ゲーム業界に大きな影響を与えた次世代ハード3機種の発売。ゲームソフト開発の第一線で働くゲームクリエイターたちにとっても他人事ではなく、各所で動きがありました。このコーナーでは、そんなクリエイターの方々から次世代ハードについてコメントを頂きました。これらのコメントから、ゲーム業界の行く末が見えてくる、かも!?
■ カプコンカプコン プロデューサー 小林裕幸 氏 次世代機が全て発売しましたね。2007年はどんな年になるのか全く予想がつきませんね。どのハードも売れて、そして、それぞれ特徴があるゲームソフトが売れて欲しいと思います。 カプコン 開発統括編成部部長 兼 プロデューサー 竹内潤 氏 次世代機が一通り市場に出回り、数年前からは想像もできない時代になったと実感しています。処理や表示能力の向上だけでなく、ネットワークサポートの充実など、ゲーム機を取り巻く環境そのものが大きく変化したといえますね。「見たこともないゲームへの挑戦」、これが実現できる時代が訪れたのではないでしょうか? |
■ クラップハンズ/『みんなのGOLF5』開発会社クラップハンズ 取締役 ゼネラルマネージャー 村守隆司 氏 自分達は次世代機のひとつであるPS3用ソフト『みんなのGOLF5』を現在制作中です。シリーズ物を担うクリエーターにとっては、プラットフォームの進化というのは非常にありがたいできごとです。やりたいことがあっても、常にハードの制約でなにかしらの擬似処理を余儀なくされてきたゲーム制作の現状がありますので、その制約が外れることは大いなる進化を盛り込めるチャンス。それを有意義に使っていければと思ってます。2007年夏、新しい『みんGOL』に是非ご期待くださいませ。 |
■ゲームリパブリック/『MONSTER KINGDOM UNKNOWN REALMS(仮)』開発会社ゲームリパブリック 代表取締役 岡本吉起 氏 2007年のPS3タイトルは、『MONSTER KINGDOM UNKNOWN REALMS(仮)』! |
■ コーエーコーエー オンラインビジネス担当執行役員 松原健二 氏 PS3のCell Broadband Engineは、スーパーコンピュータ並みの性能がある。私が昔開発したプロセッサに比べると、赤子と大人以上の違いだ。同時にプログラミングの大変さも並大抵ではない。本来の性能を引き出すには、F1マシンのように時間をかけてテストを重ねる必要がある。でも夢がある。数千万台も売れるスーパーコンピュータなんて他にはない。時が経てば乗りこなせる開発者でありたい、そしてユーザーの方々に存分に楽しんでもらえるゲームを届けたい。 |
■ サイバーコネクトツーサイバーコネクトツー 代表取締役社長 松山洋 氏 どのハードもキチンと特色がありますよね。ここまではっきりと、それぞれの(複数)ハードの特色が出てるのは初めてではないでしょうか? これまでは“ハードの差=ソフトの差”だったと思います。ある意味、“有名タイトルの奪い合い”的な……。不毛でしたねェ……。 |
■ セガセガ第三AM研究開発部 『パワースマッシュ3』プロデューサー 熊谷美恵 氏 第三AM研究開発部は、アミューズメントセンター向けゲームを主体に開発しているチームで、「体感的な面白さ」や「人と人とがコミュニケーションする楽しさ」を追求してきました。体感的なコントローラやネットワークを通した遊びの提供は私たちのお家芸でもあるので、新しい機能の多い次世代ハードではそういった得意分野を生かしたゲームが作れるのではないかと思います。 セガ 『ファンタシースターユニバース』プロデューサー 見吉隆夫 氏 次世代ハードにはネットワークが標準装備されたこともあり、もっと気軽に沢山の方が遊べるネットワークゲームを創っていきたいですね。WiiのMiiに関してはもの凄く可能性を感じます。みんなが自分の分身を使ってネットワーク上で遊べる日が、近いうちに来るのではないかと思います。そういった時に、皆さんに楽しい時間と空間を提供できればいいなと思っています。未来の次世代ハードでは、心拍数や発汗、脳波などが計測できて、ユーザーの感情の変化なんかが読み取れると、新しい遊びが生まれそうな気がします。 セガ R&Dクリエイティブオフィサー 名越稔洋 氏 内緒なんですが、現在次世代ハードでソフトを開発中です。次世代ハードの機能はどれも面白そうですが、結局作る側のアイデアとのマッチングですからね。うまく使っていきたいと思います。今は、やはり映像のよさと大容量に目が行きますが、それらを“ゲーム性の向上”や“新しい面白さの提案”に繋げないといけないと感じています。キーワードは“リアルタイムで感じてもらう新たな感動”です。 セガ クリエイター 中裕司 氏 次世代機が発売されたことで、リアルではない夢のある物を作ってみたいです。次世代機ではリアルな表現が可能になり、沢山のタイトルがリアル方向に向かうので、僕としては今まで通りに僕らにしかできないファンタジーを作って行きたいと思っています。 |
■ SCESCE ジャパンスタジオ 制作2部 シニアプロデューサー 池尻大作 氏 振り返ると今年は、12年ぶりに「次世代機戦争」という言葉を目にする機会が多かった1年だったように思います。メディアでは常に「生き残りはどれか?」、「市場制覇はどのハードか?」といった刺激的な見方をされることが多いですが、これだけ趣味嗜好が多様化されている中、このハードだけあれば事足りるということには、なかなかならないと思います。 SCE ジャパンスタジオ 制作1部 シニアデザイナー 渡辺祐介 氏 PS3という新しいハードで、デジタルとアナログの融合による新しい遊びの提案をコンセプトとしている『THE EYE OF JUDGMENT』ですが、ゲーム開発のみならず、新しい市場の創出としても想像以上に茨の道です。そんな中、2006年は日本ゲーム大賞の「フューチャー部門」受賞を始め、いい意味でたくさんの注目をいただき、自分がやってきたことが間違っていなかったと確信したと同時に、今後の制作の励みにもなりました。 |
■ 日本一ソフトウェア日本一ソフトウェア プロデューサー 新川宗平 氏 業界内外で次世代機の話題が盛り上がっている一方で、年々縮小されていく市場に強い危機感を覚えています。大作といわれるタイトルでさえ、なかなか思うように売れない今のゲーム業界で、どのようなモノ作りをしていくべきか。それが問われていると思います。 |
■ Ninja Theory/『Heavenly Sword』開発会社Ninja Theory Co-founder and Chief Design Ninja Tam Atoniades 氏 PS3は、多くの可能性を秘めたハード。今はその可能性を探り始めたばかりですが、『Heavenly Sword』で注目してほしいのは、プレイヤーが想像力を駆使し、状況に応じて戦闘スタイルを変えながらコンボを組み立てていくというゲーム性です。今までのアクションゲームでは体感できなかった、新しい戦闘システムを確立しようと考えていますので、楽しみにお待ち下さい! |
■ バンダイナムコゲームスバンダイナムコゲームス 『テイルズ オブ』シリーズプロデューサー 吉積信 氏 PS3とWiiが発売されて、次世代機と呼ばれるハードが出揃った。2006年に発売された上記2つのハードは、売れ行きも好調のようでまずはめでたい。「すっごくほしい!」ひとの手に行き渡ったあと、2007年春以降の売れ行きに注目したい。そこは、いうまでもなく「どんなソフトがそのハードで遊べるのか」の勝負になるだろう。出遅れたXbox 360も年末以降上昇傾向だし、今後は目を離せない。『テイルズ オブ』シリーズは最先端の技術・CGを標榜するソフトではない。むしろ既存の技術を丁寧に、真摯に積み重ねることで、ストーリー自体を存分に楽しんでもらうことを念頭に作ってきた。が、しかし、今後はわかりませんよ。そろそろコンセプトを再構築する時期に来ている気がする、ようなしないような。刮目して待て! バンダイナムコゲームス 『機動戦士ガンダム Target in Sight』プロデューサー 稲垣浩文 氏 10年以上ゲーム制作をさせていただいている中、3度目の次世代ゲーム機戦争に巻き込まれています。最初はセガサターンとの接戦を制したPS陣営が勝利し、2度目もPS2が圧倒的な勝利を手にしました。そして3度目の勝利を手にするのはどの陣営か!? |
■ ポケモンポケモン 代表取締役社長 石原恒和 氏 Wii対応ポケモンソフト第一弾として『ポケモンバトルレボリューション』を12月14日に発売しました! Wiiでは初となる、DSとの連動・Wi-Fiコネクション機能を搭載しDS用ソフト『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』で育てたポケモンを使ってWi-Fiで全国のプレイヤーとバトルすることが出来ます。 |
■ レベルファイブレベルファイブ 代表取締役社長 日野晃博 氏 ついに次世代ゲーム機がそろいぶみしたわけですが、やはり、ただハードが出るだけではダメで、キラーソフトの登場こそが、そのハードの実質的な発売日だと言えるのではないでしょうか。2007年には、それぞれのゲーム機をブレイクさせる、ハードごと買いたくなるようなキラーソフトの登場を期待したいですね。 |
■ くりバカ編里見直 氏 「次世代機にまつわる抱負」 一つ、年明け早々に請求される、Wiiの代金が払えますように。 芝村裕吏 氏 芝村です。現在仕事多くて目が廻っています。いや、優秀なプロデューサーと組んでいると、実力以上に仕事が来てウハウハである。新年もこうだといいなあ。来年はとりあえず『デルトラクエストDS』が一発目。もう1個DSで出るかな? 大きい奴は順調に開発が遅れているんで、待っててください。なんとかしますんで。 フロム・ソフトウェア 谷口篤士 氏 どうやら今回は自由奔放に振舞える「クリバカ」の枠ではなく、年末企画に掲載するためのコラムだとか。一応、企業に身を置く者としては守秘義務なるモノが存在し、やたらめったら情報を話すわけには行かない。でもこれなら許されるかなぁ? なんて思っているのが、 香港に夢を馳せる谷口(謎 ブルームーン・スタジオ 村山吉隆 氏 【次世代機】 |