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タイトル
『鬼武者2』インタビュー
対談
稲船敬二 氏 vs DPS編集部デスク・ぴかりん

6月12日に行われた『鬼武者2』制作記者発表会の後、電撃PS編集部デスク・ぴかりんが、プロデューサー・稲船氏に直撃インタビューを敢行! 発表会では明かされなかったマル秘情報がココに!!

●なんと昨年4月から、『2』の制作に入っていた!
電撃PS編集部デスク・ぴかりん(以下、ぴ):えー、まず最初に、『鬼武者1』のヒットを受けての作品という意味で、『2』の制作で特に意識している点はどういった部分でしょう?
稲船氏:……固い質問が来たよいきなり! ぴかりんじゃないみたい。ちょっとどうしたの?
ぴ:……えー、PS2の能力を新しく……。
稲船氏:違う違う、ぴかりんじゃない。普通に行こうよ普通に。
ぴ:……普通って……、ボクはいつもこう真面目じゃないですか。えー、反省点を受けて……。
稲船氏:ちょっとその紙(ぴかりんのメモ)見せてよ。何々? 『デビルメイクライ』って書いてるじゃんコレー(※写真1参照)。
ぴ:書いてないですよ! えーその辺り、どうですか?(←あいまい)
稲船氏:てゆうか、『鬼武者1』のヒットを受けての制作じゃないですから、『2』は。去年の4月くらいから制作に入ってたし。
ぴ:『1』がヒットするかどうかもわからないまま、制作に入っていたんですかぁ。
稲船氏:そう、無謀な制作に入っていたワケ。『2』の制作にあたっては、『1』を意識せずに作ろう! 『1』ではやれなかったことをやろう! ということで、まったく別のゲームとしてスタートさせたんですよ。で、『1』がヒットしちゃったもんで、今は『1』のイイ部分も――当然反省点も入れてますけど――どんどん融合させてるんです。だから、マップが変わったとか、敵が増えたとか、何かを付け足すといった、単純に『1』のパワーアップバージョンではないってことだね。
ぴ:別に開発させていたモノに、『1』のイイ部分を融合させる、っていうのはおもしろいですね。
稲船氏:その結果、新しい遊びを提案できるんじゃないか、と。今回の発表会ではそこまでアピールできませんでしたけど、いずれ少しずつお見せできればな、と思ってますよ。

●よりドラマティックになったストーリーとは?
ぴ:今おっしゃった"新しい遊び"の1つになると思うんですが、『2』ではストーリーを強く意識されているようですね。
稲船氏:右に進みますか? 左に進みますか? そのような分岐の複雑さがストーリーのおもしろさではないと思っているんですよ。「人間を攻略する」、というのがストーリーのおもしろさなんじゃないかなって。今回、仲間にできるキャラクターがたくさんいるんですけど、仲間にするかどうかをプレイヤー自身が決めることになる。ある時点であるキャラが仲間になる、っていうワケではなく、こいつを仲間にするにはどう付き合えばいいのか? ということを考えるんです。うーん、たとえば、ぴかりんを仲間にしたければ何度も巣鴨(大人の歓楽街)に一緒に行かないと仲良くなれないとか、それぞれの趣向に合わせた付き合い方をしなければならないってことですよ。
ぴ:そのたとえはどうかと思うんですけど……。違う例、ないですか? 実際のゲームにもあるような。
稲船氏:今は詳しいこと言えないですよ。とにかく仲間にしたければ、いろいろなアプローチをするということ。そうすることで、たとえば銃の名人・マゴイチが仲間になる。そうしたら、銃を使えるようになるかもしれない、彼が知っている情報を得ることができるかもしれない、一緒に戦ってくれるかもしれない。人を攻略することで、アイテムを入手できるっていうおもしろさがあるし、ストーリーも変わっていくんです。
ぴ:そう言う意味で、『1』のシンプルなストーリーに比べてより複雑な、よりドラマティックなストーリーになっている、と。
稲船氏:ですね。かと言って、決してストーリーがアクションの爽快感を阻害しているワケではありませんからご安心を。
ぴ:さきほどの発表会で見せていただいた映像でアクションシーンがありましたけど、カッコよかったですね。映像中、城下町のシーンもありましたが、『1』ではなかった場所ですよね。
稲船氏:イイところに気がついたね! 町にいる人と会話をするということは『1』にはなかったけど、『2』では人を攻略する、という新しい遊びを入れるために必要な場所なんです。この「町」は、いつ行っても同じ、というワケではありませんよ。
ぴ:「町」の他に気づいたことなんですけど、『1』と違って周囲が明るいシーンが多いですよね。
稲船氏:『1』は一晩だけの物語、ということだったんで夜のシーンだけでしたけど、『2』では話の展開で昼間にもなるんですよ。……夜の表現っていうのはグラフィックをごまかせるんですよね。その点、昼間を表現することは、細部まで描く必要もあって技術的に非常に難しい。でもディレクターがどうしてもやりたいって言ってね。最初は反対したんだけど、できあがってきたモノを見てビックリ。スタッフのスキルがすごく上がってたってことです。雨のシーンなんかも、背景動画をうまく使ってとてもリアルなモノになってますし。

●松田優作さんと一緒に仕事をできてウレシイ
ぴ:そう言えば今回、なぜ主役が松田優作さんになったんでしょうか? 決定するまでの経緯は?
稲船氏:今日は5回くらい取材受けたけど、「経緯」を聞かれたのは初めてだなぁ。
ぴ:で、どうなんです?
稲船氏:最初はストレートに「生きている、人気がある方」という方向でいろんな方に打診していたんですけど、今人気があっても『2』が発売される頃に果たして人気がまだあるのか? ってことがとても気になっていたんですよ。そんな思いを抱きながらイロイロな方と交渉していたんですけど、あるときフラグシップの人間と話をした折に「三船●郎さんなんてどうかな?」なんて話題が出たんだよね、冗談交じりに。「故人かぁ、イイかも」なんてことになって、そのとき「松田優作さんがイイんじゃない?」って言ったのは杉村升さん
ぴ:『1』に引き続き今作でもシナリオ担当の?
稲船氏:そう。口惜しかった。やられた! って思いましたね。すごくイイところに目を付けたな! って。ボク自身、リアルタイムで松田優作さんの作品を見ている人間なんでね。
ぴ:それはオレが言いたかったのにぃ! って感じですか。
稲船氏:さっそくお願いに上がったんですけど、当初、松田美由紀さんは難色を示したんです。でもそこで、ゲームを知っている息子さんたち2人にも意見を聴いてみたんですって。
「ゲームでお父さんを使いたいっていう話があるんだけどどう思う?」
「そんなのダメだよ、ゲームじゃ(松田優作を表現するのは)ムリだよ」
「カプコンの『鬼武者』っていうゲームなんだけど」
「やろう!」
ぴ:えぇ!? うっそぉ!?
稲船氏:マジマジマジ! そう言ってくれたらしいんだよ、息子さんが。で、「ぜひやりましょう」と美由紀さんも言ってくれて。だから、『2』で松田優作さんを出演させることができたのは、息子さんたちのおかげなんです。ありがとう龍平くん!
ぴ:龍平くん、この記事読んでくれてますかね?
稲船氏:読んでる読んでる。ゲーム誌読んでるって言ってたもん。あれ? 電撃PS読んでるって言ってたかな……?
ぴ:……稲船さん自身、松田優作さんに特別な思い入れがあるんですか?
稲船氏:ゲームで育っているワケじゃないボクらの世代が、今ゲームを作っている。そんな人間の下地は何なのかというと、TVドラマだったりアニメだったり、映画だったりするんですよね。で、ボク自身、TVドラマでは、松田優作さんが印象に深く残っていて、大きな下地となっているんです。ですから今回――こういう言い方をしていいならば、いいと思うんですけどね――松田優作さんと一緒に仕事をできて、とてもおもしろいし、ウレシイです。なんたって、ボクのゲーム作りの基本になった部分でお世話になった方ですからね。ちなみに、他にお世話になった人といえば、永井豪さん、手塚治虫さん、スピルバーグですかね。
ぴ:松田優作さんの特徴的な部分を演出で表現しようと思っています?
稲船氏:ファンがイメージする「松田優作像」を崩さないようにと、一生懸命努力しています。『1』の最後にあった『2』の予告編では、柳生十兵衛が眼帯をしていたんですけど、主役が松田優作さんに決まってから、眼帯を外しました。他には衣装デザインを渋めにしたり、手足を長くしたり、髪型も変えたりと、より松田優作像に近づくように変更しています。とはいえ今回は、あくまで柳生十兵衛役を演じてもらうのだから、そういう演技をしてもらうようにしてます。「探偵物語」の工藤俊作役を演じてもらうワケではないから、ね。
ぴ:『1』では金城武さんがパンダになったりした要素がありましたけど、『2』でもあります?
稲船氏:そういう要素を入れないと許さないでしょ、ユーザーさんや出版社さんは! だから今回も当然考えているんですけど……。募集しようかな? 隠しキャラ募集を! ●●●通で。
ぴ:おーい!
稲船氏:なんつって。みんなが考えつかないモノか、みんなが期待しているモノ、どっちにしようか考えてます。『1』は前者ですよね、「金城武がコレ?」っていう感じでしたけど。松田優作さんの場合、みんなが期待しているモノがあるじゃない? まぁ、どっちにしようかは、これから考えますよ。
ぴ:来年の3月7日の発売日までのお楽しみ、というトコロですか。期待していますのでがんばってください! あと、隠しキャラ募集をやるなら、ぜひ「電撃」でお願いします、ね。
ソフト紹介
鬼武者2
●機種:PS2
●メーカー:カプコン
●ジャンル:ACT 
●発売日:2002年3月7日予定 
●価格:未定
Character yagyuu jyuubei by (c)yusaku matsuda office saku,(c)CAPCOM CO.,LTD.2002ALL RIGHTS RESERVED.Characters:(c)CROWD/(c)CAPCOM CO.,LTD.2002ALL RIGHTS RESERVED
稲船敬二 氏
 1987年にカプコンに入社後、キャラクターデザイナーとして『ロックマン』の制作に参加。以来、プロデューサーとして活躍する。
現在までほぼすべての『ロックマン』関連タイトルの制作に携わるこだわりのゲームクリエイター。
代表作:『バイオハザード2』『ロックマンエグゼ』 『鬼武者』

※写真1