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2010年12月18日(土)

『MTG』世界選手権 2010決勝戦レポ&ちょっと変わった会場での遊び方を紹介

文:電撃オンライン

 千葉・幕張メッセで開催されたイベント“マジック:ザ・ギャザリング(以下、MTG) 世界選手権 2010”の最終日となる12月12日。会場では今年最高の魔法使いを決める戦いが繰り広げられた。

 その決勝戦の模様を“マナの泉”担当ライター・ゆばがお届けする。なお、最後のページには、初心者でも会場内で手軽に『MTG』を楽しめるオマケコラムを掲載しているので、こちらもご覧いただきたい。

 決勝戦でぶつかることになったのは、2人のフランス人選手。ベスト8に5人を輩出した“青黒コントロール”デッキを使用するGuillaume Wafo-Tapa選手とGuillaume Matignon選手だ。10名ほどの、決して多くない勢力で世界選手権に乗り込んできたフランス勢が優勝、準優勝を独占するという形になったのだ。

 もちろん、ともにデッキを調整、強化してきたのであろう2人だけあってお互いのデッキ内容は熟知しているはず。ワールドチャンピオンという最高の栄誉を手にしたのはどちらのGuillaume選手か? 決勝戦が始まった。

“マジック:ザ・ギャザリング 世界選手権 2010” “マジック:ザ・ギャザリング 世界選手権 2010”
▲Guillaume Matignon選手(左)とGuillaume Wafo-Tapa選手(右)。

<第1ゲーム>

 まず口火を切ったのはWafo-Tapa選手の《コジレックの審問》。マナ・コストが3以下の1枚を捨てさせられるこのカードで、打ち消し呪文や《定業》などを捨てさせたかったWafo-Tapa選手だが、公開されたMatignon選手の手札は《精神を刻む者、ジェイス》と土地という内容で、捨てさせられるカードはなかった。

 Matignon選手も返しに《強迫》をドローし、唱える。公開されたWafo-Tapa選手の手札には《定業》2枚があり、そのうち1枚を捨てさせることに。手札破壊呪文を撃ちあった後はお互いに土地を並べて、決め手となるカードが来るのを待つ展開となる。

 Wafo-Tapa選手は《海門の神官》を唱え、1ダメージずつであるものMatignon選手のライフを削ろうとする。しかしMatignon選手も《海門の神官》を唱える。Wafo-Tapa選手は《漸増爆弾》を戦場に設置。にらみ合いが始まった。

 その状況を打開したのがMatignon選手の《コジレックの審問》。これをWafo-Tapa選手は《マナ漏出》。打消しを使わせたMatignon選手は続けて《精神を刻む者、ジェイス》を戦場に送り出す。これを打ち消すことはできなかったWafo-Tapa選手だが、返すターンにきっちりと《精神を刻む者、ジェイス》。プレインズウォーカーの唯一性ルールにより双方の《精神を刻む者、ジェイス》が墓地に置かれる。

 しかし《マナ漏出》に続く打消し呪文を引き込むことができなかったWafo-Tapa選手は、Matignon選手がその後ドローした《墓所のタイタン》を打ち消せず、脅威のパワーを持つクリーチャーが2体のトークンを引き連れて戦場に現われる。

 苦境に立たされたWafo-Tapa選手だが、《弱者の消耗》で《海門の神官》とマナ・コスト0として扱うトークンを一掃。自分も《墓所のタイタン》さえ引けば戦局を立て直せる状況に。しかし、Matignon選手はさらに《墓所のタイタン》を唱え、Wafo-Tapa選手にその時間を与えず第1ゲームをものにした。

<第2ゲーム>

 先手を選んだWafo-Tapa選手だが、手札に手札破壊呪文はなく、逆にMatignon選手が《コジレックの審問》で先制攻撃をしかけ、Wafo-Tapa選手の《ジェイス・ベレレン》を捨てさせる。その後しばらく、第1ゲームと同様に土地を置いたり《定業》を唱えたりと、どちらのプレイヤーも来るベき瞬間に備え、体制を整えていく。

 先に動いたのはMatignon選手。《コジレックの審問》を唱えるが、Wafo-Tapa選手も《取り消し》で打ち消し、続く《強迫》も《マナ漏出》する。自分のターンにマナを使い切りたくないMatignon選手はこれ以上のアクションを起さずにターンを終了。

 返すターンでWafo-Tapa選手も手札破壊呪文を連打。まず《強迫》でMatignon選手の《取り消し》を奪うと《記憶殺し》でMatignon選手の《精神を刻む者、ジェイス》をすべて追放。勝利手段を《墓所のタイタン》、《忍び寄るタール坑》のみに縛り上げる。

 しかし、その残された勝ち手段である《墓所のタイタン》をMatignon選手がトップデッキ。叩きつけるようにしてこれを戦場へと呼び出し、一気に勝負をつける構えを見せる。

Wafo-Tapa選手も手札に《墓所のタイタン》があるものの、土地が5枚しかなくこれを唱えることができない。

 続くターンでMatignon選手は《地盤の際》を用いてWafo-Tapa選手の土地を破壊。《墓所のタイタン》を唱えられないようにし、そのまま第2ゲームを勝利。ワールドチャンピオンに王手をかけた。

“マジック:ザ・ギャザリング 世界選手権 2010”
▲トークンと同時に攻撃すればわずか2ターンでゲームを終了させる力を持つ強力な神話レアクリーチャー《墓所のタイタン》。圧倒的なパワーを持ちながらも、これまでは《流刑への道》や《大渦の脈動》といった除去呪文の存在もあり、目立った活躍を見せなかったが『ミラディンの傷跡』の加入後、一気に注目されるクリーチャーとなった。

→追いつめられたWafo-Tapa選手に逆転の目は……?(2ページ目へ)

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■マジック:ザ・ギャザリング 世界選手権 2010
【開催日時】2010年12月9日~12日(※すでに終了)
【開催会場】千葉・幕張メッセ

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