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2010年5月14日(金)

人類最後の少年が望む未来は……? 遠未来SF恋愛AVG『R.U.R.U.R』プレイレポ

文:電撃オンライン

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■少年との出会いが、ロボットたちに感情を与える――

 ここでは主要キャラクターを紹介しますよ。彼女たちは全員“チャペック”と呼ばれる人型のロボット。それぞれサンテグジュペリ号が航行する上で重大な任務を担い、一部のキャラクターは主人公を育てるための役割も持っています。イチヒコとのふれあいによってさまざまな感情を芽生えさせる、彼女たちのココロに注目です。

『R.U.R.U.R ル・ル・ル・ル -petit prince-』

●R-ヒナギク

 イチヒコの幼なじみの役割を与えられている、気の強いチャペック。他のチャペックと比べて表情が豊かで、少しおっちょこちょいな一面も。ポップコーンが大好物なのですが、この世界ではポップコーンを食べるのは“あること”を意味していて……。

『R.U.R.U.R ル・ル・ル・ル -petit prince-』

●R-ミズバショウ

 チャペック社会の管理とイチヒコのお母さん役を受け持つ、温和なチャペック。イチヒコに要らないことを教えると彼女からの厳しいお仕置きがあるようですが、むしろ受けたいと思ってしまうのはワタシだけでしょうか?

『R.U.R.U.R ル・ル・ル・ル -petit prince-』

●R-シロツメグサD

 クールで無口な性格をしているチャペックで、イチヒコのお父さん役。宇宙船内の天候や環境を管理する仕事をしています。仕事を終えた後はなぜか体が縮んでいて、かわいらしさがよりいっそう増します。

『R.U.R.U.R ル・ル・ル・ル -petit prince-』

●R-コバトムギ

 イチヒコたちが通う学校の先生です。他の人間と接したことがあり、経験の豊富さから教え子以外からも相談をされているご様子。授業で教えていることが“なぞなぞ”だったりするので、プレイヤーからすると貫禄ゼロですが。

『R.U.R.U.R ル・ル・ル・ル -petit prince-』

●R-ベニバナ

 メンテナンス不足でボロボロな、ヒナギクの同型機。これといった役割を与えられず、主人公たちが暮らす街にも住んでいません。最初は獣のようなうなり声しか発しないので好感が持てませんでしたが、言葉を取り戻してからがかわいすぎます。

『R.U.R.U.R ル・ル・ル・ル -petit prince-』

●R-タンポポ

 他のチャペックと違い、大量の同型機が存在しています。農場で働き続けている者や、さまざまな街を放浪している者など、役割は個体によってバラバラ。そのわりに、なぜかすべての個体が思慮深い性格をしています。

『R.U.R.U.R ル・ル・ル・ル -petit prince-』

●R-ダリア

 性格は似ても似つかないのですが、ヒナギクやベニバナと同系統のチャペック。ノギク級という戦闘に長けた軍用機で、特殊兵装を装備して戦う姿が印象的ですね。でも、本人は臆病な性格で、戦闘は乗り気じゃないようです。

『R.U.R.U.R ル・ル・ル・ル -petit prince-』

●R-キンポウゲ

 キンポウゲ級と呼ばれる防御に特化した軍用機で、ダリアとコンビを組んでいます。どんな時でも場の空気に流されずに飄々(ひょうひょう)としているタイプ。重要なシーンで軽口を叩くキンポウゲに、かなり癒されました。

『R.U.R.U.R ル・ル・ル・ル -petit prince-』

●R-コスモス

 もっとも古いタイプで汎用性に優れたチャペック。特別な地位についていて、その存在を知る者は少ないようです。風格のあるビジュアルとりりしいボイスが相まって、すべての言動がやたらとカッコイイです!

 攻略可能なヒロインはR-ヒナギクからR-タンポポまでの6人で、残念ながら新キャラのダリア・キンポウゲ・コスモスには個別ルートはありません。……が、しかしっ! 彼女たちはグランドエンディングルートで大活躍しますのでお楽しみにっ!!

■使いやすさを重視したシンプルなシステム

 システム面は、本当に必要なものだけを残したシンプルな仕様。特殊なものといえば、イチヒコの音声の音量調節でしょうか。本作ではヒロインと同じく主人公もフルボイスなので、一応音量調整ができるようになっています。個人的には、主人公のボイスも本作の魅力の1つだと思っていますので、音量をゼロにするのはあまりオススメしませんけどね。

 コンフィグは1つの画面ですべて表示され、各種機能も非常にわかりやすくて軽いです。また、データインストールをすることでさらに快適になりますよ~。ちょっと残念なのは、ムービー鑑賞モードがないことでしょうか。オープニングムービーがメチャクチャかっこいいので、何度もじっくり見たい人も多いと思うのに……。ワタシは、セーブ&ロードを繰り返して何十回と見たので構いませんが(笑)。ちなみに、OPムービーはある程度物語が進んでから挿入されます(具体的には、物語の舞台が宇宙船だとわかるシーン)ので、何度も見たい方はセーブのし忘れに注意してくださいね!

『R.U.R.U.R ル・ル・ル・ル -petit prince-』 『R.U.R.U.R ル・ル・ル・ル -petit prince-』
▲CG鑑賞モードと音楽鑑賞モードは搭載されているのでご安心を。ちなみにCGは差分抜きで67枚ありました。▲OPムービーの雰囲気と五條真由美さんの歌声が最高にマッチしていて、何度見ても背中がゾクゾクします。

■わかりやすくて奥深い“大人向けのおとぎ話”

 “大人向け”と“おとぎ話”、普通に考えれば相反するこの2つを見事に融合させたのが本作だと、ワタシは感じました。文章はひと目でわかるおとぎ話テイストで、セリフと主人公の心象描写以外は、おとぎ話や絵本の語り口調という構成になっています。もちろん“むかし、むかし、あるところに……”から始まり、“めでたしめでたし”で終えるといったセオリーにも忠実です。そういった演出の中で、純真なキャラクターたちがまっすぐな人生を歩んでいく――まさにおとぎ話のようなシナリオじゃないですか。そして、それがなぜ大人向けになるかというと、遠未来を舞台としたSF設定によるものでしょう。未来の出来事を昔話として捉える不思議な視点や、現代の常識とはかけ離れた価値観。そういった練りこまれた設定によって、童話のように単純明快かつ、小説のように読み応えのある一作に仕上がっています。

 かなりアクが強い作風のため、取っ付きにくいと思う人もいるかもしれません。ですが、いざプレイしてみると、少しずつ世界観がわかっていく仕組みになっていて、意外となじみやすかったです。少しでも興味が出た人は、ぜひ本作の独特な雰囲気に触れてみてください。きっとその魅力に引き込まれると思いますので。(ミント)

(C)2007-2010 light illustration:泉まひる

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