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2009年1月23日(金)

【『フラジール』インタビュー】開発者のこだわりが廃墟に新たな王子を生む!

文:電撃オンライン

 バンダイナムコゲームスより1月22日に発売されたWii用ソフト『FRAGILE~さよなら月の廃墟~(以下、フラジール)』。開発スタッフへのインタビュー・中編をお届けする。

 シーンの描写から、ゲームで“体験”をするという本作の特徴的な部分、音楽についての話などを掲載した前編に続き、中編では廃墟へのこだわりついて伺っている。


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■廃墟に足されたプラスアルファ

『フラジール』

――先日の講演で、ロケ取材によるマップのクオリティアップがすごかったというお話を伺いました。実際にマップを探索するプレイヤーには、どんな感動をしてもらいたいですか?

原田:たぶん、マップマップによって違うんですけども。取材した時に感じたことを、そのままプレイヤーさんが感じてくれたらいいなと思って作りました。例えば東京タワーで、「赤い鉄骨がかっこいいんだ!」というのがポイントだとしたら、そこはポリゴン数を減らさずに頑張ってください、とお願いしながら頑張りました。

安井:東京タワーでいうと、階段部分の入り組んだ鉄骨にポリゴン数を食われてしまうので、階段自体は同じモノを繰り返し使っています。でも、実際の階段には段数のプレートが張ってありまして。マップを作った中村さんが、「これは付けなきゃいかん」と言って、ゲーム中でも全部別々のプレートが張ってあります。

――すごいですね。東京タワーの階段を上ってる時は、ずっと同じマップを上ってるのかと思っていました。

川島:見付けた時は感動しました。

安井:そこもやはり中村さんが、実際に東京タワーに行って作っているので、やっぱり見たままじゃないと、ということですね。

『フラジール』

――廃墟のモチーフとなった場所は、身近な場所や普通に見学できる場所も多くありますが、実物を見たことある人と、そうでない人とで伝えたいものは違いますか?

原田:行ったことない方には、より感動を強く味わってほしいですね。さっき言ったものすごく大きいであるとか、ものすごく鉄骨がカッコいいであるとか、実際のものよりも誇張された形で伝わるといいなと思います。

 実際に行かれた方には、「同じじゃん」と思われるとつまらないと思うので、ゲーム中では何かしら実際のロケーションに演出をプラスしています。照明をちょっと変えてみたり、色味を現実から離れたものにしてみたり。首都圏外郭放水路があって、あれは実際に行くと壁の色がベージュですけど、ゲーム中では真っ青なんです。光がパーッと差し込んだり、ちょっとファンタジックにしました。なので、行ったことある人には、「行ったことあるじゃん。……あ、すごい近いけどなんか違う!」と思っていただけるようなプラスアルファを入れました。

――そういう効果による演出以外にも、マップに小物がたくさんあって、凝っていますよね。

安井:ウチが勝手に置いちゃったやつですよね(笑)。

川島:最初に考えたのは、背景って一番お金がかかるところなのに、どうやったらタダの背景で終わらずに、意味を持たせられるんだろうと。背景に意味を持たせるため、入れられるだけ落書きを入れてくださいとトライクレッシェンドさんに相談したんです。倉庫とか感動しますね。

安井:実はああいうネタ系の小物って、全部把握してる人はいないんですよね。

川島:最初は、そんなにいっぱい入りません、って打ち合わせで言ってたのに、完成したのを見てみたら、えらい入ってるやんって(笑)。


■遊園地をまたたく間に支配したポーキー王子!?

『フラジール』

――ちなみにロケ取材では、何カ所くらい回ったのですか?

川島:ダムに行って、首都圏外郭放水路に行って、東京タワーにも行って……7カ所くらいですかね。でも個人的に行っているところは、もっといっぱいあります。そういった場所も写真を撮ったら、資料フォルダの中に入れていました。

原田:マップのリーダーの中村さんは、ディテールを見るため、個人的にいろいろなロケーションに足を運んでたという話もありますし。「現実見てどうなの?」という部分は、かなりこだわって作っていたと思います。

安井:中村さんは、そうとう口うるさくスタッフに「ここ、こうだったから直せ」みたいのを言っていましたね。中村さんが「これダメじゃない?」と見せてくれたマップが、僕にはなぜダメなのかわからなかったんですけど、実際に直したのを見たら「うわ、確かに全然違う!」というのがいっぱいあって。その中村さんのOKの出たものが、原田さんのチェックに回るという。

川島:壁とかすごいですよね。テクスチャだって容量あるのに。

『フラジール』

――壁の雰囲気も相当ですが、遊園地なんかは、最初に入った広場にあるブタのマスコットが昭和っぽいというか、すごく雰囲気が出ていますよね。

原田:遊園地に関しては、マスコットが必要だね、という話になって。それで、まずはあのブタありきみたいな。あのブタは、ポーキー王子っていいます。入り口に立ってる王冠をかぶったブタがいて、それがポーキー王子。王冠をかぶっていないのがポーキーといいます。

――そういった雰囲気を出すためのマスコットの着想はどこから得たのでしょうか?

原田:あのブタは、もともとゴーカートに立っていたんですよね。キャラクターデザインの氏縄くんと、「あのブタいいじゃないか!」という話になって、名前を付けるところから王子になって、王国になっていったんです。

――え!? 最初、遊園地入った広場は何もなくがらんとしていたのですか?

原田:最初のころは、初めに入る広場ができていなかったんです。その後に行く観覧車のある場所だけができ上がっていて、そこにあるゴーカートにいたブタが始まりですね。そしてこの遊園地を命名しなきゃ、ってところから中村さんがいろいろおもしろい名前を考えてくれました。

『フラジール』

――そういう風に広がっていった場所は他にもあるのでしょうか?

原田:そういった風に広がっていったのは、序盤にある地下商店街の倉庫ですね。あそこにたくさんダンボールがあるんですけど、それをもうちょっと増やした方が探索におもしろいよね、という話を中村さんとしていて。そうしたらダンボールの種類と数が一気に増えていって、荷物の種類も車のオモチャなどいろいろ増えていきました。それで最終的に、商店街っぽい生活感のあるにぎやかな倉庫になりましたね。

――生活感ですか。

原田:基本は、何かアイテムが置いてあったら、誰かが触ったという予感がするような物や、置き方をするようにしました。

――実際、小物を見かけると気になりますよね。主観で見てしまいます。

原田:よかった。プレイヤーの皆さんにもそう感じてほしいですね。

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(C) 2009 NBGI

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データ

▼『FRAGILE~さよなら月の廃墟~』
■メーカー:バンダイナムコゲームス
■対応機種:Wii
■ジャンル:RPG
■発売日:2009年1月22日
■価格:7,140円(税込)
 
■『FRAGILE~さよなら月の廃墟~』の購入はこちら
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