(はぁ~、夏休み企画かぁ。なんだか面倒なことになってますなぁ……よしっ!! 今回は、助手のごえモンくん1人にやらせることにしよう。フフフ……) | ||
おはようございます、所長。今回は夏企画ということですが、「まり探」はどのAVGを紹介するんですか? | ||
うーん。今回は今までと趣向を変えて、別々にオススメAVGを紹介しようかと思うんだけど……。 | ||
なるほど、マルチサイトシステム方式というわけですね。さすが所長! 「ごえモンSIDE」と「まり蔵SIDE」、別々の視点で捜査を行い、事件の全貌を暴く! なんだか燃えてきましたよ! | ||
……えっ!? ……そう、いうこと……なの……か? | ||
それでは、早速僕が今一番気になっているAVGの紹介と行きますか! 「ごえモンSIDE」スタートです! | ||
(面倒だからやりたくないなんて、今さら言えぬ……) |
ここは「まり蔵探偵事務所」。浮気調査からペット探しまで……じゃなくて、旧作ミステリーゲームから新作サスペンスゲームまでを扱う探偵事務所だ。僕はこの探偵事務所の敏腕助手、ごえモン。頼りないまり蔵所長を常にサポートし、どんな難しいAVGも華麗にクリアしてしまう。今回は、8月21日発売予定のPS2『シークレットゲーム -KILLER QUEEN-(以下『シークレットゲーム』)』をごえモンが紹介します。
PC版をプレイ済みな僕はもちろん知っていますが、これを読んでいる方たちの中には「『シークレットゲーム』ってなによ?」と思っている方もいることでしょう……っていうか、電撃オンラインでは一度も紹介してないんです。世の中にこんなにおもしろそうなAVGがあるっていうのに、紹介しないとは嘆かわしい! AVGマニアをなめるなよ! ということで、本作の簡単な紹介からいってみましょう。
『シークレットゲーム』は、2006年に同人サークルFLATから発表されたサスペンスAVG『キラークイーン』に、全シナリオ&全グラフィックの一新、新システムの導入、新規オープニングテーマの採用など、多数の追加・修正要素を盛り込んだディレクターズカット版です。誘拐され、とある廃墟に閉じ込められた主人公“御剣 総一(みつるぎ そういち)”がヒロインとともに72時間の命懸けの「ゲーム」に立ち向かうという本作。シナリオは、PC版に引き続き健速氏が担当していて、健速氏を知っている方ならばきっと期待していただけるかと思います。知らないという方はgoogle先生なりwikipediaなりで調べてみてください。ここで覚えておいてもAVGマニアなら損はないでしょう。
▲これが今回紹介する『シークレットゲーム』のパッケージ。左が通常版で、右が初回限定版です。ちなみに、限定版にはシナリオライター健速氏書き下ろしのドラマCDが付属します。 |
ここで本作のストーリーを紹介といきたいのですが、公式ホームページに素晴らしいストーリーが掲載されています。今回は、それを有効利用しそのまま転載してしまおうかと。べ、べつに手抜きとかじゃないし、それにメーカー様には掲載許可をもらってるんだからね!
【ストーリー】 閉鎖された廃墟、閉じ込められた13人のプレイヤー こんな非現実的な状況を簡単に受け入れてしまうのは、
PDAは全部で13台存在する 「殺される前にコロスしかない」 疑心暗鬼、そして何よりも死への恐怖が、プレイヤーたちの道徳と理性を蝕んでいく |
どうです? ワクワクしてきたでしょう? 僕なんかはこのストーリーを読んだだけで脳汁が分泌され、妄想の世界に旅立ってしまいましたよ! 猟奇的な内容や疑心暗鬼など、ミステリー・サスペンス好きにはたまらないシチュエーション満載です。これを読んで脳汁が出ない人はまだまだレベルが足りないですね。あと3年はAVGをROMってください。(冗談ですよ?)
▲これが問題の首輪。ルールをやぶるor首輪の解除に失敗すると、建物の警備システムによって殺されてしまいます。ちなみに今作では爆発しません。 | ▲主人公が目覚めた時に側にあったPDA。「A」が表示されているということは「Q」の所持者を……。 |
この「ゲーム」を彩る13人のキャラクターを紹介します。どのキャラクターも一癖ある設定を持っています。果たして犯人はこの中にいるのでしょうか? まぁ、そこのところは皆さんの目で確かめてください。
▲主人公“御剣 総一”、初期カード「A」。いつもと同じ学校の帰り道、突然拉致され「ゲーム」に参加させられることに。大切な人との約束を守るため、誰も殺さないことを誓う。 |
▲“姫萩 咲実(ひめはぎ さくみ)”。心優しく、人を傷つけることのできない少女。自分の命を脅かす「A」のカードの所持者が“総一”と知り驚愕する。しかし、彼の人となりを見てきた“咲実”は彼を信用することに決め、2人が生き残る方法を探す。 | ▲“矢幡 麗佳(やはた れいか)”。天才肌、冷静な女子大学生。自らの生存のため、「ゲーム」初期段階に殺人の覚悟を決めてしまう。 | ▲“綺堂 渚(きどう なぎさ)”。ゴスロリな服に身を包み、天然ボケで“総一”たちを和ませてくれるムードメーカー。年齢不詳。 |
▲“北条 かりん(ほうじょう かりん)”。明るく元気なスポーツ少女。妹がいるが、特殊な病気を患っており、莫大な治療費を必要としている。「ゲーム」の勝者には賞金が出ることを知り葛藤する。妹のためなら手段を選ばない。 | ▲“色条 優希(しきじょう ゆうき)”。純真無垢な少女。甘ったれで怖がり、寂しがりや。PDAに書かれている首輪の解除条件は、ただの少女には到底不可能。 | ▲“陸島 文香(りくしま ふみか)”。某有名電気会社の受付嬢をしているお姉さん。どことなく余裕を感じさせ、「ゲーム」が始まってからもあまり取り乱したりしない。姉御肌の頼りになる人物。 |
▲“郷田 真弓(ごうだ まゆみ)”。高価な服を着こなしている女社長。参加者の中ではもっとも冷静で、良識的な意見を述べる。 | ▲“葉月 克己(はづき かつみ)”。この「ゲーム」で一番の良識派。自分の子どもよりも若い“総一”たちを何とかして生きて帰そうと決意する。 | ▲“漆山 権造(うるしやま ごんぞう)”。女と見ればすぐにちょっかいを出すエロ親父。しかも何かと口やかましい。 |
▲“長沢 勇治(ながさわ ゆうじ)”。引きこもりの少年。学校ではいつも馬鹿にされているため、鬱積した不満が彼の性格を歪めている。 | ▲“高山 浩太(たかやま こうた)”。元傭兵の中年男性。特に人を殺そうとは考えていないが、必要なら迷わない。 | ▲“手塚 義光(てづか よしみつ)”。刹那的な性格で、現在の快楽だけを追求する。大変頭がよく、この「ゲーム」にもすぐ馴染んでしまう。人の命を奪うことになんのためらいもない。 |
PC版をプレイした人間にとってもっとも気になる点、それは「PS2になって一体何が変わったのか」だと思います。そんな人たちのために、ここではその変更点について書いていこうかと思います。「PC版? 何それ? おいしいの?」という方はマウスホイールをスクロールしちゃってください……すいません、やっぱり読んでください。
■変更点その1 全シナリオ一新、だけど心配無用!
最近、「シナリオを一新!」とかいうのをよく目にします。うれしい反面「シナリオ変えちゃって大丈夫だろうか?」という心配をしたことがあるのは僕だけではないでしょう。実際そういった作品をプレイして「あちゃー、やっちゃったよ」となることもしばしば。しかし! 今作に限ってはその心配は無用です。何も考えず買っちゃってください。
その理由というのも、PC版でシナリオを担当した健速氏がPS2版でもシナリオを書いているからです。そしてもうひとつ、かの有名な中澤工氏がPS2版ディレクターとして参加しているのですよ! 中澤工氏を知らないという方はgoogle先生なりwikipediaなりで(略)。まぁ、「だからこそ心配なんだ!」という方は……なんというか……すいません。
僕がとやかく言うより、実際に見てもらったほうがわかりやすいと思うので、シナリオ変更部分の一例をお見せします。体験版をすでにプレイ済みな方は目新しいシーンはありません、次いってみよう!
▲PC版では、「ゲーム」開始後すでに亡くなっていた“漆山”さん。彼が警備システムによって殺されてしまうシーンが新たに描かれてます。PC、PS2ともに最初の犠牲者とは……。画像はその警備システムの一例です。 | ▲今度は“郷田”さん。PC版では出番の少なかった彼女ですが、今作ではいろいろからんできてくれますよ。“漆山”さんとの意外なからみもあったり、“郷田”さんファンにはうれしい仕様となっています。 | ▲こちらは「エクストラゲーム」の画像。かぼちゃの“スミス”くん。顔に似合わずひどいゲームを提案してきます。 |
■変更点その2 ルートの追加
PC版をプレイしていて誰もが思ったこと、それは「パッケージを飾っているのに“麗佳”ルートがないよ、うわぁーん」ということでしたが、PS2版では新たに“麗佳”、“渚”ルートが追加されています。金髪+ツインテール、と誰がどう見てもツンデレな“麗佳”さん。PC版ではツンのみでデレがなかった彼女ですが、今回はこれでもか! というくらいデレてくれるのでファンは必見です。
▲こちらは“麗佳”ルートに行かなかった場合の彼女。見事にヤンでます、とても怖いです。 | ▲初めは警戒している“麗佳”さんですが、だんだんと“総一”くんを思ってくれるようになります。“麗佳”は俺の嫁。 |
■変更点その3 新システムの追加
今回の大きな追加としてもう1つ。それが「BET」システムです。「BET」システムとは、「ゲーム」に参加する「プレイヤー」の生死を予測し、誰が生き残るかを賭けるシステムです。本作を実際にプレイするプレイヤーは、初め100枚の「チップ」を持っていて、各「プレイヤー」に10枚単位で賭けることができます。「プレイヤー」にはそれぞれ「オッズ(配当率)」があり、当てればそれに従った「チップ」を獲得できる、というわけです。当然、賭ける対象が生き残る確立が高そうな場合、オッズは下がります。逆に、到底生き残れそうにない人物の場合は上がります。
獲得した「チップ」は、ゲームクリア後「ゴールド」に交換され、特典CGやボイスなどと交換することができます。特典CGやボイスはどれも貴重なものばかりなので、高配当を狙ってみるのもいいでしょう。
▲こちらが「BET」画面。ちゃんとチュートリアルをしてくれます。賭けるか賭けないかはあなたの自由です。 |
▲賭けに勝てば「チップ」をもらえ「ゴールド」と交換。しかし、負ければチップは没収。所持チップが0となった場合は、その場でゲームオーバーとなります。余程の自身がない限り、必ず10チップ残して賭けるのが賢い選択ですね。 |
▲「ゴールド」と交換できるものの中には、声優さんたちのNGボイス集など、普段なかなか聞くことのできないものもあります。(ちなみにPC版にもNGボイス集はあります。) |
さて、なんだか満足してしまってテンションが下がって参りました。しかし、振り返ってみれば実際のストーリーには全然触れていません。なので、このゲームの雰囲気がちょっとでもわかってもわえたらいいなぁと思い、各ルートの画像を載せてしまおうかと思います。
■Episode1 “咲実”編
『シークレットゲーム』のプロローグとも言える“咲実”編。案外すんなり終わって(それでも数時間)拍子抜けしましたが、『シークレットゲーム』はここからどんどんおもしろくなっていきますよ。
▲ここが“総一”くんが目覚めた時にいた部屋。“総一”くん曰く「廃墟になった病院のVIPルームっぽい」とか。 | ▲“総一”くんが始めに出会った少女“咲実”さん。誘拐犯か、とかなり警戒されますが、首輪とPDAを見せ、何とか信じてもらいました。 |
▲“咲実”さんとイチャイチャしていると外から叫び声と大きな音が。様子を見に行くと、このおじさんとエンカウント。何かに追われているらしいです。 | ▲この廃墟には罠も満載です。パーティを分断するものや、即死系のものまで。ちなみにこれは分断系、5人パーティが、2、2、1人に分断されてしまいました。 |
▲油断は即、死につながります。この厳しい「ゲーム」から、一体何人の「プレイヤー」が生き残ることができるのでしょうか? |
▲凄惨なストーリーだけでなく、もちろんラブもあります。 |
■Episode2 “麗佳”編
このルートではツン→ヤン→デレデレと3変化する“麗佳”さんを楽しめます。PC版に涙を飲んだファンはこれだけでもプレイする価値アリ!(正確にはヤンではなく、疑心暗鬼になっているだけなんですけどね)
▲扉を開けると“麗佳”さんの後姿。キレイな後姿に魅了されてしまう“総一”くん。 | ▲“麗佳”さんにからむ“漆山”さん。今作ではかなり活躍する!? |
▲落とし穴にかかった“麗佳”さん。手の長さでは足りないため、手錠を使います。しかし、鍵を持ってなかったため、この後ずっと行動をともにするはめに。“総一”グッジョブ! | ▲人を見かけたら即発砲! 頼りになりますねぇ。 |
▲ヤン状態の“麗佳”さん。手首を切断とか怖すぎ……“総一”うしろ、うしろ! | ▲打って変わってこちらはデレ。一度デレればこちらのもの。ずっとイチャイチャのターン!! |
▲メイン級のキャラクターも、他のルートではすんなり死亡。この容赦のなさが本作の魅力です。 |
■Episode3 “渚”編
この“渚”編では、彼女の過去が語られます。天然系な彼女が、胸の内に秘めているものとは……? そして、なんと今回は「A」の他に「JOKER」のPDAも置いてあるという今までにない展開に。「JOKER」があるということは、この「ゲーム」では非常に頼りになるあの人を仲間に引き入れることができるのか!?
▲目覚めた“総一”くんの側には、なんと「A」と「JOKER」2つのPDAが! この「JOKER」ですが、他の13種の絵柄全てとそっくりに偽装する機能を持っています。回数制限はないのですが、1回使うと1時間絵柄を変更できなくなります。 | ▲“総一”くんが寝ていた部屋を訪れたのは“渚”さんでした。自分の置かれた状況がわかっていないようですが……? |
▲こちらはエクストラゲーム画面。最後に2階に上がった人間の首輪が発動なんて、ひどすぎる。 | ▲笑いながら突撃してくる“郷田”さん。意外と武闘派。 |
▲仲間たちの背後で驚きの表情を見せる“渚”さん。彼女はなぜこんな表情を? | ▲“渚”編でも、もちろんラブあり。 |
■Episode4 ?編
さすがにこれを公開するといろんな人に怒られてしまうので自粛します。しかし、勘のいい人、PC版をプレイした人ならもう気づいてるでしょう。そう、「あの人」のルートです。PC版でかなり驚かせてくれた「あの人」のルート、今回も驚かせてくれます。僕は開始10分で「あれっ!? こうくるか!」と驚愕しましたから。皆さん期待していいですよ!
そして、Episode4をクリア。実は、今まで選択肢が1つもなかった今作ですが……な、なんと!! 僕がたどりついたのはバッドエンドでした。公式にも「Episode4を終えた時、「貴方の迎えたエンディング」は、確かに分岐しているはず」と書かれています。さぁ、果たしてあなたは真のエンディングにたどりつけるのか! 真相は買ってからのお楽しみです。
▲ごえモンを驚愕させた「BAD」の文字。これを見た後、「ゴールド」と交換でヒントを見ることができます。 |
PS2版を終えてみてまず思ったのが、「やっぱりこのゲームおもしろかった!」でした。もちろん、PC版にはPC版の魅力があり、もう一度PC版もプレイしたくなりましたよ。PS2版、PC版と違う楽しみ方ができるので、2度おいしい作品ですね。
気になる点としては、イベントCG。このゲーム、CEROが17歳以上対象(D)なのですが、それでも残酷描写がちょっと物足りなかったですね。「負けたらこうなる!」というのを徹底的に見せて、緊張感や恐怖感をもっと煽ってほしかったです……とか言ってますけどおもしろいのは間違いないんですよ。画像撮影(4周)も合わせて12周もプレイしたくらいですから。あらすじを読んで、なんとなく「おもしろそうだなぁ」と思ったら買っても大丈夫だと思います。
最後に注意を1つ。現在公式ホームページにて体験版が3つ配布されています。ゲームの雰囲気をつかむのにとても助かるのですが、Episode2、Episode3の体験版には、Episode1のネタバレが若干含まれています。ネタバレを嫌う人はEpisode1で止めておくのがいいでしょう。このネタバレを見たからといって『シークレットゲーム』が全然楽しめなくなる、ということはないのですが、僕は製品版でEpisode2、Episode3を体験することをオススメします。
いやぁ、やっと終わりました。セレクトボタンを押すと「シーンスキップ」できることに最後まで気づかなかったのが痛かったです。 | ||
……。 | ||
それでは、そろそろ「まり蔵SIDE」を見せてもらいましょうか! 一体どんな名作が飛び出すのやら……やばい、ワクワクが止まらない! | ||
……えーと、実は「まり蔵SIDE」は「ごえモンSIDE」を終えないと無限ループしちゃって進まなかったのです。てへっ♪(※往年の名作AVGの中には、片方のルートでフラグを立てないともう一つが永遠に進まないというのがよくありました) | ||
……。 | ||
……。 | ||
てへっ♪ じゃねぇよ! こんな事務所は辞めさせていただきます!! こんな所長ではなく、女装が得意なクラスAディテクティブの助手になりますので。さよならっ! | ||
ごえモンくんは、本当に菅野ひろゆきが好きなんだねえ。 |
(C)FLAT/イエティ/Regista