電撃ドットコム > 電撃オンライン > インタビュー > 『Forza Motorsport 2』

■ インタビュー ■

マイクロソフト&Xbox360が本気モードで開発した究極のリアルドライビングRCG『Forza Motorsport 2』の魅力が明らかに!!

マイクロソフト&Xbox 360が本気を出すと、ドライビングシミュレータはここまでリアルに進化する! 収録車種はランボルギーニやフェラーリ、ポルシェなど国内外300車種以上。コースはドイツ・ニュルブルクリンクやイギリス・シルバーストーン、アメリカのラグナ・セカなど、世界各地の実在サーキットを含む12のサーキットを収録。究極のリアルドライビングを実現した本作の、魅力の秘密がインタビューで明らかになる!!

タイヤ1本とってもここまでスゴイ実車の再現度!

――『Forza Motorsport 2』ではどういった部分を担当されていますか?

谷口潤氏(以下谷口、敬称略):実は『Forza Motorsport 2』を開発している「Turn 10 スタジオ」(※1)に移籍したばかりなので、本作に関する作業としてはコントローラのバイブレーションを最終調整するといったくらいになります。今回は日本のメディアのみなさんに対して、スポークスマン的なポジションで本作の魅力についていろいろお話をさせていただければと思っております。

――先日、本作の3面モニター仕様(※2)をドライビングさせてもらったのですが、あまりの臨場感に圧倒されまくりでした。本作は実車のドライビングシミュレータになりますが、シミュレートしている要素として、わかりやすい例を挙げてもらえますか?

谷口:シミュレートしている要素をどこまで拾っているのか、そのすべてを説明するのは時間が足りずに難しいのですが……例えば実際のレースでは、走行中のクルマに今どんなことが起こっているのかをリアルタイムに数値として表わす「テレメトリ」というシステムがあります。レース中はチーム監督がこのテレメトリを見て、自分のチームのクルマが今何速のギアで走っていて、どういうコーナーを曲がっていて、G(※3)がどれくらいかかっていて、エンジンの回転数がどれくらいで、タイヤの温度はいくつで、路面の温度がどうなっていて……と、ありとあらゆる情報を把握して、作戦を考えたりしているんですよね。このテレメトリで表示される情報はもちろん、すべて再現されています。それらの種類の数値をシミュレートするだけでも、突き詰めれば途方もない作業になるんですが、ここで1つ、タイヤの温度を例に挙げてみます。このゲームでは、走行中に変化するタイヤの温度も再現しているのですが、タイヤ1本だけでも、タイヤの外側と内側と真ん中の3カ所の温度を再現しているんです。その温度もゲーム画面でリアルタイムにわかるようになっています。これはほんの一例なんですけど、レースやクルマの走りを最終的に面白くするための1つの要素として、そうしたところまで再現しているというわけです。

――タイヤ1本で3カ所の温度ということは、つまり4輪で12カ所の温度がすべてプレイヤーの走り方に応じて変化しているということですか! そうした温度の変化は、走行にどういった変化をもたらすのですか?

谷口:タイヤの温度に関するエピソードを1つお話しますと、SUPER GT(※4)に出場されているレーサーの土屋武士さんが、我々がスポンサードしているマシンに乗っていまして、その実車が本作にも収録されています。で、土屋さんがキャンバー角(※5)などをふだん乗っている実車と同じようにセッティングして、タイムアタックしたことがあるんです。そのとき、まだタイヤが温まらないうちにタイムアタックを始めてコースアウトするという場面があったんですよ。F1などでは、タイヤ温度が100度とか信じられない熱さになるんですが、走り始めた直後のような温度が低い状態のときは、タイヤのグリップ性能もまだ低いままなんです。タイヤが温まらないうちにコースに出ると、最初の1周ってタイムが思うように伸びないんですよ。それでおそらく土屋さんは、このゲームがタイヤ温度まで再現されていることに気付かずに、いきなり本気のタイムアタックを始めてしまい、コースアウトしてしまったのではないかと思っています。路面温度やタイヤの内側、外側、中側の温度など、あらゆる要素を詰め込んで計算していて、そういった要素1つ1つを積み重ねていくことで、リアルな要素としてつながっているかなと。

――タイヤ1つでそこまでの再現度ですか。それ以外にもどこまで再現されているのかここでお聞きするのは、確かに果てしないですね(笑)。

谷口:一例としてタイヤ温度のお話をしましたが、どこまでも再現してやろうとすると本当にキリがないと思うんですよ。コンパウンド(※6)にしても、タイヤメーカーによってそれぞれ考え方が違うと思いますし。そこはゲーム内では、応答性や耐用性といった項目で比較しやすいように表示していますが、ひょっとしたらその表示以外にもかなりの要素がタイヤごとに異なっていたりしますしね。タイヤつながりのお話をしますと、例えばコーナーを曲がっているときって、外側のタイヤのほうが内側よりも速く回転するようになっているんですが、そうしたタイヤの回転速度も各タイヤごとに表示できるんですよ、レース中に。タイヤの回転が多いってことはそれだけフリクション(※7)が多いってことなので、タイヤの回転が速ければ速いほど、タイヤの磨耗も激しくなっていく。そうすると、右コーナーが多いサーキットだったら左側のタイヤの減りが早くなります。こうした要素がすべて計算式でつながっているんですよ。タイヤのお話ばかりになってしまいましたが、「そこまでやるか!」という一例ということで(笑)。

リアルすぎて怖い!?
マシンダメージも再現されるクラッシュシーン

――本作ではクラッシュ時の見た目の変化だけでなく、クルマの挙動への影響も再現されているとのことですが?

谷口:今お話したタイヤもそうですし、ほかにもダウンフォース(※8)、サスペンションの減衰力(※9)など、シミュレートされているあらゆる要素が全部つながっていて、例えば壁にヒットしたときも、どういう角度、どの速度でぶつかったかによってクルマのダメージ率というものが変わります。今まではぶつかったらクルマのバンパーが取れていただけのものが、まず取れる前にグラグラで取れかかった状態になったり。で、バンパーが1発で取れるほど激しくぶつかったときは、ただ部品が取れるだけでなく、車軸にヒットしたことでハンドリングに悪影響を及ぼして、ステアリングのセンターがズレた状態で走らないといけなくなるなど、それが単なる雰囲気とかでなく、きちんとシミュレートして再現されているので、あたかも本当にそうなっちゃったんだということを説得させてくれるんですよ。プレイしている人にはそういう計算過程はまったく見えないわけですから、それがあたかも計算してますって感じではなくて、すごく自然に感じる。それが結果としてリアリティにつながっているんです。このゲームを最初にプレイしたとき、わざと壁にぶつかってみたんですが、ぶつかる瞬間に恐怖感を感じたんですよ。私がクルマのゲームで恐怖感を感じたのって、ここ数年はなかったことだったので、ゾクゾクッとくるものがありましたね。ひさびさにいいRCGに出会ったなって。ぶつかる瞬間に恐怖を感じさせることができるなんて、これは素晴らしい再現度だと、思わず自画自賛してしまいました(笑)。

――恐怖を感じるということは、つまりクルマの限界を超えてしまってどうすることもできないという状態をプレイヤーが体感できているということですね?

谷口:そうですね、運転中にはいろんなインフォメーションが伝わるとは思うんですけど、いまおっしゃったように、これでブレーキを踏んでももう止まりきれない、ああー、どーんという、その「ああー」ていう事故の瞬間ももちろん体感できます。あと、ちょっと話が飛びますけど、エンジン音や環境音がすばらしいんですよ。エキゾーストの官能的な音以外にも、恐怖感を生み出すような音が。タイヤのスキール音もそうですし、抜けたエンジン音もそうですけど、クラッシュしたときの音が、実際にクルマをつぶして音を録っているだけあって、もうこれがリアルすぎるんですよ。実はこのクラッシュ音は、時速100キロくらいでコンクリートの壁に実際にクルマをぶつけて録ったりしているんですよ。やっぱりそこまでリアルに再現するという情熱と、クルマへの愛情、そしてこのゲームでRCGナンバーワンを目指しているんだという、開発スタッフの意気込みとマイクロソフトのサポート体制が、私にもビビビッときたので、このチームでやりたいと思ったんですよね。私たちが追求しているのは、そういった妥協のないところなので、本作で再現されてている要素1つ1つを見ていくと、どれもそこまでやらなくていいだろうというオーバースペックに思われるかもしれません。でもそれは、さらにこれからの未来も見据えたものなので、それだけ計算していてもさらにもっと追求していこうとしているし、まだまだこれでも足りないくらいなんですよ。そういう意味では、実際にクルマをつぶしたり、可能な限り実車のエキゾーストノートのサウンドを収録したり、サーキットに通いまくったり、レーサーを呼んで実際に走ってもらって調整してもらったりと、本作のシミュレートへのこだわりといったらもう枚挙にいとまがないですね。

――もう現時点でやれるところまでやり尽くした感じですか?

谷口:いえ、逆です。全然限界がないですよ。開発者側としては、もっとやりたいことはいろいろあると思うんです。ただ、これをプレイされたユーザーさんは、現時点でもここまでやるのかと思うフィーリングが、完成度であると私は思います。ここで、私が個人的に本作で1番推したい魅力にクルマの挙動があります。収録車種が300車種以上あって、駆動方式もFF、FR、MR、4WDとそれぞれあって、カスタマイズでいろいろセッティングをイジったりできて、それがすべて挙動に反映されるんですけど、これが面白い。実は私が面白いRCGかどうかの判断ポイントとして必ず挙げるのが、タイムアタックが楽しめるかどうかってところなんです。レースって、CPUでもネット対戦でほかのプレイヤーでもいいんですけど、必ず相手がいるじゃないですか。さらにそこにタイムがあって、順位があって、相手がいて。そういう要素って、タイムアタックで1人で1周走るというストイックさとは対象的な、エンターテイメントが盛り込まれた要素だと思います。ヨーイドンでライバルと速さを競っていくことは、楽しくて当たり前。むしろ私から言わせると敵車と競うレースはゲームデザイン的に絶対に楽しくないといけないゲームモードなんですよ。だからその順位とかライバルと競う駆け引きというものを取り除いていった、純粋にタイムアタックだけで面白さを感じられるRCGっていうのが、私がクルマのRCGで合格ラインかどうかっていう1つの基準になっているんですよね。その点、本作はもう本当に、タイムアタックがしっかり楽しいといえるRCG! ウソのない挙動に裏づけされているクルマを操作するのは、本当に楽しいです。あと、サウンドもかなりいけてると思うんですよね。ポルシェとかフェラーリとかのエンジン音を聞くだけでゾクゾクってきますし。で、もう1ついうと、360では5.1chのサラウンドシステムがもはや一般的になっていますが、正直なところ、もう2chのステレオサウンドでも十分にサウンドのスゴさが伝わってきますよ。もちろん5.1chの方がよりいいですが、でもそういう付加的な要素がなくても本作のサウンドの素晴らしさに気づいてもらえると思います。私が携わってきたRCGのなかで、すごいいいエンジン音だねって納得できたのは、実はそれほど多くはないんですよ。やはりゲームサウンドって、どうしてもグラフィックに比べて2番手に考えられるところがあって……。ところが本作に関してはそういうところがまったくナシ。このゲームの売りは? と聞かれたら、グラフィックとサウンドですと自信を持って言えます。

高度なAIが教えてくれる、レースの楽しさとは?

――本作はクルマ業界の一線で活躍されている方もいろいろとプレイされていると思いますが、そういった方たちの反応はいかがですか?

谷口:私が直接ドライバーの方とやりとりしたことはなかったのですが、先ほどお話した土屋武士さんがいらっしゃったときは、タイヤの感覚などが実車と同じだねって言っていただきました。実際にサーキットで走る心構えで走らないと、きちんとタイムが出ないっておっしゃっていました。あと、収録車種の中にHKSのCT230R(※10)っていう筑波サーキット仕様のチューニングカーがあるんですけど、それをCPUに走らせてみたら、実車とほとんど同じタイムラップをマークできました。CPUのほうがちょっと慎重に走る傾向があるので、若干タイムが落ちてましたが、今度は別のサーキットでのタイムを基準に、またいろいろ実車と比較してみたいと思っています。

――CPUのAIは慎重に走るのですか?

谷口:前作の『フォルツァ』では、「ドライバター」というプログラムがありました。マイクロソフトの研究機関に熱狂的なF1ファンのプログラマたちがいまして、『フォルツァ』のプロジェクトと一緒に共同開発しましょうということで、このドライバターというクルマのAIが前作に搭載されたわけです。これは学習AIというかたちで、クルマがプレイヤーの操作なしに学習したとおりに走るというプログラムなんです。今回の『フォルツァ2』では、このドライバターとはまた違うんですが、ドライバーを雇って自分の代わりに走らせることができるようになっていて、そこに前作のドライバターの技術が注力されています。

――なるほど。具体的にはどういった動きをするのでしょうか?

谷口:従来のCPUカーっていうと、いわゆる決められた走行ラインの上を走らせていくんですよ。だから、こちらがぶつかっても走行ラインから外れることがないですし、コーナーリングもタイヤがブレることなく1本のラインに沿ってクリアしていったりするだけ。これだとレースをしていてもなにも楽しくない。要はなにも考えていない、感情がないわけで、そんな相手を抜く楽しさって少ないじゃないですか。やっぱりブロックしてきたりとか、走行ラインを変えるとか、考えて走るというAIをやろうとしていたんです。そこで前作のドライバターでは、プレイヤーがコースを何回も走っているうちに、例えばS字がうまく走れていたら、S字が得意なAIドライバーになっていったりとか、300Rが得意になったりとか、コーナーのR(※11)によって、プレイヤーの走りをいろいろ学習していくんですよ。で、プレイヤーの分身となるアバターといったかたちで、それをドライバターと呼んでいるわけです。それをレースで代わりに走らせると、プレイヤーがいつもミスってるところでちゃんと同じミスをしてて、ああヘタだなーとか思ったり(笑)。前作ではそのドライバターを使って、代わりにレースで賞金を稼がせたりできたんですよ。で、今回の『フォルツァ2』のAIはドライバターとは呼ばずに、あらかじめ分身のレーサーが何人かいます。ドライビングが上手いやつとか、ちょっとヘタなやつとか。で、そいつらを代わりに雇って走らせることができます。その代わり、勝つと賞金はずいぶん取られちゃうんですけど。こうしたAIの部分は、これからもっともっと進化していくと思っています。

――確かに、実際にやってみるとすぐに気付いたのですが、敵車によってコーナーでインをあけてくれたり、ブロックしてきたりしてきたりとそれぞれ性格付けがされていましたね。あと、自車がブレーキングポイントを間違えて早めにブレーキを踏んでしまっても、後方のクルマがぶつからずにちゃんと避けてくれるんですよ。その点はプレイしてみてすぐにすごいなと感じました!

谷口:おっしゃるとおり。コースで立ち往生していると、いままでは後ろのCPUカーがガンガン突っ込んでくるじゃないですか。でも本作では、ちゃんとブレーキを踏んで止まってくれるんですよ。そしてちゃんと自車を避けて走り抜けていく。ほんと生身の人間のようなAIだなと思いました。

――レースシーンを後ろから見ていても、実際のレースのようにつかず離れずのテールトゥーノーズでデッドヒートが繰り広げられていて、観戦しているだけでもドキドキして楽しめますね。またこのAIがあることで、実車と同様にぶつけずに走るという楽しさがうまく再現されていて、それに伴ってクラッシュするとダメージを受けるという要素も生きてきているように感じました。

谷口:そうですね、思い切り壁や敵車にヒットするとクルマがダメージを受けて壊れちゃうので、まともに走れなくなっちゃいますけど、そういう要素があることで、レース中もぶつけないように走るようになりますし。あとコースアウトしちゃうとペナルティが発生して、タイムが公式なものじゃなくなっちゃうんですよ。そうした要素があると、実際のレースのようにフェアプレイで順位をあげてタイムを削っていくという、実際のレースのような展開になっていくと思います。ただ、これまでのRCGはCPUが無謀な走りをしてきたので、プレイヤーのマナー的な部分でも、CPUカーにぶつけて車の向きを変えて走るという文化がすでに広く浸透してしまっていると思うんですよ。やっぱり実際のレースでは、ヒットするとクルマがダメージを受けたり、ピットスルーといったペナルティが課せられたりするわけで。『フォルツァ2』は、そういった紳士なスポーツのレギュレーションで楽しむ文化を植えつけてくれる作品になるかなと。

――オンライン対戦などでも、ぶつからずに走って速さを競う方が楽しいですしね。

谷口:そのほうが断然楽しいですよ。やっぱり、前を走っているクルマに後ろからぶつかるのってカンタンなんですよ。だってコーナー曲がろうとしているクルマにアクセル全開で突っ込んでいけば、どんなクルマでも追いつけますもん。でもそれは実際にやったらアンフェアですよ。そんなことよりも、ずーっとテールにくっついていって、1コーナーで10センチずつ差を縮めていって、コーナー手前のブレーキング競争でサイドバイサイドになって追い抜いていく……とった楽しみのほうが、実に奥が深いんです。それが本作ではAIを相手にできるようになっています。くっついて走るのって、意外と楽しいんですよ。

――おぉ! そうなるとキャリアモードでのプレイもかなり期待できますね。

谷口:ちょっと難しい話ばっかりになってしまいましたが、レースのほうも、キャリアモードでは難易度調整ができるようになっていますのでご安心ください。ベストな走行ラインやブレーキングラインを表示させたりできます。とくにブレーキングラインを表示させると、自車の速度に応じてリアルタイムに色が変わってブレーキングポイントを教えてくれるので、初めてのコースでもすごく走りやすくなりますよ。これは従来のRCGでもあったりしますが、キャリアモードではこれを使うか使わないかで賞金額が変わったりします。あと、ABS(ブレーキアシスト機能)、STM(ドライビングアシスト機能)、TCS(トラクションコントロール機能)といった各機能も任意にオンオフできます。これをオフにすると操作が難しくなるんですが、そのぶん賞金が増えますし、逆にすべてオンにすると、賞金は減りますが、かなり走りやすくなります。敵車のAIも、頭のいいやつからカンタンに抜けるやつまで変更できますし、ダメージも外観のみとシミュレーションオンといったものが切り替えられます。あとタイヤの磨耗の有無も設定できますね。これらのセッティングによって、シミュレータ=難しいという方程式だけでなくて、難しいところもプレイヤーしだいでカンタンにして遊ぶことができるんですよ。

――いわゆるシミュレータと呼ばれているものは追求すると際限がないということですが、ご自身でここまでできたら究極じゃないかという、シミュレータの未来像というものをお聞かせください。

谷口:やっぱり、科学とテクノロジーの進化に際限がないのと同じで、我々が求めていることも、今現在できることもあれば、まだ解明されていなくてできないっていうこともあると思います。ただ、1つの指標としていえるのは、クルマのメーカーも巨額の予算をつぎ込んでシミュレータは作っていますので、そうした自動車メーカーが、私たちに「フォルツァチームではこういう点はどうしているんですか?」と尋ねてくるようになる。例えばレースチームのメカニックや監督が私たちに聞きにきたら、「うちのシミュレーションではこうなりましたから、次のレースではこう戦ったほうがいいですよ」なんて、お互いに情報交換できるようになったら、それはそれでエポックメイキングなんじゃないでしょうか。そういう風になったら面白いですよね。私たちがこだわって追求していることが、実際のリアルな場で生かせるようになることが、1つの目標かなと思います。

――最後に、発売を楽しみにしているユーザーに向けて一言お願いします!

谷口:リアルシミュレータって言葉が1人歩きすると、日本のユーザーのみなさんは難しそう、難しい=面白いにつながってるの? って疑問に思う方が多いかもしれません。そういう意味では、エンターテイメント性のあるリアルシミュレータになっているので、ぜひ1度手に取ってみて、エンジン音の凄さ、難しいということだけでは説明しきれない、クルマのリアルな挙動の素晴らしさを楽しんでみてください。世界のスーパーカーだけでなく、日本の街中でよく見かけるコンパクトカーも収録していますので、ふだん自分が乗っているクルマと乗り味を比較してみるのも楽しいですよ。

――ありがとうございました!

谷口 潤 氏
JUN TANIGUCHI

谷口潤氏

ゲームデザイナー。
これまでDC『セガラリー2』など、数多くのレースゲーム作品の開発を手がける。現在は『Forza Motorsport』シリーズの開発会社Turn 10 スタジオにて、最新作の開発に携わっている。ちなみに愛車はスパル インプレッサ STi(GDB)だ。

Forza Motorsport 2

『Forza Motorsport 2』

■メーカー:マイクロソフト
■対応機種:Xbox 360
■ジャンル:RCG
■発売日:発売中(2007年5月24日)
■価格:7,140円(税込)
■関連サイト:公式サイト公式ブログマイクロソフト

(C)2007 Microsoft Corporation. All rights reserved.

【用語解説】

※1 Turn 10 スタジオ
Xbox、Xbox 360、Windows、オンラインゲームプラットフォーム向けに、多彩なゲーム制作を行っている開発企業Microsoft Game Studiosに所属するスタジオの1つ。Turn 10 スタジオが手がけた前作『Forza Motorsport』(Xbox)では、クルマの挙動やダメージなどの再現度の高さやリアルなグラフィック、愛車のカスタマイズ要素が評価され、数々の賞を獲得した。

※2 3面モニター仕様
『Forza Motorsport2』では、最大3台のモニターをリンクさせて3面マルチモニター表示でプレイすることが可能。左右に大きく広がる車内からの後継は、まさに実車そのものの臨場感が味わえる。さらに観戦用のモニターも接続可能だ。ただし、Xbox 360本体とソフトも、モニターの台数分必要となる。

※3 G
重力加速度。クルマでは主に前後左右の重力加速度のことを示す。このGが大きいほど、クルマの加速時にはシートに抑えつけられたり、コーナーリング中に曲がっている向きとは逆の方向に体が振られたりする。

※4 SUPER GT
市販車をべースにした自動車レースの1つ。2004年までJGTC(全日本GT選手権)と呼ばれていたが、2005年の国際シリーズ化に伴って「SUPER GT」の呼称になった。最高出力500馬力、最高時速300キロほどのマシンが参戦するGT500クラスと、最高出力300馬力、最高時速270キロほどのマシンで競うGT300クラスの2つがある。

※5 キャンバー角
クルマを正面から見たときのタイヤの傾き。ハの字のようにタイヤ下側の両端が開いていくほど、キャンバー角が大きくなっていく。キャンバー角が大きくなると、ハンドルを切ったときのタイヤの接地面積が増えてコーナーリング中の安定度は増すが、直線安定性はダウンしていく。

※6 コンパウンド
タイヤの接地面に用いられるゴムの材質を示す。コンパウンドさが固いほどグリップ力は落ちるがタイヤは減りにくくなり、柔らかいほどグリップ力が増すがタイヤの減りは早くなる。

※7 フリクション
摩擦抵抗のこと。タイヤの場合は路面との摩擦抵抗が大きいほどグリップ力が高くなり、タイヤの減りも早くなる。逆に、エンジン内部などのパーツ同士の可動部では、摩擦抵抗が少ないほどスムーズに可動し、エンジンレスポンスのアップや燃費向上につながる。

※8 ダウンフォース
クルマのボディを路面側に抑えつける力。ダウンフォースが大きいほど車体の安定度やタイヤのグリップ力は増すが、空気の抵抗が大きいために最高速は落ちる。ダウンフォースが小さいほど最高速が伸び、燃費などもよくなるが、挙動の安定度は低くなる。

※9 サスペンションの減衰力
サスペンションの特性を表わす、スプリングの伸び縮みを抑える力。ロールやピッチングなど、挙動変化の動きの大きさに影響する。減衰力が高いほど硬くゴツゴツとした乗り心地になるが、ハードな走りにも対応できるようになる。

※10 HKSのCT230R
チューニングパーツメーカーHKSが三菱・ランサーエボリューションVIIIをベースに開発したデモカー。チューニングカーの筑波サーキットの53秒589というチューニングカー最速タイムを筆頭に、全国各地のサーキットで最速レコードを更新している。ちなみに鈴鹿サーキットの記録は2分02秒920だ。

※11 コーナーのR
“R”はコーナーの大きさを表わし、「50R」や「300R」のように半径を示す数字と組み合わせる。例えば100Rなら半径100メートルの円を描くコーナーになる。Rが小さいと角度のきつい低速コーナーになり、Rが大きいほどコーナーの角度はゆるやかで、いわゆる高速コーナーになる。サーキットによって、200Rや130Rというように各コーナーの名称として用いられる。