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2011年7月7日(木)

監督・錦織敦史氏が放送直前に語った! アニメ『アイドルマスター』を作る難しさ

文:電撃オンライン

 本日7月7日の深夜にTBSで放送がスタートするアニメ『アイドルマスター(以下、アイマス)』。今夏注目のこのタイトルを、監督・キャラクターデザイン・シリーズ構成という3役で支えている人物が、錦織敦史氏である。

 『天元突破グレンラガン』や『パンティー&ストッキング with ガーターベルト』といった人気アニメのキャラクターデザインを手がけ、『アイマス』では監督に初挑戦している錦織氏は、実は古くからの『アイマス』ファン――プロデューサーさんでもある。

 今回は、『電撃マ王 8月号』(6月27日発売)でお届けした錦織氏のインタビューのロングバージョンを掲載する。このインタビューは、放送直前となる6月上旬に行ったものだ。アニメ放映を目前に控えた錦織氏が語った、『アイマス』をアニメにする難しさとは? アニメが気になっている人は、ぜひとも読んでもらいたい。

『アイドルマスター』 『アイドルマスター』
『アイドルマスター』 『アイドルマスター』
▲いよいよ本日TBSで放送される第1話。そのカットを少しだけ、どこよりも早く先行公開!!

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■『アイマス』との出会い、アニメ版を作る難しさ

『アイドルマスター』

――錦織監督は以前から『アイマス』ファンだったとお聞きしましたが、いつごろ『アイマス』と出会われたんでしょう。

 最初のアーケード時代から『アイマス』というゲームがあるということは知っていました。キャラデザインの窪岡俊之さんがアニメのお仕事もやっていて、『ジャイアントロボ』とか僕の好きな作品にも参加されていたんです。ガイナックスの作品にも昔から参加されていて、すごい好きなクリエイターさんなんです。その窪岡さんがキャラデザインした、3Dの女の子がダンスするゲームがあるっていうのは知っていて。

 でも、アーケードに足を運んで遊ぶということはなくて、よく遊んでいた同僚の話を聞いていたんです。それがXbox 360になるというときに「コレはちょっとすごいぞ」ということで見せてもらったのがきっかけですね。でも最初は「3Dでしょ? 女の子は2Dに限るよ!」って思っていたんですけど(笑)。

――アニメーターというご自身の仕事柄、でしょうか。

 そうですね。そういうプライドもあって、ちょっと斜に構えてPVを見たんですが、モーションとポリゴンの作り、モデリングのすごさに見入ってしまって。そこで「ちょっとアニメ業界ヤバイかも!?」と思うぐらいの衝撃を受けたんですよね。

 それでニコニコ動画に投稿されるダンス動画なんかも見て、次に「じゃあどんな子がいるんだろ?」と思って、キャラにも興味を持ちはじめたんです。そこでやっとゲームを買って、『グレンラガン』のものすごい忙しいときだったんですが、つい全キャラのエンディングを見てしまいまして(笑)。だから『アイマスSP』が出たときも「ちょっと仮眠してくる……」って言って、仮眠部屋で寝る時間を削って、また全キャラクリアしてっていう(笑)。

――いつもお仕事が忙しいときに『アイマス』が、という感じですね。

 もう癒やしでしたね。ファンであるプロデューサーさんたちの二次創作を含めて、『アイマス』の世界がどんどんふくらんでいく流れはネットで見ていて、「なんかいいなぁ」と思っていました。僕は僕で「でももっと、このアイドルたちを生かしたものを作ってみたいなぁ。できたら公式で」というのは、そのころから思っていたんです。

 ダンスとかビジュアルもインパクトがあったんですけど、このアイドルの住み分け、配置というかキャラ付けがすごくしっかりしていて、ゲームで描かれるプロデューサーと1対1の主観目線だけで終わらせるのはもったいない素材だと。このアイドル同士をもっと絡ませられるメディアがあったらいいな、というのは漠然と思っていましたね。

『アイドルマスター』

――アイドル同士の会話は、ドラマCDとかラジオで補完していた部分が大きいです。

 そうですね。『アイマス』はゲーム本編にないネタが多いんですよね。今、アニメを作っていても拾いきれない、どこで発生したのかわからない要素は多いです。しかも、それが公式なのか非公式なのかを調べて、取り入れるか考えるところからはじまるっていう。

――プロデューサーさんや声優さんたちの作った要素を公式で一部取り入れる。そういう土台が『アイマス』の歴史にはありますね。

 その懐の深さというか、遊びの広さが『アイマス』のすごくよいところだと思うんですが、逆に今回アニメを作るにあたって、それはそれで全部カバーすべきかというと難しいところで。そこはちょっと悩んでいますね。

――今回、初監督作品となりますが、今までの作品とのかかわり方と、どんな部分が変わりましたか。

 「自分の担当している話だけ見ていればよい」とか、「脚本だけ見ていればあとはいいや」とか、そういう次元ではなくて。いろんなところに手を出してなるべく『アイマス』らしくなるように、少しでも『アイマス』感を残すことを目指しています。これが監督の仕事かわからないんですが、今回は“管理する責任”かなと思っていて。シリーズ演出の高雄統子さんにも手伝ってもらっていることではあるんですけど。たぶんいろんなことに対して『アイマス』であるということを管理する、という役割でしょうか。

 ただ『アイマス』感を統一するっていうのは、やっぱりたいへんですね。アニメはものすごい人数で作るので、みんなに『アイマス』を全部知っていてくれっていうのは無理な話なので。その中で「どれだけ春香が春香でいられるか」とか、空気感が『アイマス』でいられるか。そこが今回監督に手を上げた、自分がやれることなのかなと思っていますね。

――ご自身のアイドル感がしっかりしていても、それを現場に下ろしていくというのは、とても難しいことですね。

 そうですね。アニメが5~6人で作れるなら、もう好きな5~6人で集まってやればいいんですけど、やっぱりそれぞれの『アイマス』があるだろうから、それはそれで大変だと思うんです(笑)。スタッフの中にも『アイマス』を好きな人はいますし、アニメ業界内には「ちょっと忙しくて参加できないけど『アイマス』好きだよ」っていう人が多くて。そういう人たちから、「こういう風にしてほしい!」とか、ちょくちょくプレッシャーをかけられますね。すごく“試されている感”が強い作品で、このハードルの高さは何なんだと(笑)。

 とはいえ、やっぱり自分が思うものをちゃんと作っていくのが一番――それが自分にできる一番の正義かな、と思って、それを信じてやっています。

→ビジュアル、シナリオ……どう作っていく?(2ページ目へ)

(C)NBGI/PROJECT iM@S

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■TVアニメ『アイドルマスター』
【放送局】TBS、MBS、CBC、RKB、BS-TBS
【放送日時】
 ・TBS……2011年7月7日より木曜25:25(翌1:25)~ (※初回放送は26:10~)
 ・MBS……2011年7月14日より木曜26:40(翌2:40)~
 ・CBC……2011年7月14日より木曜26:00(翌2:00)~
 ・RKB……2011年7月19日より火曜26:25(翌2:25)~
 ・BS-TBS……2011年7月30日より土曜25:00(翌1:00)~

【スタッフ】(※敬称略)
 原作:バンダイナムコゲームス
 キャラクター原案:窪岡俊之
 監督・キャラクターデザイン:錦織敦史
 シリーズ構成:待田堂子・錦織敦史
 シリーズ演出:高雄統子
 総作画監督:飯塚晴子・髙田 晃
 色彩設計:中島和子
 美術監督:薄井久代
 撮影監督:那須信司
 音響監督:菊田浩巳
 音楽:高田龍一(MONACA)
 音楽プロデューサー:中川浩二(NBGI)
 編集:三嶋章紀
 制作:A-1 Pictures
 オープニングテーマ:『READY!!』 歌:765PRO ALLSTARS 作詞:yura 作曲・編曲:神前暁(MONACA)

【キャスト】(※敬称略)
 天海春香役:中村繪里子
 星井美希役:長谷川明子
 如月千早役:今井麻美
 高槻やよい役:仁後真耶子
 萩原雪歩役:浅倉杏美
 菊地真役:平田宏美
 双海亜美・双海真美役:下田麻美
 水瀬伊織役:釘宮理恵
 三浦あずさ役:たかはし智秋
 四条貴音役:原由実
 我那覇響役:沼倉愛美
 秋月律子役:若林直美
 音無小鳥役:滝田樹里
 他

関連サイト

『アイドルマスター』特集ページにアクセス!

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