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◇ レビュー ◇
電撃オンライン編集部がオススメするソフトを個性的なレビュアーがアツく語ります!
タイトル
テイルズ オブ レジェンディア
レビュアー
H.O

従来の『テイルズ オブ』になかった要素を取り入れた
チャレンジ精神にあふれた意欲作!!(3,297文字)


 最初にナムコさんに謝っておきます。『テイルズ オブ レジェンディア(以下、TOL)』が発表されたとき、じつは私は「うーん」と思って、期待はしていませんでした。なぜなら、まずキャラデザインを『テイルズ オブ』になじみのない、中澤一登さん(※)が担当されると聞いたからです。ファンなら誰だって最初はビックリして、とまどったはずですよね?(汗)。もう1つ大丈夫かな? と思った理由は、戦闘シーンが1ラインで、なおかつ画面がシンプルすぎたこと。リニアモーションバトルでキャラがバリバリ動くのが、このシリーズで何より魅力な要素のはずだけど……、といろいろ実際に遊べるまで不安だらけの作品でした。でも、声を大にして言いたいと思います。『TOL』はおもしろい!!!! 個人的にシリーズでトップ3に入るぐらい、デキがいいです。というわけで、どこがどういいのか。それをシリーズと比較しながら、いろいろ述べていきたいと思います。様子見をしているそこのアナタ、必見ですよ!

●【魅力その1】テンポのよさがキラリと光る展開がGOOD!
 遊んでいて感じたのが、ダラダラとシナリオが続くのではなく、テンポよく区切られているという点です。これはシリーズ初となる章構成が、かなりいい結果になっていると思います。シナリオの流れはある意味王道な部分もあるけれども、それをイヤとは感じさせないしグイグイとプレイヤーを引っ張ってくれるのは、素直にうまいなと感心させられます。「いつのまに次の章になったの?」という感じで熱中できると思います。事実仕事でヘロヘロなはずなのに、先が気になって遊び続けていた自分がいますから(笑)。

●【魅力その2】デフォルメキャラだからできた演出!
 最初に語ったキャラデザインへの不安ですが、今現在はそんな気持ちは吹き飛んでまったくないことを、ここで改めて強調しておきましょう。むしろ中澤さんデザインでよかったと思えるぐらいに、『TOL』のキャラが好きになっている自分にビックリですよ。その理由はやはりキャラの個性付けがしっかりしている点。セリフに合わせてSDキャラが細かくアクションすることが、キャラの個性をさらに引き出すスパイスになっています。スキット中の背景もよく見てみると、SDキャラが動いていたりして「ほんと細かいなぁ」と感動させられたぐらいです。声優陣の熱演とセリフ回し、そしてSDキャラの動きの3点セットが上手くミックスしてるので、イベントは見ていてあきないと断言できますね。自分はRPGをプレイした場合、声優さんのセリフを飛ばしてメッセージを目だけで追いがちなんですが、今回は声を聞かないのが惜しいぐらい楽しいです。とくにノーマは名キャラで、ほかのキャラとの掛け合いが次いつ聞けるのかと、イベントシーンになるとワクワクしている自分がいたりします。『テイルズ オブ』攻略班のなかでも人気ナンバー1なぐらいですから、未プレイの人はぜひ彼女の登場に期待ですよ! まあ、少しコテコテの漫才的掛け合いは、好き嫌いが出るかもしれませんがね(笑)。それを抜きにしても、クリア後も印象に残るキャラが多い、名作であることは間違いないでしょう。

●【魅力その3】シンプルだがキャラが
  動き回るX-LMBS(クロスオーバーリムス)
 戦闘が1ラインに戻ったと第一報で聞いて、単純なバトルで物足りなくなるんじゃないか? と私は懸念を抱いていました。ですがさすがアクションのナムコ。やってくれました。格闘系の技を使う主人公のセネルは、通常の必殺技以外にも投げ技が使えるわけですが……この投げ技がすばらしく楽しい♪ 地面にダウンさせた敵を無理やり立ち上がらせて、ぐるぐると投げ飛ばしてまた別の敵をダウンさせ、それをまた投げる。といったアクションが可能だったりします。何で今までの作品になかったのだろう? と思うぐらい、このアクションバトルにマッチしているんですよね。軽量級の敵ならば、バレーボールのようにアタックして投げられることが爽快感バツグンで、個人的に気に入ってます。ぜひプレイしたら投げ技を駆使して戦ってみてください。

●【魅力その4】遊びやすさを追求した移動システム!
 今回の舞台は遺跡船という場所で、基本的に灯台の街・ウェルテスを中心に行動します。そのため、街に何度も立ち寄る必要があるわけですが、わざわざ歩いて戻る必要はありません。街や施設の前にはダクトと呼ばれる装置があり、これを使うことで街と施設を自由に行き来できるのです。ほとんどの施設の前には必ずダクトがあるので、何か補給したいときには瞬時に戻れるのはうれしい限り。この移動システムがあるからこそ、【魅力その1】で述べたテンポのよさが成り立っていると思います。確かに新しい街とか登場しないのは変化がなくものたりない感じがありますが、今回の舞台が巨大な船という設定であるからコレでいいかなと(笑)。

●【魅力その5】謎解きを集約した「パズルブース」は歯ごたえタップリ!
 今までの作品ではダンジョン=謎解きといえるほど無数の仕掛けが用意されていました。ですが今回は、プレイヤーが試行錯誤する謎解きは、すべて「パズルブース」に集約。このパズルブースはダンジョン内のダクトに入ると移動し、完全に独立した存在となっています。しかもここには敵が出現しないので、ここでは謎解きだけに集中できるのがいい感じですね。大抵1ダンジョンには1つの「パズルブース」というバランスも、やはり【魅力その1】で述べたテンポのよさにつながると思いますね。ここは戦闘に疲れたか息抜き! みたいなスタンスで挑戦するのがいいかも。

●【魅力その6】本編+キャラシナリオでボリューム満点!
 この『TOL』は章仕立てのシナリオという形式ですが、メインだけで終わらないのがスゴイところ。クリア後にキャラごとをクローズアップした、キャラクタークエストがスタートします。よく本編でキャラのエピソードが中途半端で、語りきれていない作品がありますがこれはそんなことはありません。本編とこのキャラクタークエストを合わせて、はじめて『TOL』が完成するのです。どのキャラも魅力タップリなので、本編を進めるうちにきっとキャラクタークエストを早く遊びたい! と思うようになるはずですよ。

 とまあ、手放しにほめっぱなしでレビューをお届けしてきましたが、もちろんいくつかアレっ? と感じる部分もあります。ここからはそんな要素を、2つの項目でピックアップして語りたいと思います。

●【戦闘で気になったポイント】
 1ラインになり戦闘を落ち着いて戦えると、いいところばかりに思える今回のバトル。でも、前作までにあった細かい作戦の指示ができないため、非常にもどかしいです。とくに気になるのが、敵から距離を置くように指示したのに、敵に接近して攻撃して一緒に大ダメージを受ける点。何度か「うーん…」と思う場面がありました。せっかく安全に戦おうという計画がムダになったりするので、もう少し賢くなればなあと(笑)。また、戦闘中の問題点ではないのですが、フィールドで戦闘をしたあとにカメラが少し動いて、その間はキャラを動かせない点も気になりました。ダンジョンではこの症状が出ないだけに、余計気になるポイントだったりして(汗)

●【システムで気になったポイント】
 システム関係で一番気になったのは、調理の代わりに導入されたパン作り。プレイした人ならば誰もが感じるはずですが、個数に制約があるため、自由に作れないところが厳しいです。せっかく戦闘後に何度も食べられるのに、この制約があるためにいろいろパンを作らせて食べてもらおうという狙いが(涙)。おかげでアレンジパンもほとんどひらめいていない状態で、最後までプレイを進めてるハメに……(苦笑)。

●【最後に】
 気になったポイントを含めても、それをカバーできるほど魅力タップリの『TOL』。もちろん、ファンとしてひいき目で見ている点はあるかもしれませんが、実際ホントおもしろいです。というわけで、今日もまたノーマたちに会いに、遺跡船へ旅をしてきまーす!

 
画面写真

レビュアー紹介

H.O
 最近良質のゲームが多くて、オフライン、オンラインゲームでゲーム漬けの生活~。というわけにはいかず、仕事が終わらずほとんど“積みゲー”が増えていくばかり。なんとか遊ぶ時間も作りたいなぁ。


●好きなゲーム
『テイルズ オブ』シリーズ
『ファイナルファンタジーXI』
『MGS3』


テイルズ オブ レジェンディア
パッケージ写真
●機種:PS2
●メーカー:ナムコ
●ジャンル:絆が伝説を紡ぎだすRPG
●価格:7,140円(税込)
●発売日:2005年8月25日

(C)2005 NAMCO LTD., ALL RIGHTS RESERVED.

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(※)「神秘の世界エルハザード」のキャラクターデザイン、「ロードス島戦記 英雄騎士団」のオープニング作画や、映画「キル・ビル」のアニメパートを手がけるなど世界的に活躍するイラストレーター。