっかり伝えられるのかなと。それは錦山だけでなく『龍が如く2』以降の、今までシリーズで出てきたキャラクターたちも同様なので、どんどんシナリオを追加していけたらと思います。
――ちなみに、今回は桐生一馬が初代『龍が如く』のシナリオ実装に合わせて登場しますが、桐生以外に関連キャラクターが実装される予定はありますか?
堀井:ありますね。これはどんどんやっていきたいと考えています。例えば風間(新太郎)とか世良(勝)とかね。ここで出しておかないと、あとの作品では死んでいませんから(笑)。
――物語を楽しむことに加えて、キャラクターの登場にも期待できるのはうれしいですね。なお、『龍が如く』といえばサブストーリーも欠かせませんが、こちらはいかがでしょうか?
堀井:サブストーリーも本編のものからピックアップして収録しており、こちらも同様にクエストの形で体験できるようになっています。それも相まって、初回配信はけっこうなボリュームになっていると思います。
『龍が如く0 誓いの場所』にフィーチャーした企画も計画中
――ソーシャルゲームの場合、他社さんとのコラボレーションなども話題の1つになりますが、本作ではそのあたりの予定はありますか?
堀井:予定自体はありますが、まずは8月までに人気投票で10位以内にランクインしたキャラクターを配信しきって、『龍が如く』の世界観をユーザーさんに体験していただくことが最優先ですね。まだ僕らとしても『龍が如く』のキャラクターを出したいし、ユーザーさんが望んでいるキャラクターも出し切れていないという実感がありますので、まずは納得がいく形で配信してから考えたいと思います。
また、これはまだ構想段階なのですが、キャラクター人気投票でも数多く上位にランクインした『龍が如く0』のキャラクターは、『龍が如く0』イベントというパッケージングで、みなさんにコンテンツを用意できないかと画策しています。『龍が如く0』の時代の真島も登場させる予定なのでぜひ楽しみに。
――それは楽しみですね!
現役ユーザーが気になる細かい要素を一問一答
――ここからはすごく細かい質問になります。まずは命中と回避のステータスについてお聞きします。現状は回避効果が高くてメンバーの組み合わせも限定されているような印象です。このあたりは命中装備の実装で変わってくるのでしょうか?
堀井:今想定してるバランスは、命中率装備をしていくことで、回避率がある程度はイーブンになるようなバランス感を想定しています。かといって、リーダー効果やバトルのスキルがフルフルで乗った状態とイーブンかと言われると、そうではありません。
ちゃんと装備ベースのパラメータ値がだいたいイーブンになるバランスを今考えています。だからその先にアビリティ付き装備のパラメータや、それこそバトルスキルが乗っていったときに、回避・命中以外の選択肢が取れるようなデザインを目指しています。
――キャラクター強化に必要なアイテムの覚醒玉や龍玉の入手が厳しいという意見も聞かれますが、そのあたりのバランスはいかがでしょうか?
堀井:リリース初期は覚醒玉の供給量が少なくて、キャラクターの育成がしづらいという意見をいただいていましたが、2カ月くらい前から供給量を調整しまして、最近は比較的量も供給できてきているのかなという実感は持っています。
――だいぶ狙い通りのバランスになってきていると?
堀井:リソースの需要量は常に変化していくものなので、現状で満足することはないですね。3月に実施したすごろくイベントなど龍玉の供給量も徐々に増やしています。一旦はそれを見てユーザーさんの状況を解析し、今後のバランスを取っていきたいと考えています。
――では最後に現在プレイをしている方にメッセージをお願いします。
堀井:数あるアプリゲームの中から『龍オン』を選んでいただき、そして熱心にプレイしていただいてありがとうございます。3月31日に実装される初代『龍が如く』の物語を追体験できる"桐生一馬伝"のコンテンツでは、『龍が如く』ファンの方々には過去の物語をなつかしんでいただき、『龍オン』から始められた方には「こういう話だったんだ」と知ることができるという、2通りの楽しみ方ができると思っています。この機会にぜひプレイしてくださいね。
生放送でお聞きする質問を募集
4月4日に配信される『電撃PlayStation Live』に『龍が如く ONLINE』を手掛ける堀井章生プロデューサーが出演。そのコーナー内でお聞きする質問を、電撃オンライン読者から募集します。
聞いてみたい質問がある人は、必要事項を入力のうえ、以下の投稿ボタンよりお送りください。締め切りは4月3日23:59。
(C)SEGA
データ
- ▼『龍が如く ONLINE』
- ■メーカー:セガゲームス
- ■対応機種:PC
- ■ジャンル:RPG
- ■配信日:2018年11月21日
- ■価格:基本無料/アイテム課金