【まり探】『名探偵コナン』初のザッピングAVG！ 3DS『名探偵コナン マリオネット交響曲』の開発者にインタビュー

文：まり蔵

■ARコナンはかわいいうえにヒントを教えてくれる優れものです

――推理システムでは“ザッピング”や“チーム戦”などが鍵になりますが、制作するうえで苦労した点やこだわった部分などはありますか？

佐々木：ザッピングのゲームと言われて、まず思い浮かぶのは『街 ～運命の交差点～』や『428 ～封鎖された渋谷で～』だと思うのですが、これらはタイムチャートからシナリオを進めて行くのが主体でした。でも今作はチーム戦ということもあり、すべてのキャラクターをずっと見られるような画面構成にしたいなと思って、3DSの下画面に“ザッピングモニター”を設置しました。シナリオを読むのが面倒なシステムにはしたくなかったので、基本的にタイムチャートを使わずに詰まるまでドンドン読み進められるという部分はすごく意識して作りました。

▲“ザッピング”は、登場キャラクターの視点を切り替えてゲームを進めていくシステム。ザッピングできるキャラは3DSの下画面に表示される。

――“真実カード”もザッピングのために導入されたシステムですよね？

佐々木：そうですね。今までは調査などで集めた“キーワード”を謎解きの際に使うという形でしたが、“真実カード”はそこからもう一歩昇華させてみんなが共有で使えるモノとして、システムにもストーリーにもからませられたのでよかったと思っています。

▲事件を調査することで証拠品にあたる“真実カード”を入手でき、犯人にこれを突きつけることで、事件を解決へと導くことができる。カードは約100種類あり、なんてことのない内容のカードが意外な真実へ結びつくことも？

――新システム“ディテクティブタイム”では、わりとゲーム序盤からドキドキハラハラしたのですが、初期の段階から難易度高いですよね……？

井畑：ディテクティブタイムは、最後まで時間調整の部分で悩みましたね。

佐々木：最初は“究極の2択”のような、どちらかを選ばせるという形で考えていたんです。でも、それだとどちらか一方が必ず正解になってしまうので……。「これが正解なのかどうなのか」を推理する頭と、「でも急がないと！」という頭を同居させる新しい何かができないかなと考えた結果、生まれたシステムですね。

井畑：ゆっくり考えていると本当に時間が足りなくなってしまうので、どのくらいの時間ならクリアできて、どのくらいだとクリアできないか、ギリギリのラインを最後まで調整していただきました。

佐々木：開発側は、ついつい時間設定を厳しめにしてしまうんですよね（笑）。

――ディテクティブタイムで間違えて選択肢が破壊された時に、連打で復活する細かいギミックは、数々のアドベンチャーゲームとアクションゲームを作られてきたスパイク・チュンソフトさんならではだなって思いました（笑）。正直、難しかったです。

井畑：タイムチャートで戻りましたか？

――も、戻りました……。あと、今回セーブをオートのみにした理由を聞かせていただけますか？

井畑：途中でシナリオを読むのを止めないで、あのポイントまでは一気に読み進めてほしいという思いはありましたね。

佐々木：そのために、1シーン1シーンはそれほど読むのにストレスがないくらいの時間にしています。ですから、どんどん読み進めていただきたいですね。

▲次々と表示される問いに対して○か×で答えていく“ディテクティブタイム”。時間が限られているためじっくりと考えている余裕はなく、間違いが続くとタイムオーバーになってしまう。

――ARコナンはどういった経緯で生まれたのでしょうか？

井畑：前作がDSとPSPで、今作から3DSという新しいハードになりましたので、それなら3Dの機能をぜひ使おうと。ヒント機能は元々入れるつもりでしたので、3Dのコナンがヒントをくれたらおもしろいんじゃないかという話になり、ARのコナンを出す形になりました。

――ARコナンは、衣装を着せ替えられるんですよね？

井畑：通常の衣装に、初回封入特典の正装、そして映画『名探偵コナン 絶海の探偵』の衣装ですね。劇場版は、パンフレットにARカードが載っていまして、コナンが水兵さんルックになります。

佐々木：着せ替えだけじゃなくて、コスチューム独自のかわいらしいモーションも用意していますので、ぜひ撮影してください。

――ARコナンはゲームに詰まった時にヒントをくれますが、今回謎解きの難易度はこれまでの作品より高めに設定されているのでしょうか？

佐々木：そうですね。今まではシナリオを読んでいると、誰が犯人だとかどういう手口だったとか、結構答えに近い感じで示していたんですが、今作はそれよりもワンランク上を目指しました。謎をどう解き明かしていくか楽しんでいただくために、ちょっと難易度は上げています。

井畑：その分、行き詰まったままにならないよう、ヒントはかなりわかりやすくなっていますので、わからないままにはならないと思います。

▲付属のARカードをカメラモードで読み取ると、画面上に3Dになったコナンが登場し、さまざまな表情やポーズを見ることができる。初回生産分には特典としてARコナンの追加衣装“正装”が付いてくる。

→次のページでは、追加コンテンツについて伺いました。（4ページ目へ）

(C)青山剛昌／小学館・読売テレビ・TMS 1996 (C)2013 NBGI
※画面は開発中のものです。

データ

関連サイト

• 『名探偵コナン マリオネット交響曲』公式サイト