2013年4月18日(木)
ヨコオ:……そろそろメインのお鍋ができあがりそうですね。あとは●●●の話でもして過ごします?
松下:いやいや、やめておきます(笑)。あ、そういえばキャビアはなくなってるんですよね……。
ヨコオ:ええ、もうキャビアじゃないです。まあ、そこらへんの話に突っ込んで、岩崎さんの社会的地位がおかしくなるくらいは、どうってことないんじゃないですかね?
松下:岩崎さん……。『DOD1』のプロデューサーなわけですが、ほんと不思議な人ですよね。
松下:僕ね、あの人だけは絶対に敵に回しちゃいけない人だろうなって思うんですよ。勝手なイメージですけど。
ヨコオ:うん。あの人を敵に回したら本当に終わりますよ。
松下:いつもニコニコしてらっしゃるイメージがありますけど、なんだか不思議なオーラがありますよね。って、いやいや、安井さんめっちゃ笑ってますけど。
安井:いや、みんなにもそう映るんだなーと思ったら、笑ってしまって。
松下:実はそんなことはないとか?
安井:いや、ヨコオさんの言うとおり。敵に回しちゃダメですから。トッテモイイヒトデスヨー!
ヨコオ:白々しいんだよ、君は。でもね、そもそも『DOD1』って、岩崎さんがディレクターの予定だったんですよ。最終的にはプロデューサーって立場になってますけど、最初は岩崎さんがディレクターで、僕はアートディレクターということでプロジェクトが立ち上がったので。
松下:それは初耳かも。
ヨコオ:まぁ、さっきも言ったとおり、岩崎さんはもう1つのプロジェクトで忙しくなりすぎたので、僕がディレクターになったという経緯があるんですよ。だから『DOD』シリーズを誰が立ち上げて作ったのかというと、実は岩崎さんなんですよね。
松下:ディレクターを引き継ぐ段階で、ストーリーラインとかはある程度決まってたんですか?
ヨコオ:いや、全然決まっていませんでした。スクエニさんサイドのプロデューサーの柴さんって、横からいろいろ口を挟んでくる人なんですけど。当時、柴さんってストーリーにはほとんど興味がなくて、全然何も言われなかったんですよ。そのぶん、ゲームシステムとかゲームのボリュームとかはすっごく気にされてたんですけど。だったら、ストーリーは好きにやっちゃおうって。
松下:ボリューム重視ってことだったんですね。
ヨコオ:ボリュームとかゲームシステムをこうしたいって、ずーっとそんな話ばかりが降ってきてましたね。その都度「わかりましたわかりました」って言いながらやって、隙間をぬいながらストーリーのところを自分勝手に。
松下:てっきり、ストーリー重視で作られた作品だとばかり……。
ヨコオ:基本的に、あの頃の柴さんがイメージする『DOD』というのは、一騎当千アクション的なゲームでしたね。その手のゲームはストーリーはあってないようなものだったので、それこそ「中世だったらなんでもいいよ」くらいの気持ちだったんだと思うんです。
松下:何よりもまず、敵を斬って斬って斬りまくる爽快感を重視した、と。
ヨコオ:たぶん、そういうことです。
▲斬って斬って斬りまくる爽快感を追求。たしかに、ほとんど魔法なんかは使わず、剣でゴリ押ししていた記憶が……。 |
松下:そのわりに、『DOD1』ってジャンプがほとんどできないっていう。
ヨコオ:ああ、ジャンプね(笑)。
野村:え? ジャンプなかったっけ?
ヨコオ:正確に言えばありますね。ただ、ほとんどその場でちょっと足を上げるってレベルなので、“ジャンプはない”と言ってしまってもいいレベルではあります。
安井:たしかあれ、「手触り的にジャンプは欲しいよね」って意見が出て、急遽ジャンプがついた気がする(笑)。
ヨコオ:その意見、きっと柴さんだよね。ジャンプをつけたのは柴さんだったと思います。
松下:アクションゲームなのにジャンプ攻撃がないって、なかなか珍しいことだと思うんですよ。逆に斬新。
ヨコオ:なんだろう……なんでああなったんだっけ? プログラム処理が大変だったから、とかなのかな。
安井:いや、柴さんにジャンプをできるようにしようって言われて、「じゃあジャンプっていう仕様をつければいいんでしょ?」って言ってつけたのがアレだったような気がする(笑)。
ヨコオ:うん、僕が言ったんだよねそれ。
安井:そう、あなたが言いました。
松下:あのジャンプって、現実世界のジャンプじゃないですか。ぴょん、って感じ。それが『DOD2』になると、ずばんずばんずばばん! って、剣を振りながら一気に空中へ跳躍できるようになるじゃないですか。それって今やっても気持ちいいんですよ。特に『DOD1』を経由して『DOD2』をやると、そのへんが顕著。
▲ぴょんって飛ぶ感じの『DOD1』のジャンプ。ちなみに、当時攻略記事を担当していた松下としては、このジャンプから攻撃を繰り出せば、“鉄塊”のような攻撃モーションが遅い武器も素早く振れる……的なテキストを書いた覚えがある。でも、今試してみると使い勝手はちっともよくない。 |
ヨコオ:そういう意味では、『DOD2』こそが柴さんの作りたかった『DOD』ですからね。
安井:すごくいろいろ言われましたね。めちゃくちゃこだわってて、ほんとにいろいろと。
松下:プロデューサーって、普通はそんなに口を出すものじゃないのでは?
安井:あの頃は、どっちがディレクターなんだって思ってたくらい(笑)。
松下:おっと。爆弾発言。
ヨコオ:安井さんも声が大きくなったねー。今明かされる『DOD2』柴さんディレクター説。
安井:いやいや、プロデューサーですよ。プロデューサー。
松下:柴さんはご自身の担当タイトルに、すごく愛着があるプロデューサーってイメージですからね。
安井:まあ、二人三脚でしたね。
ヨコオ:よくそんな適当なこと言えるよね。尊敬するわ~。
安井:いやいや。
ヨコオ:ちょっと酔いが足りないんじゃないの安井さん? このへんでもう1杯ビールいっちゃいましょうよ。
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