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2010年4月7日(水)

【CβT最速レポ第24回】『みらくる☆店長』後編・プレイレポート

文:電撃オンライン

 エンタークルーズがサービスする『みらくる☆店長』は、ブラウザゲーム型のお店経営SLG。いまやブラウザゲーム大国となった中国において、トップ5に入る人気作品の1つなのだが、果たしてどんなゲームなのか? 本レポートでは、わずか5日と短期間ではあるが、クローズドβテスト(以下、CβT)に参加したインプレッションをお届けする。

徳岡正肇の気になるキーワード5段階評価 ※★…1点、☆…0.5点
農耕プレイ度 ★★☆
ヒャッハー度 ★★★★
プレイの多様性 ★★★★☆
インターフェース ★★☆
ローカライズ ★★☆


■人は石垣、人は城――ショップ経営は店員から

 『みらくる☆店長』の新規アカウントでゲームにログインすると、まずは自分が経営するお店決めからスタートとなる。本タイトルの原題は『便利商店(中国語でコンビニ)』ゆえに、経営SLGといってもコンビニしか無いかと思っていたのだが、どうやらコンビニ、カフェ、レストランの3タイプがあるらしい。らしい……と曖昧なのは、実はプレイヤー側では一切お店を選べないのである! まず最初に、アンケート形式で「あなたがお昼によく食べるのは?」「大きな取引をします、まず何をしますか?」といった不思議な質問が出題される。これらにすべて回答すると「審査の結果あなたに相応しい業界:レストラン」と、システム側から経営すべきお店を決められてしまうのだ。他にどんなタイプのお店があるのかすら分からないし、プレイヤーには変更手段がない。マップ上をチェックした限り、現時点ではどうやら先述の3タイプのみとなっているようだ。

『みらくる☆店長』 『みらくる☆店長』
▲ショップの種類は市長秘書さんからの質問にどう答えるかで決まる。特定タイプの店を開店するために必要な受け答えとかは、情報サイトなどの充実に期待したい。

 さて、回答の結果レストランを割り当てられた筆者だが、本タイトルの基本的なサイクルは、

・店員を雇う
・雇った店員に資源を採取させる
・採取した資源を使って商品を作る
・商品を陳列、販売する
・収益を使って設備投資を行ったり、新規に店員を雇ったりする

 これを繰り返すことによって自分のショップを拡大していく。ゲームの中核となるのは、ショップというよりもむしろ店員だ。店員は力、素早さ、知力、魅力という4つの能力値を持っており、それぞれ行動に影響を与える。商品を作るときは力が強い方が早く作れるし、資源を採取するときは素早さが高いほうが、同じ時間でたくさんの資源を集められるのだ。また店員によっては固有のスキルを持っている者もいるようで(20人くらい面接したのだが、残念ながら一度もお目にかかれなかった)、様々なシーンで有利な効果を発揮するらしい。

 店員の能力値は、基本的には生産した商品を与えることによって増大させていく。例えば穀物からはポップコーンが製造できるが、ポップコーンを店員に与えると力の経験点が増加。この経験点が一定数を超えると、力パラメータが+1されるという仕組みだ。能力値が10くらいまでであれば、商品1つを与えるごとに+1されていくと思っていい。

 能力値を上昇させていくと最初はアルバイトだった店員が、派遣社員へレベルアップしたりもする。こういった格付けの高い店員ほど、店舗運営においては有利になっていくので、製造した商品はただ売るだけでなく店員に与えることも重要になってくる。

『みらくる☆店長』 『みらくる☆店長』
▲オーナー自ら店頭に立つことはないので、店舗を動かしていくためには人が必要。人数が多ければ多いほど作業効率は上がるので、どんどん雇うべし。維持できなければリストラですよ、ああ無情。

 一方、商品を店員に与えるのではなく、販売したいとなった場合は、陳列棚に商品を並べればよい。その一方で、他のプレイヤーが陳列している商品を購入したい場合もあるだろう。

 陳列した商品は、自動的に市場(しじょう)に出されたことになる。そう、資本主義の理論である。プレイヤーが他のプレイヤーから何かを買いたい場合、市場タブを開き、そこから必要なものを検索すればよい。わざわざワールドマップに移動し、それぞれの商店をクリックしてまわって「一番安く売ってるのはどのお店だろう」などと作業に苦労する必要はない。

『みらくる☆店長』 『みらくる☆店長』
▲店員に資源の採集を命じているところ。素晴らしい自給自足。「メインディッシュの魚料理、遅いなあ」「釣ってるんじゃね?」的な冗談はあまり冗談ではなく。▲売上金を使って店員に様々なサービスを受けさせることもできる。これによってステータスUPが見込める一方、運が悪いと費用対効果は絶望的なレベルに。

■設備投資と技術開発で地力を上げろ!

 もちろん、ショップへの設備投資も大切だ。ショップには先述の通りいくつかの種類がある。そしてどうやらこのショップの種類によって、製造できる商品が違ってくるようだ。ショップには、大きく分けて“設備”と“技術”の機能があり、設備は文字どおり、商品を製造する設備だったり、商品を販売する陳列棚だったりする。これ以外にも倉庫があり、資源や商品は倉庫に保管されていく。

 生産設備はお金を投資することでよりレベルが上がり、商品もワンランク上の物が製造できるようになる。ただし、高いレベルの商品を製造するには、より多くの資源が必要になるだけでなく、高レベルの店員もまた必要になるのだ。クエストで設備のレベルアップが出てくるので、ついうっかり超ハイレベルの生産設備を作ってしまいがちだが、店員レベルが低いゲーム序盤においては、完全に無用の長物となるので要注意だ。倉庫にもレベル的なものがあり、これまたお金を払うことで拡張が可能。こちらはデメリットは特にないので、長期間の資源採集を行う人は前もって拡張しておくといいだろう。

 なお、設備も倉庫も、店舗の敷地を一定面積占有する。ひとつの店舗の面積には限界があるので、ある程度計画的な店舗拡張はかかせない。

『みらくる☆店長』 『みらくる☆店長』
▲高レベルの生産設備を整えて、辛抱に辛抱をかさね莫大な資源を蓄積、さあいくぜ生産!と思ったらこの仕打ち。▲課金アイテムにもさまざまな種類がある。ブラウザゲームにおけるスタートダッシュはかなり重要なので、自分の懐具合と相談して買うのもアリだ。

 もうひとつの技術は、資源の採集速度を高める効果がある。これはショップに付属する効果というよりは、プレイヤーに付属する効果で、いちど研究が終わると自分が経営する全ショップに対して効果がある。技術の利用にあたっては、店員のレベルなどは関係ないので、余裕があるなら必要そうな技術を上昇させてしまおう。複数の店舗を展開するなど技術でできることは多岐にわたっているので、何ができるのかは事前にしっかり確認しておくといいだろう。中にはクエストと連動した技術も一部あり、技術アップに使ったお金以上の臨時収入をクエスト報酬として得られることもあるのだ。

■攻撃的なショップ経営を目指して!?

『みらくる☆店長』
▲他店に仕掛けられる工作の種類はかなり豊富。合併とか、奪うとか、ちょっとドキドキしませんか? しますよねえ。

 さて、これだけだと黙々と素材を採集し、ひたすら店員のレベルを上げ、ショップを拡張し、自分では生産できない商品を市場から買い付け、市場に自分の作った商品を流して以下繰り返しという“よくあるショップ育成ゲーム”で終わってしまうが、本作はここからが大きく違う。

 『みらくる☆店長』では他店に対する“攻撃”が、かなり大々的かつバラエティ豊かに行えるのである。最近のソーシャルゲームのように、他のプレイヤーの畑に虫を入れたり店にゴミを撒いたりと一見悪さをしているようで、実は妨害されたプレイヤーにメリットがあり、「じゃあお互いに協力しましょうね、ウフフ」的な生ぬるいものではない(いや、あれはあれで良いものだが)。

 まず、他店の陳列棚に並んでいる商品を盗めてしまう。筆者が試してみたところ、3人で盗みに行ってポップコーン1つ盗んできたというしょぼい成果だったが、(注:現実での万引きは重大な犯罪です!)このポップコーン1つを作るためには100の資源(ゲーム序盤だと3時間くらいかかることも)が必要で、かつ5分前後の製造時間がかかる。他店への往復時間は30分くらいだから、たかがポップコーン1つとはいえ、狙われたプレイヤーには差し引き2時間半くらいの損失を与えられる。実際プレイしてみると分かるが、これは結構痛い……。

 ポップコーン1つ盗んだところで、お金にしたら誤差のような金額なのは事実だが、そのポップコーンを店員に与えれば能力値1点相当に成り得る。将来的にはもっと凄い効果を持った商品を盗める可能性も出てくるし、盗むことに特化すればもっとたくさん盗めるかもしれないわけで、「自分で生産するなんて馬鹿らしいぜ!」といったプレイスタイルすらあり得るのだ。また、他店の店員を引き抜くことも可能。本タイトルはは最初に述べたように店員あってこその店舗なので、店員の引き抜きは相手に洒落にならないダメージを与える。上記のポップコーン盗難事件で言うならば、そうやって盗みを繰り返された側は、自分の店から盗まれたポップコーンで強化された店員を、今度は引きぬいてしまえばいいのである。あぁ、なんというハニートラップ。

『みらくる☆店長』
▲店員全員で他店に窃盗を仕掛けるノーガード戦法の極み。そうして帰るときにはポップコーン1つをゲット。ちょっと、いやだいぶショボイ。

 これらの攻撃に対して、盗みに来る相手にはパトロールや警備の強化で対抗、引き抜きには配下店員の忠誠心維持(簡単に言えばたくさん給料を払う)ことで対抗が可能だ。地道な採集と生産、そして販売のサイクルで店舗を繁栄させることも可能なゲームだとは思うが、その一方で事実上のギャング集団と化して世紀末戦争をすることもできる――それが可愛いイラストからは想像もつかない、『みらくる☆店長』の隠された魅力である。

■素材としてはかなりおもしろい経営ゲームだが……

 さて、最後にいくつか苦言を。まず、クローズドβであって完成版ではないという部分を差し引いても、これはちょっとと思う翻訳が随所に見られた。なにより訳語の統一がなされていないのは、極めて重大な問題だと指摘せざるを得ない。

 また、クエストが充実しているのはいいのだが、単純にクエストを消化して行けば序盤における最低限のプレイは維持できるのか、というとそういうわけでもない。むしろクエストを進めすぎることで、プレイに支障が起きるのは厳しい。例えば、初心者クエストで「○○を1つ生産せよ」と言われたならば、その商品を生産完了したらクエストクリアだと考えるのが普通だ。だが実際には、生産している状況に入ったらクエストクリアであって、生産してしまって店員が待機状態になるとクエストクリアができなくなる。ちょっと考えれば原因に思い当たるかもしれないが、さすがにこれは首をかしげざるを得ない。Cβテスターの中には案の定、ここでつまずいてプレイを諦めてしまった人もいたようだ。

『みらくる☆店長』 『みらくる☆店長』
▲初心者クエストからゲームはスタート。ところがここにはいくつかの罠が。いやまあ、わかっちゃえばたいしたことないんですがね。▲クエストはかなり豊富。最終的に資金がプラスになるクエストもそれなりにあるので、初動資金を稼ぐのには便利だろう。

 もっとも、細かなバグや不具合らしきものについては、クローズドβが行われている最中にも次々に改善されていった。サーバの公開時にも、定番の「不具合によりオープン時間を延長します」(こんなことは、ネットゲームのクローズドβでは日常茶飯事だ)が発生したが、1時間ちょっとで問題は克服されている。修正の速度には、十分期待できると言えるだろう。

 地道に経営に励むもよし、偸盗の群れとなるもよし、冷徹な経営者を気取るもよし。本作におけるプレイの可能性はとても広く、このあたりさすがは大人気ゲームを思わせる充実ぶりだ。また、開発元である中国の改革開放っぷりを実体験する場としても、独特の興味をそそる作品と言える。それだけに、正式サービス時にはもっとプレイしやすいゲームに変身していることを期待したい。

『みらくる☆店長』 『みらくる☆店長』
▲CBT終了時の我が店舗の状況だ。こちらは販売用の店で商品を並べ、倉庫もめいっぱい拡張してあり、生産拠点でもある。もしかすると、売る店と作る店は分けるべきかも。▲最終的に店舗を3軒に拡張できた。うち2軒は何も売らず、ひたすら店員が採取の日々。接客業に憧れてバイトに来てみたら、延々と草刈りでござる。
『みらくる☆店長』 『みらくる☆店長』
▲店員を一極集中で育成したところ、アルバイトから派遣店員にランクアップ。やろうと思えばもう1ランクげられたような気もする。▲家庭用ゲーム機ではおなじみの、実績もある。実績解除も一部クエストの達成条件になっていた。
【徳岡正肇(アトリエサード)/ライター】
 海外のPCゲームばかりプレイしているゲームレビュワー。主食はマニアックなストラテジーゲームで、主にスウェーデン製のゲームがお気に入り。ゲーム歴も知識も深い大先輩的存在ゆえ、仕事の話をする時はいつも担当編集者のほうが恐縮してしまう。

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