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2012年4月21日(土)

『Simcity』の復権来たる! 細かくて楽しい都市開発シミュが10年ぶりに帰ってきた

文:電撃オンライン

 エレクトロニック・アーツは、イギリス・ロンドンで開催された“EA Showcase”にて、都市開発シミュレーションゲームの元祖とも言える『Simcity』の最新情報を公開した。

 『Simcity』シリーズは、1989年にMac OSで初代が発売されて以来、さまざまな機種に移植が行われながら続編が登場し、今作は6作目となる。日本では、初代『Simcity』をわかりやすくアレンジしたスーパーファミコン『シムシティ』、2003年にPCで発売された『シムシティ4』の人気が高い。

 ゲーム内容は従来シリーズと変わらず、プレイヤーが街の市長となって、さまざまな建築物や鉄道網、道路などを構築しながら、シムと呼ばれる住人たちを増やして、街を拡大させていくのが目的だ。発売日は2013年、対応ハードはPCのみ。

 それでは10年の時を経て新しくなった『Simcity』はどこが違うのか見ていこう。なお、今回公開された画面写真はいずれもコンセプトアートであり、実際のゲーム画面とは異なる。


■3Dエンジンの刷新でさらに美しく!

 今作でまず目をひくのが、完全に3Dで描画された美しい街並みだ。現時点のグラフィックはまだ最終段階ではないというものの、『Simcity』らしい建物の描写ながら、違和感がない街の風景として見て取ることができる。

 今作の特徴は、この美しい3Dグラフィックに加えて、“GlassBox”と名付けられた新しいシミュレーションエンジン、そしてシリーズ初登場となるマルチプレイの3つ。

 シミュレーションエンジンのGlassBoxは、街中で起こりうるさまざまな事象をシミュレートするエンジンで、「Simulation as Superpower」という言葉どおり、かなりの計算能力を要するエンジンである。しかし、10年という時を経て、PCの性能も大きく向上しており、それゆえに実現できたエンジンであるという。

 ゲーム中は、自宅から外に出たシムの1人1人に対して、彼らの行動や目的などが逐一シミュレートされる。この様子は“Data Rayer”と呼ばれる機能を使い、個々の感情として見ることができる。また、Data Rayerは人や車、電力の動きなども見ることができ、街中のどこで渋滞が起きているか、どこに電力が届いていないか、警察の影響が及ぶ範囲はどこまでか、といった点をリアルタイムで観測することができる。

 イベント会場では、今作の開発を担当しているMaxisのBret Berry氏とJason Haber氏による、実際のゲームプレイを交えてのプレゼンテーションが行われ、これらの要素を実際に目で見ながら確認することができた。

▲Maxisのバイスプレジデント&GMを務めるBret Berry氏(左)と、プロデューサーのJason Haber氏(右)。

 Bret氏によると、ユーザーからのフィードバックで多かったのが“道路を曲線で作りたい”というもので、今作ではこれにきっちりと応えている。Jason氏がマウスをドラッグしながら、自由に動かすと、その軌道に合わせて瞬時に道路が敷設された。その後、敷設された道路に沿って、大雑把に宅地造成を指定することで、すぐに住宅の建設が始まった。この手軽さは、あたかもPhotoshopでマグネット選択ツールを使って、範囲指定をしているかのようだ。

 ちなみにこの後、この住宅に街の外から入居者が引っ越し用トラックとともに現れるのだが、Jason氏が道を細く作りすぎてしまったため、トラックからの荷下ろしで渋滞が起きてしまっていた。こうした細かい描写も見ていて楽しくなるポイントだ。


■街をよくして住人の不満を解消させていく

 次にData Rayerで街全体を見てみると、街の一角で不満が起こり続けていることがわかった。Data Rayerを電力に切り替えると、ここに電力が届いていないことが確認できる。街の北に風力発電所が1つあるのだが、電力供給が追いついておらず、そこまで電力が届いていないようだ。

 そこで街の郊外に火力発電所をもう1つ作成することで、電力の供給が始まり、街全体に電力が行き渡るようになった。発電所は風力、火力の他に原子力発電所なども作ることができる。Bret氏は、「それぞれの発電所にはメリットとデメリットがある。ゲームの中でも両面を考えていきたい」と語った。

 また、マップ内には集落という単位でいくつもの街を作ることができる。発電所の供給能力が足りている場合は、送電線を設置することで、他の街にも電力を供給でき、発電所をいくつも作らずとも済むようになっている。

 電力と同様に、警察や消防署なども影響力が及ぶ範囲が設定されており、警察の目が届きにくい地域では住宅のそこかしこにグラフィティが描かれ、いかにも治安が悪そうな街並みになってしまう。デモで見ることができた街並みは、人々の不満が募り続け、道路にはパトカーが昼夜問わず走り回るという、無法地帯のような状況になっていた。

 また、ゲーム内に登場する“困った人”として、明らかに様子が怪しいシムが紹介された。バニング模様が描かれた車で、大音量で音楽を流して暴走を続けた後、とあるマンションに入っていってガソリンを撒き、なんと放火をし始めたのである。この時、ガソリンが撒かれる音がいやにリアルだったのが印象的だ。火を感知して一斉に逃げ出す住人、中には火が燃え移ってしまったシムも描かれていた(あくまでコミカルに)。こうした状況で、消防署の影響力が届かない地域では、建物が全焼してしまうだけでなく、周囲の建物に燃え移ってしまうため、早急に消化しないと街全体が危険になってしまう。

 以上のような問題発生から解決までのプロセスは、街中のいたるところで発生するわけだが、こういった要素をどうするかがシリーズの醍醐味である。問題が起こる前にその原因を取り除いたり対処したりと、ピタリと思い通りに物事が進んだときが、そしてそれにより、街の発展が順調に進むことが、シリーズの楽しさだと言える。


■友だちとオンラインでつながって楽しむ都市開発とは

 マルチプレイについて、今回のプレゼンテーションでは詳細を語られることはなかったが、友だちの都市と協力して電力の供給を行なってもらったり、人の行き来を通じて交流を行ったりなどの要素が明らかになった。また、貿易などの要素も取り入れることで、「実際の世界を反映させたかった」とJason氏は語った。

 このマルチプレイは、友だち、招待したユーザー、すべてのプレイヤーの3種類で設定できる。なお、今作はつねにオンラインにつながっている状態が必要であり、オフラインでのプレイはできない。

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 『シムズ』シリーズと並んで、数は多くないながらも日本でも根強い人気を誇る『シムシティ』シリーズ。気になるのは、実際に今作が発売された時に必要となるPCのスペックはどれくらいか、という点だ。従来シリーズでは、つねにその時の最高スペックでもやや力不足といった状態だったため、PCパーツ業界としてもその動向は気になる部分なのではないだろうか。

 Bret氏はこの点について、「今は明らかにできない」と述べるにとどまったが、少なくともそれなりのパワーを持ったグラフィックカードの搭載は必要であると思われる。オプションの設定などで、そこそこのPCでも気軽に遊べる作りになることを期待したい。

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