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2008年9月9日(火)

【CEDEC 2008】開幕! 初日の基調講演にはコーエー社長・松原氏が登壇

文:電撃オンライン

 コンピュータエンターテインメント協会(以下、CESA)は、本日9月9日~11日の3日間、都内・昭和女子大学において「CESA DEVELOPERS CONFERENCE 2008(以下、CEDEC 2008)」を開催する。本日最初の講演として、基調講演「CEDECの10年、これからの10年」が行われた。

 「CEDEC」は、ゲーム制作における技術の公開と交流を目的とした講演やラウンドテーブル、その他さまざまなセッションの用意された技術者向けカンファレンス。10回目を迎える今回より、技術面から開発者の功績を称える「CEDEC AWARDS」も創設された。「CEDEC」の歴史やさらなる詳細が知りたい人は、一番下の囲みの中を参照してほしい。

「CEDEC 2008」\
講演は、松原氏が自身の経歴を紹介することから始まった。1986年に日立製作所に入社した氏は、9年間でCPUとスーパーコンピューターあわせて3機種を開発し、その後留学などを経て2001年にコーエーに入社、ゲーム業界入りをしたのだという。

 本日の基調講演には、コーエー代表取締役社長にして、CESA副会長兼技術委員会委員長を務める松原健二氏が登壇。これからのゲーム開発――特にPS3やXbox 360といった高性能ハードの技術開発問題について取り上げた。新世代機登場前は、「1、グローバルに高性能新世代機への移行が進む」、「2、高性能新世代機の機能を生かしたゲームがぞくぞく登場し、ハード・ソフトの相乗効果を生む」、「3、結果として高性能新世代機が市場の支配性を獲得する」という3つの期待があったことを氏は話す。

 しかし実際には、前世代機とさほど性能に開きのないWiiや、DS・PSPといった携帯ゲーム機が高シェアを獲得。さらに、北米・欧米が順調にゲームソフト市場規模を拡大しているのに対して、日本の市場が横ばいであるデータ、PS3およびXbox 360の普及率が欧米に対して極端に少ないデータを例に挙げ、日本が高性能ハードのゲーム開発経験の蓄積において海外に先行されてしまった危機感をあらわにした。

「CEDEC 2008」 「CEDEC 2008」
左は2002年から2006年までのゲームソフト市場規模の推移を表したグラフ、右が2007年におけるハードの普及率を示したグラフ。ハード普及率のグラフでは、一番上の色がPS3、上から2番目の色がXbox 360を示している。日本はPS3とXbox 360の普及率があわせて10%ほどなのに対し、北米は20%強、欧州は20%弱と徐々に普及が進んでいる。

 新世代機登場前の期待に対する現段階の答えを、「1、欧米と日本では新世代機への移行に大きな格差」、「2、欧米では次世代機の機能を生かしたゲームの開発が先行(しかし本当に機能を生かしきれているだろうか?)」、「3、市場の支配性を獲得したのはWii、DS、PSPが大きな勢力」とした松原氏。高い普及率を持つWii、DS、PSPのゲーム開発では、PS3やXbox 360のような高い技術力を要求されない。であるならば、これらのハードが市場に支配的であるうちは欧米の技術との差は緩慢にしか開かないのだから、「高性能ハードにおけるゲーム開発の研究を後回しにしていいのか?」という自ら投げかけた疑問に、松原氏は「そうではない、研究すべきである」と答える。

 氏は、今後のゲーム開発技術に求められるものとして、「高性能据置機、普及型据置機、携帯機、それぞれのプラットフォームへの対応」、「コアゲーマーから脳トレ、音楽ゲー層まで、さまざまなユーザーへの対応」、「すべてにおいて先行する欧米と、地域によってアニメ志向であったり、リアル志向であったりする「ひとくくりにできない」欧州への対応」といった3つの多様化への対応を提言する。

 また、この多様化に対応した技術を前進させるためには、基礎研究に力を入れることが重要だという。基礎研究の方向性を明確にし、その方向性とプレイヤーニーズとの親和性を常に追求することで、求められる技術を開発していけるのではないかとのことだ。また、開発者や学問、それにかかわる識者との情報交換と交流、そのグローバル化が技術開発の助けとなることを挙げ、そういった場として「CEDEC」があることを語った。

「CEDEC 2008」
最後にCEDECのテーマを「新しいこと」、「次にくること」であると結んだ松原氏。前者は技術開発、後者はプレイヤーニーズに当たる。

・CEDEC創設の経緯・
 氏によれば、「CEDEC」は東京ゲームショウ(以下、TGS)併催の「技術戦略説明会」にもともとの端を発しているという。1998年春から1999年春までの計5回開催されたこの説明会では、ハードウェア技術を中心とした情報をCESA会員に公開していたそうだが、1999年にゲーム制作の全分野にわたる情報を提供する場として「CESAデベロッパーズカンファレンス東京 1999(CEDEC TOKYO 1999)」が開催されたとのこと。

 この第1回目は2日間開催の25セッションであった「CEDEC」。2007年に少々落ち込んだものの、聴講者の数は年を追うごとに順調な伸びを見せ、過去最大規模での開催を迎えた今年も多くの聴講者数を見込んでいるようだ。

■「CESA DEVELOPERS CONFERENCE 2008」概要
【開催日時】2008年9月9日~11日
【会場】東京・昭和女子大学

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