2019年4月27日(土)
【おすすめDLゲーム】ダンジョンRPG『タングルディープ』は遊び方でプレイ感が変わるゲームの幅広さが魅力
ダウンロード用ゲームから佳作・良作を紹介する“おすすめDLゲーム”連載。今回は、Nintendo Switch/PC向けに日本語版の配信が行われている『Tangledeep(タングルディープ)』のプレイレポートをお届けします。
『タングルディープ』は、インディーデベロッパー・Impact Gameworksの処女作で、16ビット時代のRPGにインスパイアされたというローグライク・ダンジョン探索RPGです。日本語版は架け橋ゲームズがサポートを行っています。
ダンジョン探索は、プレイヤーが1つ行動するごとに1ターン経過し、周囲の敵と交互に行動する日本人には馴染み深いシステムで、遊びやすさと頭を使う楽しさを両立しているのが特徴です。さらに、敵や宝箱から入手する装備品にランダム性能が付き、装備集めとその強化が熱い作品でもあります。
自分の好きなスタイルでプレイしよう
ゲーム開始時には、難易度と主人公のジョブや特技を選択します。ちなみに特技は、レベルアップ時のHP上昇量が増加したり、モンスターの詳細を調べることができたり、上質な宝を見つけやすかったりと冒険を助けるための能力です。
ジョブと特技はゲーム開始時点では選択できない項目もありますが、プレイ中に条件を満たすことで、新しくキャラを作る際などに選べるようになります。
▲ジョブに関しては、お金を払えば拠点で変更することができます。 |
ジョブと特技の選択でガラッと遊び方が変わるうえ、武器の種類もバラエティに富んでいるので、好みのプレイスタイルを楽しめることは本作の大きな魅力だと感じました。
▲各ジョブには大きく異なるスキルが用意され、剣や斧といった武器のカテゴリごとのスキルも修得できます。 |
そして、本作で一番の特徴だと思ったのは難易度にかかわる部分。プレイ感に対する影響が大きく、単純な難しいやさしいとは少し異なる内容になっています。ですが、これについては他の要素を先に紹介してたうえで後述します。
自由を感じるゲームプレイの幅広さ
基本的なゲームの流れとしては、ダンジョン探索を繰り返しながら、レベルアップやスキル獲得、装備品の収集・強化を繰り返して主人公を育成し、ダンジョンのさらなる奥を目指してストーリーを進めていきます。
ダンジョン内はルート分岐やサイドエリアと呼ばれる寄り道が用意されていて、ただ奥を目指すだけでなく、探索に自由度を感じられるのがいい点です。
▲先に進む階段が複数ある場合は、サイドエリアや異なる特徴を持つダンジョンなどにつながっています。 |
▲寄り道の先にはNPCがいて、何かしら報酬を得られる依頼を請け負える場合も。 |
また、クエストに該当する“うわさ話”、装備品の強化、ペットの育成、木々を植えてのアイテム収穫など、脇を固める遊びも充実しているので、上に紹介してきた要素と合わせてゲームプレイの幅広さを楽しめる作品だと思います。
▲ダンジョン内のモンスターをペットにして、一緒に戦うことで育成できます。 |
▲火を使って食材を調理するクラフト要素もあります。 |
本編、寄り道、アイテム集め、育成・強化と、さまざまな要素の中から自然とやりたいことが見つかるので、毎度小さな目標を持ってダンジョンに挑めるのがポイント。マイペースに遊びながらでも、少しずつステップアップを実感できるのがおもしろい!
装備集めと強化のディープな沼
本作は序盤の難易度が低めで、上記の通りゲームプレイの幅が広いので、手軽にダンジョン探索を遊びたい人は、入り口で敷居の高さを感じずに楽しめる作品だと思います。一方でシステム的にはディープな要素が備わっていて、遊び方次第ではやり込み甲斐もある作品です。
その1つとして、おそらく多くの人が楽しめる要素を紹介すると、装備品ごとに生成されるダンジョンに挑んで、その装備品を強化する“モノの夢”があります。
▲モノの夢に挑んでいる場面。 |
▲モノの夢は、装備品の中に存在する異世界。装備の親和性と呼ばれる特徴によって、ダンジョン内の特色が変化します。 |
まず装備品にはアイテムランクとレア度が存在し、ランクによってベースの性能が、レア度によって付属する魔法特性の数が変わります。簡単に書くと、ランクが高いほど強く、レア度が高いほど特殊効果がたくさん付くというわけです。
なお、ランクは装備の種類によって決まりますが、レア度と付与される魔法特性は1つ1つランダム。少しでもよい装備ドロップを求めて何度もダンジョンに潜ってしまうような、いわゆる“ハクスラ(ハックアンドスラッシュ)”的な遊びは、本作における柱の1つと言えるでしょう。
▲強力な特殊効果が固定で付いている伝説級のアイテムも存在。モノの夢で魔法特性を付与することもできます。 |
そうして手に入れた装備を強化できる“モノの夢”は、基本性能の上昇と新たな魔法特性の獲得を狙え、ダンジョンのボスを倒せば強化された装備を持ち帰ることができます。単純に強化するのではなく、ダンジョンに潜って強化できるのがアクセントになって楽しいわけで。
付与される魔法特性は、夢に入るためのオーブというアイテムの種類で変わるので、少し手間はかかりますが特定のオーブを作成すれば、狙った方向性に装備を強化していくことも可能です。言い換えるなら、とりあえずでいいなら手早く、大事な装備ならこだわって強化するという遊び方ができます。
▲攻略後に魔法特性を獲得できるかは、事前に投入したゴールドの額によって確率が変わります。100%に上げることも可能。 |
▲モノの夢には、特殊なボスが登場することも。倒すと装備品の強化が行われない代わりに、特別な夢へ挑むために必要なアイテムを入手できます。 |
ただでさえハクスラという沼があるうえ、装備品の強化システムが沼の底を深めていく……装備をじっくり強化するのが好きな人は、足を踏み入れたらズルズルと引き込まれるのではないでしょうか(笑)。
▲基本性能アップは確約ですが3回まで。魔法特性については、片手武器なら最大で5個、両手武器なら最大で8個付けられます。 |
難易度の選択について
難易度の話に触れておくと、本作には、英雄モード、冒険モード、硬派モードという3種類の難易度が用意されています。そして冒険モード以外は、主人公のライフが0になるとキャラは作り直し。ストーリーも最初からやり直しです。何ともシビア!
ちなみに、「ゲーム本来のおもしろさを味わえる」と書かれた英雄モードでは、キャラは作り直しですが、銀行へ預けたアイテムや村の状態など、プレイで得た物の一部は引き継がれます。
先に序盤は簡単と書いたものの、中盤ごろから歯応えが増して、スキルやアイテムをいかに駆使するかが重要になり、死はだいぶ身近なものになってきます。なのに1回の死がキャラの作り直しにつながるなんて……その緊張感がクセになる人、自分は冒険者モードでいいという人、さまざまではないかと思います。
ただ、ローグライクといえば真っ先に浮かぶダンジョンの自動生成は、本作だとキャラ作成時のタイミングで行われます。逆にいうと、冒険者モードを選んだ場合は、自発的にキャラを作り直さないと、ダンジョンの構造が変化しません。
まさに「ゲーム本来のおもしろさを味わえる」という英雄モードの説明が頭に浮かびます。ちなみに最初から英雄モードを選ばずとも、まずは冒険者モードで遊び、ゲームに慣れてきたらキャラを作り直すやり方もアリ。
キャラを作り直しても同じセーブデータのスロットなら、英雄モードと同様の引き継ぎができ、強い装備を使うことでやり直しはサクサク進められます。
▲冒険者モードからキャラを作り直す場合は、引き継ぎたいアイテムや装備品などを倉庫に預けるのを忘れずに。手数料はかかりますが! |
逆に英雄モードが辛く感じれば、次のキャラ作成時で冒険者モードに戻してもいいでしょうし、もちろん最初から難易度を固定してもいいわけで。プレイ感を大きく左右するので、自分に合わせた遊び方がいいと思います。
遊び方によってプレイ感がきちんと変わる作品
本作について、筆者なりの印象を一言で表すと、語弊はあるかもしれませんが“羊の皮を被った狼”ゲーだなと。ドット絵の雰囲気やゲームの入り口はライトなのに、徐々に見え始める歯応えや辛口な英雄モードが基本形であるなど、1つのゲームに込められた多様性がユニークでおもしろいです。
ジョブや装備、難易度などプレイヤーの好みで選べるものが豊富にある中で、何を選ぶかでプレイ感がきちんと変わる点は、本作の優れた魅力だと感じました。
ちなみにSteamで日本語対応しているPC版は、ゲーム内の重要キャラである“シャラ”を主人公にしたストーリーを含む大型DLCが配信中です。
おそらくダンジョン探索RPGとハクスラの組み合わせが好きな人なら、ストライクゾーンに近いタイトルではないかと思います。ローグライクが好きな人は、英雄モードの仕様が自分に合うかが判断のポイントになるのではないでしょうか。
(C)2018 Impact Gameworks.
データ
- ▼『Tangledeep(タングルディープ)』
- ■メーカー:Impact Gameworks
- ■対応機種:Nintendo Switch
- ■ジャンル:RPG
- ■配信日:2019年1月31日
- ■価格:1,980円(税込)
- ▼『Tangledeep(タングルディープ)』
- ■メーカー:Impact Gameworks
- ■対応機種:PC
- ■ジャンル:RPG
- ■配信日:2018年2月2日
- ■価格:1,480円(税込)