詳細レポート! セガが年末年始発売の「重点タイトル」発表会を開催!


 18日、セガ本社(東京都大田区)にて「Dreamcast 年末年始重点商品説明会」が開催された。これは主にゲームショップなどの流通関係者を対象にした商談会で、Dreamcast(以下DC)で年末年始に発売される主要タイトルを紹介していくというもの。当日は、流通関係者はもちろん、ゲーム誌・一般誌・新聞・TVといったメディアも多数取材に訪れ、注目度の高さをうかがい知ることができた。
 説明会は大きく2部構成になっていて、1部で『Power Smash(パワースマッシュ)』、『サクラ大戦3~巴里は燃えているか~』、『PHANTASY STAR ONLINE(ファンタシースターオンライン)』の重点タイトル3作の紹介。2部で「タッチアンドトライ」と称した体験プレイを行うといった内容。重点タイトル紹介では各ソフトの広報担当者が壇上に立ち、ゲームの解説を行った。そのなかには当日発表となる情報も多数も盛り込まれていた。
 ここでは、会場で発表された情報を、詳細レポート! 年末商戦にかけるセガの熱い意気込みを、お伝えしていこう。

【重要発表・ソフト編①】
『Power Smash(パワースマッシュ)』


■このソフトは……
 TV中継を見ているかのような臨場感で、白熱のテニスが楽しめる『Power Smash(パワースマッシュ)』。発売日は11月23日(木)、価格は5,800円(税別)だ。
●ゲームショップでゲーム大会が開催される!  
ソフトの発売時期に合わせ、ゲームショップの店頭でゲーム大会が行われる。大会の賞品はソフト本体やスポーツタオルなど。参加賞も用意されるとのことなので、気になる人は最寄りのゲームショップで確認しよう!

【重要発表・ソフト編②】
『サクラ大戦3~巴里は燃えているか~』

■このソフトは……
 残念ながら発売が2001年春(予定)になってしまった、大人気ドラマチックアドベンチャーの最新作。今度の舞台は花の都、巴里(パリ)。新結成の「巴里華撃団・華組」の乙女とともに、新たな敵と戦っていくぞ! 価格は未定。
●メールソフトが緊急発売決定!
 ソフトの発売に先駆け、12月28日(木)に『サクラ大戦・キネマトロン 花組メール』が発売される。これはDCで使用できるメールソフトでイラスト入り便せん、切手、スタンプなどを組み合わせてユーザーどうしでメールの交換ができるソフトだ。着信メッセージも帝都花組のキャラクターが伝えてくれるぞ!
 また、メール送受信以外に、『サクラ大戦』、『2』のビジュアルシーンを多数収録している。まさにファン必携のソフトだ。さらに、初回版には『3』のムービーディスクを同梱。発売前に美麗ムービーを楽しめる!! 価格は2,800円(税別)。
●『サクラ』バージョンの本体セットも登場!
 上のメールソフトを同梱した、本体セット「サクラ大戦Dreamcast for Internet」も12月28日(木)に発売される。本体・コントローラ・ビジュアルメモリは花組をイメージした桜色に。また『サクラ大戦』のロゴもあしらい、ファンならずとも目を引く仕様になっている。また、『ドリームパスポート3』のナビゲーターに真宮寺さくらほか、花組のキャラクターを起用しているところも見逃せない。価格は25,800円(税別)。もちろんメールソフトに同梱される『3』のムービーディスクも入っている(初回生産分のみ)
※セット内容=本体・コントローラ・ビジュアルメモリ・『キネマトロン』・『3』のムービーディスク(初回のみ)←超豪華!
●さらにコントローラの発売も!
 同様に「サクラ大戦コントローラ(仮)」も発売される。これも桜色がベースになっているが、上の本体セットに付くコントローラとはデザインされているロゴが異なり、DC版『サクラ大戦』に同梱のビジュアルメモリ、同『2』に同梱のぷるぷるぱっくと同じデザインになっている。これでコーディネートもバッチリ!

【重要発表・ソフト編③】
『PHANTASY STAR ONLINE(ファンタシースターオンライン)』

■このソフトは……
 いよいよ12月21日に発売される、ネットワーク対応のRPG『PHANTASY STAR ONLINE』(以下『PSO』)。世界中のプレイヤーとパーティを組み、冒険できる超大作だ。5カ国語を翻訳する「ワードセレクトシステム」により、世界中の人と気軽に冒険することが可能! 価格は6,800円(税別)。また初回限定版は9,800円(同)。※初回限定版には「メモリーカード4X」を同梱
●初回プレス分には『ソニックアドベンチャー2』の体験版を同梱!
『PSO』と並んで、期待の新作となっている『ソニックアドベンチャー2』。発売時期などの詳細が待たれるこの大作ソフトが、体験版として同梱されることになった。気になる内容は簡単なプレイ(最初のステージ?)とムービーになるようだ(詳細はまだ未定)。初回プレス分は必ずゲット!
●10万人予約キャンペーンもスタートする!
 11月中旬ころから、各店舗で予約をすると特典が付く「10万人予約キャンペーン」もスタートするぞ! 特典はオリジナルストラップ。デザイン等は公表されなかったが、『PSO』のオリジナルグッズというとこもあり、期待は十分! 上の体験版を入手するためにも、早めに予約しておこう!

【重要発表・ソフト編④】

●過去の名作が手軽に遊べる「ドリコレ」が登場!
 DCの名作ソフトを¥2,800というお手頃な価格で購入できる「ドリームキャストコレクション」もスタートする。第1弾は4タイトル。いずれも秀作ぞろいなので、「買い損ねた!」という人は要チェックだ! 第2弾以降については[【重要発表・人物編①】岡村氏]を参照しよう。
・第1弾タイトル
『COOL BOARDERS BURRRN!』(ウェップシステム)
『スペースチャンネル5』(セガ)
『NFL 2K』(セガ)
『エアロダンシングF』(CRI)

【重要発表・周辺機器】

●「メモリーカード4X」の詳細が明らかに
 会場で初めて、「メモリーカード4X」の詳細が発表された。これは従来のビジュアルメモリの4倍の容量(800ブロック)を持つ大型の記憶媒体。200ブロックごとに分かれているので、ユーザーは切り替えて使用することになる。また、液晶画面、タイマー機能、方向などのボタンはなく、ビジュアルメモリのように、単体どうしをつなげて接続することはできない。価格は4,800円。発売日は12月14日(木)だ。なお『PSO』の初回限定版に同梱されている。

【重要発表・人物編①】岡村秀樹氏

●岡村氏合同インタビューの内容!
 説明会終了後、プレスを対象にセガ・エンタープライゼス取締役 岡村秀樹氏の合同取材が行われた。その内容をピックアップ!

Q:「@barai」の現状は?
A: 開錠率は予想より低め。だが、店頭でのセールスは好調だ。このシステムはまったく新しいものなので、今後も経緯を見ていく必要がある。

Q: ソフトのレンタルはどのような状況か?
A: これも初めての試みで比較するものがないが、DVDがレンタルを開始したときより、回転率は高い。特に『スペースチャンネル5』など、こちらが売り切っていないと思っていたタイトル(ユーザーが気になっているが実際には購入に至っていないタイトル)ほど、レンタルされているようだ。

Q:「ドリームキャストコレクション」の今後のラインナップは?
A: 発売後1年とか、販売本数であるとか、そういったランクで区切るのではなく、フレキシブルに対応していきたい。また発売は2、3カ月に1度で、3、4タイトルずつをめどに出していきたい。『ソニックアドベンチャー』や『ソウルキャリバー』といった人気作も今後ラインナップに上ると思う。

【重要発表・人物編②】中裕司氏

●中氏合同インタビューの内容!
 同様に、ソニックチーム代表取締役社長 中裕司氏への合同取材も行われた。発売前の注目作ということで『PSO』への質問が集中した。

Q: 通信環境について
A: サーバーは20台程度。2万人が同時にプレイできる環境。内訳としては日本は6台ほどだが、(混雑すれば)世界中のサーバーに振り分けられるシステムなので、基本的に問題はないはず。この数字は(PCなどの)ほかのネットワーク対応RPGを参考にした。

Q:ブロードバンドアダプターへの対応は?
A:使用できるように作ってはいるが、ケーブル回線等、すべてのシステムをチェックできるわけではないので、「対応」とは言い切れない。現状では公表に関しては検討中というのが正直なところ。

Q:「ワードセレクトシステム」を具体的に説明してほしい。
A:約2,000語の定型語が対応している。キーボードで直接入力したものについては、そのまま表記されるので、基本的なコミュニケーションは問題ないのでは。

Q:接続時の課金形態は?
A:世界中でプレイできるということもあり、現在検討中。(時間制ではなく)定額制にしたいと考えている。

Q:発売日は世界同時か?
A:流通の関係から、残念ながら同時は難しい。日本に続き、アメリカが1月中旬、ヨーロッパが1月下旬発売をめどに予定している。

Q:目標販売本数は?
A:日本で50万本、世界で100万本を予定している。

【番外編】 ●実際に会場に行ってみて……

 2000年上期は、PS2に押されがちのDCであったが、会場での流通関係者の反応は概ね良いものだった。とくに『PSO』に対する期待は高く、どのようにこのソフトを販売するべきか、どうすればゲームの良さをユーザーにわかってもらえるか思案しているという感じだった。
 実際、記者自身も触れてみて、ネットワーク上でのプレイのレスポンスの良さに正直驚いてしまった。セガは、ことある毎に「新しい遊び方」を私たちに提供してくれる。それは、ときには時期尚早だったり、ときには受け入れにくいものであったかもしれないが「新しい遊び方」という一面が大きな喜びとなっていた。今回の『PSO』ではまさにジャストタイミングで、最高の「遊び」を提供してもらったように思う。冒険の向こう側に他者がいる喜び、いや、もっと近く、自分の側に「仲間」がいるという感覚か。戦うのみでない言葉の応酬が、はっきりと「仲間」を意識させてくれ、受動的でなく能動的に「冒険心」が目覚める。ストーリーに引きづられた既存のRPGの枠を大きく越えた、このソフトとの出会いは、ゲームに対する価値観を明らかに変化させてくれた。早く多くのユーザーがこのソフトをプレイすること(つまりは僕が多くの人と冒険したいのだが…)を願ってやまない。
 仰々しい言い方になってしまったが、「ゲームを遊ぶ」ことに加え、「新しい遊びを知る」楽しさを与えてくれるセガには、今後も期待せずにはいられない。21世紀にはどんな遊びができるようになるのだろう。もうそのときはすぐそこまで来ている。そんなことを考えると、また嬉しくなってしまうのだ。

■関連ホームページ

セガ・エンターテイメントユニバース
http://www.sega.co.jp/

 


会場には多数のマスコミとビジネス関係者が集まった。
『PowerSmash』

『サクラ大戦3~巴里は燃えているか~』
『PHANTASY STAR ONLINE』
『ソニックシャッフル』
『サカつく特大号 J LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!』
『デイトナUSA 2001』
『ハンドレッド ソード』
記者会見で質問に答える岡村秀樹氏。
中氏には『PSO』の質問が殺到した。

 

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