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2008年8月11日(月)

【ドラクエ探訪】すぎやま氏奏でる「ドラゴンクエストの世界」を堪能!

文:電撃オンライン

 突然ですが、今、アスキー・メディアワークスの所在地は西新宿です。西新宿といえば、東京オペラシティという音楽と芸術の複合施設のある場所。アニソンと演歌(?)しか音楽を知らないような電撃オンラインのスタッフも、クラシック音楽との距離が縮まりました。……物理的に。

『ドラクエ』
昼間っから仕事もせず音楽を聞いてるキャナ☆メン。働かないのは感心できないが、クラシック音楽に目覚めたのか……? と思ったら「もってけ~♪」と口ずさむ始末。

 そう物理的に。なので、未だにスタッフのイヤホンからはアニソンが垂れ流し。これはいかーん、と一念発起した『ドラゴンクエスト』好きにして邦楽好きのkbjが、新人のキャナ☆メンに、とあるパンフレットを渡して言いました。

『ドラクエ』

「本当の音楽とは何か、これを聞いて知ってこーい! ……その間に俺は“デボラ”と2度目の新婚生活送ってるから

 ということでキャナ☆メンが、『ドラクエ』シリーズをプレイしたことある人ならば、知らぬ人はいないであろう、同シリーズ音楽の生みの親・すぎやまこういち氏が指揮を執る「第22回ファミリークラシックコンサート「ドラゴンクエストの世界」」に行ってまいりました。これは、去る8月9日に池袋・東京芸術劇場にて上演され、2,000名のファンが訪れたコンサートです。演目は「交響組曲「ドラゴンクエスト IV」導かれし者たち」ということで、以下の通り。

第一部第二部
●序曲
●王宮のメヌエット
●勇者の仲間たち(間奏曲~戦士はひとり征く~おてんば姫の行進~武器商人トルネコ~ジプシー・ダンス~ジプシーの旅~間奏曲)
●街でのひととき(街~楽しいカジノ~コロシアム~街)
●勇者の故郷~馬車のマーチ
●立ちはだかる難敵
●恐怖の洞窟~呪われし塔
●エレジー~不思議のほこら
●のどかな熱気球のたび
●海図を広げて
●ピサロ~ピサロは征く
●謎の城
●栄光への戦い(戦闘~邪悪なるもの~悪の化身)
●導かれし者たち

『ドラクエ』 『ドラクエ』
「今年で喜寿を迎えました」と話していたすぎやま氏。しかし音楽家として壇上に立つ姿は、思わず男が男に惚れてしまいそうな、そんな格好よさを感じました。

 なお、この日の演奏は、現在日本でもっとも勢いのあるオーケストラの1つであるという「東京都交響楽団」が担当。すぎやま氏によれば、東京都交響楽団の演奏するコンサートはたいてい完売で、とてもファンの多いオーケストラなのだそうです。クラシックコンサートを訪れた経験は片手で数えるほどしかなく、最初は「マナー」として拍手を行っていたワタクシですが、いつの間にか体が自然と動いて拍手をしていた時には、前述のすぎやま氏の言葉を実感しました。

 また、電撃オンラインでもすでに報じている通り、会場ではDS版の『ドラゴンクエストIV』、および『ドラゴンクエストV』が出荷100万本を突破していることが伝えられ、ファンとともに快挙が祝われました。自身も大変な『ドラクエ』フリークとして知られるすぎやま氏、「『ドラゴンクエスト』は、親から子へと伝わっていくエバーグリーン。次の世代になっても、またその時の新しいハードでリメイクされると思います。私は、『ドラゴンクエスト』がまさにゲームの世界のベートーベンではないかと思いますね(笑)」と話しておりました。

『ドラクエ』
すばらしい音楽、ユーモアのあるトークで観客を楽しませるすぎやま氏。タイトルにもある「ドラゴンクエストの世界」を、会場全体が共有しているように思われました。

 上記の演目が終わった後には、2,000人収容の大ホールに拍手、拍手が響きます。アンコールを求める声に応じて、再び壇上へと現れたすぎやま氏。「皆さん、アンコールの曲目をいろいろと想像したと思いますが、当たった人は1人もいないと思います」と話す氏が発表した曲目は、DS版『ドラゴンクエストV』で初登場した「ずっこけモンスター」。この曲は「今後のシリーズでも、コミカルなモンスターとの戦闘などで使用されていくことになると思う」との曲だそうで、メディアの取材に対しては組曲に取り入れたい旨も語っていました。

 そしてもう1つのアンコール曲として演奏されたのが、アンコール曲としてお馴染みとも言える「おおぞらをとぶ」。雄大なメロディに心安らかとなった観客たちは、終演とともに割れんばかりの拍手を送っておりました。もちろんワタクシも。

『ドラクエ』
ファンから大人気だった「おおぞらをとぶ」には、ワタクシも、心の奥にしまい込んだ夢や希望、目標が丸裸になったような気持ちがして、涙が出てしまいました。

 なお、演奏前にはすぎやま氏にインタビューも行いました。ゲームのことに話が及ぶと「『ドラクエIX』の発売が決定いたしました!」と言って、メディアを驚かせたすぎやま氏。しかし、すぐ後に続いた「……というのはウソで(笑)」との言葉に、メディア陣の間に走った緊張が笑いへ。

『ドラクエ』
終始笑顔でインタビューに応じてくれたすぎやま氏。それだけでなく、上記の冗談のような周囲を笑わせてくれるユーモアも披露してくれました。

 「IXには、過去のシリーズの楽曲もいろいろな場面で登場します」とのこと。まだ具体的に何の曲がどこで使用されるかは知らされていないそうですが、馴染みのある曲が『ドラゴンクエストIX』でも聴けるようです。

 また『IV』、『V』と立て続けに発売されたDS版については、氏もプレイしているそう。「メタルキングを狩りまくるのがお気に入り」と話す氏は、もっとも「すばやさ」の高いキャラクターに「せいすい」を持たせ、「どくばり」を装備したキャラクターを3人用意するのが攻略法だといいます。『IV』はそれでレベル99にキャラクターを育てたらしく、『V』でもキャラクターを育成中なのだとか。その『IV』と『V』で、DSでの音の流し方をある程度経験できたとのことで、『IX』にはそれを生かして音楽を作りたいとも話していました。まだ発売日は未定ですが、音楽の方でも『ドラゴンクエストIX』に期待が膨らむ1日でした。

 ……以上の模様を電撃オンラインに帰って報告。耳慣れた音楽を発するDS片手にワタクシの話を聞いていたkbjは、

「いやー、キャナ☆メンも音楽のなんたるかがわかったようだね。今までの曲も『IX』に出るんだって? じゃあまだまだ『V』やっておかないとねぇ。ご苦労さん! ……さて“デボラ”と3度目の新婚生活を送るか

 とDSに再び顔を向けておりました。って、3度目ですか、そーですか。まあ、クラシック音楽で心を豊かにしたワタクシとしては、というか『ドラクエ』を満喫してきた今回は、「まあいっか」という気がしたキャナ☆メンでした。(イヤホンから聞こえる曲がSUGIレーベルに変わったキャナ☆メン)

■第22回ファミリークラシックコンサート「ドラゴンクエストの世界」
【開催日時】2008年8月9日18:00開演(※終了)

【プログラム】
<第1部>
●序曲
●王宮のメヌエット
●勇者の仲間たち(間奏曲~戦士はひとり征く~おてんば姫の行進~武器商人トルネコ~ジプシー・ダンス~ジプシーの旅~間奏曲)
●街でのひととき(街~楽しいカジノ~コロシアム~街)
●勇者の故郷~馬車のマーチ
●立ちはだかる難敵
<第2部>
●恐怖の洞窟~呪われし塔
●エレジー~不思議のほこら
●のどかな熱気球のたび
●海図を広げて
●ピサロ~ピサロは征く
●謎の城
●栄光への戦い(戦闘~邪悪なるもの~悪の化身)
●導かれし者たち

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