ゲーム攻略情報も配信可能なダイナミック広告とは？ DFJ社長インタビュー

文：電撃オンライン

■“ダイナミック広告”が提供する新しい広告の可能性とは

――ところで、広告主として考えているのは、ゲーム関連のメーカーですか、それとも一般企業ですか？

スッド氏：どちらも考えておりますが、基本的にすべての製品の広告に使っていただきたいと思っています。どういった広告が有効なのかは、ゲームによって異なってくると思います。だから、広告主のジャンルは絞らず、そのゲームによって適したジャンルの広告が表示されるようにしていきたいと思っています。

――広告主の反応はどうですか？

スッド氏：ゲームにはさまざまなジャンルがありますが、それぞれのジャンルによって異なったユーザー層があると思います。だからゲームによって異なる広告主が考えられますよね。そこで、ダブルフュージョンのサービスを利用すれば、条件に応じて広告を変えられるので、よりターゲットを絞った広告を表示することができます。その点で“ピンポイントに絞った広告”という広告主のニーズに応えており、高い評価をいただいています。

――現在、ダイナミック広告の採用が決まっているタイトルを教えてください。

スッド氏：すでにたくさんのゲーム内で使っていただいております。例えば、お話にも出たKONAMIさんの『ウイイレ 2010』とセガさんの『龍が如く4 伝説を継ぐもの』などもそうです。

▲『ワールドサッカー ウイニングイレブン 2010』

▲『龍が如く4 伝説を継ぐもの』

――『ウイイレ 2010』の方は先日発売されましたが、これにはどのような広告の配信が予定されていますか。

スッド氏：スポーツドリンクや車、スナックフードなどの広告が入る予定です。あと携帯電話などもありますね。さらにこれからも広告のジャンルは増えていくと思います。

――日本で人気のある実在するサッカーイベントの1つに、飲料メーカーのキリンが協賛する“キリンカップ”という大会があります。例えば、サッカーゲーム内でもキリンに広告を出してもらって“ゲーム内キリンカップ”を実現するというのはどうでしょうか。

スッド氏：それはナイスアイデアです（笑）。ゲーム内でもそのようにできるとユーザーも楽しいでしょうね。スタジアムの観客にロゴの入ったTシャツを着せることもできますので、やろうと思えば現実と同じようなスタジアムの雰囲気を実現できます。ゲーム内でも現実と同じように大会を開いたりできれば、より現実に近いリアリティを持ったゲームになるのではないでしょうか。

――スタジアムの観客にロゴ入りTシャツを着せられるのはおもしろいですね。他にはどのような広告ができますか。

スッド氏：例えば、ゲーム内で走っている車を形なども含めてまるごと広告にすることができるので、新型車の広告などに使えると思いますよ。また、先ほど広告をインタラクティブに変更できる点を説明しましたが、これの応用方法としてドライブゲームを例にすると、スピードが遅いときに“これを使えば速くなる”というイメージでオイルやガソリンの広告を出したり、衝突した時に保険の広告を出したりもできますよ。さらに広告以外にも、情報の提供などを行うことも考えています。ゲームで行き詰まっている人、例えば、同じところで10回以上同じ行動をしている人などに、何らかのかたちでアドバイスを提供したりできるような仕組みを開発中です。

――それができれば、途中で詰まってゲームを投げ出してしまう人が減るかも知れませんね

スッド氏：このアドバイスはそのユーザーの状況に応じて最適なものを出すようにできます。だから、他のユーザーがそのまま利用できるアドバイスではなく、まさに“特定のユーザーに向けた”アドバイスです。そうした仕組みを入れることで、よりゲームを楽しくできると思っています。ダブルフュージョンのサービスは、ゲーム内に広告を配信するだけでなく、ユーザーとクライアントのコミュニケーションの仲立ちを実現できると思います。最初にゲームはメディアの1ジャンルとしての地位を確立したと言いましたが、さらにメディアとしての機能を向上させることが可能になるでしょう。

――最後に1つ、“毎日でも広告を変えられる”というお話がありましたが、それをアピールできる案があります。例えばゲーム内に“電撃PlayStation本日発売！”と入れていただければ、広告をいつでも変えられることがわかりますし、それを見た他の雑誌の広告も入るようになるかもしれないですよ（笑）。

スッド氏：……それはおもしろいですね（笑）。検討してみます。

――よろしくお願いします！　本日は興味深いお話をありがとうございました。

　これからも進化し続けるダブルフュージョンの“ダイナミック広告システム”。クリエイターの皆さまは、よりゲームをインタラクティブにする、この“ダイナミック広告システム”の今後の展開にぜひ注目してほしい。

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