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2011年12月16日(金)

【電撃PlayStation】BUMP OF CHICKEN ロングインタビュー――『FF零式』テーマソング『ゼロ』に込めた想い、そして『FF』シリーズの思い出

文:電撃PlayStation

曲作りのときは「僕ららしくあること」を心がけました(藤原)

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――『FF』のテーマソングを、男性のアーティストが歌うのは初めてですね。

藤原:すごくうれしいですね。でも、発売前までは、直井君が言ったような「信じられない、夢じゃないか」って思いのほうが強くて、現実味がなかったです(笑)。

――ゲームタイトルの主題歌を手がけるにあたり、心がけている点や意識している点はありますか?

藤原:“僕ららしくあること”です。僕らが今までやってきた音楽を聴いてオファーしてくださったわけですから、やっぱりこれを提示できなければダメだろうと思っています。僕たちの作品が好きで、あちらもその音楽を求めてくださっているという大前提がありますから。

具体的に台本を読んだりしているわけではないので、作品寄りにしようとするとかえって頭でっかちになってしまうかもしれないし、そこはインスピレーションが大事なんじゃないかなと思います。今回はキャラクターの画が、僕のなかですごくインスピレーションになりました。その画のイメージはすごい大きかったです。

――その画というのは?

藤原:主人公格のキャラクターが、武器を持って一同に介したものです。今は旗を掲げたものがありますが、当時は旗もまだなくて、キャラクターだけのイラストでした。旗はたぶんCGになってから付いたのではないでしょうか。で、僕は彼らの名前とかも、どんなストーリーを負うのかも知らずに、今年に入ってから書き始めました。戦争モノだということはわかっていたんですが。

――作曲は順調に進んだほうですか? それとも苦労されましたか?

藤原:順調だったと思いますよ。早かったと思います。

――『ゼロ(期間限定盤)』にはスクウェア・エニックスさんが編集したオリジナルMVが入っていますが、そちらをご覧になられたとのお気持ちは?

藤原:完全にこちらからお願いしてやってくださったんですけど、もう、ね?

直井:その映像見て一番興奮してるのは僕らなんですが、BUMP OF CHICKENがどんなバンドか知らず、『零式』のために「じゃあ買ってみようかな」って思ってる人でも、映像が素晴らしくてイマジネーションがすごい湧くと思うのでぜひ見ていただけたらなと思います!

――見どころなどを聞かせてください。

直井:バハムートや、魔法防御してる人たちが、魔導アーマーにやられてしまうところがあるんです。曲とリンクしていて、そこがちょっと泣けるんですよ。あと、CDのジャケットもファンの方だったら「これはいい」と思ってくれるんじゃないでしょうか。ジャケットを表裏ぜんぶ、眺めてみてください。すごく豪華な仕様になってます! スリーブケースの「BUMP OF CHICKEN」のところが凸凹になっていたり、パールホワイトに輝いたり、『FF』をすごく意識して作られています。

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――曲名の“ゼロ”とは、どういったイメージでつけられたのでしょうか?

藤原:僕が曲を書いたときは、まだタイトルがない状態でした。でもゲームのタイトルが『零式』になる前に、『ファイナルファンタジー ゼロ』にする予定だったと、僕とプロデューサーは聞かされていたんです。スタッフさんたちは“ゼロ”という言葉に深い思い入れがあるようでしたし、それをタイトルにしたらどうだろうというプロデューサーのアイデアで今のタイトルになりました。

――曲のオファーは、フルバージョンとオープニングバージョン両方でお願いされたのですか?

藤原:オファーは主題歌というだけで、それがどこでどう使われるか、どういうテンションの、どういうものがいいとかっていうのはまったくありませんでした。でもオープニングで流すのなら、バージョン違いでオープニングに合うような形で作れるかもしれないと伝えたら、ぜひ聴いてみたいと言っていただけたので、そうして作ったのがオープニングバージョンです。だからオープニングバージョンのほうは音選びから歌い方まで、『FF』の世界観を1人のファンとして大切にしています。

●『FFII』をプレイしたとき「僕は『FF』シリーズが好きかもしれない!」という自覚が芽生えました(藤原)

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――ジャケットの裏には『FF』シリーズ初期のドット絵で描かれたメンバーキャラがいますが、これは?

直井:このプロジェクトが始まる前から、ずっと「これになりたい」って夢があったんです。『FF』が好きな方だったら一度は空想するんじゃないかなと思うんですが。それで伝えるだけ伝えてみて、断られたらそれはそれで構わないつもりでスクウェア・エニックスさんにお願いしたら、1発目にこれが上がってきたんですよ。ほかにも仲間同士になっていたり、0組(クラスゼロ)の制服を着せていただいたり、もういろんなバージョンを作っていただきました。で、調子に乗って「瀕死のバージョンも作ってください」って注文もしてしまって(笑) もうぜんぶ快くやってくださいました。

増川:本当にもう、何回かお願いしましたね。「じゃあこれも!」って。

藤原:やっぱり制服を着せてもらったのはうれしかったですね!

直井:あと僕らがよく使っているBUMP OF CHICKENのエンブレムがあるんですけど、これもドットにしていただいたんです。なので、「これを使って何かできないか」と考え中です。

――ぜひ動いているところも見てみたいです(笑)。

直井:でもさすがにそこまでは言えなかったので(笑)。「バンザイ」だけでも、それどころの騒ぎじゃなくなりますから。

藤原:「バンザイ」したら、リアルでバンザイですよね。

直井:4人のドット絵が紙で送られてきたときは、うれしすぎて部屋にババッと貼りましたから! 「これオレだからな!」って(笑)。

――このキャラで『FF』を遊べたら楽しそうです。

直井:これでプレイしたいけど、僕自身はものすごく弱いことになっていると思うので(笑)。HPは1で、つねに瀕死状態ですね。コマンドが一応『かくれる』と『にげる』が用意されてます(笑)。

藤原:あと『おもいだす』があります。忘れっぽいので。

直井:でも思い出す内容も昨日の夕食(笑)。

――メンバーのみなさんは『FF』シリーズをかなりやりこんでいるということですが。

升:ほかのメンバーにくらべたら、僕はまだまだですね。

直井:ゲーム自体やらない子なんですよ。でも『FFIII』だけはクリアしてました。

升:今回のお話をいただいたときも、詳しい話を直井君から「男性ボーカルがやるってことは初めてなんだぞ!」と、熱いレクチャーをいただきました(笑)。

直井:「もっと知っておかないと先方に失礼だぞ!」と、勉強する気持ちでね。

――みなさんが初めてプレイされた『FF』作品を、それぞれおうかがいしてもいいですか?

藤原:僕は『FFI』でしたね、ファミコンの。小学2年生のときに母がやっていて、よくわからないけど僕もやってみようと思ったんです。でも怖くて、難しかった。モンスターのサハギンが怖くて、「そんないっぱい出てこなくても!」って思いながら遊んでいました。そうしたら『FFII』が出たんです。「これは大人のゲームだ!」というのが僕の『I』の感想だったんですけど、『II』はキャラクターの個性が強くなり、名脇役もいっぱい出てきて、お話にもすんなり入れました。気がついたら『Ⅰ』よりものめり込んで遊んでいて、「僕は『FF』シリーズが好きなのかもしれない!」という自覚が芽生え始めていたらしく、『III』が発売されるときには、最初から「やりたい!」と思っていました。

――最後のクリスタルタワーはつらかったのではないですか?

藤原:つらかったですね。エキドナやアーリマンとか、ツーヘッドドラゴンは「このタイミングでそんな敵出てくるのか!」、「こいつら鬼だ!」って思っていました。でもちゃんと鍛えてあったので、クリスタルタワーは初見でクリアできましたよ。

――そのときはどんなパーティで?

藤原:忍者・忍者・賢者・賢者です。ラグナロクとエクスカリバーと円月輪と、たしか正宗を装備して。たしか、ぜんぶ禁断の地エウレカで取れるやつですよね。あと賢者2人には、だいたい『バハムル』か『ケアルガ』を使わせていました。

――シリーズはほとんどやりつくしているのでしょうか?

藤原:『FFX』までは遊んでいます。でも『FFX-2』からは仕事で自分が忙しいときにかぶってしまい、途中までやっても途中から曲作りをしないと、という感じになってしまって。追々やろうと思っています。『FFXIII』も、その前の『FFXII』も買ってあるんですけど。

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――思い出に残っているキャラクターはいますか?

直井:『FFVIII』のラグナです。僕は『VIII』が1番好きなんですよ。ラグナとジュリアの恋物語からあんなにストーリーが広がっていくとは思わなかったですし、あとラグナの男像にめちゃくちゃ憧れますね。ユニークなんだけども芯がしっかりしてて、気がついたら大統領になってる(笑)。スコールと会う瞬間とかもたまらないですよね。その対応とかも「男だなぁ!」って思いました。

藤原:僕はまずガーランドと、アストス、マトーヤ。『II』だとリチャード、ミンウ、レイラ、レオンハルト。どのキャラも登場シーンが鮮烈ですよね。レオンハルトは再登場シーンとかも。うーん、止まらなそうなのでこの辺でやめときます(笑)。

――ではメインキャラ格で1人だけなら?

藤原:では『II』の話が出たので、レオンハルトで。ちょっとダークヒーローな感じが好きですね。やっぱり『II』は、「『FF』が好きなのかも」と思うきっかけになったソフトなので思い入れが深いです。どれが1番面白いかっていうと選べませんが。

――『II』では、熟練度上げのために仲間同士で攻撃し合ったり?

藤原:しましたね(笑)。間違いなくやってました!

――当時はまだネットがそれほど普及してなく、友達同士で攻略情報を交換し合ったりすることが多かったですね。

藤原:『II』のときは、僕の小学校のクラスにはまだ遊んでいる人がいなくて、『FFIII』から一気に増えました。「パーティのジョブどんな感じ?」とかいろいろ話しましたが、『FFII』は僕しかやってなかったですね。母くらいでした。

――やや大人向けという印象があった?

藤原:そうですね、ゲームの世界観も、パッケージのデザインとかもそうだったと思います。

――升さんはいかがでしょうか?

升:『III』だとあまりキャラが出ていませんが、『FFIV』もやっているのでセシルが好きです。暗黒騎士ってかなりショッキングでしたが、逆にカッコいいって思ってましたね。苦悩してるけど、強いしカッコいいし、このままでいいんじゃないかと。でも試練の山のエピソードは、すごい好きです。

増川:僕も『IV』でカインとか言おうかと思ってたんですけど言われちゃった(笑)。ほかには『FFX』の主人公のティーダですね。それにリュックも、ボイスが付いたこともあって、めちゃめちゃ好きになってました。それにオープニングにも驚きました。『FFVII』のときもそうでしたが、映像の進化ってすごいですよね。

――『X』はPS Vitaでも出る予定ですね。

直井:楽しみに待ってます!

増川:成長システムとか好きだったので、ぜひやり込みたいですね。

――年末に発売されるPS Vitaについてはどう思われていますか?

増川:ものすごく欲しいです! PS Vitaはメンバー内でも常に話題に上りますね。パネルの操作できるかな、慣れるかなとか。

3ページ目では、メンバーがなりたい『FF』ジョブを聞いちゃいました!→

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(C)2011 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN:TETSUYA NOMURA

データ

▼CD+DVD『ゼロ』期間限定盤
■発売元:トイズファクトリー
■品番:TFCC-89349
■発売日:2011年10月19日
■価格:1,500円(税込)
 
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