2011年12月9日（金）

海外の女の子に人気な理由とは？ 3DS『クッキングママ 4』開発陣にインタビュー

■【プレイの効果】親子のコミュニケーションや食育につながります

――「プレイした子供が実生活で○○するようになった」というユーザーからの声はありますか。

T　プレイした子供たちが料理に興味を持って、一緒に料理を作るようになったという声を、親御さんから聞いたことはあります。他によく聞くのが、子供たちが長時間集中してプレイしているという声ですね。1つのミニゲーム（手順）は30秒～1分くらいで終わるし、繰り返し同じ手順をプレイできるので、例えば切る手順がおもしろいと感じたら、何回でもプレイしているのかもしれません。またプレイしていると新しいレシピが次々に登場するので、興味が尽きないのでしょう。あとは、まだうまく操作できない小さい子供たちが、完成した料理の画面を嬉しそうに母親に見せにくるといった声も聞きます。親子のコミュニケーションの役に立つ「おもちゃ」であってくれれば嬉しいですね。

M　プレイすると、沢庵漬けが大根から作られるとか、ホタテの貝柱は貝のフタを開けてヒモを取ることで作られることなどがわかるので、食育にもつながると思います。アメリカでも「子供向けに推薦するソフト」のような賞をいただいたことはあります。


▲例えばうめぼしは、ヘタを竹串で丁寧に取り除き、アク抜きしてから入れ物に塩とともに漬け込み、晴れの日に干す。普段食べているものがどうやって作られるのかがよくわかる。

■【3DSで発売したわけ】長期間売れ続けるソフトだからです

――『クッキングママ 3』まではタイトー（現：スクウェア・エニックス）が発売元でしたが、『クッキングママ 4』から自社ブランドでの発売となりましたね。

T　昨年の夏ごろにタイトーさんの家庭用部門がスクウェア・エニックスさんに吸収合併されたのを機に、自社でパブリッシャーとしてやっていこうという判断をしました。ただ流通まではできないので、現在もスクウェア・エニックスさんに協力していただいています。イベントでは直接子供たちと接することが多くなったので、労力が必要にはなりましたが、生の声を聞くことができるチャンスだとも思っています。

――『クッキングママ 4』の発売日が12月1日となった理由は何でしょうか。

T　アメリカでは、サンクスギビングデイ（11月第4木曜日）の翌日のブラックフライデーのセールに間に合うよう、その直前に発売しました。ヨーロッパは11月25日に発売しました。日本では、12月からクリスマスセールが始まるので1日に設定しました。主に子供たちがゲームソフトを買ってもらえる時期が、クリスマスや誕生日ですので、購入候補に入れてもらえればと考えています。

――シリーズで初めて、3DSでの発売となった理由は何でしょうか。

T　新しいハードなのでこの先も販売台数が伸びていくという判断と、このシリーズは長期間売れ続けるタイプのソフトなので、3DSで発売することにしました。リスクヘッジのためにDSでも同時に開発することも考えたのですが、最終的には3DSの1本に運命をかけました。

■【3DSならではの体験】「驚きと発見」というテーマ

――すべての内容が3D立体視に対応しているのでしょうか。

M　フライパンでハンバーグをひっくり返すシーンや、料理を失敗して具材がボールの外に飛び出すシーンなどの要所で3D立体視を使い、メリハリをつけています。いきなり立体視でハンバーグがひっくり返って驚かせたり、料理の達成感を上げたりする狙いもあります。また長時間3D表示で見ていると、目が疲れやすくなる可能性があるということも考慮しています。


▲ステーキをひっくり返す工程では、上画面までステーキが飛んできたときに3Dになる。初めてプレイした時は驚いた。

――その他、3DSの特徴を使った遊びもできるのでしょうか。

M　これまでのシリーズと同じようにすべてタッチペンで操作できますが、3DSならではの隠し要素としてモーションセンサーやスライドパッドを使った遊び方を加えました。料理の開始前にママが虫眼鏡を掲げた時は、そのような操作も可能になるので、いろいろと試して発見してほしいですね。

――そのほか『クッキングママ4』で新たに変わった要素はありますか。

Y　例えば料理が黒こげになるとママも被害を受けるようになり、顔も真っ黒になります。また卵の殻を割るのに失敗して中身を落とすと、なぜかママの顔に卵がかかります（笑）。

M　ママとプレイヤーが一緒に料理をするという一体感を出すために入れました。

――食材や料理のリアルさについて、進化した点はありますか。

T　DSよりも解像度が上がっているので、よりグラフィックはキレイになっています。

M　食材や料理のリアル度も上がっているので、「このゲームを遊んでいるとお腹が減ってくる」と感じてくれると嬉しいですね。シリーズをとおしてですが、実際に食材を切って観察したり料理を試食したりしていますし、素材を焼いている音なども、実際に料理している音を参考にしています。


▲左から、焼きハマグリ、キスと野菜の天ぷら、骨付きラムチョップ。立体感があると、料理がさらにおいしそうに見える。60レシピと200以上のミニゲームを収録。