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2011年3月29日(火)

【まり探】オーダーはすべてにおいてパワーアップ! 『逆転検事2』インタビュー

文:電撃オンライン

●より挑戦的に、より能動的になった新システム“ロジックチェス”

――『1』の時は入れられなかったけれど『2』では取り入れた要素はありますか?

江城:カガク捜査です。

山﨑:あとは“ぬすみちゃん”が進化したことですね。『2』では時系列を動かせるようになりました。本当なら『1』の時にやりたかったんですが、入れられなかったので今回入れました。

江城:まあ、いきなり“ぬすみちゃん”っていうシステムを出して、時系列を操作できますって言われても難しすぎますからね……。ですから、まずは『1』で事件現場を再現できるガジェットを作り、『2』ではさらにそれがバージョンアップした形に持っていけたので、結果的にはよかったと思います。

山﨑:“御剣自身の物語”というのが本作のコンセプトなんですが、これは前作ではできなかったことだったからこそ、今回徹底的にやろうと思っていました。

【まり探】

――『2』で描きたかったこととは?

山﨑:御剣の葛藤っていうのが柱としてありまして、それに裏テーマとして“親子の絆”というものを入れました。それはもう、いろいろなキャラの親子関係を描きました。

――新システム“ロジックチェス”が生まれた経緯を教えてください。

江城:これも、僕が新システムを入れてほしいというオーダーをしたからなのですが(笑)。マジメに話しますと『逆転検事』らしく、かつ“ロジック”とは違う形の新規のシステムがほしかったんです。

山﨑:『1』の時は“現場捜査”が『逆転裁判』とは異なった要素として入ってきて、そこにロジックという御剣らしい要素を入れました。ただ、対決のシーンは『逆転裁判』の尋問システムを引き継いでいましたので、そこに御剣らしいプラスαを入れられないかと思ったのが“ロジックチェス”の出発点です。そこで僕がイメージしたのが、法廷などで証人に対して御剣が質問をして証言をさせるシーンでした。それをヒントに、もっとプレイヤー側から能動的に攻撃していくようなシステムが作れないかと考えまして。でも、そこから実現するまでがものすごく大変でしたね。最初に江城と岩元さんに説明した時は、おもしろさをまったく感じてもらえなくて……。

江城:本当にまったくわからなかったですね(笑)。

山﨑:その時はちょっとイラっとしましたが(笑)。でも今思い返すとそりゃそうだなと。システムとして全然固まっていなくてイメージ先行だったので、それをどうやって落とし込むかに半年以上の時間をかけました。

【まり探】 【まり探】
▲『2』から登場した“ロジックチェス”は、かたくなに口を閉ざす証人から証言を引き出していくシステム。証人に少しでも不審な点があれば、隙を逃さずに追撃しよう。しかし時には様子を見ることも必要に。

――ロジックチェスは時間制限が設けられているので、確かに運まかせの当てずっぽうは厳しいですよね。

山﨑:そうですね、時間制限という1つの“かせ”をはめて、その中で頑張ってもらおうと。現場で出会う証人は証言を拒否しているので、こっちがムダなことばかり聞いていたらイライラして帰ってしまうこともできる。そういう意味では、“時間制限”がぴったりハマるようなシチュエーションだったというのもあります。でも、これまでの『逆転』シリーズではなかった要素なので、入れるかどうかかなり悩みました。

江城:かなりイレギュラーだと思います。じっくり考えさせるはずのアドベンチャーゲームで、時間制限を設けることは普通なら考えられない。でもここのさじ加減は現場にすごく気を遣ってもらったので、当てずっぽうにさせない、ちゃんとユーザーに考えてもらえるレベルの足かせだと思っています。チェスのコマを1個壊すごとに、減った制限時間も回復しますし。ただ最初はやっぱり手探りですので、試行錯誤を何度も繰り返して今の形に落ち着きました。

――個人的には、矢張とのロジックチェスでコマが4つ出てきた時に、「もうちょっと心開いてよ!」って思いました……。

山﨑:そうですね、親友なのに(笑)。

江城:矢張は4つでも簡単なんですよ。意外と弱いから大丈夫です(笑)。

――制作中、苦労した点はありますか?

江城:苦労してない点なんてないですよー。『2』はすべてにおいて苦労しました!

山﨑:普通続編というのは楽になるはずなのですが、シナリオも大変でしたしグラフィックも大変でしたねぇ。いやぁ、本当に苦労の連続でした……。

――な、なるほど。では楽しかった点は?

江城:開発の後半あたりから、より作り込んでブラッシュアップしていく段階で、目に見えてクオリティが上がっていった時は、見ていてすごく楽しかったですね。

山﨑:確かに後半になってクオリティが上がっていった時は、気持ちがすごく高ぶって楽しかったです。

岩元:僕は、おもしろいネタをひねり出した時だけ楽しかったですね。何かネタを思いついて、それを山﨑くんに伝えて「おお!」って言われるまでの間――本当にその一瞬だけ(笑)。そこからそのネタを実現していくのはすごく大変なので。

山﨑:シナリオも似たようなものですけどね。アイデアがわっと出てきた時は楽しいんですが、それをシナリオに落とし込むのはすごく大変ですから。

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