電撃ドットコム > 電撃オンライン > インタビュー > 『ガンパレード・オーケストラ 青の章』

SOFT  

芝村氏に直撃!『GPO』シリーズの全貌とその未来とは?

 最終章『青の章』の発売でシリーズが完結を迎えた『ガンパレード・オーケストラ(以下GPO)』。『青の章』のコンセプトや前2作品との違い、さらにプレイする上でのポイントなどをゲームデザイナーの芝村裕吏氏に語っていただいた。『ガンパレード・マーチ』から続く、人類と幻獣の長き戦いに終止符を打つときは来た!

●やりたいことが3つあるから3部作に!

――まずは『GPO』シリーズを制作することになったきっかけ、理由をお聞かせください。
芝村裕吏氏(以下芝村、敬称略):『GPM』が発売から時間がたっても人気が高かった、というのが理由の1つです。じつは以前、ネットの掲示板で「人気がでたら何かやってもいい」と書いたことがありまして、 それがいろいろ話題になったんです(笑)。掲示板だと発言が残るから、人気が出たので作らなきゃ……、という流れで企画書を書いたのが、そもそもの始まりですね。
――昨年の7月に発売された『絢爛舞踏祭』も、共通の世界観で作られていますが、続編ではないと?
芝村:そうですね。『絢爛』はAIに特化した作りで、 第6世界(『GPO』は第5世界が舞台という設定)が舞台です。『GPM』と似ている部分は確かにありますが、『GPM』のファン向けかというと少し違う。となると、やはりファンの声に応える『GPM』の正統な続編を作ろうと。それから本格的に作り始めました。
――とすると、開発スタート当初から『GPO』は3部作の予定だったのでしょうか?
芝村:じつは企画を立てたのですが、最終的に1つにまとまらず、案が3つ残ってしまったんです。でも、 どれを残すかと考えたとき、どの作品も『GPM』の要素を持っているんですよね。たとえば、考えるタイプの戦闘が好きな人には、やはり戦闘がメインでないと『GPM』の続編と感じてくれません。でも逆に、戦闘よりも学園内でNPCとイチャイチャしたり、会話を楽しむほうが『GPM』らしいと感じる人もいるわけです。
――プレイヤーごとに、いろいろな楽しみ方ができるところが『GPM』の魅力ですからね。
芝村:ええ、ですからこんな風に、3作品それぞれに方向性があり、取捨選択はできませんでした。なにせこのシリーズは、『GPM』を発売から支持し続けてきてくれたファンに対する“お礼”の意味もありますから。
――となると、青の厚志や芝村舞が登場するのは、ファンへのお礼という意味もあると?
芝村:そうですね。システム的な『GPM』らしさを出すだけでなく、なにかファンに向けたアピールはできないかと考えたとき、「まあ、キャラを増やすくらいならできるかな」と。でも、『GPM』のキャラは最初は登場しない予定でした。なぜなら、前作の反省点として登場人物が多すぎるというのがありまして、『GPO』では登場人物を意図的に少し減らしたんです。人数が多いとゲーム終盤になって、「はじめまして」的な挨拶をされたりした、という苦い話も聞きましたから(笑)。そこで人数比も考えて、最終的には各章に分ける形で彼らを登場させることにしたわけです。

●ヒーローになるためにアクション要素

――戦闘シーンもガラッと『GPM』と変えましたよね。今回はなぜ戦闘にアクション要素を入れたのですか?
芝村:個人的に『GPM』の戦闘だと、あまりヒーローらしさを感じられなかったんです。やはり自分で剣や銃を使って、迫り来る幻獣を倒すほうがカッコイイですから。でも『GPO』はアクションゲームではないんです。いかに幻獣の背後を取り、大ダメージを与えるかという戦術を楽しむものと考えてほしいですね。まあ、本当ならば隠れて幻獣を待ち受ける、という戦いが一番確実なのですが、それだと誰も移動しなくなりますから(笑)。とりあえずは、コソコソと敵の背後に回る戦法で戦うのがベターですよ。どうしても勝てない場合は、「陳情」で待機休暇を申請するのもありなのかな。ちなみに森の多い『緑の章』では、戦闘車が森に入れないため戦闘の難易度は高いです。そのため、ウォードレス(戦闘スーツ)のまま、または動物兵器に騎乗して森に隠れて移動し、うまく敵の背後をつく……、のような戦術が重要ですね。 あと最初の月での準備も結構大切です。とはいえ、ただ難しいだけはありません。たとえば、空を飛んでいるスキュラは銃でなければ攻撃が届かない、と思い込みがちですが、じつは建物や丘に上がるなどの地形を利用すれば、剣でも空中の幻獣を攻撃できます。戦略さえ立てれば、戦闘車でなくても勝てると思いますよ。
――戦闘では照準をつけたり移動したりと、アクション要素はあるけど、根底としてあるのはSLGなのですね。

●各章にはそれぞれ狙いがある!

――意図的に3部構成にした『GPO』ですが、各章のコンセプトをぜひお聞きしたいのですが。
芝村:まず、最初に『GPM』とはなんだろう、と考えたときやはり戦闘だろうと。しかも、絶望的な状況からいかに反撃していくかが、ファンに支持されたんだと思います。そこで、同じような状況下で、しかも泥臭い……と聞こえは悪いですが、敵に囲まれて不利な状況で森の中でゲリラ的に戦うことがコンセプトの作品を考えました。そして森=緑という流れで、『緑の章』が決定したわけです。その次は、NPCとのAIを介したやりとりがおもしろい、といってくれたファンの声を考え、戦闘のバランスをそれなりにおさえて、学園モードで人間関係を楽しめるようにしたのが、『白の章』ですね。主役である石田咲良とかの設定も、どこか『GPM』の芝村舞を感じさせるものにしたりと、とっつきやすくはなってます。
――確かに『白の章』の戦闘は、95式対空戦闘車を使うだけでも勝てたりと、戦闘は比較的ラクでしたね。戦闘の『緑の章』、学園の『白の章』と来ましたが、今回の『青の章』のコンセプトとは?
芝村:ひとことでいうと……夢ですかね(笑)。『青の章』は、スタッフ全員のn夢oがつまっています。 我々がやりたいことをすべてつめ込む、というのがコンセプトですね。『青の章』で『GPO』は最後ということもあり、できることはすべてやろうと。ですから、 舞台は南国の小笠原だし、戦闘もじゃんじゃか兵器が登場して、ちょっとしたお祭りムードです。『緑の章』と違って海岸が戦場なので、移動も自由で大暴れできますよ。

●『青の章』は豪華絢爛な作品に!

――シリーズの楽しみがすべてつめ込まれているという『青の章』ですが、前2作との具体的な違いは?
芝村:一番の違いは、明確なストーリーが存在するところです。『GPM』ではメインストーリーを追うプレイと、プレイヤーが物語を作っていくタイプのプレイがありました。『白の章』や『緑の章』は、そのプレイヤーが自由に遊ぶプレイ方針を重視した作りにしたんです。 しかし『青の章』では、島にある観測施設で天体観測を行うという、核となるストーリーが存在し、そこから各キャラのイベントが展開していきます。
――少しプレイさせていただきましたが、確かに今回は『GPM』にあったストーリー展開のニオイを感じますね。例えば『GPM』で「降下」技能を習得すると「降下作戦」が起きたように、『青の章』では○月○日に必ず天体観測のイベントが起きたりとか。
芝村:そうですね。『青の章』では、誰がプレイしても必ず島から撤退するし、思い出作りの天体観測も行います。もちろん各キャラにも、天体観測に関係するイベントが多数用意されているので、ストーリーを追うだけのプレイも楽しいですよ。
――『GPM』に近いといえば、士魂号も登場しますね。
芝村:それもある種のお祭り要素かな。どうせ最後なら、いろいろな武器で戦えるほうがおもしろいので、登場武器を格段に増やしました。全部で100種類以上かな。ならば士魂号も出しちゃえと(笑)。具体的には、まあ、 ハンガーには99個しか格納できませんけど。
――戦闘システムには、大きな変化はないようですが?
芝村:いえ、戦場はたしかに海や砂浜が広がっているだけに見えますが、じつはいろいろポイントがあります。 たとえばストーリーで天体観測を行う場合、幻獣は望遠鏡を狙ってくるので、それを守らないといけません。これまでのように、ただ幻獣を倒すことだけを考えていればいいというわけではないんです。
――それは焦りますね。これ以外にも、まだまだ新要素があるとお聞きしていますが?
芝村:我々の“夢”がつまっていますから、ものすごくいっぱいありますが、言っても大丈夫ですか?(笑)

●天体観測の成功は実力次第!?

――『青の章』では天体観測を成功させるという、明確なストーリーが存在すると前回お聞きしました。このように核となる物語を取り入れた理由とは?
芝村:やはり『GPO』シリーズの完結編であることが、一番大きな理由です。『白の章』や『緑の章』も、ある程度はプレイヤーの指針となる展開は用意しています。ですが、今回ほど明確なものはありません。これは「ストーリーはプレイヤーが作るもの」という、私なりの考えからです。しかし『青の章』では、前2章で取り入れてない『GPM』らしさの1つである、核となる物語が存在する作品にしたかったんです。
――完結編ということは、『白の章』や『緑の章』の謎も明らかになるのでしょうか?
芝村:もちろんそうなります! 『GPO』シリーズはプレイヤーごとに好きなように遊べるよう、シリーズ色は薄くしてあるんですね。しかし、根底ではつながっていて、すべてをプレイすると、「あの謎はこうなっていたのね」というように、いろいろなことがわかりますよ。
――天体観測を成功させることで、『青の章』だけでなく、『白の章』の謎も解けるわけですね。
芝村:そうです。でも設定的には天体観測は失敗することになっています。
――設定をくつがえして成功することも可能と?
芝村:クリアすればパラメータが引き継がれるので、2周・3周とプレイすれば十分に可能です。さすがに「絶対に不可能ですが、天体観測を成功させよう」という展開は、私も納得できませんからね。ゲームというのは、どんな強敵でも出現するからには倒せないとおもしろくないですから(笑)。
――なるほど。かなり挑戦しがいがありますね。1周目での天体観測成功を狙うプレイは。
芝村:ぜひトライしてほしいですね。私からの挑戦状の1つと思ってください。
――ちなみに、クリア後は「戦闘記録」と「神話」のストーリーが用意されているのでしょうか?
芝村:今回は「神話」はありませんね。それに代わり、恋愛をメインに楽しめるストーリーの「ラブコメ」を用意しました。「ラブコメ」では、通常の提案だと愛情の数値が上がりづらくなっていて、愛情を大幅に上げるには、デートを利用することになります。もちろん、これまでのシリーズでもできましたが、2マタや3マタなんてプレイもできちゃいます。いかにバッティングしないよう、デートのプランを立てるかとかは楽しいですよ。スタッフの間でも盛り上がったりしてますし(笑)。なお「戦闘記録」は、作品ごとのテイストの違いを感じてもらうために、今回も収録しています。戦闘だけを純粋に楽しみたい人もご安心ください。

●兵器はタダで使うことも可能!

――天文観測所を守るのは難しいようですが、観測所を守る戦いで知っておきたい、『青の章』ならではの要素はあるのでしょうか?
芝村:『青の章』ならではの戦略といえば、やはり水陸両用のユニットが登場することですかね。小笠原が舞台なので、周囲は当然海になるわけです。ここで読者の方にあらかじめアドバイスしたいのが、 海岸線を戦場にしないという点。とくに砂浜でぶつかり合うのは不毛ですよ。なにせ砂浜は敵味方ともに身を隠すものがないので、有効射程内でドンパチしあう形になっちゃいますから。どうぞ狙ってくださいって言ってるようなものです(笑)。
――やはり障害物、例えばヤシの木や岩かげを利用して、隠れながら戦うほうがいいと?
芝村:そうですね。あとは水陸両用キャリアを使うのも手です。海上は普通のキャリアだと移動できませんが、水陸両用キャリアならば移動できる。そこで、海上から幻獣の後方に回り込み、そのあと逆上陸をかける、といった戦術が効果バツグンです。水際での攻防が熱いですよ。また、今回は人型戦車が大活躍します。今まであまり使えず物足りない、と感じていたファンの方もきっと満足できるかと。
――人型戦車がメインだと、「陳情」に必要な発言力と戦力予算値がネックになりそうですが?
芝村:ご心配なく(笑)。じつは今回は国が部隊を全力でバックアップしてくれるんです。そのため、兵器も補充されるレベルがハンパじゃなくスゴイんですよ。それこそ「事務」技能がレベル3になると、上から人型戦車が3台も4台も補充されるとかね。普通に戦っているぶんには、使い切れないぐらいですから。それに加えて今回は、人型戦車にかかる戦力予算値もこれまでの半分になっています。ですから、全員が人型戦車という編成も可能です。でも、「陳情」に必要な発言力は多いので注意ですよ。
――少しプレイさせていただきましたが、確かに前2作より弾薬の補充が多いですね。それも全種類の弾薬が一度に届いたりして、サービス満点でした。
芝村:今回は士魂号が出るというのもありますが、なるべく人型戦車を使って、楽しくハデに戦ってもらおうと考えています。南国で解放感タップリという、ある意味jお祭りk的なシチュエーションですから(笑)。よって、広範囲に一斉攻撃が可能な、『GPM』に登場したコンテナミサイルも復活させました。まあ、そのぶん幻獣の数も多いですけどね。

●真の“夢”は水着に集約される!?

――さきほどお聞きした、スタッフの“夢”がとても気になるのですが?(笑)
芝村:『青の章』は舞台が南国で青い海というだけあって、制作スタッフのノリもかなり軽いんです。で、やっぱり『GPM』といえば水着ですよ! という流れに(笑)。そんな全員の“夢”が、水着を着させて楽しめるという要素です。あ、もちろん夢は水着だけじゃないですよ。先にお話しした戦闘の変化とか物語性の追加とかもそうですし。
――とても大きな“夢”を感じさせてくれます。ちなみに、水着は何種類ぐらいあるのでしょうか?
芝村:じつはキャラごとに水着は違うぐらい、力を入れてたりします。まあ、学園生活に欠かせないスクール水着は、全員共通だったりしますけど。水着のポリゴンモデルは、全員ぶんわざわざ新たに作っているんですよ。ちなみに、みんながスクール水着で行動している映像は、かなーりシュールです(笑)。最初はアホかと思ったぐらいですから。でも、実際に画面を見たら、これはこれでいいんじゃないか? とか思えてきたり。別のおもしろさがあるというか。
――水泳の授業以外でも水着という状態なのですか?
芝村:ええ。じつは作戦会議で「今日は水着で行動しよう!」なんて提案ができちゃいます。成功させるのは難しいですけど、ぜひチャレンジしてほしいですね。
――楽しみです(笑)。ちなみにここまでうかがった以外で、『青の章』特有の要素はありますか?
芝村:今回は周囲が海に囲まれて逃げ場のない島が舞台なので、戦闘を避ける待機休暇の「陳情」は発言力が大量に必要になります。あとは、食料の値段が高いですね。観光地価格みたいな感じで。
――確かにサンドイッチが400円で、やきそばパンが900円だったりと、「高っ!」と思いました。
芝村:そんなわけで、今回のプレイで一番重要なのは昼寝です。自宅でくつろいだりして、いかに安く体力と気力を回復させるのかが、ポイントになります。これ以外では、ユーザーさんからの要望として多かった、『白の章』と『緑の章』のキャラを、PCではなくNPCとして使いたいという要望も実現しました。
――とすると、「転属」し続けると『白の章』のキャラだけで『青の章』を遊べるということに?
芝村:できますね。ただ、ゲームバランスは『白の章』ではなく、『青の章』のままですけど(笑)。もちろん、時系列的に本章は一番ラストなので、セリフ回りも変えてあります。専用のイベントも多数用意しているので、その違いを探すプレイもおもしろいですよ。ということは、『GPM』のキャラをそろえて始めると……。これはぜひみなさんの目でご確認ください。

●『GPO』シリーズは終わらない!

――今回はさらにやり込むのは大変そうですね。
芝村:いえいえ、“やり込んでも終わらない”ボリュームですから。『GPO』シリーズは食べきれない量のごちそうのようなものなんです。日本人的感覚だと食べきろうとしがちですが、おいしいところだけつまんで楽しんでもらうのが、私としてはいいのかなと。
――芝村さんのお話で、また前2章をプレイしたくなる人も多くなるでしょうね。
芝村:それはうれしいですね。これは作り手としての希望なのですが、やっぱり買ったソフトを手放してほしくないなと。『緑の章』が出たから『白の章』はやらない、『青の章』が出るから『緑の章』はやらない、というのは悲しいですから。
――『GPO』シリーズはボリュームはもちろん、遊び方もそれこそ千差万別ですからね。
芝村:ええ。各章ともそれぞれテイストが異なります。いつか時間ができたときでいいので、また繰り返して遊んでもらえるとうれしいです。なにせPS3でもPS2との互換性はありますから(笑)。
――ありがとうございました。

ガンパレード・オーケストラ 青の章
~光の海から手紙を送ります~
ガンパレード・オーケストラ 青の章
■メーカー:SCE
■対応機種:PS2
■ジャンル:AVG
■発売日:2006年7月20日
■価格:
  ・ 通常版 7,140円(税込)
・ 限定版 13,440円(税込)
■関連サイト:
  ・ 公式サイト
PlayStation.jp


(C)2006 Sony Computer Entertainment Inc./BANDAI・BANDAI VISUAL

芝村 裕吏 氏
Shibamura Yuri
芝村裕吏氏
 本シリーズのゲームデザイナーで、前作『ガンパレード・マーチ(以下GPM)』の基礎設計者でもある。代表作は『GPO』シリーズや『絢爛舞踏祭』など。末永く遊べるゲームを作ることをモットーにしているほか、ユーザーとの対話をとても大切にしている。
今すぐ購入!
【通常版】
PS.comで購入
Amazonで購入

 

画面写真
 
画面写真
 
画面写真
 
画面写真
 
画面写真
 
画面写真
 
画面写真
 
画面写真