2011年7月8日(金)
ネクソンは、PC用オンラインA・RPG『メイプルストーリー』の大型アップデート“ルネッサンス”を今夏に実装する。新しい遊び方を提供するルネッサンスは2回に分けて実施され、7月13日が1次アップデート“モンスターファミリア”、8月が2次アップデート“名工の道”となっている。
日本オリジナルコンテンツとなるモンスターファミリアをはじめ、これまでのプレイスタイルを激変させてしまうようなコンテンツが満載のルネッサンス。その魅力について、ネクソン ライブ1開発2室室長 イ・ヒヨン氏、メイプルチーム チーム長 ファン・ソンヨン氏、ネクソンゲーム運用5チームリーダー 中西啓太氏の3名に話を聞いてきた。
▲左から中西啓太氏、ファン・ソンヨン氏、イ・ヒヨン氏。 |
――今回、モンスターファミリアなどの日本オリジナルコンテンツを実装することになった経緯をお聞かせください。
イ・ヒヨン氏(以下、イ):今までは、新しいコンテンツは先に韓国で導入してから日本で導入することが中心で、韓国で反応がよかったものは、大体日本でも反応がいいと思います。ですが、日本で評判がよいコンテンツは確かに独特なものがあります。過去には、“ハンターへの道”とか、日本専用のコンテンツがありました。その反応がかなり前向きなものが多かったので、今年は日本プレイヤーの好みに合わせたコンテンツをサービスしようと思っております。
それで、韓国のコンテンツを導入する場合も、そこから少しバランスを調整したり、日本のプレイヤーを考えて新しく作り直したりするものが多く、その成功に合わせたコンテンツとして、日本のプレイヤーの皆さんが楽しくプレイできるようにしたいと思いました。
――日本ですごく評判がよければ、海外のサービスでも導入されるのでしょうか?
イ:今回のアップデートも評判がよければ、海外の他のサービスにも導入することが考えられます。
――『メイプルストーリー』のモンスターは500種類以上登場するようですが、モンスターファミリアですべてのモンスターをペットにできるのでしょうか?
ファン・ソンヨン氏(以下、ファン):一部の強力なボスモンスターなどを除いて、ほとんどのモンスターをファミリア化できますので、自分の好きなモンスターをペットにできますよ。
――序盤で登場するメイプルキノコなどは、とてもカワイイですが、やはり弱いのでしょうか?
ファン:基本的にモンスターファミリアはモンスターの時のレベルに比例して強くなる傾向はありますね。でも、日本のプレイヤーにもメイプルキノコなどは人気がありますし、低レベルでも人気のあるモンスターが活躍できるように、イベントなどで特殊なメイプルキノコなどを出していきたいですね。通常タイプよりも強くして、ちょっと凶悪な外見になるかもしれませんが(笑)。
▲倒したモンスターが落とす“ファミリア”を獲得することで、そのモンスターを召喚して、ともに戦うことができる。モンスターにHPはなく、“気力”がある限り行動可能だが、気力は時間の経過で減っていく。 |
――モンスターファミリアでは、モンスターの育成も可能なのでしょうか?
ファン:モンスターファミリアは、固定のステータスを持っており成長はしません。調教師のスキルでモンスターのステータスを育てることが可能ですが、これはあくまでおまけという感じで、急激に強くなったりすることはないですね。基本的には、プレイヤーのレベルが上がることによって、さまざまな種類のモンスターを集めて冒険する、というのがこちらで考えているプレイスタイルです。調教師は育成だけでなく、フィールドのモンスターを捕まえてファミリア化することができます。
――強いモンスターほど捕まえるのが難しいという。
ファン:モンスターをファミリア化するために必要な材料を手に入れるのが難しくなり、高レベルの狩猟家や等級の高い調教師が必要になります。
――モンスターの魂を吸収して強くなる“魂の武器”ですが、剣や弓などいろいろな形状があるのでしょうか?
ファン:基本的に魂の武器というのは、武器と強力なモンスターを合体させるという概念ですので、どんな武器でもモンスターの魂があれば、魂の武器にすることができます。例えばザクムの魂を手に入れたとしたら、刀でも弓でもザクムの魂がついている武器にすることが可能です。
中西啓太氏(以下、中西):どの武器でも“魂の書”を付けることで魂の武器が作れます。さらに、ボスのスキルが封じられた玉を魂の武器に付けることでができます。魂の武器でモンスターを倒すと、その魂を吸い取ることができ、魂が満タンになるとボスのスキルを使えるようになります。
――ザコモンスターを倒して魂を満タンにしておいてからボスモンスターにスキルを使う、といったプレイもできるのでしょうか。
中西:吸い取った魂は画面に数値で表示されますが、それは一定時間継続してためないと、どんどん減ってしまいます。モンスターを倒して魂を満タン状態でキープしながらボスへたどりつけば、スキルを使うことができます。スキルはボスモンスターから入手できるようになります。
▲モンスターのピエロルーパンを倒し、魂を吸い取っているところ。頭の上の光が魂だ。 |
――今回追加される新スキルについて教えてください。
ファン:エヴァンには一定時間、友軍のグループ員の回避確率を増加させる“オニキスの加護”が。アランには、裁きの斧みたいなものを落として多数の敵を同時に攻撃する“棍棒ジャッジメント”などが入ります。デュアルブレードには、前方の敵1体に致命傷を与える連続攻撃ができる“ファントムブロウ”などが追加されますね。名工の道アップデートが、生活や生産を中心にしていますので、モンスターファミリアのスキル改変では戦闘を補強するという意味で、攻撃のスキルを入れました。
――ほぼすべてのスキルの改変が行われるということですが、やはりプレイヤーの要望で実施されるのでしょうか?
イ:スキル改変に関しては、韓国版で入った修正になります。サービスが長くなるにつれて、プレイヤーの職業間のバランスを定期的に調整しており、今回もその延長になりますが、特に英雄の攻撃スキルを強化しています。というのも、最近は冒険者やシグナスよりも英雄職が少なくなっている傾向があります。英雄職にデメリットがあるという間接的なフィードバックではないかと思いまして、強化することになりました。
――“未来の扉遠征隊” を1日1回の制限にした理由を教えてください。
イ:この未来の扉は、170レベル以上が挑戦できる高レベルのプレイヤー向けマップになっています。このマップで入手できる武器も最上のレベルになりますので、しばらくは制限を設けることで、強力な武器が大量に出回らないようにしました。
――難易度ですが、たとえば170レベル以上のキャラが18人フルでそろっていても、失敗する可能性も高いんですかね。
イ:パーティ内の職業の組み合わせや装備品、アイテム、プレイヤースキルなど、さまざまな要素が考えられますが、170レベル以上のキャラクターというだけでは攻略は難しいと思います。
中西:今までは、ピンクビーンっていうボスモンスターが一番強いんですが、それも実装してから討伐されるまでけっこう時間がかかったんですよ。プレイヤーさんのブログなどを見てみると、作戦やパーティメンバーの編成など、いろいろな作戦を練って挑戦されているようです。そういったユーザー間のコミュニケーションが活性化するコンテンツになると思っています。
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