News

2013年3月15日(金)

すべてが輝いていた宝箱のような少年時代がここに――小さな町で巻き起こる大事件の謎を解く3DS『怪獣が出る金曜日』レビュー

文:まり蔵

■町の住人たちは個性派ぞろい? 燕尾服の紳士にはお気を付けください

 そうたは、イマイチ優柔不断なお父さんや働き者のお母さんといった家族以外に、町でいろいろな人たちと出会います。駅前の食堂の親父さん、元気いっぱいなケーキ屋さん、ともに遊ぶ仲間たち、悩みを抱える不良少年、そして淡い恋心をいだくS子ちゃんなど。みんないい人だけど、一筋縄ではいかない性格のキャラクターばかり。

『怪獣が出る金曜日』 『怪獣が出る金曜日』
『怪獣が出る金曜日』 『怪獣が出る金曜日』

 中でもまり蔵のイチオシキャラクターは、怪しげな紳士“フランク”です。緑あふれるこの下町に、ビックリするほどミスマッチな金髪! 燕尾服!! 蝶ネクタイ!!! 怪しげを通り越して不審者ですが、駅前食堂の常連さんという庶民的な一面も……。神出鬼没なこのオッサン、意味ありげなことを言いながら何かとそうたに絡んできます。外見だけでなく言動でもいろいろと笑わしてくれますので、ぜひ彼に注目していただければと。

『怪獣が出る金曜日』
▲どこからどう見ても、怪しい香りしかしないフランク。何やらたくらんでいるようですが……?

 これらのキャラクターと会話を重ねながら、そうたは金曜日に現れるという怪獣の謎に迫っていきます。個人的に印象深かったエピソードは、ひょんなことから自分の家族に関する秘密を知ってしまったそうたが、「お父さんとお母さんが悲しむから内緒にしないと……」と思い悩むシーンです。小さいながらも、両親を思いやる気持ちをちゃんと持っているんですね。そうた、お前いい子だなあ。油断するとつい涙ぐんでしまうようなエピソードが、本作にはたくさん詰まっています。

『怪獣が出る金曜日』 『怪獣が出る金曜日』
『怪獣が出る金曜日』 『怪獣が出る金曜日』

■勝てば親分、負ければ子分? 屈辱を味わいたくなければカード対決で勝て!

 本作には、友人と1対1のカード対決ができる“怪獣カード合戦”システムが搭載されています。対戦には、町中に落ちている“怪獣ピース”を7つ集めると手に入る“怪獣カード”を使用。それぞれのカードには、グー、チョキ、パーのどれかが割り振られており、対決はジャンケンと同じ仕組みになります。あいこの時は、カードの攻撃力を比べて勝敗を決定。同じ種類のカードは、合成をすることで攻撃力を上げることが可能です。怪獣カード合戦の詳しい内容については、“電撃カードゲーム”担当編集のカネキングが書いたコチラの記事をご覧ください。

『怪獣が出る金曜日』 『怪獣が出る金曜日』

 対戦に勝てば親分となり、負けた子はその子分になります。子分は、親分から“呪文”を唱えられると、ある屈辱的なことをしなければならないというペナルティが。確かに子どもにしてみれば、子分になることは屈辱的……かも?

『怪獣が出る金曜日』 『怪獣が出る金曜日』

 まり蔵は根っからの子分気質なので、別に負けてもいいかなーくらいの気持ちで対戦に挑んでいました。が、よくよく聞いてみると、勝ったら相手から怪獣ピースがもらえるらしいじゃないですか。しかも、親分の時じゃないと教えてもらえない情報もあるとか……。親分だといろいろとよいことがあるようなので、とりあえずマジメに対戦することにしました。

 ちなみに結果を言いますと、この怪獣カード合戦、まり蔵は最後まで負けなしでした!(自慢) 「子分でいいとか言っていたくせに、必死か!」というツッコミはナシで。いやー、この手の勝負はめっぽう弱いんですが、この時のまり蔵は神がかっていましたね! 勝つためのコツは“合成”です。あいこの時はカードの攻撃力の高さがモノを言うため、とにかく強化しておくこと。カードが複数枚手に入ったら3枚一気に合成して、力業で勝ちましょう!

→あの要素があれば“神ゲー”だった!?(3ページ目へ)

(C)2013 LEVEL-5 Inc. (C)2013 Millennium Kitchen

データ

▼『怪獣が出る金曜日』
■メーカー:レベルファイブ
■対応機種:3DS(ダウンロード専用)
■ジャンル:SLG
■発売日:2013年3月13日
■価格:800円(税込)

関連サイト