2010年2月17日(水)
――では、こうして初めてのゲームを作り終えて一番大変だったことは何ですか?
池田:全部大変でした。前の仕事は長くても3カ月、下手したら2週間くらいで終わるものが多かったので、1年ちょっとかけてじっくりできたのは、大変だけどよかったですね。ムービーも結構作ったので、物理的にも大変ではありましたけど。
――ムービーで一番見てほしいところは?
池田:一番最後のテーマソングを入れようよ、と言って作ったムービーは、意外とデキがよかったので見てほしいですね。
――寺島さんはいかがでしたか?
寺島:忙しさで言ったら、前の仕事のほうが大変だった部分もあったと思うんですが、自分の名前が出てしまうのは気分的にちょっと大変だったというか(笑)。出るっていうだけでうれしくはあるんですが。
――寺島さんが一番見てほしい部分はどこですか?
寺島:やっぱりいろいろ頑張ったイベントシーンは、あまり飛ばさないで、1回くらいは見てほしいですね。ストーリーを見た方が、ゲームが楽しいと思いますし。
――中塚さんはどこを一番見てほしいですか?
中塚:僕は、背景も一度ちゃんと見ていただけるとうれしいです。
池田:(中塚さんがメインで担当した)メニューじゃないの?
中塚:メニューは何度も通るところだから(笑)。
――メニューはどのあたりが大変でしたか?
中塚:みんなにもっと使いやすくしてと言われながら、使いやすさと、自分のパッと思う気持ちよさのバランスを取るのが難しかったですね。
池田:でもあれは、他にはないメニューだと思いますよ。
――逆に初めてのゲーム制作で一番おもしろかったのは?
池田:全部なんですけど、プロトタイプができ上がったところで、遊んで楽しかった時に「これ行けるじゃん」と感じた時が一番テンション上がりましたね。それを支えに、ずっと頑張っていました。
寺島:さっき言ったこととも被るんですが、サイトが立ち上がって四コマを載せた時に、おもしろいとかつまらないとかの反応を見た時ですね。これから発売されてからは、ゲーム反応がさらに楽しみです。
中塚:ゲームの解説書ができた時に、すごいうれしかったですね。前半に絵本パートがあって、寺島君のデザインしたキャラクターをマネしながら描いたところで。ここも見ない人は見ないですけれど、見てくれたらすごくうれしいなあと思います。
――ストーリー的には、ゲーム本編の前が描かれているのですか?
中塚:世界の成り立ちとティトリが隊長になるまでを描きました。
小島:(テーブルにあるノートを差し)ここにあるノートにも、作っている過程で生まれた妄想が、ものすごいたくさん書かれているんです。でもゲームの中には、わかりやすさとか、容量の問題とかで、それらをそぎ落として入れないといけないじゃないですか。だから、ゲームからもれた部分のストレスが、印刷物とか四コマとかに向かっているんだと思います(笑)。普通は外注するようなイラストやデザインまで、彼らが全部自作していますから。
池田:だってお前ら、何個カスタムテーマ作るねん! っていうか、何個カスタムさせるねん、って話ですよね(笑)。
――最後にユーザーへのメッセージをお願いします。
池田:間もなく『100万トンのバラバラ』発売ですので、買った人は何度も何度も遊んでほしいです。買おうかどうか迷っている人は、体験版を落としてみてください。皆さんぜひ遊んでください。
寺島:自分たちで言うのも何ですが、『100万トンのバラバラ』はちょっと変わったところがあると思うので、そういうものを探している人にこそ遊んでみてほしいと思います。
中塚:見た目がかわいいので、薄っぺらいんじゃないかとか、簡単なんじゃないかとか思うかもしれませんが、実は見た目が決まる前から、ゲームの中身はしっかり作ってきました。ゲームをやり込むのが好きな方も、ぜひプレイしてみてください。
▲インタビュー中にもあった、分厚いノートを広げる寺島さん。ボツになった4コマや、イベントシーンの下書き、戦艦のデザインの下書き、キャラの下書き、傍目には謎な模様など、実に多彩なイラストが書き込まれていた。 |
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