2019年3月28日(木)
参戦作品が見事に融合した世界でサラリーマンが戦う!『スーパーロボット大戦T』ロングレビュー【電撃PS】
ついに発売を迎えた『スーパーロボット大戦』シリーズ最新作『スパロボT』。その魅力を、前作『X』で“ふしぎの海のナディア”が参戦した際に、あとは“魔法騎士レイアース”が参戦してくれれば思い残すことはないと宣言していた電撃PSの担当ライター・Lが、実際にクリアまでプレイして語ります。
人気TVアニメなどに登場したロボットたちが作品の枠を越えて共闘するシミュレーションRPG『スパロボ』シリーズ。本作は、その最新作として“カウボーイビバップ”などが新規参戦するほか、据え置きゲーム機では久々に参戦、ボイス付きでは初登場……などなど、とにかく参戦作品が多彩な点が魅力です。
実際にプレイした感想としても、まだ1回クリアしただけで複数あるルートのすべてを体験したわけではないですが、興味がある作品が1つでもあればシリーズのだいご味である“夢の共演”を満喫できる作品になっているのではないかと! とくに、サラリーマンが主役となる新たな物語と、前々作『V』をベースに新要素も加わったシステムのおかげで、最初から最後まで快適&楽しくプレイできました!!
個人的には“レイアース”が参戦している(というか、主人公の光が登場する)だけで“神ゲー”。ただ、本作は参戦作品を1つも知らなくても、十分に楽しめると思います。
世界観の融合が素晴らしい、参戦作品が“リアル”な物語!
まず物語は、“レイアース”が参戦しているだけで満足な人間でも、非常に楽しかったです。2人の主人公(男性と女性から選択)がVTXユニオンの特務三課に所属するサラリーマンで、会社(とお金)のために戦っているのがユニーク。特務三課のメンバーはサラリーマン=一般人なので、兜甲児や獅子王凱といった各作品の主人公と会った際に、我々が芸能人やプロスポーツ選手と会ったときのように感動したりします。ホント、ゲームの中にもう1つの現実がある感じ。
さらに、参戦作品の世界がうまく融合しているのもたまりません。主人公たちの世界はもちろん普通(?)の地球ですが、“レイアース”の舞台は異世界セフィーロで、“楽園追放”にいたってはほぼ全人類がデータ化された世界。でも、それぞれの世界の人物が違和感なく登場して仲間になります。ネタバレになるので詳しくは書けませんが、甲児とアムロが戦友だったりするなど、シリーズならではのクロスオーバーの魅力を存分に味わえました。また、シークレットで意外な機体&人物が参戦しているのも大きな魅力。シリーズのファンなら誰もが驚くこと間違いナシ!
主人公メカが企業の試作機というのは過去作でもありますが、搭乗するのは基本的に会社とは無関係の人物でした。でも、本作は搭乗&サポートするメンバーの全員がサラリーマンです。
本作の世界では“機動武闘伝Gガンダム”のガンダムファイトが実際に開催されていて、主人公のドモンはその優勝者として登場。なんと、スポーツのように生中継でもされていたのか、原作最終回の告白シーンを世界中の人々が知っています。
進化した演出&システムでバトルが楽しい!
シリーズの大きな魅力が、人気ロボットたちによる迫力の戦闘シーン。過去作と劇的に違うわけではありませんが、好きな機体がグリグリ動いて敵を撃破するのは楽しいです。合体攻撃をはじめ、新たな武器が使えるようになったときには特別な演出があったりして、戦いをより盛り上げてくれます。個人的には、そのようなイベントの際に原作のテーマ曲が流れるので、プレイするなら『プレミアムアニメソング&サウンドエディション』が激しくオススメ。今回、ありがたいことに実際に体験しましたが、感動の度合いがまるで違います!!
そんなバトルは、『V』から続く“Exアクション”といったおなじみの要素と、新システムの“サポーターコマンド”などのおかげで、プレイの幅が広がっている感じ。“Exアクション”で“もう一度行動できる”といった効果を利用し、強化した1機のユニットで“無双”してもよければ、当然ながらいろいろな機体で戦ってもOKです。そして“サポーターコマンド”は、戦闘に参加しないパイロット=サポーターが“味方全体の照準値アップ”“SPを40回復”といった効果をもたらしてくれるというもの。これら2つの要素により、特定の1機を中心に部隊全体をサポートしつつ戦う、または逆の方針で戦うなど、プレイヤーの好みでさまざまな戦い方が可能になっています。
過去作でも十分ハイクオリティだった戦闘シーンは、迫力のカットインをはじめ劇的な変化はありません。でも、機体が立体的にモリモリ動くので、攻撃力ではなく演出で武器を選びそうに!
敵を攻撃する際、それで対象を撃墜できる場合は“Shoot Down!”と表示されるといった、地味ながら便利な新要素もアリ。
多彩な効果がある“サポーターコマンド”。“S-SP”という専用のポイントを消費して発動する関係で、使う効果とタイミングをどうするか、かなり悩む場面が多そう。というか、実際に悩んで、最終的に使わずにマップをクリアしたことも……。
育成の自由度もアップ! ほどよい難易度で初心者のデビュー作にも最適!!
本作はバトルだけでなく、インターミッションで行えるパイロットの強化なども進化しています。とくにパイロットに“底力”といった特殊スキルを修得させられる“スキルラーニング”では、前作などでは特定のルートに沿って開発した“スキルプログラム”を順番に関係なく開発して修得させることが可能に。ただ、開発する際に敵を撃墜したときなどに入手できる“TacP(タックポイント)”が必要な点は前作までと同じなので、戦法と同じく誰にどのスキルを修得させるかで悩むことになります。また、パイロットにオーダーを実行させることで経験値や資金が得られる“サブオーダー”で、過去作では参加不能だった直前のマップに出撃したパイロットが参加可能になったのも、育成の自由度アップの大きなポイント。
いろいろ語ってきましたが、実はプレイして最も驚いたのが、特定の条件を満たすとボーナス資金が手に入る“SRポイント”の獲得に失敗しなかったことです。過去作では、1回や2回は必ず失敗していたのに! まあ、失敗するのは条件が厳しすぎるのではなく、100%私が悪い(仮にカミーユのΖガンダムとファのメタスのどちらか1機で戦うマップがあったとすると、戦闘力が低くてもファを選ぶような人間です!)のですが(笑)。ただ、私のようなプレイの仕方でもマップを最初からやり直すことがなかったというのは、各作品の主人公の機体を中心に戦うといった普通のプレイをすれば初心者でもバッチリ進められる作品になっているのではないかと。
特殊スキルは1人につき最大30個まで修得可能。画面写真は私のクリア直前の主人公ですが、TacPは有限なので、ほかのパイロット(とくに光!)も強化する関係で、30個修得させるのはムリでした!
好きな機体&パイロットを好きなように強化して戦えるのが最高に楽しい! ちなみに、光で攻撃するときは必ず戦闘デモ“ON”です!!
そんなこんなで『V』『X』と続く三部作(物語はそれぞれ独立していて関連はありません)の集大成ともいえる本作。ファンはもちろん、シリーズ未体験の人のデビュー作にもオススメです! みんなでVTXユニオンの社員になりましょう!!
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