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2019年4月10日(水)

アクションゲーム『Katana ZERO』と『SKYARM』の尖りまくったゲーム性が心に刺さる【TOKYO SANDBOX】

文:キャナ☆メン

 4月6日・7日に、都内のベルサール秋葉原で開催されていたインディーゲーム展示会“TOKYO SANDBOX”。会場に出展されていたゲームの中から、ライターの気になるタイトルをピックアップし、試遊レポートをお届けします。今回は、尖りまくったゲーム性が筆者の心に刺さりまくった『Katana ZERO』と『SKYARM』を紹介!

『Katana ZERO』 『SKYARM』

一撃必殺の歯応えとエッジの効いたシナリオで没入できる『Katana ZERO』

 『Katana ZERO』は、インディゲームパブリッシャーのDevolver Digitalが4月18日より配信し、国内向けには架け橋ゲームズがフルサポートを行って、ローンチ時点から日本語対応するNintendo Switch/PC用2Dアクションゲームです。

 裏社会で“ドラゴン”として恐れられる刀使いの主人公を操作し、雇い主から請け負った任務を遂行していくストーリーで、豊富に用意された会話の選択肢と、敵も主人公も一撃必殺という漢気にあふれたバトルシステムが特徴になっています。

『Katana ZERO』

 任務は、部屋のように区切られたステージを1つ1つ攻略していく流れになっており、基本的には敵を全滅させることで先に進むことができます。が、序盤の任務から難易度はかなりシビア。

 攻撃の隙が絶妙なさじ加減で調整され、敵1人1人の動きも素早いので、刀が無駄に空を切ろうものなら、その隙を突かれてあっけなく敵にやられます。そのため、昨今のアクションゲームでありがちな連打で押し切る感覚でプレイすると死を招くばかりで、的確に間合いとタイミングを見計らって刀を振るわないと攻略できません。

 ちなみに、1度死ねばその部屋の最初からやり直し。ノーミスでクリアできなければいつまでも先に進めないので、初見プレイのハードルはかなり高いです。

 なお、主人公は薬によって精神を安定させ、予知能力を使えるという背景を持っているため、ステージ中での死はあくまで予知能力によるイメージということのようです。その予知能力に絡んで、ゲージを消費して周囲すべてをスロモーションで知覚する能力もあり、的確なタイミングでスローモーションを発動させることも攻略のカギになります。

『Katana ZERO』
▲敵をすべて倒して次に進むと、主人公はその通りの行動を実行したこととなり、モノクロの監視カメラ映像としてプレイヤーの動きがリプレイされます。

 主人公がなぜそんな能力を持っているかは謎に包まれていて、物語の重要なポイントになっているようです。任務を終えると主人公の過去のビジョンが再生され、徐々に記憶が明らかになっていきます。

『Katana ZERO』

 随所に挿入される会話の選択肢は、制限時間が設定されていて、こちらもやや緊張感がある作りになっています。ユニークなのは、薬を必要とする主人公の不安定な精神を反映するように、まずは暴力的な選択が真っ赤な文字で表示され、それを我慢するようにして一定時間が過ぎると、理性的な選択肢が表示されること。

『Katana ZERO』

 会話のローカライズもしっかりしているので、スタイリッシュ・ネオノワールと銘打たれた暗い世界観と相まって、シナリオ面から深くゲームに没入できる作品だと感じました。ゲームシステム、物語ともに“尖って”いるので、そうした作品が好きな人は、4月18日を楽しみにできると思います。

ハイスピードなワイヤーアクションに度肝を抜かれる『SKYARM』

 『SKYARM』は、伸縮するメカ・アームをワイヤーのように使い、ビルからビルへと飛び回って戦うドット絵のPC用2Dアクションゲームです。

『SKYARM』
『SKYARM』

 1番の特徴は、初見では“目にもとまらぬ”と形容していいくらいのハイスピードな動き。プレイヤーは空中に浮かぶ敵を倒してスコアを稼ぐのですが、すれ違うのは一瞬で、初めはまともに攻撃を当てることすら難しい(笑)。

 しかし、その突き抜けたゲーム性は今まで味わったことがない体験で、筆者の目も当てられない下手プレイと裏腹に、心に強く湧いてきたのは、

 このゲームすげえ……!

 という雷に打たれたような衝撃。次いで新しいオモチャを与えられた子どものようなワクワク感が心を満たし、結局、次の試遊者の方が来るまで遊ばせてもらいました。

 ちなみに、ステージ開始前にキャラクター、武器、メカ・アームを選ぶことができ、この選択によっても自機の性能は大きく変わります。

『SKYARM』 『SKYARM』
▲出展バージョンでは4体のキャラクターを選べ、それぞれに異なる系統の武器が複数種用意されていました。メカ・アームは共通で、好きな性能のものを選びます。

 開発者のハズキ氏に初心者でも扱いやすいチョイスを教えてもらい、ハイスピードなワイヤーアクションに少し目が慣れたこともあって、絶えずビルを飛び回る爽快感とトリッキーなバトルのおもしろさを楽しめました。試遊レベルのプレイ時間では、まだまだ難しいのは難しいですけどね!(笑)

 ゲームの発売時期は未定であるそうですが、突き抜けたアイデアを内包したコンパクトな作りのアクションゲームとして、光るものを感じる作品でした。

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(C) 2019 by Hazuki

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