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2009年11月19日(木)

期待の新作MORPG『TARTAROS-タルタロス-』先行プレイレポート

文:電撃オンライン

 韓国INTIV SOFT社が開発、国内での運営をシーアンドシーメディアが担当する『TARTAROS-タルタロス-』(以下、タルタロス)は、キュートなキャラクターとしっかりと作りこまれたシナリオ、そしてアクション性の高い戦闘システムなどが売りのオンラインA・RPGだ。今回シーアンドシーメディアを訪問し、クローズドベータテスト前にシナリオ、ミッション、チャレンジ、対戦という4つのゲームモードと、シナリオモード専用の“MCCシステム”などを体験してきた。豊富なアバター衣装も思う存分試してきたので、順次紹介していこう。

『タルタロス』 『タルタロス』 『タルタロス』

■超個人的な家庭の事情で集まる主人公たちの物語で冒険が始まった…

 元々はパッケージゲームとして開発され、多彩な登場人物と彼らが関わるメインシナリオの深さが大きな特徴という、『タルタロス』のバックストーリーを簡単に紹介。オンラインRPGの世界観といえば、その多くが悪魔や神々との対立によって世界が荒廃。プレイヤーは選ばれし英雄候補として、あるいは無力な冒険者の1人として、世界を救うために立ち上がる……という西洋ファンタジーをベースとした壮大な物語が定番だったりする。

 『タルタロス』もまた、神々と人間の王による戦いが物語の出発点となっているのだが、ゲーム開始時に登場する11歳の少女“ピンコ”が冒険する理由を聞くと、ちょっと今までとはワケが違う。神々と人間の世界を隔てるために張られたタルタロス結界陣。そのせいでピンコの母親を始め多くの人間が結界の向こう、天界に取り残されてしまったのだ。母と再開するため結界陣を無効化できる“オボロスの石”を探し求め、同じ目的を持つ仲間と合流するピンコ。世界の平和とも国の名誉ともまったく関係ない、各キャラクターの超個人的な目的でメインシナリオが始まるというのは、その、なんと言うか新しい。

『タルタロス』 『タルタロス』
▲人が住む世界と、神々の世界の間に存在する“タルタロス結界陣”により激戦は一旦終わりを迎えたが、同時にその時点で天界にいた人間は元の世界に戻れなくなった。▲母と生き別れたロボット操縦士の少女“ピンコ”が住むレナルト村。神童と呼ばれているらしいが、世間では「ハタチ過ぎたらただの人」というんですよ、ピンコちゃん。

 さて、既存のオンラインRPGではここからプレイヤーの分身となる、キャラクターメイキングに移るのだが、こちらの記事でもすでにお伝えしている通り『タルタロス』では、最初から4人のプレイヤーキャラクターが存在している。それぞれ異なるバックストーリーを持つ他、クラスと戦闘スタイル、属性などは最初から決まっており、彼らの名前や外見のカスタマイズなどはできない。すべてのキャラクターはオボロスの石を求めるパーティとして扱われ、プレイヤー側ではパーティ名をつけられる。

 ゲームを開始すると“ソーマ”と“シュバルマン”という2人の青年が登場。自動的に移動や戦闘方法を学べるチュートリアルクエストに突入し、すべてが終わると新たに2人のキャラクター“ピンコ”と“イリシア”が仲間に加わる。まずはこの4人を核に、拠点となる街でクエストや繰り返し受けられるミッションモードでレベルを上げていく。特定の条件を満たすとシナリオモードに挑戦することができ、新たな仲間を迎え入れ、次のエリアに進んでいくというのが本作の基本プレイ方針だ。次に遊び方が大きく異なるシナリオとミッション、チャレンジモードについて説明しよう。

『タルタロス』 『タルタロス』
▲チュートリアルクエストは操作方法から、シナリオとミッションモードの違い、マップ移動など大事なことを教えてくれるので、説明にはきちんと目を通しておきたい。
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▲序盤でプレイ可能な4人のパーティメンバー、画面左手前からイリシア、ソーマ、シュバルマン、ピンコ。▲序盤の4キャラクターのうち、筆者はロボット操縦士のピンコがお気に入り。やたらとピンコのスクリーンショットが多かったとしても、そこは気にしないでいただきたい。

■ソロプレイからやりこみ系まで4つのゲームモード

●シナリオモード

『タルタロス』

 シナリオモードはメインストーリーと密接に関連したクエストを受けられる。パーティの新しい仲間が増えるだけではなく、それぞれメンバーの過去や、なぜオボロスの石を探しているのか?といった物語が展開していく。シナリオモードはソロプレイ専用で、他のプレイヤーとの協力体制は築けない。その代わり、すでにメンバーとなったキャラクターから3名を同時に連れて行けるMCC(マルチ・キャラクター・コントロール)システムが、シナリオモードの大きな特徴だ。

 プレイヤーはクエスト開始前に自分のパーティから、最大5名のキャラクターをピックアップしてスロットにセットできる。実際に操作するのは3キャラクターなのだが、残り2キャラクターは誰かが戦闘不能になった場合に出番がくる、いわば補欠たち。3人のうちプレイヤーが直接操作できるのはリーダーキャラクターと呼ばれる1名のみ。2名はAIによって攻撃や支援などを自動的に行うサブキャラクターとなる。ただし、リーダーキャラクターは戦闘中でも左SHIFTキーを押せばいつでも変更できる。またリーダーに対してサブキャラクター2名は、横につく、前に出る、後ろに控えるという3パターンの陣形があり、こちらもスペースキーによって任意に切り替え可能。サブキャラ2名を前衛タイプにし、支援と回復だけプレイヤーが直接操作するといった戦い方も簡単にできるのだ。

 クエストによっては途中でムービーがカットイン。次のシナリオに続くNPCがチラリと登場したり、メンバーの過去が初めて明かされるなど、物語が進行していく。ちなみにシナリオはチャプター形式になっており、中にはエンディングを見られるシナリオもあるそうだ。シナリオを進めていけば新たなメンバーが遠征隊に加わるが、レベルなどの前提条件があるため、シナリオだけどんどん消化するというわけにはいかない。また、新メンバーは当然、低レベルなので成長した他キャラクターと差がついてしまう。しかし、ポイントを貯めて経験値を分け与えられるアップグレード機能があるのがうれしいところ。

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▲初めてのシナリオクエストは、隣の“ピンドス村”へ歩いていくというもの。今回はテスト専用サーバの特殊な環境なので、普通は解放されていないキャラクターも選べた。
『タルタロス』 『タルタロス』 『タルタロス』
▲青いバーが味方3キャラクターのHPをあらわし、足元に青いエフェクトが出ているのがリーダーキャラクター。画面右下に現在の隊列が表示されている。

●ミッションモード

 一方のミッションは、こちらは他のプレイヤーと一緒に最大4名のパーティを組み、1つのクエストに挑戦していくモード。各町はアイテムを販売するNPCや銀行といった施設がある以外に、仲間を集うロビーも兼ねている。各町に入場した時点でルームを作成した状態になり、ミッションには誰でも参加できてしまう。もちろんルームを非公開にしてソロプレイもできるし、パスワードを設定して友達限定のルームも作れる。インスタンスルームの内部は複数のルートに分岐していて、最短ルートでボスにたどりつくもよし。途中寄り道してアイテムをより多く狙うのもよし。獲得したアイテムのうち、装備品などレアなものはクエスト終了後にあみだくじで分配されるので、何がもらえるかは運次第となる。

『タルタロス』 『タルタロス』 『タルタロス』
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●チャレンジモード

 3つ目のチャレンジモードも他プレイヤーとの協力が必須のモードだが、1日3回という参加回数に制限がある。これは他のモードよりレアアイテム、レア素材が出やすいためだ。また、チャレンジモードを選ぶ際にはクエスト名の横にレベルが表示されている。これは適正レベルを意味するのではなく、プレイヤーキャラクターがどんなに高レベルでも、強制的に表示されたレベルにまで引き下げられるという意味。習得したスキルは使えるので高レベルなほど戦いやすいメリットはあるが、ダメージ計算にすべて補正がかかる。また、チャレンジモードをプレイするには“コンテンツポイント”を消費。コンテンツポイントはミッションモードと、対戦モードつまりPvPでしか手に入らない。美味しいアイテムが出やすいだけに、いろいろと制限も多く、チャレンジモードは上級プレイヤー向けのやりこみコンテンツと言えるだろう。

 オンラインゲームのパーティプレイで一番悩みどころなのが、“回復/支援を行うクラスが集まらない”、“後衛ばかりで前衛クラスがいない”といった理由で長時間待たされることだろう。『タルタロス』の魅力の1つが、自分のパーティにいるキャラクターであれば、その場すぐチェンジできることだ。キャラクター選択画面に戻る必要もなく、画面下部のボタン1つで必要なキャラクターを呼び出せるのだ。また、「今育てたいのはこのキャラクターじゃないんだけど……」という場合でも、クエスト報告する際に低レベルキャラクターに切り替えておけば、経験値は報告を行ったキャラクターに付与されるので、この点も心配いらない。

『タルタロス』 『タルタロス』
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●対戦モード

 対戦モードは、ずばりプレイヤー同士のPvPが楽しめるモードのこと。対戦担当のNPCに話しかけ、シナリオモード同様に参加させるメンバーを3人選択。一人目が倒されれば自動的に二人目……という勝ち抜き戦になっており、3人倒された時点で勝利となる。一応負けてもコンテンツポイントはもらえるが、かなり少なめ。キャラクターごとに完全近接攻撃の前衛タイプ、魔法剣士タイプなど攻撃スタイルがかなり違うので、自分が選んだキャラと相手との組み合わせによっては、苦戦をしいられることもありそうだ。

『タルタロス』 『タルタロス』
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■シンプルながら操作には多少の慣れが必要

『タルタロス』

 ここで操作方法とインタフェースについて解説しておこう。『タルタロス』のインタフェースはパっと見、よくあるMMORPGとさほど変わらず、オンラインゲームの経験があればだいたい直感で操作できる。ただ一部の操作にややクセがあり、慣れるまではとまどう場面もありそうだ。移動はWASDキー、NPCとの会話は相手を右クリックかJキー、カメラ視点はマウスでも操作できるがQ/E/Z/Cキーでも回転や拡大縮小が可能だ。攻撃スキルはすべてJ/K/L/;キーの組み合わせとなる。そのため戦闘中は左手のWASDで移動しつつ、右手のJKL;で攻撃、敵の動きに合わせて随時QEZCでカメラ視点を変更と、すべてキーボードだけで操作できる。個人的に、状況に合わせてすばやい視点変更を行うにはマウスの方が便利と感じるが、右手はJ~;の攻撃スキルから離すわけにもいかず、なかなか苦労した。ただ、この辺についてはプレイヤー個々の慣れと感覚に大きく左右されるので、さほど大きな問題ではないかもしれない。戦闘はノンターゲットシステムでアクション性もそれなりに高い。各キャラクターの攻撃範囲とスキル特性は、何度もプレイして間合いを体で覚える必要があるだろう。

 キャラクターの成長はレベル制で、ステータス値は自動的にアップ。スキルはレベルアップ時にポイントを獲得し、スキルツリーから習得。スキルポイントは特定のスキルに割り振ることで強化もできる。ただしスキルの中には攻撃力を増すのか、クールタイムを短くするのかなど、強化の方向性が複数ある物も存在する。1スキルにつき最大5ポイントしか強化できないので、どう割り振るかはプレイヤー次第だ。

 スキルはJ~;キーで発動と述べたが、各スキルごとにJ、K、L、J+L、J+K、K+Lと6通りの組み合わせが最初から決まっており、プレイヤー側では任意に設定できない。また、スキルスロットは3つのパターンに分けられており、序盤で習得するスキルは1つ目のスロットへ。そしてより強力な上位版スキルを習得すると、2つ目のスロットの同じキー位置(下位スキルがKキーなら、上位版は2つ目のスロットのKキーに)に自動的セットされる。このスロットを切り替えるのに必要なのが、“勇気”“気合”などと呼ばれる行動で、;キーに割り当てられているのだ。クールタイムなどは特になく、いつでも何度でも切り替えられる。

『タルタロス』 『タルタロス』

■生産と精錬システム

 ゲーム内でも武器や防具はNPCから購入できるが、『タルタロス』では誰でも素材を使った生産システムが利用できる。生産システムで作られた装備品は基本、中級、上級、最上級という品質がある上に、ランダムでオプションが付与される。有料アイテムを購入した場合のみ欲しいオプションを指定できるのだが、その数値はプレイヤーが生産したものより若干低くなる。強力な装備品は、先のチャレンジモードで手に入る素材で作れるので、レア度も必然と高くなる。作った装備品はゲーム内で販売も可能なので、おそらく高額で取引されることになるだろう。

 一方の精錬システムだが、1回精錬に成功するたび攻撃や防御値があがる他、精錬レベル5ごとに装備品のスロットが最大3つ解放される。このスロットに特殊なアイテムをはめ込むことができ、さらにステータスボーナスを付けられるのだ。レベル5までは安全に精錬可能だが、レベル6以上では失敗して精錬値がさがるか、あるいは装備品そのものが壊れて消滅するリスクがある。

『タルタロス』 『タルタロス』

 今回実際に『タルタロス』をプレイした印象としては、チュートリアルからして物語にプレイヤーをぐっと引き込む力があり、キャラクターの可愛いグラフィックスと合わせて、かなり魅力的な作品に感じた。記事内でも述べたように操作性には若干のクセを感じるが、今後はゲームパットへの対応も検討中とのことなので、家庭用ゲーム機になれたプレイヤーにはむしろ操作しやすくなるかもしれない。

 1点気になったのは序盤~中盤向けの町で見たクエスト数の少なさだ。レベル上げの基本は繰り返し受けられる、ミッションモードのクエストにどうしても頼ることになるが、バリエーションが少ないとたちまち単調で作業感の強いプレイとなり、飽きられやすい。ファンサイトなどで攻略方法や“効率のいいクエスト”などが紹介されると、人気クエストと過疎化クエストがハッキリ分かれ、ますます「いつも同じクエストばっかり」ということになりかねない。日本での正式サービス開始までに、中盤以降のコンテンツをどこまで厚くできるかが、今後の課題だと思われる。

 『TARTAROS-タルタロス-』は現在、アンケートに答えたりファンサイトを開設すると、クローズドβテスト参加券がもらえるキャンペーンを実施しているので、本記事を読んで興味を持った読者はぜひ公式サイトからチェックしてほしい。

『タルタロス』 『タルタロス』
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データ

▼『TARTAROS-タルタロス-』
■メーカー:シーアンドシーメディア
■開発:INTIV SOFT
■対応機種:PC(対応OS:WindowsXP/Vista)
■ジャンル:A・RPG(オンライン専用)
■正式サービス開始日:未定
■プレイ料金:無料(アイテム課金)

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