2010年6月18日(金)
今回のE3 2010では期待のMMORPG『ファイナルファンタジーXIV(以下、FFXIV)』について、ベータ(β)バージョンとほぼ同等のものが世界初の出展となった。そこで現地では実際のプレイとともに、プロデューサーの田中弘道氏にインタビュー。βバージョンの詳細、および今後の『FFXIV』の展開について聞いてみた。
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| ▲『FFXI』に引き続き『FFXIV』でもプロデューサーを務める田中弘道氏。 |
――まず、今回のE3出展バージョンはβバージョンという認識でよろしいのでしょうか?
田中弘道氏(以下、敬称略):厳密にいえば「βテスト版に近いバージョン」といえますね。
――αバージョンとβバージョンの最大の違いをお聞かせください。
田中:大きなところではバトルシステムを丸ごと入れ替えたのと、グラフィックの表現方法ですね。後者で一番大きいのは影の入れ方。そしてキャラメイクがほぼ製品版の仕様で実装されたことです。
――民族・部族に関してもほぼこの形で実装されることになるのでしょうか?
田中:βテスト版では、製品版に入る最初の民族は全部網羅しているはずです。
――ハイランダー(ヒューランの一部族)が男性しかいないというのは、設定的な理由からですか?
田中:そうです。最初はハイランダーの女性もPCとして選択できるという案もあったんですけど、いろいろな理由で消えました。ミコッテの男性もNPCとしては出てくるかもしれませんけれど、PCとしては泣く泣く割愛しました。
――将来的には新たな民族として追加されたりする可能性も?
田中:約束はできないですけど、できたらいいですね。
――ちなみにNPCが多数登場する新しいトレーラーですが、そこに出ていた白い召喚獣のような生物はなんですか?
田中:エレメンタルですね。召喚獣ではないです。今回、そのエレメンタルにも関係する要素として、“属性”がさまざまな部分で重要な意味をもっています。『FFXI』とは違って月齢や天候などの影響がないかわりに、6つの属性がいろいろな部分に影響してくる形ですね。
――次に、大きく変わったバトルシステムについてお聞かせください。
田中:一番大きいのはテンポの部分です。前はアクションゲージをためて、そこからさらにエフェクトゲージをためることで攻撃の威力や命中が増す、といった設定だったんです。しかし「ためる」という行為がプレイヤーを待たせる形になるので、まずエフェクトゲージをなくしました。そのうえで自然にたまっていくアクションゲージをある程度長めにとっておいて、それを消費することですべてのアクションが実行できるようにしています。ですから、たまっていればまとめて3~4つのアクションを連続して出せますし、それを入力している間にもどんどんゲージがたまっていきます。結果的に、かなり戦闘のテンポがアップしていると思います。
――ゲージのたまる要素がTPと、新しくなったアクションゲージの2つある、と。
田中:アクションゲージとTPと、技によってはMPの消費もあります。3つの消費要素が絡んでいく感じですね。
――となると、コマンド入力の間隔なども、選んだアクションによって変わるようなイメージですか?
田中:そうですね。とくにTPを消費する技ですと、再使用まで時間設定がありますので、ゲージがたまっていても出せないということもあります。
――UI(ユーザーインターフェース)関係も要望が多かったと思うのですけど、そういったところも結構変わっていますか?
田中:メインメニューも大幅に変更になった他、チャットフィルターを実装したり、ログのシステムも変わっています。また、ウィンドウの複数展開もできるようにする方向で検討中です。
――チャットとは別の形のコミュニケーション関連のシステムも実装されますか?
田中:マクロパレットを導入する予定です。そのマクロで技とメッセージを組み合わせてもらえれば、コミュニケーションもとりやすくなると思います。それ以外にも、パーティを組んでいる際、リーダーがどの敵を攻撃しているのかを仲間内で共有できるシステムを作っています。
――それは、モンスターの名前が光ったり、頭の上に番号をついたりといった、視覚的なものなのでしょうか?
田中:実装方法は見てのお楽しみで(笑)。今、いろいろなパターンを試していますので、それに応じて、みんなが勝手にバラバラの敵を殴らないで済むようなコミュニケーション方法を開発で検討中です。
――バトルシステムに関しては、βバージョン以降も拡充していく要素がありますか?
田中:αバージョンにも一応入っていますが、“バトルレジメン”という連携のシステムがあります。それを使ったパーティプレイや、上記のコミュニケーションシステムを駆使して戦わないといけないようなシチュエーションをさらに用意していく予定ですね。
――ちなみに集団対集団の戦闘は『FFXIV』ではひんぱんに起こりえる感じですか?
田中:今フリーで設定されているモンスターはどちらかというと単体のものが多いですけど、たとえば、オスが1頭に対してハーレム状態のメスがいる、といったモンスターの群れも本来は設定される予定でした。とくにギルドリーヴで戦うモンスターは、パーティを組んでいるケースが大半になるかもしれません。
――他にβテスト版で初めて実装される予定のシステムはありますか?
田中:“武器やアイテムの消耗”が実装されます。これによって武器がなくなることはないのですが、使い物にならなくなるくらい性能が落ちるので、それを修理するという行為が必要です。そのためにも、ギャザラー・クラフターのクラスの数を増やしました。次に大きいものとして、“リテイナー”と呼ばれる従者のようなものを雇えるようになる予定です。リテイナーは、NPCから雇うことができます。具体的にどう使うのかといえば、たとえば『FFXI』ですと、自分がログアウトしたらバザーができませんよね。『FFXIV』ではそんなとき、自分の代わりにリテイナーにアイテムを持たせて、売り子としてマーケットに立たせておけば、物を売ってくれたりします。他には、いつ間に合うかが未定ですが、リンクシェルが入ってくると、だいぶコミュニティの動き方が変わってくるだろうと思います。
――リンクシェルは、『FFXI』のリンクシェルと同様の形に?
田中:そうですね。また、今回はそれよりさらに大きいコミュニティの集まりがあり、これがさまざまな要素にかかわってきます。
――国の勢力争いのような感じですか?
田中:国というよりは、リンクシェルの上位機関としての会社のようなシステムです。
――それは、システム側というよりも、プレイヤー同士で作る集団というイメージですか?
田中:ええ。いわば一般的なギルド、クランといった色が強い感じです。
――βテストからエリアは拡大するのでしょうか?
田中:さらにエリアを増やすとなると、βバージョンのダウンロード容量がどのくらいになるのか未定なため、検討はしますが難しいかもしれません。
――となると拠点となるのは、αテストと同じく、リムサ・ロミンサになるのでしょうか?
田中:必要に応じて、他のエリアのテストをしないといけないかもしれませんが、今のところβでもリムサ・ロミンサ周辺のみでテストを行う予定です。
――製品版の容量はどのくらいにサイズになるのでしょうか?
田中:まだ確定はしておらず、現在調整中ですね。
――最終的なWindows版の推奨スペックは、どのくらいになるのでしょうか?
田中:βテストがスタートする時点で、ひとまずβ版の推奨スペックを発表いたします。今はCPUよりも、圧倒的にグラフィックボードにボトルネックがあるので、そこを最適化したいところです。
――ちなみに今回、Windowsの3D映像版も展示されていたので驚きました。
田中:今回、NVIDIAさんが3Dサラウンドという3面の技術にかなり力を入れてらっしゃって、そのご協力をいただきました。
――製品版でも、3Dサラウンドに対応すると考えていいわけですか?
田中:そこはまだ決まっていません。今回はあくまでも参考出展という形ですね。
――PS3版のβテストはどうなりますか?
田中:現在鋭意開発中です。PS3版やβ版の開発の山場と重なったため、今回残念ながらディレクターの河本はE3に来られませんでした。今も日本で、開発一同全力で開発中です。
――PS3が3D映像に対応しましたけど、『FFXIV』でも3Dに対応したりは……?
田中:それも別途検討はしてみますが……かなり難しいと思いますね。
――そして気になるβテストの開始時期ですが……?
田中:遅くとも7月には開始したいですね。PS3版についても別途お知らせさせていただきます。
――βテストの途中でクロスリージョン(言語混合のワールド)にしていくとのことでしたが、それはいつごろから?
田中:αテストも時間で区切っているだけで、実質世界共通サーバでしたので、安定していればβテストの頭からでも24時間運用に近い形で実施したいですね。
――全体的な参加人数自体もαテストから増やす予定ですか?
田中:すでにαテストでは10ワールドになり、テスターの数も数万人まで増やしました。βテストではまず、その皆さんに移行していただく形になります。その後様子を見て、うまくいくようであれば、すぐに人数を増やしていく予定です。とにかくαテストでは、テスターの皆さんからのいろいろな声を聞けて、βバージョンで改良できました。ぜひそれをβテストで皆さんに体験していただいて、さらにそこからも改良していければと思います。もちろん製品版のあともずっと改良を続けていきますので、どんどんご意見をお寄せください。
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| ▲会場では実機でのキャラメイキングとバトルを体験。キャラメイクについては αテストでは選べなかったミコッテを含む全民族&全部族を選ぶことができた。その後はサイズや声、肌の色の他、髪や顔についてはヘアスタイルや色、髪のメッシュ、顔立ち、まゆげ、目、鼻、口など、膨大な項目の設定が可能に! さらに傷やホクロなども選択可。 |
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| ▲バトルはあらかじめたまったアクションゲージを一定量消費して発動する形になり、テンポが格段にアップ。攻撃間隔の短い武器の場合、いわゆる通常攻撃にあたるアクションなら、連続して攻撃することができる。 |
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| ▲参考出展された3Dサラウンド版。製品版での対応は未定とのことだが、専用のメガネを着用することで、エオルゼアを立体映像で楽しむことができた。 |
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