ドラゴンを狩ることに集中できる至れり尽くせりの親切設計！ 『セブンスドラゴン2020』プレイレポート

文：電撃オンライン

　セガから11月23日にいよいよ発売となるPSP用RPG『セブンスドラゴン2020』。ひと足お先に本作をプレイしたキャナ☆メンが、プレイレポートをお届けします。

　『セブンスドラゴン2020』は、2009年にDSで発売されたRPG『セブンスドラゴン』に続くシリーズ最新作です。ドラゴンの襲来により、人々が滅亡の危機にさらされる！　というストーリー開始時のシチュエーションは同じながらも、今作の舞台は西暦2020年の東京。ドラゴンの襲撃で変わり果ててはいるけれど、新宿都庁や渋谷、池袋といった耳慣れた場所で、新たなストーリーが展開します。現実世界の名残りある世界観はなじみやすく、前作をプレイしていなくとも問題なくゲームに入っていけるはず。

　ゲーム自体は、主人公や仲間を自分でキャラメイクしてダンジョンに挑む！　というスタイルの硬派な（？）RPGです。マップの端々まで埋めたくなる自分。未達成のクエストはないかと何度も確認してしまう自分。悪い子を探すようにドラゴンを探す自分。宝箱も救助を待つNPCも……と、まるで嫁のアラを探す姑のように、隅々までやり残しを探しながらゲームを進めていく、そんなやり込み心をくすぐるRPGではないかと思います。

▲ダンジョンマップはマス目タイプではないですが、漏れがないようにマッピングしていく遊びは、前作や昔ながらのRPGに共通している部分があるかと思います。

▲キャラメイクは、ボイスの声優陣が豪華なのが特徴。好きな声優さんがいるようであれば、その声を聞いてからイメージをふくらませてキャラメイクするのもアリかと。

　というわけでこの記事では、カウント数的には半分以上のドラゴンを狩るところまでプレイしたキャナ☆メンが、おもしろいと感じたストーリー、キャラクターのやり取り、ゲームシステムのそれぞれの部分について、感想を書いていきます。よろしければ最後までお付き合いください。

■現実世界が舞台だからこそ強く感じるストーリーの魅力

　さて、「前作をプレイしていなくても大丈夫」なんてセリフは、プレイレポートじゃ常套句すぎてうさんくさいんだよ！　と先ほどの文に突っ込みを入れてくれた方はいたでしょうか。自分で書いておいてなんですが、あの言葉だけでは私自身もうさんくさく感じます。ということで、まずはストーリーの魅力から語りたいと思います。

▲変わり果てた東京のマップ。ドラゴンの力で各地の地形が大きく変化し、フロワロという異世界の花に覆われています。

　ストーリーのあらすじを簡単に書けば、宇宙から来た謎の生物“ドラゴン”に世界中が侵略され、日本も98％をドラゴンに支配されてしまった！　その絶望的状況の中から、日本の命運を託された主人公たち“ムラクモ”の反撃が始まる……といった内容です。プレイして私が魅力的に感じたのは、絶望的な状況に置かれた人間たちの悲喜こもごもが描かれているという点です。

　例えば、私がプレイした中で一番心に残っているのは、人命救助に従事する自衛隊のある小隊長が、任務に失敗した時の無念を語ったエピソードです。砂漠でマモノに襲われている夫と子どもを救ってほしい――小隊長はその願いをかなえられず、プレイヤーには2つの選択肢が提示されます。「今回は、仕方なかった……」と「この失敗の分も、他の人を助けよう」。軽い気持ちで後者を選択した私の胸に、小隊長の言葉が刺さりました。「……他の人ではダメなのだ。亡くなった2人の代わりには、なれない」と。数字の問題ではなく、救助を待つそれぞれの人が誰かにとって掛け替えのない存在である、という話です。

　このエピソードを体験して、私の中で『セブンスドラゴン2020』の世界の出来事が、にわかにリアリティを増しました。ドラゴンという理不尽な破滅に追い詰められ、できることを懸命に頑張る人もいれば、不満ばかりを訴える人もいる。命を落とす人も大勢いる。きれいごとばかりじゃない人間の感情が、メインストーリー中でも、クエスト中でも、単なる会話の中でも感じられるんです。舞台が東京という現実世界だから、ドラマ性をより強く感じられるのもあると思います。そして、こういった部分でのドラマやストーリーは、前作をプレイしていたかどうかに関係なく楽しめるはずです。長いですけど、これが「前作をプレイしていなくても大丈夫」と書いた理由であり、『セブンスドラゴン2020』のストーリーに感じた魅力です。

▲人々を守る自衛隊に代わり、ドラゴンと戦うムラクモの機動班。両者の間には当然さまざまな思いがあって、ゲームではそれが深く描かれています。

▲直接ストーリーやクエストには関係のない人々の会話からも、さまざまな思いをうかがえます。できるだけ多くの人に話しかけるのがオススメ！		▲そしてNPCの中でも、男気を感じるセリフを放ってくれるのが、先輩ムラクモのガトウさん。渋い！

■キャラクター間の小さなやり取りが楽しい！

　と、シリアスな話を最初にドーンと書きましたが、キャラクターとのやり取りの中にいろいろと楽しさがあるのも『セブンスドラゴン2020』です。「悲喜こもごもが描かれておもしろい」と書いたわりに、ほとんど“悲”に近いことしか感想を書いてないですしね。

▲お気に入りのキャラはNAV3.7。名前を自分で決められるので、最後に“～たん”と付ければ、ムラクモ中のアイドルに！

　序盤から味わえる喜びとして書いておきたいのが、やっぱり“キャラ弁”のこと。――そう、あの日はボスとの激戦で疲れ果てていたんです。ベッドに倒れ込むようにして体を横たえた、明くる日。NAV3.7に叩き起こされて寝ぼけ眼で見たものは……な、なんとテーブルの上に置かれた手作り感あふれる弁当の包み！　しかもハシと一緒に挟まっているのは、NAV3.7からのメッセージカード！　こ、これって俺の嫁弁当ぢゃないかぁーー!!

　かなり妄想、もといロールプレイが入ってますが、話の展開によっていろいろなNPCが自室に手作り弁当を置いていってくれることがあります。メッセージ付きで。ささやかではあるけれど、これってうれしいです。妄想浮かべるだけじゃなく、アイテムとしても使えますし。それと“食材セット”というアイテムがあれば、自分でキャラメイクした仲間に弁当を作ってもらうこともできます。それって何が得なの？　という話ですが、好きな声優さんのボイスで弁当を作ってもらえるんです。

　キャラメイク時に選べるボイスを担当した声優さんは、男性15名＋女性15名の計30名。作ってもらう相手の声は、男性でもオッケー、女性でもオッケー。そこに萌えがあるのか、燃えがあるのかはプレイヤー次第。キャラクターの手作り弁当、略して“キャラ弁”はブラヴォーですよ！（※注：キャラ弁なんて呼び方は、ゲーム内ではされていません）

▲クエストの中には、特定のNPCにスポットを当てたものもあります。それと、ゲームを進めると、プレイヤーキャラクター同士がデートを楽しめるような施設も作れるらしい！　らしいというのは、22時間以上プレイしてもまだ作れていないからなのですが……。

→ドラゴン狩りをおもしろくするゲームスシテム（2ページ目へ）

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関連サイト

• 『セブンスドラゴン2020』公式サイト