2019年4月3日(水)
『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』は母親と一緒に冒険した思い出のタイトル【綾那のゲームに夢中】
さまざまなゲームを遊び、愛するゲーマー女優である綾那さんのゲームコラム“綾那のゲームに夢中”の連載第19回をお届けします。
皆さん、こんにちは! 画面の中で元気に冒険していますか? そこら辺の草からお金が出てくる世界に行きたい……誰しも一度は考えたことがあることでしょう。
今回書かせていただくタイトルは、『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス(以下、トワプリ)』です。
『ゼルダの伝説』はたくさんのシリーズタイトルが出ていますが、その中でも私はこの『トワプリ』が一番好きなのです。
理由としては、一緒に冒険するバディのミドナの存在が大きいですね。生意気でよく小馬鹿にしていたのに、冒険が進むに連れてデレてくるあのカワイさ。完璧なツンデレです。ありがとうございます!
もう1つ理由があります。この『トワプリ』を最初にプレイしていた時に、いつの間にか母が後ろから見るようになって、途中から2人で謎を解きつつ楽しんだゲームなんです。
もちろんプレイするのは私で、母は後ろから「壺割って!」だの「すぐ、敵前逃亡するよね!」だのと野次を飛ばす係でしたが(苦笑)。とはいえ、親子で楽しんだゲームはなかなかないため、私にとっては特別なタイトルになりますね。
獣と人間の姿を使い分ける冒険が秀逸!
物語を簡単に書いていきたいと思います。
トアル村で暮らしている牧童の青年が、主人公であるリンクです。リンクは剣の使い手で、村の大人や子どもたちから慕われています。
ある日、トアル村の近くの湖で幼なじみのイリアと話していると、魔物が襲ってきてイリアと子どもたちがさらわれてしまうのです。
急いで追っていくも、謎の黒い壁に行く手を阻まれるリンク。すると突然黒い壁から手が伸びてきて、リンクは闇の空間である“トワイライト”へと引き込まれてしまうのでした。
唸り声をあげて獣の姿へとなるリンク。
気が付くと地下牢のような所に捕らえられており、そこで生意気な口をきく、黒くて小さな謎の人物ミドナに出会います。ミドナの助言を受けながら進むと、トワイライトに捕らえられていたハイラルの姫であるゼルダと遭遇することに。
そこでリンクは知ることになります。影を支配する王であるザントがハイラル城に攻め込んできたこと。ゼルダ姫が皆を守る為に、止む終えずザントに降伏したこと。そしてそのために、黄昏の黒雲に覆われたハイラルの人々は魂だけの存在になってしまったということを。
ゼルダ姫と別れてもとの世界に戻ったリンクでしたが、子どもたちが連れ去られてしまったのは影の領域。リンクが影の魔物に引きずり込まれないようにするには、影の者であるミドナの協力が必要ということで、リンクはミドナと協力関係を結び、先を急ぐことになるのです。
いよいよここから、ハイラルを救う冒険が始まります!
影を晴らすまでリンクは獣のままですが、影を払うことができれば人間の姿になれるように。獣リンク(ウルフリンク)にしかできない技、人間リンクでしかできないことがあるため、そこを上手に使い分けてプレイするシステムが斬新で、感動しました。
獣リンクでは、匂いや魂を見ることができたり、人間だと沈む場所を沈まずに移動できたりします。
そして何より、動物と話をすることができるんです! 動物からヒントを得て、人間に戻って解決することもありました。動物が人間に対して思っていることも聞けて、これもおもしろいので、片っ端から話しかけていましたね(笑)。
影を払ったら、ダンジョン攻略の本番です。
森の神殿では床裏に潜むムカデみたいな敵が気持ち悪くて、必要以上にブーメランを当てたり、ゴロン鉱山での相撲対決の時は長老コローネのシワシワの胸にばかり目がいってしまったり、湖底の神殿でシェルブレードにボコられたり、森の聖域ではガーディアンとの頭脳バトルに時間を費やしたり……思い出は尽きません。
ゲルド砂漠でモルドワームに追いかけられ、やっとの思いで砂漠の処刑場についたものの、流砂と姿が見えない虫によって恐怖を覚えました。砂漠の処刑場にいる中ボスを倒すと、スピナーが手に入ります。ちょっとクセのあるアイテムですが、レールで移動する時はとても爽快!
雪山の廃墟は、今までのダンジョンとは一風変わった雰囲気があったので、「ちょっとした息抜きになるかな?」と思っていたら、剣で斬って飛ばしたミニフリザドが剛速球で返ってきて氷漬けになったり、通るたびに襲ってくる厄介なホワイトウルフォスに弄ばれたりと、むしろ息をつく暇がなかったです! ちなみにこのボス(フリザーニャ)が私的には本作で一番怖いですね。
時の神殿は『ゼルダの伝説 時のオカリナ』が懐かしくなりました。さらにボスを撃破すると、天空都市にまで行くことに! この天空都市はかなり苦労しました。ボリュームも謎解きも「ラストに近づいてるな!」という感じが出ていましたね。
途中からはダブルクローショットをフル活用して進んでいくことになるのですが、その名の通り“天空”……高所恐怖症のため、つねにドキドキしていました(苦笑)。
そして“影の宮殿”です。ここは、母とあーでもないこーでもないと相談しながら攻略しました。プレイの時間がちょっと開いてしまったのがこのダンジョンの最中で、どこまで進んでいたのかを忘れてしまったのが悪いのですが……ここのボスは今まで手に入れたアイテムや知識をフル活用していく熱い戦いで、記憶に残っている人も多いのではないでしょうか。
苦労した謎解きは多々あるのですが、もっとも苦労したのは騎馬戦でした。愛馬・エポナに乗って、コリンをさらった相手を追いかけることになり、その最後でこの敵と橋の上で一騎打ちを行います。
コラムで何度か書いているのですが、乗り物などのコントロールがとにかく苦手な私は、プレイ当時ここで行き詰りました。きっと今プレイしても、天を仰ぐことになりそうです。ただ、勝った時にポーズをとるリンクがめっちゃくちゃカッコいいので、ぜひ見ていただきたいです。
エンディングにたどり着きたくないほど素敵な世界観
『ゼルダの伝説』に登場する人々は、皆個性たっぷり。「セリフを真似しちゃう」という人も少なくないと思います。
私が好きなのは、ハイラル平原を走り回ってるポストマンの鼻歌や、マロマートの「♪買っちゃいな! 買っちゃいな! 買いたくなったら買っちゃいな!」というフレーズ。
あと、自称“虫さん王国のプリンセス”のアゲハちゃんはインパクトがすごいですね。ポヤンとした顔でめちゃくちゃカワイイうえに、金色の虫を持っているのに扉から出ようとするとボソッと「…まだ持ってるくせに」って一言言うところがおもしろいですね(笑)。
あわせて、アゲハちゃんの家の外にいるストーカーも異彩を放ってます。
あとキャラではないのですが、カカリコ村にあるバーンズのボム工房も外せません。ここは“店内火気厳禁”です。ボム工房ですから、火は危ないですからね。
……でも人間、やるなと言われたらやりたくなっちゃいますよね!? ……やっちゃダメですよ?
『トワプリ』にはシリーズでもおなじみの、曲を演奏するシステムがあります。獣リンクの時には遠吠えを、人間リンクの時には草笛で曲を奏でられます。
他にもダンジョンに入る前などには、風で音を奏でている石像があるのですが、獣の時にそこを調べると特殊な空間に入ります。金色の毛並みをした美しい狼がいて、リンクがうまく遠吠えするとその金色の狼が遠吠えを返してくれます。
成功すると、人間リンクになった時に奥義を教えてくれるんですが、奥義を教えてくれるのはボロボロになった髑髏の騎士。一見、敵のようにも見える彼からいくつもの奥義を教わることになります。
彼にまつわる物語は、ぜひゲーム内で確認してください。私は、鳥肌がブワッと立ちました。あまり言えないのですが、「『ゼルダの伝説』シリーズならではの魅力を感じました」とだけ言っておきます。
本作は2006年にWii版とゲームキューブ版が発売され、2016年にはフルHD表示に対応したWii U版が発売されました。私はWii版とWii U版を遊びましたが、何度やってもおもしろいし泣けるゲームだと感じました。
最後の戦いにはなかなか行かず、いろいろな所をブラブラして遊びまわり、エンディングから目をそらしがちでしたね。思い入れが深いゲームだと、エンディング前で二の足を踏んでしまうタイプなんですよ、私は(笑)。
もしまだプレイされてない人に向けてこのセリフで締めたいと思います。「♪買っちゃいな~! 買っちゃいな~! マロマートで買っちゃいな~!」
※編集部注:当然ですが、マロマートでゲームソフトは販売されていません。
(C)2006-2016 Nintendo
※画像はWii U用ソフト『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス HD』のもの。
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