2013年3月5日(火)
3月1日~3日にかけて、神奈川県・パシフィコ横浜で開催されたTCG『マジック:ザ・ギャザリング(以下、MTG)』のイベント“グランプリ横浜 2013”。その決勝ラウンドの模様をお届けしていく。
『MTG』の国内開催イベントとしては過去最高の2297人が参加したグランプリ横浜。2日間に渡って、シールドとドラフトの混合フォーマットで全17回戦という熱く、過酷な戦いが繰り広げられた。
▲ベスト8に残った選手たち。左奥から趙天宇選手、Sam Black選手、三原槙仁選手、日比野泰隆選手。左手前から本村和也選手、北山雅也選手、石村信太朗選手、白石知己選手。 |
▲こちらは決勝ラウンドで行われたドラフトの模様。 |
決勝ラウンドはドラフトで行われた。テーブルの周囲にはたくさんのギャラリーが詰めかけ、強豪プレイヤーのカードピックを熱心に見守っていた。ここでは、決勝戦を中心に、ベスト8の選手たちによる決勝ラウンドの模様をレポートしていく。
決勝ラウンドでは、残った8人の中からランダムに対戦組み合わせが決定され、予選の終了時に上位だった選手がアドバンテージとして先手・後手を選択できる仕組みだ。準々決勝では1位のSam black選手の“グルール”ギルド中心の赤緑白デッキが豪快な爆発力を見せ、早々に準決勝進出を決めた。また、2006年の世界チャンピオンである三原槙仁選手も“オルゾフ”&“ディミーア”の白黒青デッキで勝ち、ベスト4へ。
▲2ゲーム連続で理想的な展開をして対戦相手を圧倒したSam Black選手と、相手の動きをさばききって勝利した三原槙仁選手。どちらも大きなイベントで何度も上位入賞経験のある実力者だ。 |
残るテーブルでは2007年の日本王者北山雅也選手が“オルゾフ”白黒デッキで、趙天宇選手が“オルゾフ”“ディミーア”白黒青デッキで勝利し、ベスト4へと駒を進めた。
▲残るべスト4の席に名を連ねた北山雅也選手と趙天宇選手。ほかの選手が2色デッキにほかの色を少し加えているのに対し、北山選手は唯一、完全に2色のみでデッキを構築していた。 |
準決勝の組み合わせは三原選手と趙選手、北山選手とSam選手。白黒青のデッキ対決となった三原選手と趙選手の準決勝は、趙選手が序盤から《雲ヒレの猛禽》や《大都市のスプライト》で積極的に攻め、それを三原選手が《忌まわしい光景》や《天使の布告》といった除去でかわしながら“強請”能力でライフを奪っていくという展開に。
しかし、2ゲームとも要所で趙選手が《ダスクマントルの予見者》《門なしの守護者》といった強力なクリーチャーを引き込み、三原選手を打ち破り、決勝進出を決めた。
▲どちらも強力な制空権を持ったクリーチャー。三原選手も多くの除去呪文で対抗したが、わずかに及ばず準決勝敗退となった。 |
もう1つのSam選手と北山選手の準決勝は、先手を取ったSam選手が序盤から押しまくる展開に。次々と送り出されるクリーチャーが《はた迷惑なゴブリン》によって“速攻”を得て攻撃に参加していく。《はた迷惑なゴブリン》の攻撃を強制されるというデメリットを《門の維持》のタフネス強化と“警戒”付与によって補うというテクニックが炸裂し、1ゲーム目をSam選手がものにする。
▲対戦した北山選手も後で「対処に困った」と言っていた奇想天外なコンボ。通常の構築では見られないカードが強烈な輝きを見せるのも、シールドやドラフトなどの魅力。 |
2ゲーム目は、先手を取った北山選手が《天駆ける進撃》や《不敬の粛清》といった呪文をうまく駆使して、Sam選手のパワフルなクリーチャーによる攻めを完全にいなし《カルテルの貴種》を2体並べて戦場を制圧し、取り返した。
▲クリーチャーのサイズでは劣ってはいるものの、呪文によるサポートで劣勢をはねのけた。特に《不敬の粛清》はSam選手の秘密兵器だった《聖なるマントル》を捨てさせる大活躍を見せた。 |
3ゲーム目はSam選手が土地事故を起こしてまったく戦力を展開できないのに対し、北山選手は《カルテルの貴種》《宮廷通りの住人》とスムーズにクリーチャーを展開し、一気にライフを削り取って勝利。決勝進出となった。
▲白黒青デッキの同系対決となった三原選手対趙選手と、攻撃的なデッキ同士のぶつかりあいとなった北山選手対Sam選手。この結果、趙選手と北山選手がグランプリ横浜の栄冠をかけて決勝を戦うことになった。 |
→いよいよ2,297人の頂点を決める決勝戦がスタート(2ページ目へ)
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