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2012年6月21日(木)

ユーリスの上腕二頭筋とか……ちょっといい感じ? PS3『アーシャのアトリエ ~黄昏の大地の錬金術士~』読者参加型ロングインタビュー

文:電撃オンライン

●今作のエンディングは個別エンドとキャラエンドの複合型!

――『ロロナのアトリエ』以降、毎年のようにソフトを出し続けている『アトリエ』シリーズですが、出るたびにグラフィック面に限らず細かい部分などが確実にクオリティが高くなっていると思います。1年という長くて短い期間の中で進化し続けるのは大変なことだと思うのですが、モチベーションを保つ秘策などがあるのでしょうか?(mono)

 そのように仰っていただけると本当にうれしく思います。ただ、こうして毎年『アトリエ』を発売できるのは、本当に遊び続けてくださるユーザーさんの存在と、さまざまな面で協力していただいている関係各所、開発スタッフのおかげだと、これも毎年この時期になると感じてしまいます。モチベーションは率直なところ、あったりなかったり、その時の状況によってもさまざまですが、「絶対に毎年発売する」、「その時作れるベストなものをユーザーさんに提供する」、「もっとたくさんの人に『アトリエ』を遊んでもらう」といった願望というか欲求が、我々の原動力になっていると思います。毎度のように言っちゃっていますが、ガストは『アトリエ』を毎年作らないと死んでしまうので。

――『アーランド』シリーズから引き続き岡村ディレクターが担当されるということですが、前情報を見る限り、調合形式は『アーランド』に属性を足したものに見えます。やはり調合方式はグラムナート式の材料を吟味しつつそれに一捻り加えた物になるのでしょうか?(けい)

 材料の吟味については、簡略化された状態で残りつつ、投入順や調合スキルの使用といった要素が大きなウェイトを占める形になったと考えていただければと思います。一つだけ言えることは、『アーランド』で有効だった方法やテクニックは、一部は今回も有用ですが、それだけでは最高のアイテムを作り出すことはできなくなっていますので、また新鮮な気持ちで調合を楽しんでもらえるだろうと自負しています。意図的に裏ワザ的な要素をいろいろな部分に残しているので、ベストな調合のパターンを探してみてください。

――アニメーションはオープニングやエンディングのみですか? 初期のころの『アトリエ』シリーズは、イベントムービーの多さも魅力の1つでしたが。(銀太郎)

 アニメーションのどの部分に魅力を感じるかは人それぞれだと思いますが、恥ずかしながら現在の我々の環境では、モデルを越えるクオリティのアニメーションを用意するには、オープニングに内容を限定するしかない状況です(だからこそ、ティザーやオープニングのアニメーションは非常に高いクオリティで仕上げていただいていると感じています)。3Dモデルを越えるアニメーションを用意することは、期間、クオリティ管理の両面から非常に難しいため、中途半端なクオリティのアニメーションを用意するくらいなら、アニメーションは集中的に絞って作成し、3Dモデルを中心にした演出技術の向上を目指しているというのが現状となります。左さんをせっかくキャラクターデザインに起用しているのに、左さんのデザインが生かされないアニメーションを作ったとしたら、ユーザーの皆さんは喜んでくださるでしょうか。私はそうは思いません。

――一見、イベントシーンに立ち絵がないようですが、実際のところはどうなのでしょうか?(イワンクラスタ)

 今回は従来の紙芝居タイプのイベントはゲーム中にまったく存在しません。隠しているわけではなく、本当に存在しないのです。ただ、イベントの数は前作までのシリーズ同様、500個程度用意されているので、立ち絵がなくなってボリュームも減ったということはまったくありませんので、ご安心ください。この部分は、これまでの『アトリエ』のイメージがどうしても一部古い印象を捨てきれなかったところを大きく変えた要素だと思いますので、引き続きクオリティの向上に努めていきたいと考えています。なお、1枚絵によるイベントスチルはこれまで同様に用意しています。

『アーシャのアトリエ ~黄昏の大地の錬金術士~』

――エンディングの条件が気になっています。『メルルのアトリエ』みたいに条件を満たすキャラエンディングなのか、『トトリのアトリエ』みたいに交友値を満たすとキャラエンディングなのか、はたまた別のタイプなのか。(アリスウィッシュハート)

 今作は個別エンディングとキャラエンドの複合型になっています。これについては前作の皆さんのご意見を元に従来の形に戻した部分の1つです。また、今作ではフラグ管理のみでなく、「条件を満たしたエンディングの中から、自分が見たいエンディングを選択する」形を採用しました。これにより、複雑なフラグ管理や優先順を考えてエンディングの条件を満たす必要がなくなり、条件さえ満たしてしまえば、あとは好きなエンディングを選べる形を実現しています。ですので、ぜひ1回のプレイでできるだけ多くのエンディング条件を満たせるように頑張ってください。

――ゲームクリアには何年以内にという期限はないそうですが、その他のイベント(仲間イベントなどクリアに不必要なイベント)にも発生期限はないのでしょうか?(える)

 正しくは「●年の間に~~をしろ」という明確な目標がないだけで、これまで同様一定期間経過したらエンディングが発生する構造には代わりはありません。イベントについては矛盾が発生しないものについては発生期限は設けていませんが、かといって何もせずにはゲームが進まないのはこれまでの『アトリエ』と同じですので、その部分については、どんどん先へ先へと進みたくなるような設計を目指していますので、「行方不明になったニオを助ける」という目的を目指して、ゲームを進めるように自然となるはずです。

――クリア期限のないゲームでよくある、年数経過で敵が強くなるようなことはありますか? 期限がないからとゆっくりしていたら、大変なことになった経験が他のゲームで何度かあるので気になります。(える)

 基本的に進行に応じて変化する設計になっていますので、何もしなければ強くなることはありません。ただし、かといってこちらの強さに比例して敵の強さが変化するわけではないので、早い段階で遠い地方に行ったりすると、非常に苦労することにはなるかと思います。それでも素材のためには先に進まざるを得ない時がある、それが錬金術士というものです。

――歴代錬金術士の主人公たちは、石鹸などの小物から船の部品といった大掛かりな物までさまざまなアイテムを調合できるのに、武器だけは調合できないのはなぜでしょうか?(KH)

 錬金術士が武器を作れたら、ハゲルさんたちはあの世界には存在していなかったはずです。そういうことです。まあ、半分は拘りの面があります。錬金術士を万能の存在にはしたくなかったり、他の人たちとの交流とかそういった部分も含めて、錬金術士以外にその世界で生活している人たちがいて、その人たちにも仕事があるということを描きたいとか、そんな勝手なこだわりもあります。

――アーシャは武器の調合はできるのでしょうか?(できたらできたで、ハゲルのような武器屋がゲームに出せなくなりそうですが)(KH)

 今作では武器の強化は特定のアイテムを使用することで行います。ハゲルさんが出てこないことと関係は基本的にないはずです。恐らく、今回の世界でも錬金術士が武器防具を合成することはないでしょう。

――『ロロナのアトリエ』にはテラフラムという、そのままでは味方すら巻き込む超破滅的な破壊力とエフェクトをあわせ持つアイテムが存在しましたが、『アーシャのアトリエ』にもテラフラム並みの超破滅的なアイテムは存在するのでしょうか? あと、攻撃アイテムとしての“たる”も復活するでしょうか?(KH)

 「テラフラムを使ったら全滅した、どうしてくれる」というユーザーさんからのクレームがあって以来、味方を巻き込む攻撃アイテムを作るのは二度と止めようと誓った私ですので、今回もテラフラムほどひどいアイテムは存在しません。しかし、前作までになかったいくつかの強力な新アイテムが追加されていますので、演出ともども楽しみにしてください。あと、たるは今回も愛でるだけです、ごめんなさい!

――魔法使いが登場しますが、錬金術士と同じように昔は一般的な種族だったんですか? 錬金術も魔法の一種だと思うのですが、魔法使いは錬金術を使えないのですか?(ゆば)

 これについては壮大なネタバレになりそうなので、詳しくはお答えできません。ただ、どちらの学問にも共通性があったり、この世界的には錬金術が主である部分が大きいこともあって、魔法が錬金術の一部である可能性もあり、まったく別の形で進化してきた学問の可能性もあります。アーシャのゲーム中でも多少言及されている部分がありますが、詳細については今後明らかになっていくかもしれません。

『アーシャのアトリエ ~黄昏の大地の錬金術士~』

――『アーランド』シリーズをプレイしていてイベントやエンディングをもう一度見られる回想モードがあればいいなと思っていたのですが、『アーシャのアトリエ』にはありますか? 左さんのキャラクターデザインや3Dモデルがとても魅力的でかなり期待しています。(りょう)

 ご意見ありがとうございます。残念ながらこれまで技術的な面で問題も多く実現は難しいものと思います。それでも、ご要望が多ければできる範囲で検討させていただきます。モデル鑑賞などの基本的な部分はきちんと用意していますので、こちらも楽しんでいただければ幸いです。

――プレイムービーを拝見しました。今までの調合システムと大幅にかわっていて、観ているかぎりだと複雑そうに感じるのですが、ヘタレゲーマーでもついていけるでしょうか?(25)

 考えて調合するのは面倒という方には「お任せ調合」で一括で調合していただくのがオススメです。また、システム自体も一気にすべての要素が開示されるわけではなく、順番に開示されていくので徐々に理解していっていただけるような構造も目指しましたので、ぜひ気楽に楽しんでいただければ幸いです。

→次のページでは、文鎮とCEROについて岡村ディレクターが語る!(5ページ目へ)

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