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2010年12月18日(土)

『MTG』世界選手権 2010決勝戦レポ&ちょっと変わった会場での遊び方を紹介

文:電撃オンライン

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 世界選手権やグランプリなどのイベントには、国内外から多くのカードショップがブースを出展する。

 今回の世界選手権でも、会場の一角にバイヤーブースが設けられ、最新エキスパンションの人気カードや、今では絶版になってしまった古いカードを手に入れるために、連日多くの人でにぎわいを見せていた。

 そんな中、筆者・ゆばと電撃オンラインスタッフのてけおんは、サイドイベントの待ち時間にふらっとバイヤーブースをおとずれていた。

 てけおん:いろんなブースターが売られてるねぇ。

 ゆば:そうすね。

 てけおん:『エルドラージ覚醒』とか、最近のハズなのになんかなつかしいなー。おっ『神河謀反』もあるじゃん。

 ゆば:買えばいいじゃない。ホラ、あなたサイドイベントのシールド戦で「さんざんな成績で悔しい! クキィー!!」って言ってたんだから、これで練習したらどうですか?

 てけおん:じゃあお前も買えよ。勝負な!

 ゆば:えっ。

 というわけで急きょシールド戦勝負を行うことに。2人が買ったブースターパックはコチラ。

“マジック:ザ・ギャザリング 世界選手権 2010” “マジック:ザ・ギャザリング 世界選手権 2010”
▲ゆばが買ったのがこの9パック。『ローウィン』で登場した、すべてのクリーチャータイプを持つという能力“多相”と『ワールドウェイク』に収録されているクリーチャータイプ“同盟者”のシナジーを狙ってみました。▲てけおんはなつかしさ優先でチョイスした9パック。『コンフラックス』の多色サポート能力があれば適当に組んでも大丈夫じゃない? というアバウトさ。ちなみに『神河謀反』は1パックしかなかったので投入を断念。

 というわけで会場のテーブルについてデッキ構築開始。『M11』を開封したらなんと《審判の日》と《墓所のタイタン》がコンニチハ。さらに《リリアナ・ヴェス》も出てきて黒白は確定路線に。そのまま強そうなカードを積んでいったらデッキになったという割とイージーな構築。

■ ゆばのデッキリスト ■
17 土地
8 《沼》
7 《平地》
1 《広漠なる変幻地》
1 《鮮烈な湿地》

8 その他の呪文
1 《燻し》
1 《目腐りの終焉》
1 《最後のお祭り騒ぎ》
1 《リリアナ・ヴェス》
1 《堕落》
1 《平和な心》
1 《審判の日》
1 《巨岩の門》
15 クリーチャー
1 《臓物の予見者》
1 《ボジューカの盗賊》
1 《リリアナの死霊》
1 《血鞘の儀式者》
1 《墓所のタイタン》
1 《テューンの戦僧》
1 《巣立つグリフィン》
1 《湿地を縫う者》
1 《鳥の変わり身》
1 《丘漁りの巨人》
1 《チドリの騎士》
1 《鋼の監視者》
1 《ガーゴイルの歩哨》
1 《巨大戦車》
1 《面晶体の流浪者》

 黒白で組んであるものの、2枚の多色化を助ける土地に加えて、ライブラリーから土地を手札に加えられる《放浪者の小枝》があったため、3色目のタッチも可能。その場合は《自然の要求》、《帰化》といったアーティファクト破壊と追加の同盟者である《灰色革の狩人》、“多相”クリーチャーの《変わり身の巨人》などを擁する緑が有力候補だっただろう。

 対するてけおんは、青白黒の3色で構築。『コンフラックス』から《威圧の王笏》、《遁走の王笏》、『M11』から《精神の制御》、《糾弾》とコントロールデッキ向けのカードを多く得た。色の合致するフィニッシャーとして《厳然たるスフィンクス》、《聖句札の死者》があり、長期戦をにらんだ構成のデッキを構築。色マナを多く要求されるが《天球儀》、《衝撃的な幻視》、《ヴィスの吸収》などの基本土地を手札に加えられるカードがそれをサポートしている。

■ てけおんのデッキリスト ■
17 土地
5 《島》
5 《平地》
6 《沼》
1 《惑いの迷路》

11 その他の呪文
1 《マナ漏出》
1 《困惑の石》
1 《精神の制御》
1 《衝撃的な幻視》
1 《糾弾》
1 《威圧の王笏》
1 《破滅の刃》
1 《遁走の王笏》
1 《ヴィスの吸収》
1 《天球儀》
1 《戦争売りの戦車》
12 クリーチャー
1 《ハリマーの波見張り》
1 《ハーダの巡回スパイ》
1 《海門の神官》
1 《雲の精霊》
1 《エスパーゾア》
1 《フェアリーの機械論者》
1 《前兆の壁》
1 《イキーラルの先導》
1 《マキンディのグリフィン》
1 《雲の十字軍》
1 《聖句札の死者》
1 《厳然たるスフィンクス》

 デッキを組んだらさっそく対戦! 1試合目は、まず筆者が《巣立つグリフィン》、《鳥の変わり身》で序盤から攻めたてる。ブロッカーとして出てきた《マキンディのグリフィン》にも《平和な心》をエンチャント。《リリアナ・ヴェス》で手札を捨てさせながらクリーチャーを並べ、最終的に《最後のお祭り騒ぎ》でパワーを上昇させライフを一気に削りきって勝利。

 2試合目。先手を取ったてけおんが《遁走の王笏》。筆者は《鋼の監視者》に《ガーゴイルの歩哨》と並べ、強化を開始。てけおんは《ハリマーの波見張り》、《前兆の壁》で守りを固めながら《遁走の王笏》でじわじわとこちらの手札を攻め始める。こちらも《血鞘の儀式者》をキッカーでプレイし手札の不利を解消する。しかし、その返しに《精神の制御》で育ちきった《ガーゴイルの歩哨》を奪われてしまう。さらに《聖句札の死者》まで登場し、押し切られて敗北。

 1-1で迎えた最終第3試合。《困惑の石》でこちらのクリーチャーのパワーが下がり、なかなかまとまったダメージを与えられない。そのうち《厳然たるスフィンクス》が降臨して一気にライフが10に。とりあえず《審判の日》を唱えて戦場の状況をイーブンに戻す。そして次のドローがなんと《墓所のタイタン》! これで勝ったかと思いきやてけおんは《威圧の王笏》を唱えてこれに対抗。1/2と頼りないサイズのゾンビ・トークンが地味にライフを削るなか、てけおんも《エスパーゾア》で10点に減少したこちらのライフを削りにくる。ギリギリの削りあいに決着をつけたのはこちらがトップデッキした《堕落》だった。

 というわけで何とかゆばが2-1で勝利!! 思いつきでやってみた複数ブロックによるシールドだったが、これが予想を大きく上回るおもしろさだった。

 クセのないカードが多い『M11』などの基本セットと他2種類、自分の好きなブースターを使うとバランスの取れたデッキが組めるのではないかと思われる。スタンダードで使えなくなってしまったセットのブースターはカードショップなどでもお手ごろな値段で手に入りやすいので、機会があればぜひとも遊んでみては?

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■マジック:ザ・ギャザリング 世界選手権 2010
【開催日時】2010年12月9日~12日(※すでに終了)
【開催会場】千葉・幕張メッセ

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