レビュー:『東京サイコデミック』は超常現象(人体発火)をリアル科学捜査で紐解く没入感がすごい。まさか2023年がこんなにアドベンチャーの当たり年になるとは…うれしい誤算!

たく坊
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 グラビティゲームアライズが2023年12月発売予定のPS5/PS4/Switch/Steam向けリアル科学捜査シミュレーション『東京サイコデミック 公安調査庁特別事象科学情報分析室 特殊捜査事件簿』のプレイレポートをお届けします。

 本作は、科学捜査シミュレーションを楽しめるアドベンチャーゲームです。事件の謎を解明するため、プレイヤーは科学捜査を行い、原因を突き止めます。

 本記事では、実際に遊んだ感想や開発陣からのコメントを交えつつ、本作のゲーム内容を紹介していきます。

 なお、この記事で取り上げているデモ版は、2023年7月14日~16日の3日間(14日はビジネスデー、15、16日は一般ユーザーも参加可能)にわたって京都市勧業館みやこめっせで開催される“BitSummit Let's Go!!(ビットサミット レッツゴー!!)”でプレイできます。
※ビットサミットに展示されるデモ版は限られた時間でゲームシステムを楽しんでもらうため、一部ストーリー演出をカットしているとのこと。

どんなゲーム?

 本作は、未知のウイルスにより東京ロックダウン(都市封鎖)が発生した世界が舞台。都市封鎖後、3年が経過します。新たなる首相の就任によりロックダウンが収束に向かうが、東京内で超常的な事件が多発。

 “事故”として終わる事件の数々。しかしそれをよしとしない“紅葉巴杏”をはじめとした捜査官たちがプレイヤーを巻き込み、物証や捜査材料などをもとに、専門的な能力をもつ仲間(キャラクター)と協力しながら証拠を集め、謎を解明していきます。

 シナリオやキャラクターは、LIIVE2Dや多くのスチルにより、描写と事件の詳細を演出しています。プレイヤーの相棒となる“紅葉巴杏”のクールビューティーっぷりがとてもかっこいい! キャラクターも魅力的で、ストーリーも気になります。

 “人体自然発火現象”をはじめ、現実でも起こった不可思議な事件も取り扱われており、自力で事件を解決するシステムもあわせて、ミステリー好きにはたまらない作品となっています。

ここまでするか!? リアルな科学捜査で没入感がマシマシ

 本作の魅力は、なんといっても、科学捜査のリアル感。VHSで用意された映像を再生し、現場でなにが起きたのか、被害者がどういった行動を取ったのかをチェックできます。ちなみに、実際の科学捜査も、デジタル化が進んだ現代でも、証拠映像はVHSで保存されているとのこと。それを再現したところもこだわりを感じます。

 プレイヤーは、数ある証拠映像を確認して、再生、倍速、巻き戻しなどを駆使して、いつどこの現場で証拠が残されているかを、発見しなければいけません。ヒントは存在しますが、いくつかある映像のうち、どれが証拠になるのかは完全に不明。うまく見つけられた時の快感は、他の謎解きゲームでは味わえないものでした。

 映像を比較するために、2画面で映像を見比べることもできます。「あ! これ被害者じゃない!? 見つけた!」と、自分で科学調査している感が、これまたたまりません。

 加えて、画像での科学捜査も可能。画像にあるポイントを見比べて、照合させ、現場と同じものがあった場合は、発見できます。

 解析、資料から答えを探す謎解きが、非常に難しいですが、楽しいポイントです。ゲーム側に誘導されることもほとんどなく、すべて自分の力で事件を解決しなければいけません。そういう意味では、初心者向けではなく、ある程度謎解きゲームに慣れている人向けの作品と言えるでしょう。

専門家の仲間を頼ろう

 医療やハッキングといった専門的な知識は、プレイヤーは持ち合わせていないことがほとんどでしょう。そんな時は、仲間を頼ることができます。

 映像、画像などで専門的な知識が欲しくなった場合は、仲間に連絡してみるのも方法の1つとなります。専門家の知識は、雑学を蓄えられるのもオススメの理由です。

結果はプレイヤー次第。間違ったら事件は謎に包まれたままに!?

 集めた証拠は、“エビデンスボード”に張り付けて推理を進めることができます。

 エビデンスボードは、推理を進めるために、 “火元はなにか”、“被害者は事件前にどこにいた”などの証拠を貼り付けるもの。基本的なゲームの流れは、証拠を探し、エビデンスボードに証拠を張り付け、次の謎についての証拠を探す、という流れになります。

 証拠映像の写真を撮ってエビデンスボードに張り付けたり、文章をもとに推理を進めたりと、アプローチはプレイヤー次第。最終的に、画像証拠、映像証拠、テキスト資料を整理した報告書を提出し、事件の謎が解明したかどうかの判断が下されます。

 もしすべてがつながり、事件が解明できた場合は、その章のエンディングが解明したもの変わります。しかし、もし間違っていた場合……。科学捜査は失敗となり、事件は謎に包まれたまま終わってしまいます。その場合は、報告書を書き直すことができるので、捜査をやりなおしましょう。

 もし仮にまったく関係がない証拠をエビデンスボードに貼ったとしても、そのまま捜査は進んでいきます。ここが、他の謎解きゲームより難易度が高い理由ともいえますし、より没入感を高めてくれる要素でもあります。

  嗚呼! 多少謎が残っても事件を解決できるわけですね。ゲーマー的には、初回から完璧なエンドを目指したくなっちゃいますが……デモ版を遊んだ感じでは、かなり難易度高めの骨太ゲームでした。うぐぐ。

 チュートリアルでは“紅葉巴杏”が捜査を手伝い、つねにヒントをくれますが、最初の章を抜けてしまうと、科学捜査を進めている間、だれも「これは間違っている」とは教えてくれません。仲間からの知識をもらえること以外、すべて自分の力で捜査を進める必要があります。

 現実とゲームが交差する2D×シネマティック表現を実現した本作は、科学捜査好き、謎解き好き、ミステリー好きにはたまらないアドベンチャーゲームとなっています。

 ここ最近、いわゆる思考型のアドベンチャーゲームは少し下火に感じられるムードがありましたが、2023年はスクウェア・エニックスの『パラノマサイト』しかり、カプコンの『ゴーストトリック』のリマスター版しかりと、やにわにアドベンチャーゲームファンがうならされる傑作が続きました。そして、今回のグラビティゲームアライズの『東京サイコデミック』まで出てきました。

 まさか2023年がこんなにアドベンチャーゲームの当たり年になるなんて、うれしい誤算です。『東京サイコデミック』、本当に出来がいいですよ!

 ぜひ1度体験してみて、その“リアルさ”とゲームならではの絶妙な“誇張”を味わってほしいです!

 ……電撃オンラインスタッフのなかでもミステリー&アドベンチャーゲーム好きで知られるまり蔵さんが“まり蔵探偵事務所”で『東京サイコデミック』について興奮しながら語っている未来が見えます(笑)。

© GRAVITY GAME ARISE Co., Ltd.

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東京サイコデミック ~公安調査庁特別事象科学情報分析室 特殊捜査事件簿~

  • メーカー: グラビティゲームアライズ
  • 対応機種: PS5
  • ジャンル: SLG
  • 発売日: 2024年5月30日
  • 希望小売価格: 5,940円

東京サイコデミック ~公安調査庁特別事象科学情報分析室 特殊捜査事件簿~

  • メーカー: グラビティゲームアライズ
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: SLG
  • 発売日: 2024年5月30日
  • 希望小売価格: 5,940円

東京サイコデミック ~公安調査庁特別事象科学情報分析室 特殊捜査事件簿~

  • メーカー: グラビティゲームアライズ
  • 対応機種: Switch
  • ジャンル: SLG
  • 発売日: 2024年5月30日
  • 希望小売価格: 5,940円

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