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2019年4月25日(木)

『ミエナイキズナ』キーマンインタビュー。目指したのは、聴覚で意識を切り替えさせるコンテンツ

文:まさん

 ソニー・ミュージックソリューションズが、iOS/Android用アプリ『舞台めぐり』内で展開している新コンテンツ『ミエナイキズナ』。本作品のプロデューサーの安彦剛志氏、シナリオライターの丸戸史明氏、イラストレーターの和遥キナ氏の3名に、本作の見どころを伺ってみました。また、記事の最後には、『ミエナイキズナ』ユーザー向けのプレゼントもいただきましたので、最後までご覧ください。

『ミエナイキズナ』
▲『ミエナイキズナ』は、植田佳奈さん演じる姿が見えないヒロイン・ゆかりとのデートがARで体験できます。

 『ミエナイキズナ』は、2019年3月25日~6月30日の期間限定で、アプリ『舞台めぐり』で公開されているオリジナルコンテンツ。“Sound AR”という技術を使い、西武鉄道の駅から巡れる地域(池袋・江古田・石神井公園)を舞台としたリアルな東京の景色と、ARによる“音”を使った体験が楽しめるこれまでにないコンテンツです。

 シナリオは丸戸史明さん、イラストは和遥キナさん、ヒロイン・ゆかりのキャラクターボイスは声優の植田佳奈さん、男性ボイスおよびナレーションを下鶴直幸さんが担当しています。

 収録されている音声は、『Xperia Ear Duo』や『STH40D』など開放型のイヤホンで最適になるように調整されており、バイノーラル録音によってヒロインの声が前後左右から聞こえるように楽しめます。ゴールデンウィークなのど長期の休みを利用して楽しむのはもちろん、仕事帰りなどの合間に移動しながら楽しめる新感覚のコンテンツです。

 それでは、3人のインタビューをご覧ください。

“脳内のスイッチ”を入れるために必要な“音”というギミック

──まずは、『ミエナイキズナ』を制作しようと思った経緯から教えてください。

安彦さん:長い話になるのですが……これまで『舞台めぐり』もARと呼んではいたものの、画像が出てきて写真を撮るだけで、まったく“拡張現実”をしている実感がなかったのですよ。ARというギミック自体が、そういうものだと思われているんです。

 私たちも実際にいろいろな地域へ行って、地域の方と一緒にコンテンツを使って楽しもうという企画をやってきましたが、現状のARコンテンツはスナップショット――思い入れをワンシーンとして撮り、お土産としてもらう感覚のものなんですね。拡張現実というより、アディショナルにお土産をもらったような感じでは扱えると思っていました。

 そんな中で、もしもキャラクターが隣にいて「ねえねえ、周りを見て……」と言い、かつてあった町の風景を説明するような声が聞こえてきたら、一緒にいる感じがより強く出せるのではないかと思ったんです。

 そこで、キャラクターの声でさまざまな場所の状況を補足してしゃべってもらい、自分の見た景色が拡張現実されるプロジェクトを2年半くらい前に実施しました。このプロジェクトの中でわかったのは、人間の視覚よりも聴覚のほうがARというコンテンツに向いているかもしれないということです。

 VRであれば、仮想現実の世界観の中に自分が入っていく形であるからいいのでしょうが、ARだと人間の視覚が優秀過ぎるため、現状ではどうしても違和感を覚えてしまうんです。逆に、その違和感と折り合いをつけて楽しめるのも人間の脳の力ではあるのですが。

 それに比べると聴覚は、現実の世界に仮想のコンテンツを上書きしやすい。ですから音を使ったプロジェクトをやりたいと思ったんです。それが、この“Sound AR”という新しいジャンルを作りたいと考えた一番のきっかけですね。

丸戸さん:なるほど。そうなんですね。実は、今初めて聞きました(笑)。

安彦さん:すいません。本当は動き出したタイミングで、こういう話をしようと思っていたのですが……。

和遥さん:会議に現れなかったんです(笑)。

――えっ!?

丸戸さん:『ミエナイキズナ』の開発中、一番の事件がそれでしたね。この人、一番最初の会議に参加していないんですよ(笑)。

安彦さん:きちんと説明しますが、サボったとかじゃありません。一番初めのキックオフでお二方に来ていただいて、「よし、この体制でやるぞ!」という前日に、私が大腿骨を骨折してしまい、北海道から帰ってこられなくなるという大事件がありました……(笑)。

丸戸さん:顔合わせの時に「安彦さんはいません」と言われて、こちらも「えぇ?」と……。

和遥さん:安彦さんは笑っていますけど、本当に驚きました。

──スタートから、いきなり大波乱だったのですね。

安彦さん:そんな大事件の中、ここまでのものが作れたのは、お2人の力あってのものなので、本当に感謝しています。

丸戸さん:いやあ、まさかサービスが予定通り3月中に立ち上がるとは、夢にも思いませんでした。

安彦さん:いろいろなところから、これは間に合わなくて夏になるだろうと言われていましたからね。「絶対に3月に出します!」と言って、なんとかがんばってリリースできましたが、そういう事件がありました。全然関係ないネタだとは思いますが……。

丸戸さん:いや、今回一番のポイントですよ!!(笑)

和遥さん:確かにそうですね(笑)。

──そうしたアクシデントもありつつ完成した『ミエナイキズナ』ですが、この作品を単一のコンテンツとしてリリースせず、あくまでも『舞台めぐり』内の1コンテンツにした理由はあるのでしょうか?

安彦さん:もともと私には、“地球丸ごとテーマパーク”という構想がありまして、基本的に『舞台めぐり』の目指している世界観が「現実の世界をエンターテインメントにしてしまおう!」というものなんです。

 私の中の勝手な基準なのですが、テーマパークとは“脳内のスイッチを入れられるかどうか”が基準だと思っていて……たとえば、ディズニーランドがそうじゃないですか。例えば、舞浜の駅を降りて、頭に耳の飾りをつけると脳内のスイッチが入る。駅を降りてディズニーランドに入ると、もう耳をつけてもいいと思っちゃうんですよ。

 あれって、たぶん京葉線でディズニーランドに向かっている時には着けられないものなんですよ。あの耳をつけるタイミングがスイッチだと思っています。ですので、『ミエナイキズナ』をやるにあたっては、音や写真撮影などで「自分はここに来た!」とか「ゆかりに話しかけられた!」とか思ってもらえればいいと考えたんです。

 だから、今までのような写真を撮影するARから、今回は音を使って脳内スイッチを入れる取り組みをやろう、同じ環境で『舞台めぐり』の幅を広げていこうと考えて、『舞台めぐり』のコンテンツとして作り始めました。

──なるほど。そうした取り組みの中でシナリオに丸戸先生、イラストに和遥先生を起用した理由も教えていただけませんか?

安彦さん:丸戸先生は、私が昔から先生のファンだったのが理由です。だから、お会いした時にすぐ話を持ち掛けました。

丸戸さん:なぜか安彦さんが、とあるイベントの打ち上げにいまして、そこでいきなり40ページくらいの企画書を渡されて……(笑)。打ち上げの後に熟読して「どうしようかな?」と(笑)。

安彦さん:丸戸先生の書くシナリオは、すごい妄想が込められているんですよ。丸戸先生が出世作である『パルフェ ~ショコラ second brew~』というゲームが大好きで……。特に夏海里伽子というキャラクターが好きなのですが、丸戸先生が書かれるシナリオはある意味独特で“オタク殺し”なんですよ。オタクであればあるほど好きな世界観で、先ほども言ったように脳内のスイッチを入れてくれる作品なんです。

参考記事

 現実の町を歩いて脳内をトリップさせてあげるようなコンテンツは今までやったことがありませんし、すごく難しい。そんなコンテンツに柔軟に対応してくれそうな方は丸戸先生しかいない! と思って、なんとかお願いできないかとご相談を差し上げたところ、たまたま「このタイミングだったら受けていいよ」と言っていただけました。

 それと、新しい物にチャレンジしていただく非常に先進的なコンテンツなのですが、丸戸さんはゲームのシナリオをやられていたこともあって、抵抗なく一緒にやっていただけると言っていただけたとところが、うまくいった経緯なのかなと。

 イラストの和遥先生は、日本一ソフトウェアさんが岐阜で主宰している“ぜんため”というイベントで、お会いしたのがきっかけです。

和遥さん:第1回の“ぜんため”で、私が個展を開いていた時ですね。

安彦さん:絵柄がとても好きだったこともありますが、人物を風景と重ね合わせて作られている絵が本当に象徴的でした。そこがまさにARの世界観なのですが、ちゃんと風景まで描いて世の中にキャラクターのイラストを出されている人は、実はあまり多くないんですよ。その作品の在り方が僕の中で非常に印象深かったんです。

 実際に和遥先生は現実のリアルな土地とコラボされて、その土地のお土産的な絵も作られていた。そこがすごい私の中で、響いていました。「いい絵になる風景をきちんと補足して、そこに生き生きとしたキャラクターを描ける人がこんなところにいたのか!」と。

 そこでご挨拶をさせていただき、その後も何回か「こういう取り組みがあるので、ご一緒させていただけませんか?」とお願いしたら「やります!」と言っていただけたので今回の座組で作品を制作できました。

──安彦さんからのお誘いを受けた時、丸戸さんはどう思われましたか?

丸戸さん:『舞台めぐり』の仕様を聞いて、その仕様上でどんなことができるのか考えました。まずは『Xperia Ear Duo』を使って、環境音と地点で情報が流れ込んでくるような仕様のドラマを作りたいというお話だったので、それ自体もおもしろそうですし、いろいろとやりたいことが浮かびました。

 『ミエナイキズナ』のシナリオは、ちょっといい話になりましたが、安彦さんに企画書を渡された時に私がやりたいなと思ったのはミステリーやホラーでした。AR上の見える物や音で証拠を集めて推理したり、先ほどのテーマパークの話のようにミステリーテーマパークを考えていました。あるいは、後ろからヒタヒタ迫ってくるようなホラーもいいかなと。

『ミエナイキズナ』
▲『ミエナイキズナ』は、植田佳奈さん演じる姿が見えないヒロイン・ゆかりとのデートがARで体験できます。

 恐怖の演出と音はすごく親和性があるんですよ。そういったいろいろなネタがポンポン出てきたのですが、まだ技術的に難しいものが多かったので……。

 そこで、このコンテンツをどういった人にアピールしていくべきか? となった時に、男性にアピールしたいと言われて「それならカワイイ女の子を出すべきですし、そうなると(女の子と)イチャイチャするべきでしょう」という話になりました。結局、自分の守備範囲に戻ってきちゃうんですよね。せっかくいろいろと新しいことを考えたのに(笑)。

 とはいえ、新しいことをする中で、ちょっとしたミステリー風味な物は付加しようと思ったんです。隣の人と会話するだけではありきたりですし、それなら、自分がよくわかっていない、実際には見えていない、意識していないのに耳元で語られる流れにするほうが、デバイスの仕様と合っていると思ったので、この話にさせていただきました。

 本当は“その角を曲がると何か聞こえる”というくらいのピンポイントで地点と情報を連動させて、実際に動きを導いて一緒に歩いているようなことをしたいと提案したのですが……。

安彦さん:「すみません、まだそこまでは無理です」とお断りさせていただきました。今回は断念しましたが、いずれはそういうところまでやりたいですね。

──和遥先生は、今回の企画を相談された時にどう思われましたか?

和遥さん:正直なところ、最初に明示された時は全然イメージが湧かなかったですね。“Sound AR”と言われてもピンとこないですし、「音を使った企画であなたの絵がピッタリだと思ったので絵を使いたい!」と説明されても、今リリースされている『ミエナイキズナ』の姿は思い描けていませんでした。

 それでも、安彦さんが今までにないような新しい何かに取り組もうとしていることは、強烈に伝わってきたんですよ。それと安彦さんと何度かお会いして『舞台めぐり』の設計自体がどういう仕組みなのかを理解したつもりでしたので、コレはとりあえず乗っかってみようと思って受けさせていただきました。

──そこからお2人が参加して企画が始まったわけですが、安彦さんが骨折して参加できない状態で、どのように打ち合わせを進めたのでしょうか?

安彦さん:『舞台めぐり』の仕事に関わっているスタッフとマネジメントをしている人間にパワーポイントを送り付けて、それを見せたうえで、お2人がどういう世界観をイメージしているのか聞き取ってフィードバックしてほしいと頼みました。

丸戸さん:企画の最初の段階から、今のギミックに近い構成を組まれていたんです。それなら女子大生くらいのヒロインというイメージがいいのではないかと伝えたら、安彦さんからは「キナさんといったら、黒髪ロングのイメージが強いと思うんですけど……」と返ってきて……。

安彦さん:私の中にはそのイメージが強かったので、大丈夫なの? と確認したら、丸戸さんが「大丈夫。詳しくは言えないけど大丈夫です!」と力強く(笑)。

和遥さん:私からも「ぜひ、茶髪の少女でウェーブの女の子を描かせてください!」と言いました。

丸戸さん:そんな流れで、ゆかりというキャラクターが決まりましたね。さらに、いろいろなところから話しかけてくる仕様を生かしたいので、明るくて小悪魔っぽいお姉さん的なキャラクターを作ろうということで、茶髪でソバージュになっています。

──言われてみると、ゆかりのビジュアルはこれまでの和遥先生が描かれるイメージとは違っていて新しい感じを受けました。和遥先生ご自身は、どう思われましたか?

和遥さん:むしろ、私のほうからも「今回、黒髪はやめませんか?」と提案させていただいたんですよ。

──そうだったんですね。

和遥さん:『ミエナイキズナ』では、積極的に自分から変えています。私の絵をよく知っているファンの方にも「え? なんで、キナさんの絵なのに黒髪じゃないの?」と思われるであろうからこそ、その部分を攻めていきたいですし、実際にユーザーが初見で「あれ?」と思ったあと、プレイしていただいて「これでよかった!」と思ってもらえるギャップを狙っています。

 それに、「キナさんといえばコレだよね」という感じで、いつも黒髪ロングばかり発注されるんですよ(笑)。もちろんそれは好きですしありがたいことではあるのですが、正直飽きてもいたので、そうではないものもやりたかったんです。そんな事情も含めて、今回は茶髪のイメージで行こうと提案させていただきました。

プロットを読み込み過ぎてボツになったメインビジュアル

──その流れで、ビジュアルについてお聞きしたいと思います。とくにユーザーの目に触れるのは、ゆかりが指をさしている画像ですが、ビジュアル面で力を入れたポイントを教えてください。

『ミエナイキズナ』
▲こちらは『ミエナイキズナ』のキービジュアル。

丸戸さん:このイラスト。実は、1回ボツを出しちゃったんですよね。まさか、キナさんにボツを出す人が今時いるのかって話なんですけど(笑)。ボツにした理由は2つあって、切なそうな表情をしていたことと、視線がユーザーを見ていなかったことです。

 前のイラストを見た時に、今一緒に仕事をしている編集者から、「この作品は、女の子に興味を持って好きになってもらう作品なので、まず女の子がこちらを好きだという部分を表に出すべきだ」という意見をいただきました。

 この女の子とコミュニケーションをさせたいのなら、切なそうな顔ではなく笑顔でいるべきだし、相手がこちらを意識して正面を向いているべきだということです。私はそれほど意識してなかったのですが、ラノベの表紙を作る人たちにはそういう視点もあるのだなと。

──確かに、今のビジュアルだとゆかりはこちらを向いていますね。

丸戸さん:前のバージョンもすごくいい絵だったのですが、”女の子とコミュニケーションを取るゲームをプレイしてもらう”という観点ではこちらでした。

安彦さん:むしろ、前のバージョンもユーザーに見ていただきたいくらい、絵としては好きなんですよね。

和遥さん:確かに最初のバージョンは、非常にメタ的な絵になってしまったと思っています。プロットを読み込み過ぎて、物語の先を読み過ぎてしまったかなと。

丸戸さん:最初に取り掛かる人にはそこが伝わらないから、という話はしていましたね。

『ミエナイキズナ』
『ミエナイキズナ』
▲こちらの2枚はボツになってしまった画像。採用されたものと比べると、切なさやはかなさが前面に出ている印象があります。

――なるほど。企画の内容を知り過ぎているがゆえの絵になってしまったんですね。

丸戸さん:だから、企画を知っている安彦さんは絶賛してきたんですよ。

安彦さん:「一見の人からすれば企画を知っているわけではないので、こちらを見てくれるとか、明るい笑顔で迎えてくれるほうが遊んでみたいと思えるよね」と言われて、バーンと頭を打たれたような感じでした。

和遥さん:その時点で3案くらい提出していたのですが、安彦さん経由でメールをいただいた時に、丸戸先生たちの不満そうな「これは違う」というニュアンスを察知したんですよ。「消去法で妥協点がコレです」というニュアンスでしたので、ヤバイと思って急遽3案とも全部引っ込めて描きなおし、修正して送りなおしました。

安彦さん:「コレはどれも消去法ですよね? もう1回描きなおします」というメールをいただいて、まさかそんなことを言っていただけるとは……と驚きました。そこで、さらに新しい構図と新しいシチュエーションで3案くらい作っていただいたので、並べると計6つ、いろいろな方向性で描いた絵があるんです。新しく作り直していただいた今回の絵が我々の中でも大絶賛でしたし、丸戸先生たちも「コレだ!」となりました。

和遥さん:すごくホッとしました。むしろ、リテイクを出させてしまったな……申し訳ない! という感じでしたね。作品内に自分がのめり込み過ぎていたんですね。逆に、プロットを読まない方が1発でOKが出たかもしれません。プロットを読み過ぎてしまったのがよくなかったかなと。

――正式に採用されたイラストのポイントをうかがってもよろしいでしょうか?

和遥さん:池袋にスペイン階段が存在するのを初めて知ったのですが、最初はスペイン階段と言われたので、『ローマの休日』をオマージュしたような絵も作ってみたんですよ。

丸戸さん:ジェラートを出したり?(笑)

和遥さん:ジェラートが出たら完璧に『ローマの休日』なっちゃうじゃないですか(笑)。先ほど丸戸さんがお話ししてくれた経緯がありつつ、元気な感じを前面に出して、なおかつ背景としては今の場所を選びました。

 スペイン階段は、途中にあるミニチュアが特徴的なんですよね。だから、ミニチュアとサンシャイン広場が奥に広がっている構図が見えるようにしないと場所がどこかわからないと思っていたのですが、そうすると今度はキャラクターがなかなか大きく描けないというジレンマがすごくあって……。

 元気で一緒にデートしたい感じといえば、めちゃくちゃ寄りで「はい、あ~ん」くらいの距離感がいいのだろうと思ったのですが、せっかくスタート地点にスペイン階段という場所を選んでいただいたのですから、全身図を見せつつ一緒にデートする感じを出したかった。それでいてスペイン階段であることもわかるという条件を全部満たすのが、あの構図でした。

 ちなみに、最初のラフでOKをいただいて時は、左手を上げる絵ではなかったことを覚えています。ラフの段階でロゴを入れてもらった時に、コレは指を差したらいい感じになるなと思って、黙って勝手にこのポーズにしました。次は、あのポイントに行こう!」といったニュアンスになって、よかったのではないかと思います。

『ミエナイキズナ』 『ミエナイキズナ』
▲手を上げる前のラフと、完成後のイラスト。こうして並べて見ると、確かに完成後のほうが躍動感を感じるイラストになっています。

──指が上がったイラストを見て、安彦さんはどう思われました?

安彦さん:元は元でいい感じだと思いますが、私たちも一瞬で和遥先生がおっしゃっていた「次に行こうよ!」という意図を察知できたので、確かにこちらのほうがいいと思いました。キャラクター的にも躍動感があったほうがいいんです。現実の世界とくっついた時に棒立ちの絵だと合わない。キャラクター設定画がARに合わないと同じで、世界観に入りづらいところがあるんです。

――動きがあったほうが入り込みやすいということですね。

安彦さん:そういった意味でも、和遥先生はこちらの意図を汲んでくれていて、すごく理解してくださっているので本当に素晴らしいです。

――キャラクターと会っているような印象で、すごく『舞台めぐり』っぽさがありますね。歩幅が大きいところも活動的な印象を受けました。

和遥さん:そこは自然な歩き方ではないのですが、わざと1歩を大きく広げるようなポーズにしました。

──確かに、一緒に歩いているような感じが出ていますね。ちなみに、ロケーションはどのような流れで決まったのでしょうか。

丸戸さん:池袋を題材にするのは決まっていましたが、ロケーションは二転三転しました。最初、安彦さんが提案してきたのは桜のスポットだったんですよ。ただ、サービス期間が6月まであるので、それだと桜が散っているじゃないですか。サービス開始から2週間しか持たない企画になるので、流石にそれはどうだろうということで桜のスポット推しではなくなりました。

紆余曲折のあったスポット決定

──スポットを決める時から、丸戸さんが関わっていらっしゃったのですか?

丸戸さん:スポット自体は、最初に提示していただきました。そこでどんな話をするか考えるためにロケハンに行って、結局ロケハンしたものでは石神井公園と三宝寺池だけが残っています。

安彦さん:最初は大泉学園など、いろいろ違う場所もありましたね。

──そのような候補があった中で、池袋・江古田・石神井公園というスポットに決まった経緯を教えてください。

『ミエナイキズナ』
▲池袋駅・江古田駅・石神井公園駅で配布中の小冊子に掲載されているラリーマップです。

安彦さん:西武鉄道さんのおかげです。西武鉄道さんはポスターを貼ってくれるなど、すごく宣伝に協力してくれたんですよ。西武鉄道さんは、昔から舞台めぐりのような世界観を好まれていて、コンテンツを使って西武線沿線を旅させたいというところがありました。

 この企画を提案したところ西武鉄道さんからも「やらせてください!」とすごく乗り気でお返事をくださって「西武鉄道ゆかりの場所でしたら、うちはすべてOKを出します」とまで言ってくれたんです。だから、サンシャインを使っているんですね。サンシャインは西武グループで、たくさんの方が知っている場所ですから。コスプレの聖地でもあって、コスプレイヤーのみなさんは知っているし、写真も撮っている場所なので使い勝手がよかったんです。

丸戸さん:アニメファンにしてみれば、同人誌即売会の開催場所でもありますね。最初に西武鉄道さんと組めるとわかった時は「こういう企画は秩父が盛んですよね」と聞いてみたのですが、さすがに秩父までは1日で回れませんと却下されました(笑)。

安彦さん:非常に強力なタッグで作っているとはいえ、やはり新規IPなので触れてもらうことが重要だと考えたんです。ですので、多くの方に「東京近辺なら帰り道に寄れるかな?」と思えるところにしたかったんです。

 今も夜にめぐってくれる人がいるみたいなのですが、そこもある意味狙った通りですね。まずは第1弾で会社帰りにちょっと寄れるような場所を作り、ここで人気が出れば第2弾、第3弾で、だんだん秩父に向かっていくもアリかなと思いました。

 石神井公園も季節によって変化がある場所なので、舞台めぐりのコンセプトである“外を歩いてもらって現地のよさを味わってもらう”というポイントに合致しています。石神井公園は歩いているだけでも楽しいですし、作品の重要なキーポイントになっています。

丸戸さん:歩いているだけで楽しいですね。ただ、経験者は語りますが石神井公園に行って、ボート池に行って、三宝寺池に行ってと結構歩きますよ。

安彦さん:私は骨折していたので、杖をついて2周回りましたよ。帰る時はグロッキーになっていました(笑)。

丸戸さん:みなさんにも、運動していただいきましょう(笑)。

第2、第3弾ではシナリオ分岐も入れたい!

――ちなみに、シナリオのほうでみなさんが注目してほしいポイントを教えてください。

丸戸さん:最初にお話ししたように耳元で話しかけてくる。しかも、それがいろいろと動くということをを生かすために、どんなキャラクターがいいのかというのを考えて、幽霊みたいなお姉さんをヒロインにしました。リアルの人間が前後左右にコロコロと位置を変えると挙動不審な人ですから、声はすれども姿は見えぬという素行をうまく実装するできるようなキャラクターにしています。

安彦さん:ユーザーにしか見えない設定ということで、ある意味では『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』に近いかもしれないですね。

丸戸さん:当初は、バッドエンドだったら憑り殺されるようにしたいという話もしていましたね。シナリオ分岐を入れたり、スポットをめぐる順番で展開が変わったりといったことも考えていたのですが、今回はできないと言われて断念しています。

安彦さん:実は『舞台めぐり』の中には“うぉーく!システム”というものがあって、それを使うとシナリオ分岐もできることはできるんですよ。実際に、『ガルパンうぉーく!』というコンテンツではシナリオ分岐を楽しめます。あちらは6ルートがそれぞれエンディング分岐するうえ、コンプリートすると真のエンディングが出てくる仕掛けなのですが、同じことをやろうとするとお金も時間もかかってしまって、3月までにリリースに到底間に合わなかったので止めました。

 そもそも、“Sound AR”という物自体が新しいコンテンツなので、最初からパーフェクトなものを作って出すよりも、まずは1回出して“歩いていたら音が聞こえてくること”をおもしろいと思ってもらうほうが大事だと思ったんですよ。そこから第2、第3弾でよりよいシステムを作っていければいいというスタンスです。

 考えすぎて出せないというのがもっともダメなパターンで、それよりもとりあえずやってみようの精神ですね。「あれをやってほしい」「これは問題だよね」という声が出てきたのであれば「では第2弾ではやります!」という風にして人を集めていく手法のほうが、私は好きなんです。とにかく、『ミエナイキズナ』は世に出すことを最優先にして制作させていただきました。

丸戸さん:ソフトウェア工学の用語に“アジャイル開発”というものがあるのですが、安彦さんの作り方はそれですね。仕様や設計の変更があることを前提にしつつ機敏に開発する手法です。

安彦さん:よく言えばそういうことですね。じゃあ、アジャイル開発しています(笑)。

──とはいえ、この手のコンテンツとしては、かなりシナリオのボリュームがありますよね。

丸戸さん:ええ。最初に提示されたものよりも増えています。というのも、最初に提示された量だとストーリーは書けません、と申し入れたんです。出会いから別れ、そして真相までを入れると、最初に提示された文字数で書けるような筆力は自分にはないんですよ。もともと会話の流れを書くのが好きなので、どうしても増えてしまいました。

──ちなみに、和遥先生としては、シナリオのどこが見どころだと思いますか。

和遥さん:三宝寺池が一番いい雰囲気になっていると思います。あそこは池の真ん中に小屋があって、そこからのながめが綺麗だろうなと。

丸戸さん:実際に行ってみると「ああ、ここだな」というポイントがわかります。雨が降ったら小屋に逃げ込むとか、そういうシチュエーションがいいなと想起されると思いますよ。

和遥さん:ちなみに、公園内のとある場所で写真を撮っていただくと、もしかしたらよりシナリオを楽しめるかもしれません。本作にはエンドカードがあるのですが……後は、実際に遊んで確かめてみてください。

安彦さん:すでに遊んだうえでインタビューを読んだ方は、エンドカードを見直してみてほしいですね。

和遥さん:イラスト的な話をすると、スペイン階段は絶対「ここだ!」とわかるようにしなくちゃいけなかったのですが、エンディングの場所は、その逆でわかる人にだけわかるほうがいいかなと思ったんです。ですが、その場所で写真を撮っていない人もいるかもしれませんので、さりげない感じに留めてあります。どの部分なのかわかった方は、「なるほどね!」と楽しんでもらえればと思います。

シナリオライターの私が収録を見学に行ったら音響監督になっていた件

──ヒロイン・ゆかりの声に植田佳奈さんをキャスティングされた経緯を教えてください。

安彦さん:うちのエンジニアリーダーが植田さんの大ファンで、一度仕事がしたかったと言っていたのが理由の1つですね。ですのでお願いしました。そしたら植田さん本人もバイノーラル録音に興味を示していただけたので、本作に出演いただきました。

 バイノーラル録音は10年くらい前から話題になって、また忘れられて……という仕組みでしたが、今回はバイノーラルというものと“オープンイヤー”という外の音を抜きながらバイノーラルするという誰もやっていないことをしています。

 バイノーラルは、どちらかといえば密閉型のヘッドフォンで右と左の音をガッツリ楽しむというものでしたが、オープンイヤーと組み合わせて耳元でささやかれるというのは、実は新しい体験だと思います。

 オープンイヤースタイルヘッドセットでサンプルを聞いていただければ、どんなことを目指しているのかわかっていただけるのではないかと。

『ミエナイキズナ』ゆかりサンプルボイス

──そもそも、バイノーラルと、『Xperia Ear Duo』や有線タイプの『STH40D』などのオープンイヤースタイルヘッドセットの仕組みを利用した作品にしようと思ったきっかけを聞いてもいいですか?

安彦さん:これは、最初のほうでも話した“自分の見た景色が拡張現実されるプロジェクト”の時に、いくつかボイスを撮って耳元でささやくようなものを試したら、得も言われぬ“ゾワッ”とした感覚に襲われたんですよ。

 その時はバイノーラルではなく普通の声だったのですが、“ゾワッ”という感覚を増すために何かできないか? と話をしていたところ、「バイノーラルでやってみない?」と提案されて、サンプルボイスをもらいました。それを聞いてみたら、リアルな世界で耳元でささやかれたら、絶対に“ゾワッ”が強くなると思ったんですよ。

丸戸さん:バイノーラル録音と環境音を混ぜたのは、もう1つ何か意図があると思うのですが、そこはどうだったんですか?

安彦さん:あれ? 急にインタビュアーが増えた!?(笑)

和遥さん:やはり、そこを語ってもらわないと『Xperia Ear Duo』である意味がないでしょう(笑)。

丸戸さん:安彦さんには、“町の雑踏の中から聞こえてくる音声のイメージ”があったと思うんですよね。

安彦さん:あっ、インタビュアーが答えてくれてる(笑)。せっかくの機会なのでお話しさせていただきますと、基本的に人は、日常の中で知っている声が聞こえてくると、それを聞き取ろうとする能力が働くんです。知らない声や、興味のないことはスルーしてしまうんですよ。よく知っている人の声や興味のある話題が聞こえると、少し距離があったり、騒々しくても「あ、あいつがいる」と気が付くことって、あると思うんです。これは、前半で話した“脳内のスイッチを入れる”と似たようなロジックだと思っていました。

 聞き覚えのある、興味のある声をわざと入れることで、脳内のスイッチを入れることが一番のポイントなんです。そのためにはヘッドフォンでクローズするのではなく、町を歩いて外の音が聞こえていて、その中で知っている音――この場合はゆかりの声ですね。それが聞こえて“そうだそうだ、ゆかりとデートしているんだった”ということに意識が向いてしまう……そんな体験をしてほしいんです。

 今回は、その狙いもあるためオープンイヤースタイルヘッドセットで楽しむ環境を作りました。バイノーラルは、ある意味でより没入するための付加要素ではあるのですが、雑踏の中で知っている声が聞こえてきた時に、一瞬で脳内スイッチが入るという感覚を味わってほしかったところがあります。

 今回の仕組みで言えば、あるポイントとポイントの4カ所くらいで自動再生ボイスが流れます。一番わかりやすいのは、西武池袋線に乗って、池袋駅から江古田駅の近くまで来る時ですね。ゆかりが「江古田~、江古田~。デートにお越しの方はこちらでお降りください」と話してくれて、ちょうど電車が止まるくらいに流れ終わるんです。

 これがなかなかおもしろくて、「タイミングピッタリだ!」とネットに書き込みしてくれている人もいました。例えば、自動で再生して街を歩いていると、いろいろな場所で声が聞こえてくる。その声を集めていくと物語になる。将来的には、そういったコンテンツを作りたいと考えています。

丸戸さん:私も誤差数メートルくらいで、その仕組みを実現できないかと言ったのですが「まだ、そこまではできません」と言われてしまいました。これはGPSの精度の問題のようなので、技術が進んでくれば、ある角を曲がるとセリフが聞こえる……といったこともできるようになるかもしれませんね。

──さっきの駅のアナウンスはわかりやすいし、おもしろいですね。西武鉄道の各駅でアナウンスをしてほしいくらいです。

安彦さん:そうですね。例えば『Xperia Ear Duo』を使って『舞台めぐり』を遊んでいる人は、普通の停車駅のアナウンスが鳴るタイミングで、キャラクターの声で駅アナウンスをささやいてくれる……なんていうのもなかなかおもしろいかもしれません。

――というところで話を植田さんに戻しますが、丸戸先生たちは最初に植田さんの音声を聞いて、どのような印象を持たれましたか?

丸戸さん:もう、聞いたどころじゃないですよ! 最初は「収録がありますよ」と連絡をいただいて、ちょっと見学するつもりの気持ちで行ったんです。そしたら音響監督がいなかったんです。安彦さんに聞いたら、この作品は新規IPで音響監督は手配していなかったんです。じゃあ、誰が演技指導をするのかという話になって……。

安彦さん:そうなんですよ。丸戸さんには音声ディレクションもしてもらいました。

丸戸さん:何を言っているのかよくわからないのですが、結局、私が音響監督をやることになりました(笑)。

安彦さん:ありがとうございます!

丸戸さん:もうこれ、「収録を見学に行った俺が音響監督になっていた件」みたいなタイトルでノベル化してもいい案件かと(笑)。

 そんな経緯で音響監督をしながら収録を見ていたのですが、一番インパクトがあったのは植田さんが本当に懸命に収録してくださったということですね。“Sound AR”はいろいろな方向から音が聞こえるのですが、それはどうやっているのかというと、1カ所から聞こえる音を分解したり、そのように加工したりしているわけではないんです。

 ではどうやるか? 実に単純な話で、マイクの周囲を人が動いて“物理的に聞こえる場所を変えている”んです。だから、植田さんは収録している間、いろいろなところを動きながらしゃべっているんですよ。

──つまり、聞こえてくる声の距離感や強弱などは、全部植田さんの感覚によるものだったんですね。

丸戸さん:そうです。本当に、動き回りながら植田さんが収録してくれました。音響監督だなんて言いましたが、植田さんに関してはほとんどディレクションしていません。演技に関しては何も言うことがありませんでした。

 演技の話に関しては、どちらかというと相手役の下鶴直幸さんのほうがおもしろかったですね。最初に下鶴さんの声を聴いてみると、あまりにもイケボ過ぎるんですよ。主人公が女性慣れしているように感じてしまったので、我々としては「ラノベの主人公感がほしい」とお願いしました。

──公式サイトには下鶴さんのコメントも載っていますし、ご自身のTwitterでは、バイノーラルに驚いていたりしましたね。下鶴さんの収録では、どのような点が大変だったんですか?

安彦さん:う~ん、ぶっちゃけて言ってしまうと、声に非モテ感がなかったんです。イケボすぎなんですよ(笑)。

丸戸さん:植田さんとは逆に、そこは、かなり調整をさせていただきました。休憩中まで色々とラノベ主人公について議論したりとか。でもやはりプロの方は凄くて、その後どんどん非モテになっていきましたね(笑)。ちょっと朴訥としたラノベ主人公感が出てきて、収録の終盤は、もう何も言わなくてもいい感じでした。

和遥さん:自分は収録に立ち会っていないので、でき上がったものを聞かせていただいて「こういう声なのか。ピッタリだな」という感じでした。イラストレーターは声優さんのキャスティングに関わることがないので、いつも最後のお楽しみ箱みたいな感じなんですよ。

 自分の絵に対して「こういう声になるのか」と。たとえ不満があったとしても直せませんし、自分としては「こう来たか!」と思うことが常になっているのですが、今回は本当にしっくりきました。

丸戸さん:私もあとのお楽しみにしたかった……(笑)。

――でも、丸戸さんが見学に行かなかったら今の形になっていなかったかもしれないですし、ユーザーとしては結果的に行ってよかったと思います。では、最後にこれから遊ぶファンの方にメッセージをお願いします。

和遥さん:詳しいことは言えないのですが「ヒロインが制服の黒髪ロングじゃないのか!」と思ってしまったような和遥キナファンにこそ、プレイしてほしいです。

 それから、フォトスポットで撮影する時は、ぜひ横向きで撮影してほしいです。イベントCGをイメージして描いていたのですが、舞台めぐりの仕様上、縦持ちで撮影すると正方形になって風景が入らなくなってしまうんです。トリミングも横持ちを想定して描いているので、横向きで撮影してもらえると、両脇にちゃんと池が見えるような構図になると思います。ぜひ、横向きで撮影してほしいとお願いしておきます。

『ミエナイキズナ』
『ミエナイキズナ』
▲上が縦持ちで撮影したもの。下が横持ちの撮影したもの。ゆかりの表示のさせ方にもよりますが、このような違いが出ます。

丸戸さん:まずは、キナさんの描く年上ソバージュお姉さん。この新鮮味を味わっていただきたいということと、年上お姉さんに振り回されるラノベ主人公的な作りに気合を入れて作りましたので、そこを楽しんでいただきたいというところです。

 今回は、私があんまりやってこなかった“すこし不思議”なファンタジー的なものにふわっと挑戦してみました。そこまで大したギミックではないのですが、エンディングカード部分のお話まで読んでいただくと、今までのゆかりの思いがしっかり伝わると思います。ぜひ、エンディングカードを手に入れてください。

安彦さん:今回、初めて『舞台めぐり』が新しく挑戦する“Sound AR”という世界観をリリースできました。“Sound AR”というものは、インタビューでもお話しした“脳内スイッチ”をオンにできる新しいジャンルだと思っています。それと同時に、“Sound AR”のゾワッとくる感覚は、実際に体験してみないとわからないものだと思います。現地に行って音を聞き、とにかくいっぱい試してください。

『ミエナイキズナ』ユーザーにうれしいプレゼント!

 『ミエナイキズナ』プロデューサーの安彦さんから、このインタビューを読んだ人向けにプレゼントをいただきました! 以下のQRコードをアプリ『舞台めぐり』内から読み込むことで、『マイAR ミエナイキズナ』を獲得できます。こちらは、『ミエナイキズナ』のプロローグで、主人公が初めてゆかりにカメラを向けるくだりがあるのですが、本来はそのシーンで使う予定のものだったとのこと。こちらもおもしろい写真が取れそうなイラストとなっていますので、ぜひゲットしてくださいね!

『ミエナイキズナ』

『舞台めぐり』とは?

 このインタビュー内でも触れているように、『ミエナイキズナ』はソニー・ミュージックソリューションズが提供するiOS/Android用アプリ『舞台めぐり』内の新たなコンテンツとなっています。

 『舞台めぐり』は、アニメやゲームの舞台となった場所を楽しく巡るために活用できる“舞台探訪ARアプリ”です。

 『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』や『ゾンビランドサガ』、『ガールズ&パンツァー』をはじめ、多数の作品に対応しており、アニメシーンと同じ構図を確認したり、登場キャラクターと一緒に撮影したりできます。

『ミエナイキズナ』 『ミエナイキズナ』
▲実際に作品に登場した場面がどこをモチーフにしたのかがよくわかります。聖地巡礼をより満喫したい人にはオススメのアプリです。

 さらに、作品によっては現地チェックイン特典として作品声優によるオリジナルボイスや壁紙がプレゼントされます。『ミエナイキズナ』と一緒に、こちらも楽しんでみてくださいね。

舞台めぐり (C)Sony Music Solutions Inc.
※Sound AR はソニー株式会社の商標です

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