2019年4月22日(月)
KLabより4月23日配信予定のiOS/Android用アプリ『禍つヴァールハイト』(以下、まがつ)について、メディア向け試遊会のレポートとプロデューサーインタビューをお届けします。
本作は、プレイヤーが“機動兵団”と呼ばれる調査組織の一員として、他のプレイヤーと協力してバトルするモバイルオンラインRPGです。
ゲームの舞台は、10の“光”による災害で人類が滅亡に瀕した世界。主人公は帝国の“機動兵団”として人類の生存のための闘いに身を投じることになります。
“光”とは、突発的に起こる天からの災害のようなもの。これにより街は破壊され、人々の生活のみならず、人体にも大きな影響を与えるものとなっています。
そんな脅威から人々を守るため、“光”によって逆に力を得た者たちが集うのが“機動兵団”です。主人公はここでたくさんの仲間と出会い、協力しながら“光”に立ち向かいます。
物語は、表情豊かな2Dイラストによるトークを中心に、重要なシーンでは3Dカットシーンが用いて描かれます。
美麗イラストと3Dが、豪華声優陣を起用したフルボイスと合わさることにより、コンシューマーゲームに引けを取らないクオリティを実現。重厚な物語と世界観にさらに没入しながらのプレイを楽しめます。
主人公の見た目は、非常に細かいところまで設定でき、ゲーム開始後も変更可能です。ローンチ時には、男女キャラともに髪型や顔などのパーツが約20種類ずつ用意され、顔のメイクやキャラクターボイスなども選択できます。
また、初期設定では装備品によって外見が変わりますが、装備を替えずに外見だけ変更できるアバター機能も搭載。
ありがちな「この装備は強いけどちょっとダサい……」「せっかくメイキングしたのに顔が見えない……」という問題を解決してくれます。
“機動兵団”の中には6つの部隊(ジョブ)が存在し、それぞれに任務が課せられています。新人として入団する主人公は、この中から所属する部隊を1つ選択します。
各部隊には部隊長が存在し、どの部隊長もいい意味でクセのある魅力的なキャラクターです。
▲“ウォーリアー隊”レオカディオ(声優:小山力也) | ▲“ナイト隊”ローラント(声優:川澄綾子) |
▲“プリースト隊”イグナーツ(声優:森川智之) | ▲“ハンター隊”ゲロルト(CV:柿原徹也) |
▲“ガンナー隊”ヤスミン(声優:沢城みゆき) | ▲“ウィザード隊”ユルゲン(声優:鳥海浩輔) |
▲ジョブごとに装備できる専用武器があり、戦闘での役割も変わってきます。ジョブは気軽に変更できるので、あまり悩まずに決めてしまってOK。 |
ジョブを変更する際には、後述のソウルツリーで獲得した能力の一部が引き継がれ、ある程度強化された状態から開始できます。追加のアップデートでは、複数のジョブを育成することで取得できる2次職も登場する予定です。
バトルはスキルコマンドを用いたリアルタイムバトル。敵と味方の攻撃が同時に飛び交い、スピード感のある戦闘が楽しめます。
コマンド操作でありながらターン制ではないので、「いつスキルを使うのか」「AP(スキル発動に必要なポイント)を温存するのか」などを瞬時に判断する決断力が重要です。
“オートスキル(通常攻撃)”は自動で行われます。それとは別のスキル“ウェポンスキル”の発動タイミングをプレイヤーが選択します。
バトルでは自分の行動によって敵のヘイトがたまり、ヘイトの高さによって敵の攻撃対象が決定。そのため、うまく仲間と連携して、壁役が敵を引きつけ、その隙に攻撃役が攻めるといった戦略を立てて敵に挑む必要があります。
ジョブ次第では、ヘイトを集めたせいで集中攻撃を食らってしまい、序盤の敵に倒されてしまうことも。自分のジョブがどんな戦い方をすればいいか理解しておきましょう。
スキルを使い続けていると、画面上部のゲージが蓄積されていきます。これが最大にまでなると“覚醒”し、自身のステータスの回復、強化が行われます。また“覚醒”すると攻撃モーションやカメラワークが変化し、より派手で爽快なバトルを演出します。
フィールドでは、画面の左側をフリックして移動、右側をフリックしてカメラを操作します。両手でうまく操作すれば進行方向以外にも周囲を見渡せて歩けるので、街の様子を観察しながらフィールドを探索できます。
活動拠点となる広場やフィールドでは、自分以外のプレイヤーの姿も。ワールドチャットなどを駆使してさまざまなプレイヤーと交流することができ、パーティを組んだり、情報交換を行ったりと、1つの世界観を多人数で共有しながら遊べます。
戦闘が発生するフィールドでは、他のプレイヤーの戦闘に乱入という形で手助けができます。ソロプレイで行き詰った場合には、近くにいる他のプレイヤーに助けを求めてみましょう。乱入をきっかけに交流を深めてパーティを組む仲間を見つけられるかも……!?
▲自分から誘わなくても周りのプレイヤーが参加してくれるので、不慣れな方でも自然な流れで協力プレイが楽しめます。 |
乱入が起こった際には、参加プレイヤーのレベルなどによって経験値や報酬が変化します。設定画面から乱入の許可、レベル上限などが設定できるので、ソロで敵を倒したい人も安心です。
RPGであるからには、レベルアップ、装備強化などやりこみ要素も盛りだくさん。強化と育成を重ねていくうちに、戦闘スタイルのバリエーションが豊かになっていきます。
武器や装備はレベルアップ、スキルレベルアップ、レベル上限解放など、さまざまな方法で成長します。
属性などのステータスの違いはもちろん、ジョブごとに装備できるものも異なるので、ジョブと装備の組み合わせは無限大。プレイをしているうちに次々とバリエーションを増やしたくなること間違いなしです。
▲属性は火、水、風、土、雷、聖、闇の7つに無属性を加えた8種類。水→火に攻撃するとダメージが増加しますが、火→水に攻撃しても半減することはありません。 |
素材を集めて進化すると装備のレアリティが上昇し、基本ステータスが強化されます。また、余った装備品は分解してトレジャーに変換できます。
ジョブの強化方法は順番にスキルを解放しているツリー方式。このソウルツリーでは、ステータスアップ、パッシブスキル、追加アクションなどが習得できます。
さらに、ここで習得したパッシブスキルは他のジョブに装着可能です。複数のジョブをマスターすることで育成の幅が広がり、オリジナルのスキルカスタマイズで戦えるようになります。
試遊会の後には、プロデューサーの坂尻一人(さかじり かずと)さんへのインタビューを実施。開発の中で注力した本作のポイント、作品に込めたメッセージなど、『まがつ』について、今話せることを赤裸々に語っていただきました。
▲坂尻一人プロデューサー。 |
――『まがつ』プロジェクトはどのようなきっかけで立ち上げられたのでしょうか?
きっかけというよりは、目標の話になってしまいますが「新規のオリジナルIPを作りたい」という想いから、このプロジェクトが始まりました。
――他社IPのゲームを中心に扱ってきたKLabさんですが、このタイミングで自社IPタイトルをリリースされた理由は?
オリジナルIPの開発というのは、弊社が掲げる“3Pillars(3本柱)”のひとつになっています。
3本柱というのが、「日本のIPタイトルを安定的な収益基盤として成長させていく取り組み」「それを海外のファンにも届けていく海外展開戦略」「それに並行して自社オリジナルのヒット作の創出を目指す」という活動のことです。
『まがつ』は、その中のオリジナルクリエイションの方針に沿って開発されました。
――実際にプレイさせていただいて、ゲームのクオリティの高さには驚きました。
実際にゲームとして遊べるというのは当然なのですが、それをモバイルゲームとして、どう快適に遊べるかという部分がより重要だと思っています。
モバイルゲームとは一線を画したものにしたいという思いがあり、ソーシャルゲームではなく純粋なゲームとして遊んでもらえるものを目指しました。ビジュアルであったり、ゲームデザインであったり、シナリオもBGMも、すべての要素において高いクオリティを追求しています。
さらに、それをモバイルという持ち運べる端末で快適に遊べる仕組みといったところに一番力を入れています
――これだけのものをスマホアプリに落とし込んだ意図、落とし込めた理由はいかがでしょうか?
モバイル向けの作品ということで、オートプレイなど快適に遊んでいただくための工夫は随所に用意してあります。ただ、オートだけで進んでしまう作品というのは、自分の中のゲームの在り方として疑問を感じる部分があります。
そこで、思考する必要がない部分はオート。キャラクターのビルドやパーティプレイで強敵に挑むなど、戦略性のあるものは残すことを意識しました。
落とし込めた理由は、シンプルに開発チーム全体が非常に優秀で、自分のわがままや無茶振りを全部取り込んでくれたからですかね(笑)
――そのバランス感覚は坂尻さんご自身が持っているものをゲームに反映させたのでしょうか?
オンラインゲームは、私のゲーム人生においても切っても切り離せない存在でして。『まがつ』では、自分が遊んできた作品をイメージしながら、まずは自分が「遊びたい」と感じられるものを踏襲して作っています。
――『禍つヴァールハイト』というタイトル名について、このタイトル名に込められた意味をお教えください。
字面通りの意味で、深読みさせるようなものは含んでいません(笑)。少しひねって差別化を図れればと思いました。
強いて意味を説明するなら、“ヴァールハイト”というのはこの世界の大陸の一つ名称であり、帝国の名前です。この世界は人類にとって厳しい環境であり、“光”という希望となる要素ですら害をなす存在になってしまっている。そういった禍々しいニュアンスをゲームの世界観として表現しています。
――ちなみに“禍つ”の読み方は、どのようなアクセントが正しいのでしょうか?
正式名称で呼ぶ時は、サツマイモを言い換える時の“おさつ”と似た抑揚になります。『まがつ』と略す時は、“かがく(科学、化学)”と同じような発音で呼んでいます。
――世界観を語るうえで、たびたび登場する“光”や“帝国”とは、具体的にどういったものなのでしょうか?
まず帝国ですが、設定的にはファンタジーの要素を含みます。プレイヤーが所属する“機動兵団”もこの帝国に属しています。
帝国には皇帝が君臨し、議会、聖騎士団、中央教会など社会を織りなすさまざまな組織が存在し、その中でプレイヤーは1人の団員として生き抜いていきます。
▲“中央協会”ヨアン(声優:小形満) | ▲“帝国の姫”エメライン(声優:山崎はるか) |
“光”についてですが、前提として、この世界には悪魔や魔王と言った象徴的な敵対者は存在しません。あるのは権力争いや闘争、そして自然災害です。“光”は、この自然災害にあたるものです。
――衣装や武器などについて、現代と中世が融合したようなデザインにされた理由は?
“機動兵団”という組織に基づいています。“機動兵団”は、ファウスト博士という科学者によって設立された私兵団であり、“光”に対抗する唯一の組織となっています。
それに対し、旧体制然とした組織として聖騎士団という組織も登場します。この組織間の対比を表現するため、機動兵団は少しだけ最新鋭の装備が与えられており、デザインには近代的な要素が取り込まれています。
▲“機動兵団”ファウスト博士(声優:杉田智和) | ▲“聖騎士団”エーヴァルト(声優:野上翔) |
――ゲーム開始時、プレイヤーは所属する部隊を選ぶことになりますが、冒頭のストーリーで登場する部隊長が変化したりします。この選択も、物語、延いては世界の流れに影響を与えるのでしょうか?
オンラインRPGですので、基本的に物語に沿ってゲームが進行します。プレイヤーの選択でストーリーが大きく変化するということはありません。
ただ、ストーリーの作りとして、完全なファンタジーではなく、現代人がリアルで感じている社会への憤りや不満などを、ゲームの中で重ねられるような設計になっています。
――本作にはどのようなメッセージが込められているのでしょうか。
シナリオをお願いしている生田美和(しょうだ みわ)さんが、ヒューマンドラマを描くのがとても上手なこともあり、『まがつ』は現代の若者たちに向けてのメッセージ性を多く含んでいます。
“機動”は、時代に、国に、世界に、見捨てられ続けてきた若者たちを描いています。プレイヤーは「これは自分たちのことかもしれない」と思わせるリアルさを感じてもらえるのではないかと思います。
――確かに、ゲーム中のストーリーでも、組織内の圧力や、下の世代への重荷など、現実世界と重なる描写がありました。
ゲーム内では、終わりのない災害や社会システムの行き詰まり、上の世代のツケが積み重なった息苦しい世界が描かれます。全部がクリアされない、もう自分達には間に合わない、変えられないとわかった日々。それでも、この世界を「どう生き抜くのか?」ということが全体のテーマになっています。
現代も、若者にとっては昔に比べて厳しい環境なのかなと思います。そういったところにエールを送るといいますか、厳しい環境の中で明るく生きているキャラクターと一緒にどう生き抜いていくか、という体験をしてもらいたいです。
――ところで、世界観や他キャラクターと比較すると“まがつくん”の存在感が際立ちます。あのデザインになった経緯は?
これは、去年末にぼそっと「マスコットキャラが欲しい」というオーダーを出したのがきっかけです(笑)。
そして、キャラデザを担当していただいているThird Echoes(サードエコーズ)さんが正月に描いてくださったのが、この“まがつくん”でした(笑)。ちなみに、元は“光”によって覚醒したウォンバットです。
▲まがつくん |
――乱入やジョブなどを考えると、基本的に複数人でのプレイを前提としているのでしょうか?
本作は、ロール(各キャラの役割)をかなり意識したゲームデザインとなっているため、最終的にはソロプレイだけではどうしても限界が来てしまいます。
すべてのジョブが長所もあれば短所もあるため、それを補うため協力して強敵には挑む必要が出てくるはずです。
――では、マルチプレイが中心になってくるということですね。
そうなります。マルチ用コンテンツとして、“光臨クエスト”をはじめ、パーティ前提のコンテンツなどが多数用意されています。ただ、今後のアップデートでソロプレイがしやすくなっていくことも考えられます。
――育成はどれくらいのやりこみ要素になるのでしょうか?
ジョブが複数用意されているので、すべてを最強にしようとすると相当の時間が必要になると思います。また、“なかなか落ちないアイテムを集める”といった多人数RPGの醍醐味もたくさん用意してあります。
――4月23日には配信開始となりますが、その段階で解放されている要素はどのくらいでしょうか?
ローンチ時にはストーリーは第4章まで、ジョブは1次職のみ解放されています。次章は順次アップデートで更新してくので、それを追ってレベル上げをしてもらえれば、2~3カ月でレベル上限にたどり着けるのではないかなと思います。
――他にもアップデートで追加される要素はありますか?
その頃には、二次職なども追加していく予定ですので、かなり長く楽しんでいただけると思います。
――今後のアニメやノベライズのマルチメディア展開や、コラボ企画などの予定は?
さまざまな展開を予定しています。まず、アニメジャパンで公開しましたが、一迅社様からコミカライズを予定しています。グッズに関しても、リリース前にもかかわらず多数のグッズを制作していただいております。こういったグッズは出来上がると開発の励みになります。
コラボについても、発表されている電脳少女シロちゃん、ばあちゃるさん、AGRS(アジルス)とのコラボは近々で予定しており、ねこますさんとのコラボも順を追って実施していく予定です。
あとは、詳細はお伝えできませんが、他にもコラボ企画は予定しておりますので、楽しみにしていただければと。
――最後に『まがつ』を楽しみにしている読者に向けてコメントをお願いします。
『禍つヴァールハイト』は、開発段階から番組を軸に情報を発信することで、ユーザーの皆さんとコミュニケーションを取りながら、一緒にゲームを作ってこられた作品です。
皆さんと遊べる広い世界を作りましたので、今後はプレイしていただいた皆さんからもご意見をいただきながら、5年、10年と長く遊べるゲームを一緒に作っていけたらと考えております。
※本作は4月22日よりダウンロード可能になりますが、正式なサービス開始は4月23日となります。
※App Store、Google Playのストア反映時間は異なります。
※正式サービス開始後にアプリを立ち上げると、サービス開始に関するアナウンスが表示されます。その他の詳細は公式サイトをご確認ください。
(C)KLabGames
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