2019年4月12日(金)

ユニークなACTゲーム3選『PROJECT “ALICE”(仮)』『時止電殻2』『Re Painter』試遊レポ【TOKYO SANDBOX】

文:キャナ☆メン

 4月6日・7日に、都内のベルサール秋葉原で開催されていたインディーゲーム展示会“TOKYO SANDBOX”。会場に出展されていたゲームの中から、ライターの気になるタイトルをピックアップし、試遊レポートをお届けします。

 紹介するのは、それぞれにユニークな特徴を持つ『PROJECT “ALICE”(仮)』、『時止電殻2』、『Re Painter』のアクションゲーム3タイトル!

『TOKYO SANDBOX』

ぴこぴこぐらむ氏のキャラで世界が構築されるメトロイドヴァニア『PROJECT “ALICE”(仮)』

 『PROJECT “ALICE”(仮)』は、イラストレーター・ぴこぴこぐらむ氏の描いたキャラクターをゲーム化するというコンセプトで、サークル“illuCalab.(いるからぼ)”がゲーム開発を行っているコラボタイトルです。

『TOKYO SANDBOX』

 完成版は、ウサダとコトラの2人を主人公に、両キャラクターを切り替えながら進んでいく“ツープラトンアクション・メトロイドヴァニア”というジャンルのアクションゲームになるとのこと。なお、出展バージョンは開発中のため、ピコピコハンマーで戦うウサダのみ操作して遊ぶことができました。

 ツープラトンアクションということで、将来的には操作をしていないもう一方のキャラクターもアシストを行ってくれるゲーム性を想定しているようです。そのため、通常の攻撃ボタンの他に協力攻撃ボタンを設定して、プレイヤーの操作で2人がコンボ攻撃を繰り出せるような形を検討しているとのことでした。

 また、メトロイドヴァニアという探索を重視したゲーム性であることから、マップ全体はそれぞれの特徴を持つ複数のエリアに区切られ、エリアの攻略順はプレイヤーの自由であるというゲームデザインになる模様。各エリアには、ボスキャラクターも配置されます。

『TOKYO SANDBOX』

 探索については、メトロイドヴァニアらしく、新たなアクションを手に入れたり、謎を解いたりすることで行ける場所が広がるイメージで構わないそうです。出展バージョンでは奈落になっていたものの、「もしかしたらここが分岐の1つかな?」と思えるような地形もありました。

 そうした探索を行う中で武器やスキルを入手し、ウサダとコトラを強化していきます。ちなみにウサダは近接武器、コトラは遠隔武器を使って戦い、2人の装備は分かれているとのことです。

『TOKYO SANDBOX』

 試遊レポというよりは、ゲームのビジョンについて伺った話がメインになりましたが、出展バージョンを遊んだ感想としては、アクションの手触り、マップデザイン、ビジュアルのそれぞれに「いいものになりそう」という感触を覚え、完成形に期待を持てる印象でした。

 メトロイドヴァニアというと、世界観の硬派なゲームが比較的多いため、ぴこぴこぐらむ氏のかわいいキャラクターが前面に出た世界観で同ジャンルを楽しめるのは、新鮮でユニークなゲーム体験になるとも思います。

 なお、開発状況については、まずは『幻走スカイドリフト』の移植作業が先ということで、本格的な開発に着手するのは、そちらが落ち着いてからとのことでした。

弾を打ち返すアクションが気持ちいい『時止電殻2』

 サークル“電核製鋼”の『時止電殻2』は、“時を止めて弾を打ち返すロボットアクション”というコンセプトのPC用3Dロボットアクションゲーム。文字通り、打撃攻撃によって敵の弾を撃ち返せる点がユニークで、パーツによるカスタマイズなども楽しめます。

『TOKYO SANDBOX』

 ゲームサイクルとしては、ステージに出撃して報酬を得ながら、自機をカスタマイズしてさらなるステージへ挑む形になっています。ステージ数は、最終的に約30ほどを予定しているそうです。

 ステージ中は、基本的には一般的な3Dロボットアクションゲームの感覚でプレイできつつ、“時間停止”と“弾を撃ち返す”ことがキモに。それぞれ独立したアクションですが、両者を組み合わせることで戦術の幅が広がります。特に、複数の弾を撃ち返した時が気持ちいい!

『TOKYO SANDBOX』
▲パーツを取り付けると、それに応じて見た目が変わります。

 カスタマイズは、ロックオンの補助やブースト容量の増加などオプション的な効果を持ったパーツの装着と、3種類のカードを選択するデッキ編成が行えます。いずれも定められたコストの範囲でカスタマイズする必要があり、ステージを攻略すれば最大コストが上昇していくシステムとのことです。

『TOKYO SANDBOX』

 カードは、時間停止できる長さに関係にしている他、ゲームを有利にするスキルが設定されています。ステージ中で時間停止するごとにカードを消費するので、同じカードでも複数手に入れておく必要があります。

『TOKYO SANDBOX』

 今後のスケジュールとしては、今夏のコミティアにて頒布を予定しているとのことです。なお、試作版はBOOTHで無料公開されているので、どんなゲームか気になる人はダウンロードをぜひ。

自分の描いた絵がオリジナルの必殺技になるユニークな2Dアクションゲーム『Re Painter』

 『Re Painter』は、個人開発者のこーひーあーる氏が制作する見下ろし型のPC用2Dアクションゲームです。

『TOKYO SANDBOX』

 本作で非常におもしろいのは、ゲーム内の描画ツールのようなもので絵を描くと、それがオリジナルの必殺技として使えるシステム。インクの概念があるため、無制限に線を引くことはできないものの、想像力や発想次第で自分だけの必殺技を作れるのは、すばらしいアイデアだと思いました。

 絵はフリーハンドで描くこともできますが、簡単に図形を描けるような定規機能が複数種用意されていて、ちょっとしたイラストやオリジナルの魔方陣などを短時間で作成可能です。必殺技を発動すると、描いた順番通りに線が出現して、敵を攻撃していく仕組みになっています。このあたりは、動画を見ると一目瞭然でしょう。

『TOKYO SANDBOX』
▲描画ツールのような、必殺技作成画面で自由にお絵かき。
『TOKYO SANDBOX』
▲ツール上で描いた絵を必殺技に登録すると、ゲージがMAXになった時、使用できます。

 ストーリーは、売れないイラストレーターの主人公が、4人の著名なイラストレーターである“KAMIESHI”(神絵師)を倒すというもの。体験版が無料公開されているitch.ioのページBOOTHのページでは、実際に絵を描く人々に向けた開発者の思いも書かれているので、そちらも合わせて読むと世界観やゲームが開発された理由について理解が深まるのではないかと。

『TOKYO SANDBOX』
『TOKYO SANDBOX』

 なお、出展バージョンとは別に体験版も遊んでみたところ、こちらはインクに余裕があっていろいろ試せるので、絵心の有無にかかわらず、オリジナルの絵を描いて必殺技にできるというユニークなシステムを楽しめると思います。

 こーひーあーる氏によると、完成版のリリースは2019年冬を目標にしているとのこと。個人開発であるため、ボリュームはコンパクトに抑えて、実現可能な範囲でゲームを完成させることを計画しているそうです。評判がよければ、協力プレイを実装してみたいとも話していました。

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