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 人気MMORPG『ラグナロクオンライン』を開発したキム・ハッキュ氏が新たに手がけているタイトルとして注目を集めているPC用MMORPG『グラナド・エスパダ』。韓国では近々クローズドベータテストが開始となるも、現状では細かい部分でのゲーム内容については、まだまだ不透明な部分が多い。今回電撃オンラインでは、そんな『グラナド・エスパダ』のゲームシステムについて、プロデュースを担当するキム・ハッキュ氏にお話をうかがった。



『グラナド・エスパダ』とは?

“フェルッチオ・エスパダ伯爵”と“ジルベルト・グラナド男爵”が発見したことから、二人の名前を冠し名づけられた新大陸「グラナド・エスパダ」を舞台としたMMORPG。17、18世紀のヨーロッパを思わせる繊細で美しい景色の中、新大陸開拓時代の幕開けが描かれる。

 ■キャラクター(クラス)紹介
ファイター
スカウト
ウィザード
剣や盾、拳銃といったさまざまな武器を使いこなし、物理攻撃を得意とする。 ヒーラー役として後方支援に特化しているクラス。多彩なアイテムや罠を使いこなすことも可能だ。 念力系攻撃魔法や相手を撹乱させる幻術系の補助魔法、弱体化魔法など、強力な魔法を操ることができる。遠距離攻撃や多人数を相手にした攻撃が得意。

ウォーロック
マスケッティア
「火・氷・雷」の魔法といった強力な攻撃魔法が得意。「ウィザード」との連携魔法を繰り出し、さらなる効果を生み出すこともできる。 「マスケット銃」を使いこなすことができるクラス。長距離射程からの射撃攻撃は、魔法系クラスの攻撃よりも優れているという。

■システム紹介
●「コマンダ」
 『グラナド・エスパダ』では、プレイヤーが1人のキャラクターを自分の分身とするのではなく、複数のキャラクターを指揮する「コマンダ」という立場となる。プレイ開始時には、まずプレイヤーが「コマンダ」の名前を設定。このコマンダネームはキャラクター名の苗字のようなもので、例えばコマンダネームが“ローゼン”でキャラクター名を“マグヌス”とした場合、そのキャラクターのフルネームは“マグヌス・ローゼン”となる。
●「マルチキャラクターコントロール(Multi Character Control:MCC)」と「スタンス」
 『グラナド・エスパダ』のもっとも大きな特徴と言えるシステムが、最大3人のキャラクターを同時に動かせる「マルチキャラクタコントロール(MCC:Multi Character Control)」。これは、2人以上のキャラクターを組み合わせて「チーム」を作成し、プレイヤーはそのうちの1人を「リーダー」として直接操作することができるというもの。「リーダー」はF1~F3キーで切り替えが可能で、「リーダー」以外のキャラクターはあらかじめ指示された動作を実行するか、指示がない場合はAIによって自動的に動く。もちろん必ず「チーム」を組む必要はなく、1人のキャラクターだけを操って冒険することも可能。この場合は、倒したモンスターからの経験値がすべてそのキャラクターに入るため、集中的にキャラクターを育成することができる。
 そして、もう1つの大きな特徴となるのが「スタンス」というシステム。こちらは、1つの武器を様々な用途で使用できるというもので、「攻撃中心」や「防御中心」といった特性の異なるスタンスを切り替えることで、戦いを有利に進めることができる。各「スタンス」には熟練度が存在し、使用した「スタンス」の熟練度がアップするにつれて特定の能力が上昇する。「スタンス」は、能力値の変化を与えるだけでなく、スキルの制限にも影響することが特徴となっている。
●「バラックモード」
 「バラックモード(Barrack Mode)」は、『グラナド・エスパダ』にログインすると最初に表示される画面で、キャラクター作成などを行うことができる。「バラック」には、最大9人までのキャラクターを保持することができ、プレイヤーはその中から自由にキャラクターを組み合わせて「チーム」を編成し、冒険を進めていくこととなる。
 また、「バラック」にはプレイヤーが作成したキャラクターだけでなく、特定のNPCや敵キャラクターを取り入れることも可能。取り入れたキャラクターは、名前を付けたり、好きなアイテムを装備させ、成長させることができる。



■『グラナド・エスパダ』プロデューサー キム・ハッキュ氏インタビュー


――まず、現在の開発状況を教えていただけますか?
キム・ハッキュ氏(以下、キム。敬称略):韓国で6月中にクローズドベータテストを開始するという旨を4月に発表しましたので、現在それに間に合わせるため集中して開発を行っています。
――企画段階で考えていたイメージと、実際に開発が進んでゲームが動き始めた現在のイメージとで、何か変化はありましたか?
キム:最初は少人数で作り始めたのですが、開発している最中にいろいろなスタッフや社員たちがチームに加わって、そこからまたいろいろな改善案やアイデアなどを盛り込んでいきました。それを振り返ると、当初考えていたものよりもさらによいものになってきているんじゃないかと考えています。
――その「よいものになってきた」という所で、特にここは変わったというポイントはありますか?
キム:例えば、最初は17・18世紀のヨーロッパ風の背景を考えていたのですが、それはすごく漠然としたものだったんです。それが徐々に形として表れてくると、新大陸ということもあってヨーロッパ風だけでなくさまざまな要素が加わり、さらに世界観が広がることになりました。
――ということは、ゲームのスケールが大きくなったということですか?
キム:単純にスケールを大きくすると、どうしてもディテールの質を下げる必要が出てきてしまいますが、私はどちらかというとディテールの方が重要と考えていますので、そういうことはしたくありませんでした。本作の場合、ひとつのディテールを確立した後、まったく別の雰囲気をそのディテールに加えていく、という形で世界観を広げていったという表現が正しいですね。
――さて、現在公開されているシステム面を見るとアクション性が高いように感じるのですが、初心者やアクションが苦手な方に遊びやすい工夫のようなものはありますか?
キム:アクション性を高めるというのは開発上の大きな目標なのですが、素早く操作ができるといったプレイヤースキルの差がそのまま反映されるようにはしたくないと考えています。本来操作は簡単なのですが、今まで発表してきた映像がエフェクトによって見ごたえのあるものになっていたため、アクション性が非常に強いという印象を与えたのではないかと思います。
――アクションに限ればそんなに難しいゲームではないという事ですか?
キム:はい、そのとおりです。
――システムの中で気になるのが、「スタンス」という新しいシステムですが、これがどういうものなのか教えていただけますか?
キム:「スタンス」は、戦闘においてどうやったらバラエティに富んだ表現ができるんだろう、というところから始まりました。各キャラクターが持てる武器といってもいろいろなものがあり、例えばショートソードやロングソード、あるいは槍を持つこともあります。それがどれも同じような動きになってしまうと、アクション性を重要視するという最初の目標に反してしまう。その点を満たすために武器によっていろいろな動きができるようにしたいという思いがあって、「スタンス」という概念を取り入れたんです。そして、それがただの表現という部分にとどまらず、敵を攻略するポイントのひとつであったり、それ自体が成長したりするといった要素を加えていって現在の形になりました。
――このシステムを導入することで、どういったメリットが感じられるのでしょうか?
キム:まず、武器のアイテムをいくつかの系列として整理することができましたね。それと、各固有のスキルにおいて、そのアニメーションやアクション性をうまく表現することができました。それと同時に、それぞれの「スタンス」や各スキルによって、攻撃された相手が吹っ飛んでいったり、その場で倒れたりするなど、敵側のアクションのバリエーションも豊富になりました。これは、ゲームを攻略する上でも重要な要素となるんですよ。
――品質だけではなくゲームの攻略面でも生きてくるシステムということですか?
キム:そのキャラクターの育成方法と持っている武器による攻略の両方でいきてきます。
――非常に見どころの多いゲームだと思いますが、ハッキュさんから見て今の段階で「ここを注目してほしい」というポイントはありますか?
キム:いろいろな部分があると思いますが、まずはグラフィックですね。背景で言うと、最初のイメージでは、いくつかの街があってその外にフィールドが広がっているという感じだったんです。それが現在では、ディテールにこだわりつつバリエーション豊富な雰囲気を持つ背景に仕上げることができたと思っています。他には、やはりアクション面ですね。スキルを使ったり、そのスキルによっていろいろなアクションが表現されるので、ただ普通に戦闘しているより、さらに楽しめると思います。スキルはレベルアップもするので、表現もどんどん増えていきますし。そのあたりにも注目してください。
――音楽にも力を入れているとのことですが、BGMについてのお話を聞かせてください。
キム:BGMは、街やフィールドなどの雰囲気を表現する音楽と、戦いにより集中できるような戦闘中の音楽という2つの流れを考えています。街やフィールドの方はその雰囲気に合うような、例えば民族音楽や南米のアンデスやメキシコといった新大陸をイメージする曲、あとフラメンコなど特徴的な音楽。一方戦闘する場所ではビートの効いたトランス系の音楽という感じで分けて考えています。それと特徴的なこととして、今までゲーム開発におけるサウンドパートは、全部1つのスタジオにお任せするのが一般的だったと思いますが、『グラナド・エスパダ』の場合はさまざまな雰囲気が出せるように、韓国内でも3つのチームで作業をしています。さらにこれからも、韓国内だけでなく海外のスタジオとも一緒に仕事ができたらいいなと考えています。
――現在までに、戦闘やシステム面が公開されていますが、クエストの方はどういった内容のものが導入されるのでしょうか? 何か新しい仕掛けを用意されているのでしょうか?
キム:クエストの搭載は考えていますが、『グラナド・エスパダ』がクエスト中心のゲームかというとそうではありません。おそらく大半のユーザーたちは、クエストをもし与えられても1度クリアしたら2度はやりたくないと考えると思います。ですので、どちらかというとチュートリアル的、あるいは最低限のストーリーを表すものとしてクエストを用意しようと思っています。
――クエストはそれほど重要視しないということですね。
キム:はい。実際にユーザーが戦闘面において何をプレイして楽しむかというと、基本的に中心となるのはダンジョンにおける戦闘だと思います。これまでのMMORPGタイトルでは、ダンジョンでモンスターを狩ってレベルを上げるという流れが一般的なのかもしれませんが、『グラナド・エスパダ』では各ダンジョンごとにテーマが存在します。テーマは、例えばユーザー同士が一緒に協力してプレイをしたり、あるいはお互いに対戦したりといったものにしたいと思っています。具体例としては、10人ごとのグループが一斉にスタートし、そのダンジョンのボスにたどり着くまでに誰が最も多くのモンスターを倒したか、誰が1番早くフラッグを取ったかなどを実際のダンジョンで競ってもらうといった内容を考えています。
――ということは、ダンジョンがアトラクションのような形になっているということですか?
キム:そのような空間になると思います。チームで遊べるようなプライベートなダンジョンもあるでしょうし、誰でも入れるパブリックなダンジョンも考えています。
――それは大変興味深いですね。さて、今回韓国版と日本版がほぼ同時進行というのは、とても異例なことだと思うのですが、何か日本を意識した仕掛けはゲームの中にあるのでしょうか?
キム:特に日本だけを意識した仕掛けはまだ考えていないのですが、日本のスタッフたちとアイデアのやり取りをしながら、日本ユーザーの特徴などを参考にして開発しています。私がこれまで手がけた作品でも、日本での成功が世界的にも影響し、人気が出たという経緯はよくわかっています。それだけ日本市場の重要度は高いと考えています。
――ちなみに、今年のE3で新しいスペックのコンシューマ機が発表されましたが、コンシューマは意識されているのでしょうか? コンシューマ向けのタイトルなどは考えていますか?
キム:今回発表された新しいコンシューマ機の情報をいろいろ見ましたが、非常に興味深いですね。そうはいっても、『グラナド・エスパダ』のインターフェースはキーボードとマウスを想定して開発ていますので、別のプラットフォームにそのまま移植することはないと思います。ただ、すごく興味を持っていますので、様々な形で今後研究していきたいな、とは考えています。
――では、最後にこの作品を期待されているユーザーの方にメッセージをお願いします。
キム:私自身も社内のスタッフも、ある意味において市場やユーザーといった観点で日本が非常に重要であると考えています。日本のユーザーの嗜好に合うような要素をたくさん盛り込んで開発していきたいと思いますし、これからもいろいろビックリするようなニュースも準備していますので、ぜひ期待していてください。
――ありがとうございました。


キム・ハッキュ氏
キム・ハッキュ 氏
 韓国・IMCゲームズ代表取締役/ハンビットユビキタスエンターテインメント取締役
 1998年に韓国・グラビティソフトを設立し、PC用MMORPG『ラグナロクオンライン』を開発。2003年にIMCゲームズを設立し、現在は韓国および日本国内でもっとも期待が寄せられている新作MMORPG『グラナド・エスパダ』のプロデューサーとして、本作の開発を進めている。

グラナド・エスパダ
画面写真
■メーカー:ハンビットユビキタスエンターテインメント
■対応機種:PC(対応OS:Windows XP)
■ジャンル:RPG(オンライン専用)
■正式サービス開始日:未定
■プレイ料金:未定
■関連サイト
『グラナド・エスパダ』公式サイト
ハンビットユビキタスエンターテインメント
IMCゲームズ(韓国語サイト)

(C)2003-2005 IMC Games Co.,Ltd./Lisenced by Hanbit Ubiquitous Entertainment Co.,Ltd.

●推奨環境
CPU:Pentium4 2GHz
OS:WindowsXP
RAM: 512MB
GraphicCard:GeForce4 4200 , Radeon9000
DirectX:DirectX 9.0c

●必須環境
CPU:Pentium3 1GHz
OS:WindowsXP
RAM:256MB
GraphicCard:GeForceMX4000(RAM 64MB)
DirectX:DirectX 9.0c