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2009年11月6日(金)

日本代表ギルド優勝への道のり――『RWC2009』対戦レポート(後編)

文:電撃オンライン

 『RWC2009』対戦レポート前編では、第1回戦から第2回戦までで行なわれた各試合の流れをお伝えしてきたが、ここからは3位決定戦から決勝戦、そしてイベント終了後に行なわれた上位3ギルドのインタビューをお届けしよう。

■日本代表ギルド“Dekopin”がついに世界の頂点に!

 準決勝では再度、試合場となるマップが変わり今回はTYPE4が使われている。ここは中央がくぼんだすり鉢状になっており、下へ降りる通路が若干狭い。さらに魔法や遠距離攻撃は通るが移動はできない青いブロックと、攻撃も移動も不可の赤いブロックという2種類の障害物が設置されている難易度の高いマップである。また、障害物を挟んだままストームガストの撃ちあいが続くなど試合が膠着しやすいのも、特徴と言える。

●準決勝K フィリピン vs. U.S.A

『RWC2009』

 フィリピン、アメリカチームともにハイプリースト、ハイウィザード、プロフェッサー、チェイサー、パラディン、チャンピオン、クラウンの鉄板構成。1本目、フィリピンはすり鉢上の下段へ、アメリカは上に陣形を築き試合がスタートした。やはりマップTYPE4は攻めづらいのか、どちらもやや距離をとってストームガストやシールドチェインの打ち合いになったが、最初に動いたのはフィリピンチームだ。アメリカと同じ上段へ動き、これをアメリカが迎え撃つ。アメリカチームはハイプリーストの判断が遅いのかリカバリに手間取り状態異常が続くものの、クラウンがイドゥンの林檎で最大HPの底上げと回復をかけているため、フィリピンチームはチャンピオンがきちんと阿修羅覇凰拳を決めきれない。残り5分も過ぎたところで、最初に戦闘不能になったのはアメリカチームのハイプリーストだった。続けてチャンピオン、チェイサー、プロフェッサーの順で戦闘不能となり、優勢のフィリピンがそのままハイウィザード、パラディンを倒し押し切った。

 続く2本目、今度はアメリカチームも最初から下段に降り、フィリピンチームと真正面からの対決に持ち込む。しかしプロフェッサーとパラディンを早々に失い、あっさりフィリピンが2本先取し決勝戦へと駒を進めた。

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●準決勝L 日本 vs. タイ

『RWC2009』

 念願の一勝どころか、準決勝まで勝ち進む快挙を遂げた日本チーム。しかし相手は三連覇を狙う優勝候補のタイチームである。会場前方のスクリーンにときどき、試合前のセッティング中の選手の様子が映し出されると、解説の中村氏は「日本ギルドは落ち着いてる感じ」とコメントしていたが、プレッシャーで明らかに顔がこわばり、ナーバスになっている様子が手に取るように分かった。もちろん必要以上に緊張させまいとする、中村氏が配慮したコメントであろう。

 1本目、ほぼ同じタイミングで飛び出したが日本チームは上段へ、タイチームが下段という位置取りで日本側のパラディンが上段のギリギリ端に立ちシールドチェインでタイを牽制。その後ろからクラウンがアローシャワーという、今までにないタイプの戦いが展開した。これに対抗すべくタイチームは遠距離物理攻撃を無力化するニューマを使用。RJCでもRWCにおいても、ニューマを使うシーンはこれがおそらく初めてだ。それだけTYPE4が、従来の試合会場とまったく違うタイプであることが分かるだろう。やがて拉致があかないと判断したのか、タイチームも上段へじりじりと移動し、障害物を挟み日本が右上、タイが左上というポジション取りに。ここでタイのパラディン、チェイサーが阿修羅覇凰拳で戦闘不能。すかさずタイは陣形を崩さないままきれいに一旦後退するも、試合はすでに5分が経過していた。ガンバンテインを駆使してランドプロテクターに穴をあけようとする両チーム。タイのチャンピオンも残影による素早い動きからの阿修羅覇凰拳で、日本のハイウィザードが戦闘不能になってしまう。しかしタイは続けてハイウィザード、チャンピオンが倒れ、1本目は日本チームの勝利となった。

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 1本先取したことで、ようやく笑顔が戻ってきた日本メンバー。基本構成のままの日本に対し、2本目でタイチームはチェイサーの代わりにジプシーを投入してきた。おそらく予想外に手痛いクラウンのアローシャワー対策に、遠距離かつスタン効果を狙える、スクリームを使うつもりでのクラスチェンジであろう。

 最初とまったく同じ日本が上段、タイが下段という配置でスタートした2本目、タイはスクリームと運命のタロットカードを使い、チャンスを作ろうと狙うが、日本のパラディンが素早いプレッシャーとシールドチェインの連打により、タイを牽制し続ける。再びタイチームは一旦下がって上段へ移動。このタイミングで日本のチャンピオンが阿修羅覇凰拳でタイのパラディンを戦闘不能に。しかし、日本もハイウィザードを失ってしまい生存者6-6へ。タイの懐深くに切り込んだパラディンは、引き続きシールドチェインによる妨害を続け、見事に敵ジプシーを落とした。そしてチャンピオン、クラウン、プロフェッサー、ハイプリーストの順に沈め、日本チームがストレート勝ちをおさめた。

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●3位決定戦M U.S.A vs. タイ

『RWC2009』

 会場の興奮も冷めやらぬうちに、試合は3位決定戦へ。ここからは試合会場がマップTYPE1となる。基本構成のアメリカチームに対し、タイチームはアサシンクロスとスナイパー構成という、第1試合と同じメンバーでこの戦いに挑む。

 1本目、アメリカチームはこれが定番戦術なのか、今回もまたイドゥンの林檎で最大HPの底上げを行なっている。しかしタイはスナイパーとアサシンクロスが、ソウルブレイカーとファルコンアサルトを一人のキャラクターに集中攻撃を浴びせ、まずはチェイサーを落とす。そしてアメリカチームが全員凍結した瞬間、おそろしいスピードでハイプリースト、プロフェッサー、ハイウィザード次々に倒し、そのままタイが1勝を手にした。

 2本目、クラス構成はお互い変わらないまま試合が開始される。アメリカチームも果敢に前へ前へと出るのだが、プロフェッサーが今度もタイのスナイパーとアサシンクロスに狙われ続けるため、ランドプロテクターを張りなおせない。そもそも防御力がさほど高くないプロフェッサーはこの集中攻撃でそのまま戦闘不能に。さらにハイプリースト、ハイウィザードと後衛クラスが次々ファルコンアサルトの餌食となり、タイがRWC20093位の座を手にした。

 タイの試合をすべて見て感じたのは、統制の取れた動き、素早い判断力、そして違うクラスに突然チェンジしても衰えないプレイヤースキルなど、あらゆる面で強いギルドなのは間違いないが、ただ強いだけでなく毎回“魅せる”試合をしてくれるギルドだということである。観客の視線が思わずスクリーンに釘付けになるような、素晴らしい展開を見せてくれたタイ代表ギルドに、来場者が惜しみない拍手と声援を送ったのは、言うまでもないだろう。

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●決勝戦 日本 vs. フィリピン

『RWC2009』

 ついにこの瞬間がやってきた。世界最強ギルドを決めるRWC2009の決勝戦、コマを進めたのは我らが日本と、シード権から順調に勝ち上がったフィリピンである。緊張したおももちで手が白くなるほど握り締める様子が映し出される日本。一方でフィリピン側の映像にも、選手の一人が胸の前で十字をきって神に祈る姿があった。なお、決勝戦のみ5本中3本先取が勝利条件となっている。

 メンバー構成はともに基本の7名で試合開始。日本チームはマップ上から、フィリピンチームが下から攻める配置で、いきなりお互いのチャンピオンが相手パラディンを狙い阿修羅覇凰拳を当てるも、どちらのパラディンもこれに耐え切る。しかし日本側チャンピオンが2回目の阿修羅覇凰拳で見事フィリピンのプロフェッサーを沈めた。ランドプロテクターを失ったフィリピンチームに、再びチャンピオンがかなり早い回転で阿修羅覇凰拳を連発。チェイサー、ハイウィザード、パラディン、ハイプリースト、チャンピオンを倒し、7-0で勝利した。

 2本目、お互いクラス構成は変えず、右上から中央へ出る日本と左下から迫るフィリピンという同じ展開に。先ほどよりは広い左側へ回り込むフィリピン。両チームのチャンピオンとプロフェッサーの連携が素晴らしく、阿修羅覇凰拳を敵パラディンに連打するも、これまた防御力とハイプリーストの支援が的確なのか、何度も耐え切られてしまう。ややフィリピンに押され気味の日本が全員凍結してたところで、フィリピン側チャンピオンはハイウィザードとチェイサーを倒し、このチャンスをきっちりものにした。ストームガストが撃てない日本はプロフェッサー、クラウン、パラディン、ハイプリースト、チャンピオンの順に落とされ、この試合はフィリピンが1勝をもぎとった。

『RWC2009』 『RWC2009』
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 3本目、ここで日本はチェイサー抜きのジプシー構成に変更。フィリピンは基本構成のままである。比較的マップの幅が狭い側に寄った3本目の戦いは、日本のジプシーのスクリームが効果を発揮し、スタンを嫌がったフィリピンチームは少し引き気味の体制となっていく。早々に、フィリピンのパラディンが阿修羅覇凰拳で戦闘不能。日本のジプシーはスクリームの合間に弓を打つというマメさで、フィリピン側のプロフェッサー、チャンピオンを沈める。かなり早い展開でクラウン、チャンピオン、チェイサー、ハイプリーストを次々に倒し、日本が2つ目の勝利獲得となった。

 4本目、ここで勝てば優勝決定の日本チーム。もちろんフィリピンも全力で阻止ししにくるのは見えている。クラスは3本目とまったく同じ、日本がジプシー構成でフィリピンが基本構成である。位置取りも先の試合と同じ、右上日本と左下フィリピンという日本が得意な配置に。両チームのランドプロテクターが接触したわずか数秒後、フィリピンのパラディンが真っ先に阿修羅覇凰拳で倒された。そのスキをついた日本側のパラディンがシールドチェインの猛攻でプロフェッサー、ハイプリーストを倒し、最後の1人ハイウィザードを沈めて勝利。日本が初優勝を飾り、『RWC2009』の頂点に輝いた。

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 結果を改めてお伝えすると、1位が日本、2位がフィリピン、3位がタイとなる。このままステージ上では、1位~3位のギルドへの表彰式と賞金の授与が行なわれた。ちなみに賞金額だが米ドルで

1位 : $15,000
2位 : $7,000
3位 : $3,000
友情賞(1チーム) : $1,500

となっている。最後の友情賞は、前日のウェルカムパーティで渡されたインスタントカメラを使って、撮影した写真を元に、もっとも多くのギルドと交流した国に与えられるものだ。また、日本チームの優勝記念として、『RO』全ワールドにてモンスターを倒したときの経験値が2.0倍、アイテムドロップ率が1.5倍の特典が実施される予定だ。

『RWC2009』
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▲左から2位のフィリピン、3位のタイ、友情賞の台湾代表ギルド。

 優勝した日本のギルドDekopinのメンバーは地元で初優勝という喜びに、そっと涙を袖でぬぐうなど男泣きしている姿も見られた。かくいう筆者も恥ずかしながら、写真撮影ができないほど泣いてしまったのだが……。日本代表ギルドへの無礼を承知で過去の話を蒸し返すと、昨年のフィリピン大会では事前にそれなりの準備と練習を積んだこともあり、せめて1回戦突破はできると思っていた彼らは、見たこともない不慣れなマップにとまどい、戦術どころかほとんど棒立ちの状態で1回戦敗退となってしまった。その時ステージから降りてきたDekopinメンバーは、魂が抜けたような表情をしており、ショックと悔しさが全身からにじんでいた。そんな彼らにとってこの優勝は何物にも代え難い、最高の経験となったのだろう。

 今年のRWC2009では、事前に試合場となるマップがすべて公開され、専用ワールドでは実際に練習試合を行なえたのが、勝因の1つだったことは間違いない。RWC国内予選に参加し、敗退してもDekopinの強化練習に胸を貸してくれたギルドの協力。そしてガンホー社の心強いバックアップ。多くの人に支えられながら、あらゆる戦略/戦術を考え悩んだ上で試合に臨んだその努力が、優勝という結果を実らせたのだ。

 なお、2010年のRJC開催はすでに予定されているが、残念ながらRWCについては未定とのこと。また既に韓国の『RO』は三次職が実装されており、日本では独自カスタマイズの適用も検討されていることから、各国でのクライアントには大きな差が出る可能性も高い。RWCが開催されるとしても、新たなレギュレーションに合わせたクラス構成や練習が必要となり今までどおりにはいかないだろうが、できれば再び日本が世界最強ギルドの名を手にする瞬間を見たいものである。

■次ページは上位ギルドのインタビューを掲載■

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データ

▼『ラグナロクオンライン』
■メーカー:ガンホー・オンライン・エンターテイメント
■対応機種:PC(対応OS:Windows 2000/XP)
■ジャンル:RPG(オンライン専用)
■正式サービス開始日:2002年12月1日
■プレイ料金:1,500円(税込)/30日

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